収納代行とは?決済代行との違いや手数料相場、仕組みについて解説!

「収納代行サービスって何?」
「収納代行と決済代行の違いは?」

様々な決済手段を導入する際に、このような悩みを抱えていませんか?

収納代行を一言で説明すると「コンビニエンスストアでの支払い」を代行できるサービスです。

クレジットカードを持てない、現金で支払いたいユーザーにとって人気の支払い方法ですので、導入すれば顧客の利便性を高めることができます。

そんな収納代行の仕組みや手数料相場、決済代行と何が違うか、など、詳しく解説していきます。

収納代行サービスとは?仕組みは?

顧客が主に「​コンビニ決済」で代金を​支払う​際に、​その​支払ったお金を代わりに回収してくれる​サービスの​ことです。​そのため、一般的には「コンビニ収納代行サービス」とも言われます。

コンビニ決済は、全国のコンビニエンスストアの店頭で代金を支払う方法で、ECサイトでの商品購入や公共料金(電気やガス、水道)などの支払いに利用されることが多い方法ですね。

コンビニ支払いには、以下の2タイプが存在しており、それぞれの仕組みを具体的に解説していきます。

払込票(紙)払込票をコンビニに持って行き、店頭や機械で支払う方法
◯ ネット決済に不慣れな層でも支払いハードルが低く、決済完了率が高い
✕ 払込票の印刷・郵送コストが都度発生(紛失・汚損時の再発行手数料も)
ペーパーレスオンラインで発行した番号をコンビニの店頭で提示して支払う方法
◯ 印刷・郵送が不要なためコスト削減(紛失リスク・再発行手間もほぼゼロ)
✕ デジタル操作が苦手な層へのサポートが必要

払込票(紙)の特徴・仕組み

従来から利用されている、自宅に届いた払込票(決済情報が掲載された紙)をコンビニに持っていき、店頭や専用の機械で支払う方法です。

送られてきた払込票を対象のコンビニエンスストアに持っていくだけで支払えるため、スマートフォン等の扱いが苦手な高齢者なども簡単に支払えるメリットがあります。ただし、払込票が紙なため、印刷や郵送に関する費用が別途発生してしまいます。

払込票の発行〜収納金が渡されるまでの具体的な流れは以下になります。

出典:収納代行サービスの現状と決済高度化への取り組みについて | ウェルネット株式会社
  1. 利用企業様が「バーコード付きの払込票」をお客様に送付
  2. お客様はコンビニで料金を支払う
  3. 支払われた収納金と収納データはコンビニ店舗からコンビニ本部に回収される
  4. 代行会社はコンビニ本部からの収納金と収納データを取りまとめる
  5. 利用企業様に代行会社から収納金と収納データをお渡しする

ペーパーレスの特徴・仕組み

決済に必要な番号をオンライン上で発行し、その番号をコンビニで提示して支払う方法になります。いまや主流の方法です。

払込票が不要なため、印刷や郵送、再発行に関する費用が発生しません。また、メールやSMSで再発行できるため、紛失リスクも限りなく低いです。

ただし、購入者にオンライン上での操作やコンビニの専用端末の操作に関する知識が必要になります。各種端末の操作は、苦手な方にとって利用が難しいので、その辺りはサポートが必要になります。

注文〜収納金が渡されるまでの具体的な流れは以下になります。

出典:収納代行サービスの現状と決済高度化への取り組みについて | ウェルネット株式会社
  1. お客様が注文・予約を行う
  2. 利用企業様が、代行会社に予約登録を行う
  3. 代行会社は、利用企業様にキーコードを送信、お客様にもキーコードをご案内
  4. お客様はコンビニで料金を支払う
  5. 支払われた収納データはコンビニ店舗から代行会社に即時に送信される
  6. 利用企業様に代行会社から収納データが送信される
  7. 支払われた収納金は、コンビニ店舗からコンビニ本部経由で、後日代行会社に送付される
  8. 代行会社は、各コンビニから送付された収納金を取りまとめ、利用企業様に送付する

収納代行サービスの料金体系や手数料相場は?

収納代行サービスの料金体系は、「初期費用 + 月額費用 + 決済手数料」が一般的です。初期費用や月額費用は0円が多く、決済手数料は1回につき数百円のケースが多いです。

種類相場詳細
初期費用0〜数万円導入時にかかる費用
一般的には初期費用無料の場合が多い
月額費用0〜1.5万円月々のシステム利用料・サポート料
無料が多いが、数万円程度かかる場合もあり
※会社によっては取り扱いがなければ費用が発生しない
決済手数料130~550 円 / 1件収納代行の取扱い1件に対してかかる手数料
決済手数料は決済金額によっても変動する
例)~1,999円の場合は150円など

また、実際にどれくらいの費用がかかるのか、具体的な金額が気になりますよね?

実際に費用を公開している会社を以下に3社ピックアップしましたので、ぜひ参考にしてください。

代行会社初期費用月額費用1件あたり手数料
ヤマト運輸0円0円198〜550円
電算システム0円15,000円130円
GMOイプシロン0円1,000円
※月額最低手数料
150〜200円
※5,000円~は4%

収納代行サービスを利用するメリット

収納代行を導入するメリットは、主に以下の3つです。

  • 消費者の決済手段が増える
  • 契約手続きの簡略化
  • 代金未回収のリスクを回避(前払い限定)

消費者の決済手段が増える

最も大きなメリットは、消費者の支払い手段の選択肢が増えることです。

総務省の「令和5年通信利用動向調査報告書(世帯編)」によると、「コンビニエンスでの支払い」は、3位と意外にも多いことが分かります。

出典:令和5年通信利用動向調査報告書(世帯編)

最も多いのは、クレジットカード支払いですが、

  • クレジットカードを持たない(未成年など)
  • 情報漏洩を懸念してクレジットカードを登録しない

ような人々が存在します。

決済手段を増やすことで、このような消費者の購入機会を増やすことができるので、幅広い客層を獲得したい方にとっては導入しておきたい手段ですね。

契約手続きの簡略化

収納代行サービスを使うことで、コンビニ決済を導入する契約手続きを一本化できます。

本来、コンビニ決済を導入するには、セブンイレブンやローソン、ファミリーマートなどコンビニチェーン毎に加盟契約やテスト送金を行う必要があります。

収納代行サービスを利用すれば、代行会社が各コンビニとまとめて契約してくれるため、書類作成も審査も一回で完了させることができます。

1社と契約するだけで全国の主要コンビニ決済を一括導入できるため、導入や運用にかかる手間を大幅に省くことができるようになります。

代金未回収のリスクを回避(前払い限定)

コンビニ決済で「前払い」を採用すれば、購入者の支払いを確認した後に商品・サービス提供できるため、代金を確実に受け取ることが可能です。

商品がキャンセルされた場合に発生する送料などは、ECサイトの運営者が負担する必要があります。これは、購入者が配送業者からの商品に対して受取拒否を行った場合も同様です。

前払いのコンビニ決済であれば、代金を受け取ってからの発送になるので、商品キャンセルによって発生するコストを回避することができます。

収納代行サービスを利用する時の注意点

メリットの多い収納代行サービスですが、以下のデメリットに注意しましょう。

  • 初期費用や月額費用がかかる
  • 代金未回収のリスク(後払い限定)
  • 支払い方法が限定的

初期費用や月額費用がかかる

コンビニ決済では、決済手数料の他に月額費用と初期費用がかかる場合があるので、取り扱い件数が少ない場合に割高になる可能性があります。

収納代行サービスに関しては、初期費用と月額費用が無料の場合が多いですが、数万円程度かかる場合もあります。また、月額費用は無料だが、取り扱い件数が少ない場合は、最低月額手数料が請求される場合もあるので、必ず費用は確認しておきましょう。

ただし、代行会社によっては、取り扱いが発生しない月は、月額費用が発生しない良心的なプランも存在します。コンビニ決済を導入する際は、自社の月間取扱件数や商品単価を踏まえ、初期・月額費用を含めた総合的なコスト試算を行うことが大切です。

代金未回収のリスク(後払い限定)

収納代行では、「前払い」と「後払い」の2つの支払い方法があります。

前払い購入者の代金支払いを確認してから商品を発送
代金を必ず回収できる
後払い購入者が商品を受け取った後に代金を支払う
代金を回収できない可能性がある

収納代行のメリットでは、「代金未回収のリスクを回避できる」と解説しましたが、それは「前払い」の話です。「後払い」だと、商品に払込票を同封するため、購入者が代金を支払わずに連絡がとれなくなるリスクが存在します。

後払いは、手元に代金がなくても購入できるので、消費者には気軽にショッピングできる大きなメリットがありますが、販売側にとっては催促が必要にある手間もかかるので、注意が必要です。

なお、代行会社によっては、代金未回収時の保証制度を設けているところもありますが、手数料が割高になる傾向にあります。

支払い方法が限定的

収納代行は主に「コンビニ払い」などをサポートしますが、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済、Apple Payなど、多様なキャッシュレス手段に対応できません。

特に若年層やデジタルネイティブ層は、スマホアプリで即時に決済することを好むため、収納代行だけではニーズが合わない可能性があります。

このように収納代行単体では、対応できる決済方法に限界があります。幅広い決済を一元管理できる決済代行サービスと組み合わせて、顧客満足度と収益性を両立させることが重要です。

「収納代行」と「決済代行」の違い

どちらも決済業務を代行してくれるサービスですが、主に以下の違いがあります。

比較項目収納代行決済代行
決済方法主にコンビニ決済クレジットカード
キャリア決済など多数
※コンビニ決済もあり
手数料負担者EC事業者 or 消費者主にEC事業者
取引先主に個人個人・法人

取り扱う決済手段

最も大きな違いは、両者の取り扱う決済手段です。

決済代行は、クレジットカードなど様々なオンライン決済手段を提供するのに対して、収納代行は、コンビニ決済に特化した形になります。

収納代行払込票をもとに現金払い
※主にコンビニ、銀行や郵便局
決済代行様々な決済手段を提供
・クレジットカード
・キャリア決済
・電子マネー など
※コンビニ決済もあり

決済代行でもコンビニ決済を取り扱っているため、収納代行のみコンビニ決済ができるわけではありません。決済代行は、収納代行よりも幅広い支払い方法をカバーしている形になります。

手数料負担者

決済代行は事業者が決済手数料を負担するのに対して、収納代行は負担対象を事業者か消費者か選ぶことができます。

収納代行EC事業者 or 消費者 選べる
決済代行EC事業者が払う

基本的には、原則事業者が払うものですが、一部費用をコンビニ払込票の「払込手数料」として消費者に請求することが可能です。

収納代行のみ消費者に手数料を負担させることができるため、コストを抑えたい人に利点が大きいです。

取引先

収納代行の主な取引先は、クレジットカードを持たない層などの個人のお客様が対象になりますが、決済代行は個人だけでなく、法人間取引(BtoB)にも対応しています。

収納代行主に個人
決済代行個人・法人

決済代行サービスは、クレジットカード会社や各種電子マネーブランドと加盟店契約を結び、与信・承認処理を代行するビジネスです。これらのブランドは「法人または個人事業主」しか加盟店として認めず、契約時に決算書や登記簿謄本などを提出してもらうことで、不正利用リスクや与信リスクを管理します。

取引額が大きく、決済トラブルの影響も大きい法人間取引では、こうした厳格な審査・セキュリティ要件が不可欠なため、決済代行は法人(または個人事業主)への提供が前提となっています。

結論「収納代行」と「決済代行」どっちが良いの?

収納代行と決済代行どちらが良いかは、事業内容や顧客の層によって異なりますが、基本的には「取引件数」や「顧客層」、「費用面」で決めると良いでしょう。

収納代行がオススメカード非保有層を主にターゲットにしたい
小~中規模取引で初期・月額コストを抑えたい
決済代行がオススメ多彩なキャッシュレス決済を一元管理したい
取引件数が月千件以上の大規模通販や高額商材を扱う法人取引が中心
即時承認・着金によるキャッシュフロー高速化が必須

取引件数が少なくて、コストを抑えたい場合は収納代行取引件数が多く、様々な決済手段を用意したい場合は、決済代行を選ぶみたいな感じです。

この後、おすすめの「コンビニ収納代行サービス」と「決済代行サービス」をぞれぞれご紹介します。

おすすめのコンビニ収納代行サービス9社を徹底比較!

ここまで収納代行について解説しました。次はどんな収納代行会社があるのか?どんな点に注意して選べばいいか?気になりますよね。

より最適なサービスを選ぶ時のポイントは以下の4つです。

  • 払込票に対応しているか
  • 対応コンビニ数は多いか
  • 決済限度額はあるか
  • 個人事業主が契約可能か

上記をもとに、コンビニ収納代行サービスを提供している会社を9社、徹底比較しましたので、ぜひ以下をもとに検討してみてください。(一覧比較表付き)

おすすめの決済代行サービス17社を徹底比較!

コンビニ決済だけでなく、クレジットカードやQRコード、キャリア決済など、様々な決済手段をカバーして一括管理したい方は、決済代行サービスを検討しましょう。

どの決済代行サービスを選べばいいの?と思ったら、まずは以下の4つのポイントを意識しましょう。

  • 決済手段への対応範囲
  • セキュリティへの信用度
  • 管理画面の見やすさ
  • 新たな決済手段への対応

上記のポイントをもとに、人気決済代行サービスを17社徹底比較しましたので、ぜひ以下を参考に検討してみてください。(一覧比較表付き)

まとめ

収納代行について解説しました。収納代行は、一般的にコンビニ決済を指すことが多く、導入すれば事業者にも消費者にもメリットの多いサービスです。

ただし、収納代行サービスだけだと、クレジットカードやキャリア決済など、多様な決済方法に対応できないので、若年層が主なターゲットであれば、決済代行との併用も検討しましょう。

当記事の内容を以下にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

収納代行とは主にコンビニ決済を取り扱う事業者
収納代行は2種類払込票を使うかどうかで異なる
・払込票(紙)
・ペーパーレス
料金体系以下の3つが主な費用
・初期費用
・月額費用
・決済手数料
相場初期費用:0〜数万円
月額費用:0〜1.5万円
決済手数料:130〜550円
メリット・消費者の決済手段が増える
・契約手続きの簡略化
・代金未回収のリスクを回避(前払い限定)
デメリット・初期費用や月額費用がかかる
・代金未回収のリスク(後払い限定)
・支払い方法が限定的
収納代行と決済代行の違い収納代行
・主にコンビニ決済
・手数料の負担者を選べる
・取引先は主に個人
決済代行
・多様な決済手段
・手数料は事業者負担
・取引先は個人・法人
どっちが良い?収納代行
・カード非保有者をターゲット
・取引件数少ない
・コストを抑えたい
決済代行
・多様な支払い方法に対応したい
・取引件数が多い
・即時承認・着金が良い

b-pos編集部