後払い決済サービスとは?代行会社10選を徹底比較【BtoC/BtoB】
「後払い決済サービスを利用するメリットと、導入時の注意点が知りたい」
「BtoCとBtoBで、利用すべきサービスに違いはあるの?」
といった悩みは、経営者や企業の担当者の方に起きがちです。
後払い決済サービスを利用することで「アプローチできる顧客層が広げられる」「代金未回収のリスクが防げる」といったメリットがあります。また事業者のビジネスモデルが「BtoB」か「BtoC」かによって、利用すべきサービスが異なります。
本記事では「後払い決済サービスを利用するメリット」と「BtoCとBtoBごとのおすすめ代行会社10選」をご紹介します。
後払い決済とは
後払い決済とは、購入者が商品を受け取ったあとに代金を支払う決済方法です。後払い決済を利用することで、購入者には「代金を支払うタイミングを調整できる」「クレジットカードがなくても利用できる」といったメリットがあります。
2023年、マネーインサイトラボは18~58歳の1,500人を対象に、後払い決済の利用実態を調査しました。その結果、4人に1人は「後払い決済を利用したことがある」と答えました。また後払い決済未使用者には「クレジットカード利用者が多い」といった傾向がありました。
このように、後払い決済は「クレジットカードを利用しない方」をはじめとした、多くの購入者に選ばれている決済方法だといえるでしょう。
参考:株式会社みんなの銀行|マネーインサイトラボ「後払い決済サービスの利用実態調査」
後払い決済の仕組み
後払い決済では購入者が商品を購入した際に、決済代行会社がその代金を立て替えて事業者に支払います。
このとき商品の代金を受け取る債権は、事業者から決済代行会社に譲渡されます。その後、購入者は決済代行会社に対して、期日までに代金を支払うといった流れです。
他の決済方法
後払いできる決済方法には、次のような種類もあります。
- クレジットカード決済
- コンビニ決済
それぞれの決済方法について解説します。
クレジットカード決済
クレジットカード決済では、現金がなくても商品の購入が可能です。たとえば「毎月10日締め、翌月15日払い」のように、実際の購入日から支払いまで1か月程度の猶予があります。
ただし「紛失や盗難による不正利用のリスクがある」「一定の年齢以上でないと利用できない」といった注意点があります。
コンビニ決済
コンビニ決済では「前払い」だけでなく「後払い」の選択も可能です。支払期限が商品購入・到着後に設定されているため、購入者は商品を確認したのちに代金を支払うことができます。
ただし、事業者側には「代金未回収のリスク」があります。また購入者はコンビニまで支払いに行く必要があるため「近所にコンビニがない」といった場合、不便さを感じる可能性があります。
後払い決済サービス・代行会社とは?
後払い決済サービスとは、後払い決済に関する業務を任せられるサービスです。
後払い決済を導入する場合「自社で運用する」「後払い決済サービスを利用する」といった2つの選択肢があります。
後払い決済を自社で運用する場合、与信審査や請求書の発行、代金の回収、催促といった業務が発生します。なかでも購入者の支払い能力を判断する「与信審査」には、精度の高さや迅速な対応が求められます。システムや体制の構築が必要なため、時間や費用、人員を割かなければなりません。
一方、後払いサービスを利用した場合「与信審査」をはじめとした、後払い決済の運用に関する業務を任せられます。自社でシステムや体制を構築する必要がないため、ほかの業務に集中できます。
また後払い決済特有のリスクである「代金の未回収」に対して、100%保障してくれる代行会社もあります。売上に関わるリスクを回避できるため、安心して後払い決済を導入できます。
後払い決済代行のメリット
後払い決済サービスのメリットは、次の2つです。
- 顧客層を広げられる
- 代金未回収リスクを防げる
それぞれ解説します。
顧客層を広げられる
後払い決済サービスを利用することで、アプローチできる顧客層が広がります。
後払い決済では、クレジットカードが必要ありません。そのため「ネット上に個人情報を入力するのに抵抗がある」「年齢制限によってクレジットカードが利用できない」といった顧客にもアプローチできます。
またクレジットカードの情報やパスワードを入力する必要がないため、購入までの流れがスムーズになります。顧客の利便性が向上するため、売上アップが期待できます。
代金未回収リスクを防げる
後払い決済には、顧客の「払い忘れ」や「故意に支払わない」といった代金未回収のリスクがあります。代金が支払われない場合、未入金者への催促業務が発生するだけでなく、売上に影響が出て大きな損失を被ります。
後払い決済サービスを利用した場合、代金の回収を代行してもらえます。サービスによっては「購入者が購入した商品の代金」を代行会社から立替払いしてもらえるため、代金未回収のリスクを防ぐことができます。
後払い決済代行を導入する際の注意点
事業者が後払い決済サービスを導入する際の注意点は、次の2つです。
- キャンセルや返品への対応が必要
- 未払い保障はあるか
それぞれ解説します。
キャンセルや返品への対応が必要
後払い決済サービスを導入する際は、キャンセルや返品時の対応について確認しておきましょう。
後払い決済サービスのなかには「キャンセル時の請求書の発行料金は、事業者が負担する」といったルールがあるケースがあります。この場合、予期せぬ出費につながる可能性があるため、キャンセル・返品時の「対応方法」や「事業者の負担金額」を事前に確認しましょう。
未払い保証はあるか
後払い決済サービスを導入する際は、未払い保障の有無を確認しましょう。
サービスによっては、代金の確実な回収を保障していないケースがあります。そのため、購入者が商品の代金を支払わない場合でも「代行会社が代金を100%保障する」「確実な回収を保障する」といった、未払い保障の有無を確認しましょう。
後払い決済サービスと掛け払い決済代行
後払い決済サービスには「後払い」と「掛け払い」の2種類あります。これらは「代金をあとで支払う」といった点は同じですが「消費者との取引」か「法人間の取引」かによって、適しているサービスが異なります。
具体的には、以下のような違いがあります。
項目 | 「後払い」決済サービス | 「掛け払い」決済代行 |
---|---|---|
対象企業 | BtoC | BtoB |
対象決済 | 消費者の商品購入時 | 企業間取引の売掛金の請求書発行時 |
手数料 | ~5% | ~3% |
月額費用 | 必要なサービスが多い | 必要 or 無料がある |
企業間取引向けの「掛け払い決済代行」について、詳しく解説します。
掛け払い決済代行とは?
掛け払い決済代行はBtoCではなく、BtoB(企業間取引)で利用される決済代行です。
BtoCの後払い決済サービスでは「商品購入の代金」が対象である一方で、BtoBの掛け払い決済代行は「売掛金」が対象となります。
そもそも「掛け払い」は、一定期間におこなった取引の代金を後日まとめて支払ってもらう方法を指します。具体的には「当月の納品分を翌月の末日までに支払ってもらう」といった取り決めのもと取引をおこない、買い手に代金を支払ってもらいます。
買い手から支払いを受けるには「請求書を発行する」といった業務が発生します。これを代行してくれるのが「掛け払い代行」です。ほかにも「与信審査」や「代金の回収・催促」といった業務を委託できます。
BtoC向け「後払い」決済サービス5選比較
BtoC向けである「後払い」決済サービスのおすすめ5選をご紹介します。
サービス・会社名 | 特徴 | 料金 |
---|---|---|
paidy | シンプルな使い方ができるサービス | 決済手数料のみ発生 |
atone | ECサイトだけでなく、実店舗でも導入可能 | 決済手数料:2.5%, 3.5% 月額費:0円, 48,000円 |
NP後払い | 通販事業者向けの後払い決済サービス | 手数料:顧客請求額の2.9%~5.0% 月額費:0円~48,000円 |
GMO後払い | 取引金額が多くなるほど手数料率が下がる料金体系 | 手数料:2.7%~4.7% 月額費:0円~45,000円 |
クロネコ後払い | 購入者のニーズに合せて請求書タイプを選択可能 | 手数料:2.9%~5.0% 月額費:0円~52,800円 |
paidy
paidyは「代引きの自宅待機」や「コンビニでの事前決済」といった、買い物の「めんどくさい」をなくしたシンプルな使い方ができるサービスです。
後払いの回数を3・6・12回から選べるため、高額商品をはじめとした商品の売上アップが期待できます。未払い金はペイディが負担し、売上金100%の入金を保障しています。
決済方法 | ・コンビニ払い・銀行振込・口座振替 |
料金 | 決済手数料のみ発生 ※金額は要問い合わせ |
atone
atoneはECサイトだけでなく、実店舗でも導入可能です。SMS認証をおこなうだけで利用できるため、スマホで簡単に利用できます。 決済手数料は、業界最低水準の2.5%から用意があります。代金の未回収リスクは運営会社である「ネットプロダクションズ」が100%保障します。
決済方法 | ・コンビニ支払い・銀行ATM(Pay-easy)・口座振替・その他 |
料金 | スタンダートプラン ・決済手数料:3.5% ・トランザクション費用:0円 ・月額固定費:0円 ・初期導入費:0円 プレミアムプラン ・決済手数料:2.5% ・トランザクション費用:0円 ・月額固定費:48,000円(税抜) ・初期導入費:0円 デジタルコンテンツプラン ・要問い合わせ |
NP後払い
NP後払いは、通販事業者向けの後払い決済サービスです。顧客は商品を確認したあとに支払えるため、決済がスムーズになります。導入店舗数は20.3万店舗、累計取引数は3.9億件を誇っています。
与信満足度は78%であり「与信通過率」や「結果返却」「不正検知率」といった高精度の与信システムがクライアントに高く評価されています。ユーザーから商品代金を回収できないリスクを100%保障しています。
決済方法 | ・コンビニ払い・銀行振込・郵便振替・LINE Pay |
料金 | Aプラン ・NPサービス料:顧客請求額の5.0% ・月額固定費:0円 Bプラン ・NPサービス料:顧客請求額の4.4% ・月額固定費:5,000円(税抜) Cプラン ・NPサービス料:顧客請求額の3.6% ・月額固定費:20,000円(税抜) Dプラン ・NPサービス料:顧客請求額の2.9% ・月額固定量:48,000円(税抜) |
GMO後払い
GMO後払いは、決済業界の大手であるGMOペイメントゲートの子会社が提供するサービスです。与信審査はリアルタイムで実施します。購入者を待たせることがないため、CVR・利益率の向上が期待できます。取引金額が多くなるほど手数料率が下がる料金体系であり、未回収リスクは100%保障します。
決済方法 | ・コンビニ支払い・郵便振替・銀行振込・LINE Pay・その他決済アプリ |
料金 | Aプラン(~90万円) ・月額費用:0円 ・手数料:4.7% Bプラン(~170万円) ・月額費用:4,500円 ・手数料:4.2% Cプラン(~390万円) ・月額費用:18,000円 ・手数料:3.4% Dプラン(390万円~) ・月額費用:45,000円 ・手数料:2.7% |
クロネコ後払い
クロネコ代金後払いサービスは、請求書のタイプを「封書タイプ」「ハガキタイプ」「スマホタイプ」の3種類から選ぶことができます。購入者のニーズに合せて選択できるため、利便性が高いのが特徴です。
売上を入金するまでの期間は最短5日です。代金の未回収リスクはヤマトグループが負担します。
決済方法 | ・コンビニ支払い・郵便振替・銀行振込・クレジットカード決済・その他 |
料金 | Aプラン ・月額利用料:52,800円 ・決済手数料:2.9% Bプラン ・月額利用料:22,000円 ・決済手数料:3.6% Cプラン ・月額利用料:5,500円 ・決済手数料:4.4% Dプラン ・月額利用料:無料 ・決済手数料:5.0% |
BtoB向け「掛け払い」決済代行会社5選比較
BtoB向けである「掛け払い」決済代行会社5選をご紹介します。
サービス・会社名 | 特徴 | 料金 |
---|---|---|
Paid | 「請求代行」と「未払い時の保障」をセットで提供 | 保証料率:請求金額の0.5~3.1% 事務手数料:請求1件につき100円 |
NP掛け払い | BtoB決済代行のシェアNo1のサービスです | 手数料:~3.6% 月額固定費:12,000円~ 請求書発行費用0~225円(税抜) / 1通 |
マネーフォーワードケッサイ | 「インボイス制度」や「電帳法」に対応 | 初期費用:0~5万円 月額費用:0~3万円 手数料:300~500円 / 件, 委託金額の0.5~3.5% |
クロネコ掛け払い | ヤマトグループのBtoB決済サービス | 初期費用:無料 月額管理費用:最大1万円 手数料:2.0~5.0% |
請求まるなげロボ | 1つのプラットフォームですべての請求が管理可能 | 月額利用料:要問い合わせ 手数料:1%~ |
Paid
Paidは「請求代行」と「未払い時の保障」をセットで提供するサービスです。取引先の未払い時は、支払いを100%保障します。データを登録するだけで請求業務が終わるため、コア業務に集中できます。限度額は最大1,000万円のため、高額な取引にも対応可能です。
決済方法 | ・銀行振込・口座振替・コンビニ払い |
料金 | 保証料率:請求金額の0.5~3.1% 事務手数料:請求1件につき100円 |
NP掛け払い
NP掛け払いは、BtoB決済代行のシェアNo1のサービスです。与信や代金回収、保障まで一連の業務を任せられます。「買い手企業が倒産した」「支払いが遅延した」といったケースでも、代金の100%を保障します。
取引の状況や買い手企業の都合に応じて「請求書を即日発行する」といった柔軟な対応が可能です。
決済方法 | ・銀行振込・口座振替・コンビニ払い |
料金 | ・手数料:~3.6% ・月額固定費:12,000円~ ・請求書発行費用0~225円(税抜) / 1通 |
マネーフォーワードケッサイ
マネーフォーワードケッサイは、掛売りに必要なすべての業務を任せられるサービスです。「インボイス制度」や「電帳法」に対応しているため、面倒な納品書の電子保存から解放されます。未入金時は買い手企業に催促をおこない、審査通過取引は100%入金を保障します。
決済方法 | ・銀行振込・口座振替・コンビニ払い・LINE Pay |
料金 | マネーフォーワードケッサイ(入金保障つき) ・初期費用:0円 ・月額費用:0円 ・手数料:委託金額の0.5~3.5% マネーフォーワードケッサイ 請求代行プラン ・初期費用:0~5万円 ・月額費用:0~3万円 ・手数料:300~500円 / 件 |
クロネコ掛け払い
クロネコ掛け払いは、ヤマトグループのBtoB決済サービスです。与信や請求書発行、集金といった業務を任せられるため、請求業務が効率化します。
審査を通過・承認された取引に関しては、ヤマトグループが売掛金を100%保障します。業種や業態を問わず、2,000社以上の企業に導入されています。
決済方法 | ・口座振替 ・銀行振込 ・コンビニ払い |
料金 | ・初期費用:無料 ・月額管理費用:最大1万円 ・手数料:2.0~5.0% |
請求まるなげロボ
請求まるなげロボは、決済代行業20年以上の実績がある株式会社ROBOT PAYMENTが提供しています。
1つのプラットフォームですべての請求が管理でき、審査に通過した請求だけでなく審査に落ちた請求も一元管理できます。審査において「適格債権と判断された」「与信通過した」といった債権は、100%保障しています。
決済方法 | ・銀行振込・口座振替 |
料金 | ・月額利用料:要問い合わせ ・手数料:1%~ |
まとめ
後払い決済サービスには、BtoC向けの「後払い決済サービス」とBtoB向けの「掛け払い決済代行」の2種類があります。自社に適したサービスを選ぶことで「アプローチできる顧客層の拡大」や「代金・売掛金の未回収リスク」「請求書業務の効率化」といったメリットがあります。
ご紹介した後払い決済サービスを比較し、自社に最適なサービスを選びましょう。
関連サービス
利用料金 | 要問い合わせ |
Aプラン | 顧客請求額の5.0% |
Bプラン | 顧客請求額の4.4% |
Cプラン | 顧客請求額の3.6% |
Dプラン | 顧客請求額の2.9% |
通常プラン | 初期費用・月額費用 ¥0 |
利用料金 | 手数料 〜3.6% |
マネーフォワード ケッサイ | 委託金額の0.5~3.5% |
請求代行プラン | 300~500円/件 |
初期費用・請求書発行費用 | 0円 |
b-pos編集部
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