スタートアップ企業採用の完全ガイド!フェーズ毎の採用手法や成功事例を紹介。
日本の経済を牽引する新たな原動力として、スタートアップの重要性が日々高まっています。しかし、革新的なアイデアと情熱だけでは、ビジネスは成功しません。スタートアップの成長と成功の鍵を握るのは、適切な人材の確保と育成です。
多くのスタートアップが直面している最大の課題の一つが「採用」です。限られたリソースの
中で、いかに優秀な人材を見つけ出し、魅力的な職場環境を提供して長期的な成長を共に目指すパートナーを獲得するかが非常に重要になってきます。
そこで本記事では、スタートアップ企業におすすめの採用方法をフェーズ毎に分けて紹介します。
目次
スタートアップ企業の採用が難しい理由
スタートアップ企業の92%が最初の3年間で廃業すると言われています。さらにその中でも下図のように、人材の採用が課題で廃業したスタートアップは18%と多くの割合を占めています。
では、なぜスタートアップ企業にとって採用は難しいのでしょうか。その理由は大きく分けて5つあります。
- 人手不足
- 知名度不足
- ノウハウ不足
- 予算不足
- 業務内容や福利厚生への不安
人手不足
スタートアップ企業は通常、少人数で運営されているため、専任の採用担当者を配置することが困難となります。多くの場合、創業者や経営陣が他の重要な業務と並行して採用活動を行わなければいけないため、採用プロセスに十分な時間とエネルギーを割くことができず、効果的な人材獲得戦略の立案や実行が難しくなります。
また、既存の従業員も自身の業務で手一杯であることが多く、採用活動への協力や新入社員の教育に時間を割くことが困難な状況にあります。このような人手不足は、質の高い採用活動を行う上で大きな障壁となっています。
知名度不足
スタートアップ企業は、大手企業や有名ベンチャー企業と比較して知名度が低いことが多く、求職者の目に留まりにくいため、応募を検討してもらうことさえ難しいです。仮に同じ条件で求人を出しても、知名度の高い企業に人材を奪われてしまうことが少なくありません。
また、知名度の低さは企業の信頼性や安定性にも関わるため、優秀な人材が応募を躊躇する原因にもなります。なので、スタートアップ企業は自社の魅力や将来性を効果的にアピールする必要がありますが、それ自体が大きな課題となっています。
ノウハウ不足
多くのスタートアップ企業では、効果的な求人広告の作成方法、適切な選考プロセスの設計、面接技術、候補者の評価基準の設定など、採用に関する様々なノウハウが欠如していることが多いため、企業のニーズに合った人材を見極め、適切に評価し、獲得することが困難になっています。
また、採用後のオンボーディングプロセスや人材育成のノウハウも不足しがちで、せっかく採用した人材の早期離職につながるリスクも高くなっています。
予算不足
スタートアップ企業は通常、限られた資金で運営されているため、採用活動に十分な予算を割り当てることが難しくなります。有料の求人サイトの利用、人材紹介会社の活用、採用イベントの開催など、効果的な採用活動には一定のコストがかかります。
しかし、多くのスタートアップはこれらの費用を捻出することができず、結果として採用活動の範囲や質が制限されてしまいます。また、競争力のある給与や福利厚生を提供することも難しく、優秀な人材の獲得においてさらなる不利を被ることになります。
業務内容や福利厚生への不安
スタートアップ企業は、自社の情報を十分に公開する余裕がないことが多く、求職者に対して透明性のある情報提供ができていないケースが少なくありません。採用サイトが整備されていなかったり、具体的な業務内容や福利厚生制度が明確に示されていなかったりすることで、求職者の中で不安や疑問が生じやすくなります。
特に、スタートアップ特有の柔軟な働き方や急速な変化に対応できる環境といったポジティブな側面が伝わりにくく、逆に長時間労働や不安定な雇用といったネガティブなイメージが先行してしまうことがあります。この不透明さが、優秀な人材の応募を妨げる大きな要因となっています。
スタートアップの採用を成功させるための7つのポイント
では、スタートアップが採用を行うためにはどうすれば成功させることができるのかについてのポイントを7つ紹介します。
- 会社のビジョンを整える
- 経営者が採用にコミットする
- 全社的にに採用に取り組む
- 会食や懇親会を行う
- ブランド認知を獲得する
- オフィスの立地と室内環境にこだわる
- フルリモート勤務を可能にする
1. 会社のビジョンを整える
会社のビジョンは、求職者が働きたい会社を選ぶ際の重要な判断基準となります。なので、スタートアップにとって、魅力的で明確なビジョンを持つことは非常に重要となります。例えば、サイバーエイジェントの「21世紀を代表する会社を作る」というビジョンのように、求職者の心をワクワクさせ、未来への期待を抱かせるものが理想的です。
ビジョンの策定は、単なるキャッチフレーズ作りではありません。会社の存在意義や目指す未来像を深く考え、全社員が共感できるメッセージを作り上げることが必要となります。このプロセスには経営陣だけでなく、全社員を巻き込むことで、より強力で共感性の高いビジョンを生み出すことができます。また、定期的にビジョンを見直し、時代の変化や会社の成長に合わせて更新していくことも大切です。
2. 経営者が採用にコミットする
スタートアップの経営者は多忙であり、採用活動に時間を割くことが難しいと思いますが、優秀な人材の獲得は会社の成長に直結する重要な活動であり、経営者自身が積極的に関与する必要があります。
具体的には、経営者が自身の業務時間の約3割を採用活動、特に面接に充てることが推奨されています。ただし、1回の面接に長時間を費やす必要はなく、30分程度の簡潔な面接を行い、必要に応じて2回目の面接を設定するなどを行うことで、効率的に時間を使いながら採用活動を行いましょう。
経営者が直接面接を行うことで、候補者に会社のビジョンや文化を直接伝えることができ、また候補者の適性を経営者の目線で評価することができるため、会社の方向性に合った人材を確実に見極めることができます。
3. 全社的に採用に取り組む
採用活動は特定の担当者だけの仕事ではなく、全社員が関与すべき重要な活動です。特に、リファラル採用(社員紹介による採用)を成功させるためには、全社員の協力が不可欠です。
社長を含む全社員が自身のネットワークを活用し、積極的に候補者を紹介する文化を作ることが重要です。そのためには、リファラル採用に対する適切な評価制度や報酬制度を設けることで、社員のモチベーションを高めることが効果的です。
また、現在の社員の満足度が高いほど、質の高い候補者が集まりやすくなる傾向があるため、社員満足度の向上に努めることで、間接的に採用活動を支援することにもなります。成功している企業では、中途採用者の2~3割がリファラル採用によるものだと言われています。
4. 会食や懇親会を行う
面接だけでは見えない候補者の人柄や価値観を知るためには、会食や懇親会を積極的に行いましょう。食事の場では、よりリラックスした雰囲気の中で本音の会話ができ、お互いをより深く理解することができます。
特に、採用したいと強く感じた候補者に対しては、必ず会食の機会を設けることをオススメします。この場で、会社の良い点だけでなく、課題や困難な点も率直に伝えることで、互いの期待値を適切に調整することができます。
フルリモートの働き方を採用している企業では、対面での会食が難しい場合もありますが、そのような場合でも、オンライン上でのカジュアルな懇談の機会を設けるなど、面接以外のコミュニケーションの場を確保することが重要です。
5. ブランド認知を獲得する
企業としての認知度は、採用活動の成否に大きく影響します。データによると、新卒・中途採用の60%が知っている会社に入社しているとされています。つまり、会社の認知度を上げることは、より多くの優秀な候補者を引き付けるために不可欠な要素と言えます。
ブランディングには、会社のビジョンや理念、事業内容、社風などが含まれます。これらを効果的に外部に発信するためには、専門的なスキルが必要となる場合があります。予算に余裕がある場合は、広告代理店やクリエイティブエージェンシーに依頼することで、より洗練されたブランディングが可能になります。
一方、予算が限られている場合は、SNSを活用した自社でのブランディング活動が効果的です。LinkedInやX、Instagramなどのプラットフォームを使って、会社の日常や社員の声、事業の成果などを定期的に発信することで、企業の魅力を伝えることができます。
理想的なアプローチとしては、専門家に全体的なブランディング戦略を任せつつ、日々のSNS発信は社内で行うという組み合わせが効果的です。
6. オフィスの立地と室内環境にこだわる
オフィスの立地と環境は、企業イメージに大きな影響を与える要素となります。有名なビルや好立地にオフィスを構えることで、「あのビルで働きたい」という憧れを喚起し、採用力を高めることができます。
ただし、一等地のオフィスは高コストになりがちなので、駅から少し離れた場所や定期借地のビルなど、コストパフォーマンスの良い物件を選びつつ、立地と内装の美しさのバランスを取ることが重要です。
オフィス選びの際は、現在の事業規模だけでなく、5年後、10年後の会社のビジョンを見据えて決定することが大切です。将来の成長を見越した適切な投資は、長期的には採用活動にも良い影響を与えることでしょう。
7. フルリモート勤務を可能にする
フルリモート勤務の導入は、採用活動にも大きなメリットがあります。実際に、フルリモート勤務を提供している企業は、そうでない企業と比べて採用確率が2倍以上高くなるというデータもあります。
フルリモート勤務の最大の利点は、地理的制約を取り払うことで、より広範囲から優秀な人材を獲得できることです。例えば、東京の企業が地方在住の優秀な人材を採用する際、従来であれば転居の問題が障壁となっていましたが、フルリモート勤務であればこの問題を解決できます。
ただし、フルリモート勤務の導入にはマネジメントの難しさなど、新たな課題も生じます。これらの課題に対処するため、適切なコミュニケーションツールの導入や、定期的なオンラインミーティングの実施、成果主義の評価システムの構築などが必要となります。
フルリモート勤務を導入することで、単に応募者の母数が増えるだけでなく、ワークライフバランスを重視する優秀な人材や、独自のスキルを持つ専門家など、多様な人材を引き付けることができます。
フェーズごとのスタートアップ採用ステップ
事業が成長するにつれて適切な採用手法も変わってきます。なので、自社が今どのフェーズにいて、どのような採用を取り組むべきなのか理解しましょう。
ここではスタートアップ企業における各フェーズごとに、採用ポイントを解説した上で最適な採用手法を紹介します。
創業期(1~10人)
創業期は、企業がアイデアを形にし、事業を立ち上げる初期段階です。この時期は、リスクと不確実性が高く、迅速な意思決定が求められるため、少人数のチームで多様な役割をこなしながら、会社の基盤を築くことが重要です。経営者が直接採用活動に関与し、会社のビジョンを明確に伝えることで、企業文化の基礎を形成することができます。
創業期の採用ポイント
創業期の採用ポイントは以下になります。
- 会社のビジョンを伝える
- 経営者が積極的に採用活動を行う
- マルチタスク人材を探す
会社のビジョンを伝える
会社のビジョンを明確に整理し、求職者に伝えることが重要です。ビジョンは採用媒体やランディングページなど、求職者とのあらゆる接点で露出させることで、共感を得やすくなり、会社と共に成長したいという意欲のある人材を引き付けることができます。
経営者が積極的に採用活動を行う
創業期の企業にとって、人材確保は最優先事項の一つです。経営者自身が積極的に採用活動に関わることで、会社の方向性や文化を正確に伝えられます。また、候補者の質問に具体的かつ迅速に回答できる経営者の存在は、会社への熱意や情熱を直接伝える上で非常に効果的と言えます。
マルチタスク人材を探す
創業期は限られた人数で多くの業務をこなす必要があるため、多様な業務をこなせるマルチタスク人材が求められます。専門性よりも、学習能力や適応力を重視し、新しいことに挑戦する意欲のある人材を探しましょう。ただし、採用条件のハードルを高くしすぎると応募者が減少する可能性があるため、バランスを取ることが大切です。
創業期の適切な採用手法
創業時の最適な採用手法は以下になります。
- 経営陣によるリファラル採用
- インターンやアルバイトからの採用
- SNS採用
経営陣によるリファラル採用
経営陣の人脈を活用したリファラル採用は、信頼できる人材を低コストで獲得できる効果的な方法です。この段階で社員を巻き込んでのリファラル採用を行なってしまうと、企業文化のズレや期待値調整が難しくなるため、基盤ができるまでは経営者が行うことをおすすめします。
リファラルには以下のメリットがあります。
- 信頼できる人材を低コストで採用できる
- 会社の文化や価値観に合う人材を見つけやすい
- 紹介者が候補者の適性を事前に判断できる
なので、この期間中に採用基準を明確にしましょう。
インターンやアルバイトからの採用
インターンやアルバイトを経験した人材を正社員として採用することで、以下のメリットが得られます。
- 実際の業務を通じて適性を見極められる
- 候補者も会社の雰囲気や業務内容を理解した上で入社を決められる
- 正社員化までのステップを設けることで、リスクを軽減できる
すでに会社や事業に対する知識がある状態なので、教育コストを抑えられるのも大きな利点といえます。なので、インターンやアルバイトを獲得できるチャンスがあれば積極的に活用していきましょう。
SNS採用
SNSを活用して採用を行うことで、低コストで広範囲にアプローチすることができます。
SNS採用には異可能ようなメリットがあります。
- 低コストで広範囲にアプローチできる
- 企業の魅力や文化を直接発信できる
- 若手人材へのリーチに効果的
経営者だけでなく社員も積極的に会社について投稿することで、候補者を獲得できます。ただし、効率的な運用には専門知識が必要なため、SNS運用代行会社の利用も検討するとよいでしょう。
SNS採用については以下の記事にて詳しく解説してるので、参考にしてみてください。
SNS採用とは?成功事例6選と小さくても効果が出るコツを解説
また、おすすめのSNS採用代行会社は以下の記事にて詳しく解説しています。
SNS採用代行おすすめ15選比較!タイプ別の選び方から比較ポイントまでご紹介。
成長期(10~30人)
成長期は、事業が軌道に乗り始め、売上や顧客基盤が急速に拡大する段階です。市場シェアの拡大と競争の激化が特徴的であるこの時期には、より専門的なスキルを持つ人材が必要となり、組織文化の確立と維持が課題となります。なので、効率的な採用プロセスの構築や、採用チャネルの多様化を行なっていくフェーズとなります。
成長期の採用ポイント
成長期の採用ポイントは以下になります。
専門性のある人材を獲得する
成長期には事業の拡大に伴い、各部門での専門知識やスキルを持つ人材が必要になります。専門性の高い人材を採用することで、業務の質と効率を向上させ、さらなる成長の基盤を築くことができます。
例えば、マーケティング、財務、技術開発など、各部門に特化したスキルセットを持つ人材を戦略的に採用していくことで、さらに事業を拡大させることができるでしょう。
組織の文化を確立し維持する
成長期には、単にビジョンを共有するだけでなく、会社の価値観やミッションを明確に定義し、それに共感する人材を獲得することが重要です。組織文化は会社の独自性や競争力の源泉となるため、採用プロセスにおいても重視すべき要素です。面接時には、候補者の価値観や仕事に対する姿勢を慎重に評価し、会社の文化との適合性を見極めることが大切です。
また、既存の社員に対しても、組織文化の浸透と維持に努めることで、一貫性のある組織づくりを進めることができます。
採用プロセスを構築する
成長期には、経営者だけでなく、採用担当者や面接官の育成が重要になります。経営者自身が実施した評価基準を共有し、会社にフィットする人材を経営者が不在でも獲得できる体制を整えることが重要となります。
具体的には、以下のような取り組みが効果的です。
- 面接官向けのトレーニングプログラムの実施
- 統一された評価基準やインタビューガイドラインの作成
- 定期的な採用プロセスの見直しと改善
- 採用データの分析と活用
これらの取り組みにより、一貫性のある採用プロセスを構築することができ、会社の成長に必要な人材を効率的に獲得することができます。また、採用プロセスの標準化により、採用の質を維持しつつ、採用のスピードと規模を拡大することが可能となるでしょう。
成長期の適切な採用手法
成長期の適切な採用手法は以下になります。
- 採用媒体や人材紹介会社の活用
- 社員によるリファラル採用
- 採用LPの構築
- 採用ピッチ資料の作成・設置
採用媒体や人材紹介会社の活用
成長期には、より広範囲の候補者にアプローチする必要があるため、採用媒体や人材紹介会社を活用することで、時間をかけずに効率的に採用活動を行うことができます。
採用媒体や人材紹介会社を利用する際には、以下のポイントに注意しましょう。
- 求人サイトや人材紹介会社を利用し、幅広い候補者層にアプローチする
- 専門性の高い人材を効率的に見つけるため、業界特化型の採用媒体も活用する
- コストはかかりますが、求める人材を効率的に獲得できるメリットがあります
採用媒体や人材紹介会社は多岐に渡り、それぞれで特徴や強みが異なってきます。おすすめの人材紹介会社は以下の記事にて詳しく解説してるので、参考にしてみてください。
【タイプ別】人材紹介会社17社一覧|採用の流れや料金相場まで解説
社員によるリファラル採用
創業期には経営者自らリファラル採用を行うことで、コストをかけずに自社に合った人材を獲得できると解説しましたが、成長期になるとある程度の採用基準や企業文化の形成が行えているため、社員がリファラル採用を行いましょう。全社的にリファラル採用に力を入れることで、コストを最小限に抑えながら質の高い人材を数多く確保することができます。
このフェーズでのリファラル採用を行う場合には以下のポイントに注意しましょう。
- 社風に合う人材を効率的に採用でき、定着率も高くなる傾向がある
- 紹介制度を設け、社員の積極的な参加を促す
- 社員のモチベーションを高めるため、評価制度を設けて全員で取り組める環境づくりが必要
- 採用基準については経営陣を中心に構築する
これらを踏まえて全社的にリファラル採用を積極的に行なっていきましょう。
採用LPの構築
採用専用のランディングページ(LP)を作成することで、会社の魅力や働く環境を直接的に伝えることができます。採用LPでは、基本的に会社の内部まで見えるように社員の働き方や職場環境などを魅力的に伝えることを意識して構築しましょう。
採用LPを作成する際には以下のポイントに注意しましょう。
- 会社の魅力や求める人材像を明確に伝える
- 企業文化や働き方、成長機会などを具体的に紹介し、候補者の興味を引く
- 視覚的に会社の魅力を伝えることができる
- 社内にエンジニアやデザイナーがいない場合は、専門の会社へ依頼することも検討する
採用LPは欲しい人材を獲得するために非常に有効な手段ですが、作成するためには専門の知識とエンジニアの存在が必須になってきます。もし、社内にエンジニアがいない場合やノウハウがない場合には外部への委託をおすすめします。
おすすめの採用LP制作会社は以下の記事にて詳しく解説しているので、参考にしてください。
採用サイト制作会社おすすめ15選一覧比較!選び方から比較ポイントまで紹介
採用ピッチ資料の作成・設置
採用ピッチ資料は、会社の情報を視覚的に伝えるコンテンツとして効果的です。採用ピッチ資料をweb上に公開することで、会社情報をオープンに発信でき、効果的にターゲットとなる候補者に対してアプローチすることができるでしょう。
採用ピッチ資料を作成する際には以下のポイントに注意しましょう。
- 会社のビジョン、ミッション、現在の課題などを明確に伝える
- 自社の魅力をダイレクトに伝え、候補者に具体的な貢献イメージを持ってもらう
- SNSなどで共有しやすく、求人媒体や自社のLPなどに設置できる
- 適切な構成や見せ方が重要なので、必要に応じて資料作成代行会社へ依頼することも検討する
採用ピッチ資料も採用サイトと同様に専門の知識が必要となります。それなりの資料は作れたとしても採用に特化した見せ方などが分かってないと効果を発揮視してくれません。
そんな時は資料作成を専門とする会社へ任せることで効果を最大化させることができるでしょう。
おすすめの資料作成代行会社は以下の記事にて詳しく解説しています。
資料作成代行サービスおすすめ12社。目的ごとに分類して選び方を解説
安定期(30~50人)
安定期は、企業が安定した収益基盤を築き、新たな市場や製品分野への拡大を目指す段階です。組織の規模が大きくなり、中間管理職の採用と育成が重要になってきます。しかし、継続的な人材獲得の仕組みの構築や、より経験豊富な人材を確保することが課題となります。なので、採用手法もさらに高度化し、戦略的なアプローチが必要となります。
安定期の採用ポイント
安定期の採用ポイントは以下になります。
中間管理職を採用・育成する
組織が拡大する中で、チームを効率的にまとめる中間管理職の役割はますます重要となるため、社内での育成と外部からの採用をバランスよく行うことが求められます。
社内育成では、リーダーシップ研修やマネジメントスキル向上のためのプログラムを実施し、既存の社員が中間管理職として成長できる環境を整えます。
一方で、外部からは異なる企業文化や経験を持つ人材を取り入れることで、組織に新しい視点やアイデアをもたらすことが期待されます。中間管理職には、チームマネジメント能力やコミュニケーション能力、戦略的思考力などが求められますので、その点も考慮して採用活動を進める必要があります。
継続的に求職者が来る状態を構築する
安定的な採用を実現するためには、企業文化や働き方に共感する人材を継続的に引き付ける仕組み作りとして、企業ブランディングの強化を行いましょう。SNSやブログ、メディア露出などを通じて自社の魅力を発信し、従業員満足度を向上させることで口コミ効果を狙います。
また、インターンシッププログラムの充実や採用イベント・セミナーの定期開催も有効です。これにより、求職者との接点を増やし、リファラル採用制度を整備して社員からの紹介を促進することで、採用にかける時間を最小限に抑えながら効果を最大化することが可能になります。
スキルや経験が豊富な人材を確保する
安定期には、組織の成長を加速させるために特定の分野で高度なスキルや豊富な経験を持つ人材の確保が必要になります。そのためには業界内外のネットワークを活用し、優秀な人材の情報収集に努めましょう。
また、専門性の高い職種については業界特化型の人材紹介会社や転職サイトを利用し、高度なスキルセットを持つ候補者へのアプローチを行います。さらに、経験豊富な人材を惹きつけるためには魅力的な報酬パッケージや成長機会の提示が効果的です。柔軟な働き方や副業の許可など、多様なキャリアニーズに対応できる制度も整備し、メンター制度や社内プロジェクトなどで経験豊富な人材が自身のスキルを活かしながら組織に貢献できる機会を提供することも重要となります。
安定期の適切な採用手法
安定期の適切な採用手法は以下になります。
- エグゼクティブに特化した採用代行会社を活用
- オウンドメディアから採用
- ダイレクトリクルーティング
エグゼクティブに特化した採用代行会社を活用
中間管理職経験がある候補者や高度なスキルを持つ候補者をリファラル採用にて獲得することはもちろん可能ですが、エグゼクティブレベルの人材に特化した代行会社は、高度なスキルと豊富な経験を持つ候補者のプールを保有しているため、企業はノウハウを活用して適切な候補者のスクリーニングと選考を効率的に行うことができます。
例えば、リクルートエグゼクティブエージェントやオクタヴィア・エグゼクティブサーチなどは、経営幹部やミドルマネジメント以上のリーダー採用に強みを持ち、企業の成長や変革を支援するための優秀な人材を提供しています。
採用大公開者へ依頼する際には以下のポイントに注意しましょう。
- 求める人材像や必要なスキルセットについて、代行会社と十分にすり合わせておくことが重要
- 定期的に進捗を確認し、方向性がずれていないかをチェックすることで、適切な人材を確保
- 採用活動で扱う個人情報や企業秘密の管理が適切に行われているか確認し、信頼できる業者を選ぶことが大切
おすすめの採用代行会社は以下の記事にて詳しく解説してるので、参考にしてください。
オウンドメディアから採用
自社のブログやSNSなどのオウンドメディアを通じて、企業文化や仕事内容を定期的に発信することで、潜在的な求職者の関心を引き付けることができます。コンテンツマーケティングを通じて継続的に求職者との接点を作り、採用市場での存在感を高めることが可能です。これにより、企業は自社の魅力を広く伝え、共感する人材を引き寄せることができます。
オウンドメディアから採用を行う際には以下のポイントに注意しましょう。
- 異なる媒体で異なるメッセージが発信されると、求職者に混乱を招く可能性がある
- 質が高く、新鮮なコンテンツを定期的に発信しなければ、求職者からの関心が薄れる
- コメントや問い合わせへの迅速な対応や、SNSでの双方向コミュニケーションを促進することが重要
オウンドメディアにて採用を成功させるためには、ノウハウと継続が重要になってきます。おすすめのオウンドメディア制作会社は以下の記事にて詳しく解説しています。
オウンドメディア運用代行14選!タイプ別の選び方から比較ポイントまでご紹介。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、特定のスキルセットや経験を持つ中間管理職候補をピンポイントで見つけ出し、直接アプローチすることが可能です。現在転職を考えていない優秀な人材にもアプローチできるため、より広い候補者プールにアクセスできるメリットがあります。
これにより、自社が求めるスキルや経験を持つ人材を効率的に獲得できるだけでなく、競争が激しい市場でも優位性を保つことができます。
ダイレクトリクルーティングを活用する際には以下のポイントに注意しましょう。
- 自社が求める人材像を明確に定義しておく必要がある
- 興味を持ってもらえるような魅力的な提案やアプローチ方法が必要となる
- 接触した候補者には、その後も定期的なフォローアップが必要であり、継続的なコミュニケーションが不可欠
ダイレクトリクルーティングサービスについては以下の記事にて詳しく解説しています。
ダイレクトリクルーティングサービス29社比較!タイプ別の選び方から比較ポイントまでご紹介。
変革期(50~100人)
変革期は、新たな成長に向けて組織の変革を推進する段階です。既存の事業モデルや組織構造の見直しが必要となり、イノベーションを推進できる人材の確保が重要になります。また、採用プロセスの抜本的な見直しや、候補者体験(CX)の向上などの戦略的な採用アプローチが求められ、企業の次なる成長フェーズに向けた準備を行う段階となります。
変革期の採用ポイント
変革期の採用ポイントは以下になります。
会社の再成長を行える人材を確保する
変革期には、企業が再成長を遂げるために、これまでの考え方だけではなく、全く新しい外部の知見を活用することが求められます。なので、異なる業界や専門分野からの人材を積極的に採用し、多様な視点やアイデアを取り入れることが重要です。外部からの知見は、事業や会社全体の底上げに寄与し、競争力を向上させるための鍵となります。特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX)など、新たな潮流に対応できる人材の確保が不可欠です。
採用プロセスの見直す
採用プロセスの効率化は、迅速に優秀な人材を確保するために必要です。具体的には、面接の流れや評価基準を見直し、無駄な時間を省くことで候補者へのフィードバックを早めることが求められます。これにより、候補者はスムーズに選考過程を進むことができ、企業側も迅速に意思決定を行うことが可能になります。また、採用プロセスの透明性を高めることで、候補者との信頼関係を築くことができ、より良いマッチングにつながりますす
採用CXを重視する
採用CX(候補者体験)を向上させることで、優秀な人材を惹きつけることができます。透明性のあるコミュニケーションや迅速なフィードバック、柔軟な面接スケジュールなど、候補者がスムーズに選考まで進める流れを作ることが重要です。これにより、途中離脱を防ぎながら効率的に人材の確保が可能になります。候補者が自社で働くイメージを持ちやすくするためにも、企業文化や職場環境について具体的な情報提供を行うことができます。
変革期の適切な採用手法
変革期の適切な採用手法は以下になります。
- ダイレクトリクルーティング
- 採用代行会社を活用
ダイレクトリクルーティング
変革期には、企業が新たな成長戦略を模索する中で、外部からの新しい視点やアイデアが求められます。ダイレクトリクルーティングは、従来の採用手法では接触できなかった転職潜在層へのアプローチが可能であり、企業のニーズに合った人材を効率的に見つけ出すことができるようになります。
安定期でのダイレクトリクルーティングは主に既存のスキルや経験を持つ人材をターゲットにしていましたが、変革期ではより広範な視点を持つ人材や異業種からの転職者を積極的に採用することが求められます。
ダイレクトリクルーティングを活用する際には以下のポイントに注意しましょう。
- 自社が求める人材像を具体的に定義し、どのようなスキルや経験を持つ候補者にアプローチするかを明確にする
- 人材データベースを利用して、求める条件に合致する求職者を効率的に検索してアプローチ
- 定期的なフォローアップやコミュニケーションを通じて、候補者との信頼関係を築くことが大切
ダイレクトリクルーティングサービスについては以下の記事にて詳しく解説しています。
ダイレクトリクルーティングサービス29社比較!タイプ別の選び方から比較ポイントまでご紹介。
採用代行会社を活用
変革期には、ある程度の資金を持っているため、採用効率を上げるためにも外部に丸っと任せて効果的な採用活動を行いましょう。採用代行会社は専門的な知識や経験を持ち、採用プロセス全体をサポートすることが可能です。特に変革期には、新しいビジネスモデルや市場への適応が求められるため、迅速かつ効果的な人材確保が不可欠です。
また、採用代行会社は最新の市場情報やトレンドに精通しており、自社のニーズに合った適切な候補者を迅速に見つけ出すことができるため、新しいスキルセットや異なる業界からの人材をターゲットとした採用活動を展開し、市場動向に応じた採用を行うことができます。
採用代行会社を活用する際には以下のポイントに注意しましょう。
- 自社の求める人材像や必要なスキルセットについて明確に伝え、期待する成果を具体的に伝える
- 採用代行会社とのコミュニケーションを密にし、定期的に進捗状況を確認する
- 採用代行会社には一定のコストがかかりますが、その効果や成果も考慮して選定することが重要
おすすめの採用代行会社は以下の記事にて詳しく解説してるので、参考にしてください。
スタートアップの採用成功事例
実際にスタートアップが採用に成功した例を見ていきましょう。
株式会社IVRy
株式会社IVRyは、2023年4月時点で社員数が25名ほどだったのが、2024年4月には100名に急拡大する成長を遂げています。この会社の成功の要因は、リファラル採用の強化にあります。社員紹介による採用が全体の70%を占めており、マネージャー陣がフォローアップを行うことで報酬なしでも選考プロセスがスムーズに進む仕組みを整えています。
さらに、月に一度開催される「オープンデー」では、社員の知り合いを招待し、飲み会形式で交流を図ることでリファラル採用を促進しています。加えて、社員全体が事業の社会的貢献を信じる組織文化を育むことにも注力しており、事業状況や将来像を数字で示すことでコミットメントと納得感を高めています。
また、リファラル採用に依存せず、多様な採用チャネル(スカウトやダイレクトソーシングなど)を開拓することで、人材の多様性も確保しています。
株式会社PeopleX
株式会社PeopleXは、創業からわずか4ヶ月で50名の組織規模に成長した企業です。この会社もリファラル採用が約6〜7割を占めており、社員が自らの友人や知人を推薦したくなるような魅力的な職場環境を構築しています。
また、鼻息荒い系としてのビジョンを掲げ、「日本を代表する企業を最短で目指す」という野心を公言し、売上100億円を3年内に達成することを目指しています。
さらに、代表の橘氏がSNSで発信することによって、多くの直接応募も獲得しています。また、新入社員がスムーズに会社に馴染むためのオンボーディングプログラムも整備されており、早い段階から業務に貢献できる体制が整っています。
株式会社Helpfeel
株式会社Helpfeelは、今年度80名の新規採用を目指している企業です。この会社ではダイレクトリクルーティングが全体の4〜5割を占めており、エージェント経由での採用も2〜3割です。自社サイトからの応募や社員紹介も活用されており、特にダイレクトリクルーティング運用はアウトソーシングされています。
スカウトメールの運用においては過去の実績に基づき返信率や採用決定率を分析しながら実施しており、このデータドリブンなアプローチによってより効率的な人材確保が行われています。
まとめ
本記事では、スタートアップ採用について解説しました。スタートアップやベンチャー企業における採用は、知名度の低さやリソースの不足などから、思うように進まないことが多いです。
そのため、限られたリソースの中で効率的に採用活動を行うためには、自社の採用目的に合った手法や媒体をフェーズに合わせて選ぶことが非常に重要となります。
この記事がスタートアップ企業の採用活動の一助になれば幸いです。
b-pos編集部
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