SNS採用とは?成功事例6選と小さくても効果が出るコツを解説

SNS採用は、企業や組織が自身のブランド力を高め、自社にマッチした良い人材を獲得するのにSNSを活用する方法です。

このアプローチは、リーチの拡大とターゲット層との深い関わりを可能にします。

この記事では、SNS採用を成功させる実例を6つ挙げ、その効果的な実施方法に関するコツをご紹介します。たとえ規模が小さくとも、戦略的な取り組みで顕著な成果を上げることが可能です。

この記事から、SNSを有効的に活用して自社にマッチした人材を獲得するTipsを学び、採用に活かしていきましょう。

SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とは?

SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とは、その名の通り、Twitter(現X)、Instagram、FacebookなどのSNSを通じて行う採用活動のことを指します。

通常の採用とは異なり、幅広い層に一斉にリーチすることができ、またブランディングの役割も果たすことができます。

近年、SNS採用を行っている企業は増えており、大企業を始めとして中小、ベンチャー企業なども自社にマッチした優秀な人材を確保するために取り組んでいます。

採用に活用できるSNS

採用に活用できるSNSはいくつか存在しており、各々の特徴を押さえておくことで、自社で運用すべきSNSがどれなのかを明確にすることができます。

SNS特徴
Twitter(現X)・日本の利用者数は約6,000万人とSNSの中でも利用者数が多い
・若者の利用者も多く新卒・中途採用ともに役立つツールとなっている
Facebook・利用者数は約3000万人で、20~30代の利用者が多い
・新卒の年齢層よりも中途で入社する年齢層のユーザーが多い
・長文の投稿ができるため、伝えられる情報量は多い
LinkedIn・利用者数は300万人
・唯一のビジネス関係者が利用するSNS
・利用者も求職者なことがほとんど
Instagram・利用者数は約4,500万人で、若者がほとんど
・画像や文字の投稿だけでなくリール機能を使って動画でも訴求可能
Youtube・利用者数は約8,000万人で、幅広い年齢層に利用されている
・文字や画像だけでは伝えづらい社内カルチャーや社員の雰囲気などを訴求可能
TikTok・利用者数約1,700万人のショート動画プラットフォーム
・ユーザーは若者中心
・短編動画で、作成に割く時間を抑えることが可能

各々の特徴と、実際にどのような目的で利用するのかを解説していきます。

Twitter(現X)

利用者は20代の若者が中心で、アカウント名を「〇〇@25卒」とし、就職活動を行うもの同士で情報交換などを行う学生も増えてきています。

そして、Twitterは即効性拡散力に優れており、ハッシュタグ機能、リツイート機能やいいね機能を活用することで一度に多くの利用者にリーチすることができます。

採用に関する情報は勿論、自社の取り組みや社内情報などをリアルタイムで投稿することで会社のブランディングにも繋がります。

また、企業アカウントだけでなくメンバーが運用するアカウントも増えてきており、日常を投稿することで求職者との距離感を縮め、興味を抱いてもらえるようなアカウントもあります。

Twitter(現X)を活用した採用活動については、以下の記事で詳しく解説しています。

Facebook

SNSの中でも唯一、若者が少ないSNSと言えるかもしれません。30代や40代の利用者が多く、中途採用で即戦力を獲得したい場合には一番利用価値のあるSNSと言えるでしょう。

また、実名登録制のため、他SNSに比べて情報の信憑性は非常に高いです。Twitterよりも長文で投稿することが可能なので、多くの情報を詳細を交えて伝えることができます。

LinkedIn

LinkedInはビジネス関係者が多く利用するプロフェッショナルなSNSであり、専門職の採用にこのプラットフォームを利用することが多いです。

また、リクルーティングツールを活用することで、効果的な採用活動を展開することが可能です。例えば、InMail機能ではフォローの有無に関わらず、求職者にメッセージを直接送信することができます。

さらに、企業ページを利用して企業の情報を共有することで、ブランディング活動も行えます。

Instagram

採用活動のイメージがあまり湧かないかもしれませんが、Instagramで採用活動を行っている企業は多くあります。

Instagramは、文字や画像だけでなく、リール機能を用いて動画を投稿することもでき、視覚的に訴求することに長けているため、実際に働いた際のイメージや社員の雰囲気などを短時間で伝えることができます。

しかし、拡散力や即効力は他のSNSに比べ小さいため、ハッシュタグ機能の活用でリーチ数を伸ばしたり、地道にフォロワー数を増やすなどの工夫が必要です。

YouTube

近年、Youtubeを利用した採用活動は活発になってきています。企業が運営するチャンネルは勿論、就職活動をサポートするチャンネルで第3者目線で企業についての情報が発信されていたりします。

通常の動画機能とショート動画機能があり、伝えたい情報が多い場合は前者を、それ以外の場合は後者を活用することで効率的に求職者にアプローチすることができます。

動画なので、文字で伝えづらいことなどを伝えることが可能であり、ブランディングに効果的です。

また、通常の長さの動画であれば、投稿できる内容に幅が生まれ、他社との差別化も測ることができ、SNSと連携することでバズも狙うことが可能です。

TikTok

TikTokは、短編動画プラットフォームで、利用者は若者が中心です。他の動画機能を備えたSNSに比べ、バズ要素が強く、フォロワーの数に関係なく、一度に多くの人にリーチすることが可能です。

また、動画なので先ほど同様、文字では伝えづらい社風や社員の雰囲気などを伝えることができます

しかし、バズらせるには自社の独自性が必要となってくるため、ただ情報を伝えるだけでは多くの人にリーチすることは難しくなっています。

媒体別 – SNS採用の活用事例6選

実際に、各SNSを有効的に用いて採用活動を行っている企業を、企業規模に関わらず6つ紹介いたします。

Twitter(現X)

株式会社DeNA

引用:DeNA新卒採用アカウント

株式会社DeNAは、新卒向けに採用ページの案内や就職活動のTipsなどを日々発信しています。また、セミナーの案内なども投稿しており、求職者と接点を作る取り組みを行っています。

これらの取り組みは、求職者が常に採用サイトを確認していなくとも、リアルタイムで必要な情報を得ることができるため、興味のある求職者にとって有効な情報収集手段となっています。

株式会社LayerX

引用:LayerXアカウント

「すべての経済活動を、デジタル化する」をミッションに掲げ、SaaS事業やFintech事業を展開する株式会社LayerXのアカウントです。

企業アカウントではさまざまな情報がリアルタイムで共有されており、開催中のイベントの詳細や、代表の想いをまとめたノート、そして事業に関連する最新情報が随時アップデートされています。

Facebook

トランスコスモス株式会社

引用:トランスコスモス株式会社アカウント

トランスコスモス株式会社は、自社の取り組みを中心に発信し、ブランディングを行なっています

例えば、長崎県との働き方改革に関する取り組みを投稿を行い、求職者からの信頼や好感度の向上を図っています。また、公式アカウントを通じてリファラルの導入も行っており、多くの求職者にリーチすることに成功しています。

ハウスコム株式会社

引用:ハウスコム株式会社アカウント

ハウスコム株式会社は首都圏・関西圏を中心に賃貸物件の仲介を行う会社です。

本アカウントでは、自社の取り組みだけでなく、学生向けに開かれたインターンシップの様子やイベントの様子などを発信し、ブランディングを行なっています。

Instagram

三井住友海上

引用:三井住友海上アカウント

三井住友海上は、主に新卒採用の情報を画像と共に求職者に発信しています。

加えて、オフィスの様子なども定期的に発信しており、実際に働かなければ知り得ない中の様子などを届けることで、求職者が働くイメージを抱きやすいような工夫もされています。

株式会社YNP

引用:株式会社YNPアカウント

女性社員のみで構成されているIT企業の株式会社YNPは、採用に関する情報だけでなく、働く上で女性が疑問に思うことなどを発信することで女性の求職者のニーズに応える投稿を行なっています。

これらの投稿は、女性求職者が不安や疑問を極力なくすことができ、かつ企業に対するイメージも良くなる効果が伺えます。

SNS採用のメリット/デメリット

多くの企業に取り入れられているSNS採用は、多くのメリットもある一方で、デメリットも存在します。

メリット・圧倒的なリーチ数
・本来接点がなかった人の入社の可能性
・低コストでの運用が可能
デメリット・成果が出るかわからない
・運用コストがかかる

それぞれ解説します。

メリット

SNS採用には以下のメリットがあります。

  • 圧倒的なリーチ数
  • 本来接点がなかった人の入社の可能性
  • 低コストでの運用が可能

圧倒的なリーチ数

SNSはユーザー数が膨大なため、企業が求める人材へのリーチも格段に増えます。

特定のターゲットグループに向けてメッセージを訴求することができるため、広範囲の候補者にアプローチすることができるようになります

また、SNSのアルゴリズムはユーザーの関心に基づいてコンテンツを推奨するため、興味関心度の高い求職者に企業のメッセージを訴求することが可能です。

本来接点がなかった人の入社の可能性

SNS採用を利用すると、従来の方法では接点を持つことができなかった候補者にもアプローチが可能です。

例えば、地理的な制約や、異なる業界のプロフェッショナル、既に就職先を絞っている新卒求職者や転職を考えていない優秀層などに対してアプローチをすることができます。

また、SNSを利用して企業の内部事情や企業文化を共有することで、企業が求める候補者を惹き付けることができます。

低コストでの運用が可能

SNS採用は、基本的には無料で、簡単に活用することができます。そのため、代理店や人材会社に依存せず、自身のSNSアカウントを利用して採用活動を行うことが可能です。

例え、広告を利用するとしても、金額を調整して少額から運用できることができ、あまり予算がなくとも採用活動を行うことができます。

デメリット

一方で、SNS採用には以下のデメリットも存在します。

  • 成果が出るかわからない
  • 運用コストがかかる

成果が出るかわからない

SNS採用は、時には予測不可能であり、期待した成果が得られない場合もあります。そのため、フォロワーの数が多いことが、必ずしも採用活動に影響を及ぼしているとは言えないのが現実です。

したがって、企業は戦略を適切に計画し、定期的にその効果を評価する必要があります。

運用コストがかかる

SNS採用は、継続的な運用が重要となるため、運用コストがかかる側面もあります。

日常的なコンテンツの投稿・アップデートやメッセージなどのやりとり、広告出稿している場合は広告運用など、人材と時間の投資が必要になります。

さらに、専門的なスキルと経験を持った人材を雇用することで、SNS採用の効果を最大化することが可能となりますが、追加でコストが発生してしまいます。

SNS採用を導入するための3ステップ

SNS採用を成功させるためには、明確な計画と戦略が不可欠です。ここでは、導入をスムーズに行うための3つの基本ステップとその他に注意すべき点を解説します。

それぞれのステップを解説します。

①ターゲットを明確にする

まず最初に、採用のターゲットを明確に設定することが重要です。

どのような人材を探しているのか、その人材はどのSNSを利用しているのかを理解することが基本です。ターゲットとする人材の専門スキルや経験だけでなく、その価値観や興味を理解することで、適切なメッセージを訴求することができるようになります。

②媒体(SNS)を決める

次に、ターゲットが利用しているSNSを選定します。

それぞれのSNSには特定のユーザーデモグラフィックがあり、これに基づいて適切なプラットフォームを選ぶことが重要です。

例えば, 若い世代の採用を目指す場合はInstagramやTikTokを、ビジネス関連の採用を目指す場合はLinkedInを選ぶのが良いでしょう。

選定したSNSの特性を理解し、適した戦略を構築することで、ターゲットに効果的にアプローチすることができます。

③発信内容を決める

SNS採用の成功には、発信内容が非常に重要です。

企業の理念や価値観を反映させた内容を発信することで、企業と価値観が合致する人材を引き寄せることが可能となります。

また、コンテンツの形式も重要でです。動画コンテンツやインフォグラフィックなど、様々な形式を活用して視覚的に訴えることも効果的です。従業員の声を活用したコンテンツも、会社のリアルな雰囲気をターゲットに届けることができるため効果的です。

その他必要なこと

継続的に発信を行うには、体制やルールの整備も必要です。

ただ不定期に発信するだけでは、ターゲットの興味を惹くことはできません。そのため、定期的に発信できるように「毎日8時・12時・18時に投稿する」のようなルールを設けましょう。

また、日々の業務がある中での運用の場合、体制も重要です。1人だけに任せていると、他業務の兼ね合いで更新が遅れたり、候補者へのレスポンスが遅れる可能性も高まります。

取り組む際には、「いつどうするのか」のルールと、「誰が何をするのか」の体制を明確に決めるようにしましょう。

小さくても確実に効果が出るのSNS採用のコツ

SNS採用には、莫大な予算やリソースは必要ありません。少ないリソースでも効果を上げることができる戦略が存在します。ここでは、小さくとも確実に効果を出すコツをご紹介します。

発信 ✕「アプローチ」

SNSでの採用活動は、ただ発信するだけではリーチ数に限りがあり、十分な効果を得ることはできません。

そのため、「発信」を土台に「アプローチ」を行うことが必要です。具体的には、自社のSNSアカウントを活用して、求職者に直接メッセージを送ったりカジュアル面談の打診を行います。新卒の場合は、合同説明会の日程を送付し、申し込んでもらう方法も有効です。

こういったアプローチを行うことで、アカウントを認知してもらい、もし興味があれば、面談などを通して話をしていくという流れを作り出すことができます。

そうすることで、コストをかけずに優秀な人材を採用できる可能性が広がります。

アカウントは人っぽさ

ただただ企業情報を更新するのではなく、「企業の中の人」が魅力的に見える発信が必要です。

SNSの魅力は、ターゲットに直接アプローチができる点です。企業情報は、採用サイトやホームページを通して発信することができます。SNSの特徴を最大限活かすためには、「人っぽさ」を感じられる情報を発信することが重要です。

具体的には、普段見ることのできない社内の風景や従業員の声を取り入れた投稿を行うことで、フォロワーに企業の魅力を感じてもらうことができます。親しみやすいアカウント作りを目指して運用を行いましょう。

まとめ

本記事では、採用で活用できるSNSの紹介から、SNS採用のメリット・デメリット・成功事例を紹介しました。SNS採用を活用するメリットは以下です。

  • 圧倒的なリーチ数
  • 本来接点がなかった人の入社の可能性
  • 低コストでの運用が可能

一方で、成果が出るかはわからず、継続的な運用コストが必要というデメリットも存在します。

まずは、自社の抱えている採用課題、SNS採用を実施する目的を整理し、解説したメリット・デメリットを頭に入れながら、最適な媒体の選定、運用を行っていきましょう。

b-pos編集部

代行・外注サービスの比較サイトb-pos(ビーポス)の編集部。b-posは、BPOサービスの比較検討時に知っておきたい情報やサービスの選び方について解説するメディアです。サービスの掲載企業の方はこちらから(https://b-pos.jp/)