コンテンツマーケティングとは?メリット・成功事例と簡単な始め方を解説!

「コンテンツマーケティング」という言葉を耳にしたことはありますか?

コンテンツマーケティングは、現代のビジネスシーンで欠かせない戦略の一つとなっています。近年のデジタル化に伴い、消費者が広告に対してネガティブなイメージを抱いている中、コンテンツマーケティングは顧客に価値を提供し、ブランドへの信頼と関心を育む新しいアプローチです。

この記事では、コンテンツマーケティングとはどういったものなのか、そのメリットや成功事例を通じて、なぜ多くの企業がこの方法を選んでいるのかを解説します。

コンテンツマーケティングとは?

コンテンツマーケティングは、ターゲットに向けて有益なコンテンツを提供することを主としたマーケティング戦略のことを指します。

例えば、新たな商品に関する記事(コンテンツ)を読者に届けることで、認知度や興味を獲得することはコンテンツマーケティングの一つです。

すなわち認知・興味・比較検討・購入・継続などの目的を達成するために、記事・ホワイトペーパー・セミナー・動画などのコンテンツを届ける手段がコンテンツマーケティングです。

コンテンツマーケティングにおいて重要なのは、中長期的な視点での関係性構築する必要がある点です。中長期的に顧客との信頼関係を築くことで、持続的なエンゲージメントを生み出し、結果的に売上や顧客の獲得に繋げることができます。

コンテンツマーケティングのメリット/デメリット

ここでは、コンテンツマーケティングのメリット・デメリットを解説します。

メリット

コンテンツマーケティングのメリットは以下の3つです。

  • 認知度・好感度の向上
  • 顧客の獲得
  • 広告費の削減

認知度・好意度の向上

コンテンツマーケティングは、消費者に有益な情報を提供することで、ブランドの認知度や好意度を向上させることができます。

内容が質の高いものであればあるほど、消費者はそのブランドを信頼し、親しみを感じるようになります。また、記事や動画など、様々なコンテンツ形式での情報発信を続けることで、企業の専門性や信頼性が強化され、ブランドの価値を高めることができます。

顧客の獲得

有益なコンテンツは、ターゲットとなるオーディエンスを惹きつけ、新規顧客を獲得する機会を生み出します。

消費者は、自らの問題やニーズに対する解決策を求めて情報を検索するため、それに応えるコンテンツを提供することで、自社のサービスや製品への関心を高めることができます。

広告費の削減

コンテンツマーケティングで生成したコンテンツは資産となるため、中長期的に成果を生み出すことができます。そのため、一般的な広告とは異なり、低コストでの宣伝効果が期待できます。

コンテンツ生成時にはコストが発生しますが、生成したコンテンツを活用し続けることで、初期に発生したコストをペイすることができ、結果的に広告費の削減に繋がります。

デメリット

一方、デメリットとしては以下の2つがあげられます。

  • 成果が見えづらい
  • 成果が出るまでに時間がかかる

成果が見えづらい

コンテンツマーケティングの一つのデメリットとして、成果の可視化が難しい点が挙げられます。

従来の広告活動とは異なり、直接的な売上やクリック数の増加といった短期的な成果が期待しにくいため、効果の測定や評価が難しくなることがあります。

成果が出るまでに時間がかかる

コンテンツマーケティングは中長期的な視点での取り組みが必要です。すぐに成果が現れるものではなく、品質の高いコンテンツを継続的に提供することで、じわじわとその効果が表れてくる性質があります。

コンテンツを配信してから最低でも3ヶ月ほどは成果が出るまでに要すると考えていいでしょう。そのため、短期的な成果を求める企業はコンテンツマーケティングではなく、広告などを活用したマーケティングを実施することをおすすめします。

コンテンツマーケティングの成功事例

ここでは実際にコンテンツマーケティングを行い、成功している企業の例をBtoBとBtoCに分けて紹介していきます。

【BtoB】カオナビ人事用語集

引用:カオナビ人事用語集

カオナビは、従業員の働き方や労働環境を一元管理するクラウド型の人事労務ソフトウェアを提供しています。

彼らが展開する「カオナビ人事用語集」は、人事担当者や経営者が日々の業務で遭遇するさまざまな専門用語や法律に関する情報を平易な言葉で説明しているものです。

こちらの記事は月間260万アクセスも生んでおり、リード獲得に大きな影響を与えていると言えます。

目的リード獲得
ターゲット企業の経営層、人事担当者
業界IT
コンテンツ種類記事・動画
チャネルSEO・YouTube・SNS
コンテンツ数記事数:約2,000記事
動画数:約20本
開設日2016年~
月間アクセス数2,600,000

【BtoC】トヨタイムズ

引用:トヨタイムズ

トヨタイムズは、自動車メーカー大手のトヨタ自動車株式会社が運営するオウンドメディアの一つです。このメディアでは、新しい車種の紹介や技術解説だけでなく、トヨタ社員インタビューや取り組みに関するストーリー、さらには業界のトレンドや社会問題に対する取り組みなど、幅広い情報が発信されています。

このようなアプローチにより、トヨタイムズは消費者との信頼関係を築き、ブランドロイヤリティの向上を実現しています。

目的ブランディング
ターゲット自動車に関心がある層
業界自動車
コンテンツ種類記事・動画
チャネルテレビCM・新聞・SNS・YouTube
コンテンツ数記事数:約600記事
動画数:約450本
開設日2018年~
月間アクセス数276,500

その他、コンテンツマーケティングの成功事例は以下の記事で詳しく紹介していますので、興味のある方は覗いてみてください。

コンテンツとは?

コンテンツマーケティングにおける「コンテンツ」とは、情報やコミュニケーションの対象となる要素や資産を指します。

具体的には、記事や画像、動画、音声、インフォグラフィック、ウェブページ、ブログ記事など、さまざまな形式で提供される情報のことを指します。

コンテンツマーケティングとSEOの違い

コンテンツマーケティングはSEOと混同されることが多々ありますが、コンテンツマーケティングは「マーケティング手法」であり、SEOはマーケティング効果を最大化するための「手段」に過ぎません。

SEOはコンテンツマーケティングの一つであり、生成したコンテンツをより多くの人にリーチするためにSEOを実施します。SEO対策を行い、コンテンツが検索順位の上位に表示される事で、認知度や好感度などを高めることができるようになります。

コンテンツの種類

コンテンツマーケティングにおける主なコンテンツは、以下の4つです。

  • SEO記事
  • ホワイトペーパー
  • 動画
  • セミナー

それぞれについて解説します。

SEO記事

SEO記事は、ウェブサイトやブログ、オウンドメディア上でメインとなるコンテンツです。情報提供や意見の発信、教育など、多岐にわたる目的で制作されます。

一貫したテーマで作成した質の高い記事は、読者との信頼関係を築くのに非常に効果的です。

例えば、BtoBマーケティング支援ツール「ferret One」を運営する株式会社ベーシックは、「ferret」というメディアを運営しています。

引用:ferret

ferretは「マーケターのよりどころ」というコンセプトを掲げ、BtBマーケターの様々なニーズを満たすコンテンツを発信しています。

ホワイトペーパー

ホワイトペーパーは、具体的な解決策や専門的な知識を共有するための資料コンテンツです。主にBtoBの領域で利用され、リード獲得や認知拡大を目的として活用されます。

先程ご紹介した「ferret」内にも、以下のようにホワイトペーパーが設置されています。

引用:ferret

ほとんどの企業では、顧客情報を入力すると、ホワイトペーパーがダウンロードできる仕様になっています。この形式を取ることで、企業側は「〇〇というテーマに興味がある層」のリードを獲得することができ、顧客情報を基にアプローチが可能です。

動画

動画コンテンツは、1分間で一般的なWEBページの3600ページ分の情報量を訴求できると言われており、他コンテンツよりも情報伝達力が強いコンテンツです。

教育的な内容からエンターテインメント、商品の紹介など、多岐にわたる内容で制作されます。

引用:ferret

上記のように、会員限定のコンテンツとはなりますが、ferretでも動画コンテンツが活用されています。

セミナー

セミナーは、対面やオンラインで専門的な情報の提供やノウハウを提供するコンテンツです。参加者と直接コミュニケーションを取ることができるため、深い関係性を築くこともできます。

引用:ferret

特定の領域に精通したプロフェッショナルの方をお呼びしてテーマについて話をしてもらう形や、企業間での共同開催、社内のメンバーが登壇する単独開催などの形式があります。

どのセミナーも基本的には無料で開催されることが多く、セミナーの最後にサービスの紹介を行ったり、特典付きのアンケートフォームへの回答を促すなどで、認知拡大やリード獲得を図ることもできます。

そのコンテンツを顧客に「届ける」方法

どれだけ質の高いコンテンツが生成しくても、適切な方法でターゲットに届けることができなければ、効果を出すことはできません。ここでは、コンテンツを届けるための主な方法を4つ紹介します。

  • SEO(検索エンジン最適化)
  • メルマガ
  • SNS
  • 広告配信

SEO(検索エンジン最適化)

SEOは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで調べた際に、優先的に上位表示を狙う戦術です。

「コンテンツマーケティング」というキーワードで検索した際に、「スポンサー」と表示されているサイトを除き、一番上に表示されているサイトはSEOが高い状態です。

SEO対策を行い、サイトが上位に表示されるようにするには、検索キーワードの調査と設計から始め、それに基づいたコンテンツを作成することが重要です。

メルマガ

メールマガジンは、顧客と直接コミュニケーションをとる手法の一つです。狙いたい層に対して一斉にメールを送ることができるので、手間やコストは比較的かからない手法となっております。

その際に、読者にとって有益な情報を提供することでロイヤリティを向上させることに繋がります。

メルマガにはいくつかの目的があります。目的に合わせて、どのコンテンツを届けるのかを適切に選択するようにしましょう。

目的詳細
ブランド認知度の向上定期的なメルマガ配信で、製品たサービスが頭に残りやすくなるため、
ブランド認知度を高めることが可能
リード獲得潜在層ががメルマガに登録することで、
その後のマーケティング活動やセールスプロセスに繋げることが可能
顧客エンゲージメントの強化顧客が興味のあるテーマや問題解決に役立つ情報を提供することで
エンゲージメント(顧客との強いつながり)を高めることが可能
売上向上プロモーションや製品情報などをダイレクトに伝え、
購買を促すことが可能
顧客リテンション高品質なコンテンツの提供で、顧客が定期的にメルマガを閲覧
これにより、長期的な顧客関係を構築することが可能
コンテンツの再利用ブログ記事、動画などの既存コンテンツをメルマガで紹介することで、
コンテンツのリーチを拡大することが可能
フィードバックの収集メルマガ内でアンケートやフィードバックを求めることで、
顧客の声を拾うことができ、開発や改善に役立てることが可能

SNS

ソーシャルメディアは、拡散力に優れており、スピード感をもって多くの人にリーチすることができます。Twitter(現X)、Facebook、Instagramなどのプラットフォームを用いて、コンテンツを広く拡散することができます。

BtoBマーケティングにおいては特にFacebookとTwitter(現X)との相性が良いとされています。Facebookは、実名制度を活かして信頼性の高い情報発信と顧客エンゲージメントが可能です。一方、Twitter(現X)は瞬時に情報が拡散する性質を利用して、トレンドや速報性に富んだコンテンツを展開できます。

BtoCであれば、Twitter(現X)とInstagramとの相性が良いとされています。画像などを添付して視覚的にアプローチすることやトレンドを活かした訴求・拡散などを行うことが可能です。

SNSを活用してコンテンツを届けることで、ブランドの認知度を高めるだけでなく、新規の顧客を獲得するチャンスも広がります。先述の「ferret」も自社のSNSアカウントで記事を定期的に共有しています。

広告配信

コンテンツを確実に届けたい場合、Google広告やSNS広告などを活用するのも一つの手段です。

GoogleやFacebookなどのプラットフォームを活用し、ターゲットとするオーディエンスに直接コンテンツを表示させることができるため、成果に繋がりやすくなります。

広告配信は、種類によって得られる効果や届けるコンテンツが変わるため、自社の目的や届けたいコンテンツの特性を整理してから選定するようにしましょう。

種類媒体詳細
リスティング広告・Google
・Yahoo! など
検索キーワードに基づいて、広告を表示
サイトや記事に遷移させる
ディスプレイ広告・Google
・Yahoo! など
様々なウェブサイト上でバナー広告を表示
ホワイトペーパーやセミナーに遷移させる
SNS広告・Facebook / Instagram
・Twitter(現X)
・LinkedIn など
各SNS上で広告を表示
あらゆるコンテンツとの相性が良い
動画広告YouTube などYouTube上で動画広告を表示
動画コンテンツを表示させ、サイトに遷移

コンテンツマーケティングの始め方

コンテンツマーケティングは中長期的かつ継続的に取り組むことで効果を得ることができるため、闇雲に始めても、効果を得ることはできません。事前準備を含め、計画的にステップを踏むことが成功の鍵となります。

コンテンツマーケティングの始め方6ステップ

コンテンツマーケティングを始める際のステップは大きく6つに分かれます。

  1. コンテンツマーケティングを導入する目的を整理する
  2. 目的に最適な「届ける手段」を明確にする
  3. 作成するコンテンツとテーマを決める
  4. 目標を決める
  5. 体制/ルールを決める
  6. コンテンツを作成する

特に重要なステップは「目的の明確化」です。コンテンツマーケティングは多くの労力と時間がかかるため、目的が明確になっていなければ、コンテンツの軸がブレてしまい、効果が出にくくなります。

目的がブレていれば、届ける手段も、コンテンツテーマも、目標も、コンテンツの内容もすべてが変わってしまいます。コンテンツマーケティングは中長期的な視点を持って、継続的に取り組む必要があることを念頭において、運営する上で道しるべとなる目的・目標をしっかりと決めるようにしましょう。

各ステップの詳しい説明は以下の記事で解説しています。気になる方は参考にしてみてください。

コンテンツマーケティング成功の具体例

コンテンツマーケティングの成功確率を高めるためには、フェーズごとに注力するポイントを分け、各フェーズでやるべきことを明確にすることが重要です。

闇雲にコンテンツを作り続けるのではなく、コンテンツ作成の狙いを常に明確化することが成功の鍵です。

最初のフェースで注力すべきポイントは「アクセスを集める」ことです。アクセスを集めるためには、SEOが最も効果的です。まずは上位が取れそうなキーワードに絞り、徐々に検索ボリュームが大きいキーワードを、そしてリード獲得などの最終目的に繋がりやすそうなキーワードを書いていきましょう。

次に注力すべきポイントは「コンバージョンの獲得」です。ホワイトペーパーを作成し、記事からホワイトペーパーをダウンロードできるようにしましょう。そうすることで、顧客情報を獲得できます。また、CTAを増やしたり、クリックさせるための誘導テキストの追加や改善を常に行うことが重要です。

最後は「コンバージョンを増やす」ことに注力しましょう。アクセスを集め、コンバージョンを獲得することができていれば、メルマガやSNSなど、SEO以外の手段を活用してコンバージョンを増やしていきましょう。記事の内容を小出しにして発信すると効果的です。

コンテンツマーケティングを実施する上での注意点

コンテンツマーケティングは大きな成果をもたらす一方で、失敗すると余計なコストが発生するだけで終わってしまいます。そのような事態を避けるためにも、以下の注意点に気をつけて取り組みましょう。

  • 成果は中長期的に考える
  • 「作成」が滞らない工夫を
  • 体制/ルールを決める

成果は中長期的に考える

コンテンツマーケティングは一夜にして成功するような戦略ではありません。実際に効果が見られるには最低3ヶ月ほどかかると考えていいでしょう。

SEO対策やオーディエンスの構築には時間がかかりますが、それらが成熟すると、安定した成果が期待できます。

「作成」が滞らない工夫を

コンテンツの「作成」が最も重要な工程ですが、これが滞ってしまうと全体の流れがストップしてしまいます。そのような事態を避けるために、定期的にスケジュールを更新したり、作業を効率化するためのテンプレートを作成したり、常に工夫することを心がけましょう。

また、自社のリソースが足りない場合は、外部の記事作成代行会社を活用するのも効果的です。記事作成のプロによる執筆で、高品質な記事の生成もできます。以下の記事で、おすすめの記事作成代行会社の紹介をしているので、気になる方は参考にしてください。

体制/ルールを決める

コンテンツマーケティングはチームで行う活動であり、その成功は明確な体制とルールに大いに依存します。誰がどのような役割を担うのか、どのようなスケジュールで何をするのか、そのような基本的なルールから、品質管理の方法、編集フロー、承認プロセスに至るまで、明確にしておく必要があります。

この体制やルールが不明確な場合、作業の効率が落ちるだけでなく、チーム内での認識のずれやミスが生じ、クオリティに影響を及ぼす可能性が高くなります。

まとめ

コンテンツマーケティングは、デジタル化の進む近年ではビジネス戦略に欠かせない要素となっています。

しかし、成果を出すためには中長期的な視点で戦略を組む必要があります。具体的な目標設定を行い、それに向けてコンテンツを計画的に、継続的に作成していくことが重要です。

この記事を通じて、コンテンツマーケティングとはという部分はもちろん、運営する上で必要なポイントを知ってもらった上で、ビジネスに活かしていただければ幸いです。

b-pos編集部

代行・外注サービスの比較サイトb-pos(ビーポス)の編集部。b-posは、BPOサービスの比較検討時に知っておきたい情報やサービスの選び方について解説するメディアです。サービスの掲載企業の方はこちらから(https://b-pos.jp/)