営業リストの作り方を徹底解説!無料での作成方法と5つのツールを特徴別に紹介

営業リストを効果的に利用することは、ビジネスを成功させる上で不可欠といえます。 しかし、その作り方や選定方法、使用方法は必ずしも明確ではなく苦労されている方も多いのではないでしょうか。

本記事では「営業リストの作り方」をテーマとして、無料で手に入れる方法から時間と労力を大幅に節約するための「購入可能なツール」まで、広く包括的に解説します。

また、営業リストを作成して満足して終わりという状況にならないよう、作成後のアプローチ方法やタイミングを見極める技術についても解説します。 この記事が効率的な営業活動の一役になれば幸いです。

営業リストとは

営業リストとは、『営業活動を行う際に目指すターゲット、すなわち見込み客や潜在的な顧客をリスト化したもの』を指します。

リストには、個々の顧客の連絡先情報、業種、企業規模、位置情報やその他の関連情報が含まれています。営業リストを活用することで、営業チームは製品やサービスを売り込むべき最適な顧客を特定し、その顧客に対するアプローチを計画、実行することができます。

営業リストの重要性

営業リストは、あなたの製品やサービスに興味を持つ可能性がある見込み客の情報が集約されている必要があります。しかし、その重要性は単に情報の集約に留まりません。

リストが存在することで、営業チームはターゲットとなる見込み客を明確に識別し、自社の製品やサービスに対するニーズを理解しやすくなります。そして、一人ひとりの見込み客に対するアプローチを最適化し、営業活動の効率化を実現することができます

リストの有無で営業活動の成果が変わってきます。

リストなしで適当に営業を行う場合

具体的には、リストなしで適当に営業を行う場合、見込み客が実際に自社の製品やサービスに興味を持っているかどうか、またそのニーズが何かを探るために大量の時間と労力が必要になります。

質の良いリストがある場合

一方で、質の良い営業リストがあると、そのリストには既に見込み客の基本情報やニーズが含まれているため、一人ひとりの見込み客に対するアプローチをより効率的に、かつ具体的に行うことが可能になります。

また、営業リストがあることで、全体の営業活動の計画も立てやすくなります。ターゲットとなる見込み客の数や、その見込み客の属性により、どの見込み客にどのようなアプローチを行うべきか、どの見込み客からアプローチを始めるべきかといった個別化された戦略も立てやすくなるのです。

要するに、営業リストは『営業活動を大きく効率化し、その結果として営業成果を高めるための重要なツール』といえます。

質の良い営業リストの定義

質の良い営業リストとは何でしょうか?

質の良い営業リストとは、ターゲットとなる見込み客の情報が正確で最新であり、そして具体的なアプローチに役立つ情報を含んでいるリストのことを指します。

その中でも特に重要な要素の一つが、「決算月」です。各企業の決算月は、『その企業が新たなサービスや製品を導入しやすいタイミング』を示しています。決算月が近づくと企業は新たな予算を計画し、新しい投資を行うことが多いです。そのため営業活動においては、見込み客の決算月を把握することで最適なアプローチタイミングを見極め、成約率を高めることができます。

その他にも、具体的な課題やニーズ、関心事など、見込み客の詳細なプロフィール情報が含まれていると、より質の高い営業リストといえます。
これにより、営業チームはより個別化されたメッセージを送ることができ、見込み客の関心を引く可能性が高まります

要するに、質の良い営業リストでは、あなたの製品やサービスを必要としている可能性のある見込み客に対して、『最適なタイミングとメッセージでアプローチできるように設計』されていなければなりません。

営業リストの作り方

営業リストを作成するにあたっては、その準備と具体的な作成プロセスが重要となります。これには、ターゲット選定とデータ収集が含まれます。質の高い営業リストを作るためには、これらのステップを丁寧に実行することが必要です。

営業リスト作成前にすべき「ターゲット選定」

営業リストを作る前に最初に行うべきは、どの顧客を対象にするか、つまり「ターゲット選定」です。これは、営業リストの質とその後の営業活動の成功に直結します。

選定するときに明確にすべきなのは以下の項目です。

属性情報企業規模・業界などの情報
顧客課題〇〇の人材不足に悩んでいる

例)従業員100名以上のエンジニアの人材不足に悩んでいる企業

ターゲットとなる顧客を選定する際には、企業の製品やサービスがどのような顧客にとって魅力的であるかを理解することが必要です。業種、規模、地域などの基本的な情報から、顧客の課題やニーズ、価値観などのより詳細な情報まで、幅広い視点から検討すると良いでしょう。

ターゲットを特定したら、それらの顧客がどのようにしてあなたの製品やサービスを見つけ、利用するかの一連の流れ(カスタマージャーニー)を理解することも重要です。これにより、営業リストの作成方法や営業活動の具体的な方法を計画することができます。

営業リストの作成方法

ターゲットが選定されたら、次はそのターゲットの情報を集め、営業リストを作成します。情報収集の方法は様々で、企業のニーズやリソースに応じて選びますが、基本的には大きく分けて以下2つの方法でリストアップしていきます。

  1. 自力で無料で作成する
  2. ツールを使って作成する

1. 自力で無料で作成する

情報収集の一例として、公開されている情報を自力で収集する方法があります。具体的には、ターゲット企業のウェブサイトやSNS、業界のレポートやデータベースからの情報収集を行います。この方法は手間と時間がかかる場合もありますが、コストをかけずに情報を収集することができます。

2. ツールを使って作成する

一方、時間やリソースを節約したい場合、営業リストを提供するサービスを利用することも可能です。これらのサービスは、ターゲットとなる企業や業界の詳細な情報を提供し、営業リストの作成を大幅に助けてくれます。ただし、これらのサービスは一定のコストが発生するため、その価値を十分に理解した上で選択することが重要です。

いずれの方法を選んだとしても、営業リストは定期的に更新し、常に最新の状況が反映されていることが重要です。これにより、営業活動の効果を最大化することができます。

営業リスト作成方法1【自力・無料】

無料で自力で収集していく営業リストは基本的に、以下の2ステップで作成します。

  1. ターゲット顧客情報を集める
  2. リスト化する

1. ターゲット顧客情報を集める

営業リストを作成する上で最初に行うべきは、ターゲットとなる顧客情報の収集です。これには、業界や企業規模、所在地など、具体的に営業を行いたい顧客の特性を明確に定義する必要があります。具体的な顧客像を持つことで、その後の情報収集がより効率的に進行し、ターゲットに沿った営業アプローチが可能になります。

顧客情報の収集方法を、3つ紹介します。

  • Webで検索
  • 紙媒体の活用
  • 展示会への参加

Webで検索する

ターゲットとする顧客情報をWebで検索するのは、最も手軽で多くの情報を短時間で手に入れることができる方法です。企業の公式ウェブサイト、ニュースリリース、SNSなどから、業種・規模・所在地などはもちろん、企業のビジョン・戦略・新製品やサービスの情報などについてもあわせて収集することができます。

例えば、大手企業をリストアップしたい場合、企業データベースプラットフォームなどで「従業員数:500名以上」などでフィルタリングして検索することで対象企業をリストアップすることができます。

また、検索を行う際には「課題起点」とするのも一つの方法です。つまり、あなたの商品やサービスが解決できる課題を持つ企業を検索するのです。 例えば、あなたがクラウドサービスを提供している場合、「リモートワークの推進企業」などといったキーワードで検索を行うことで、ニーズとマッチするターゲットを見つけることが可能になります。

紙媒体を活用する

Web検索と並行して、紙媒体からの情報収集も重要な手段です。紙媒体には、企業の最新動向や市場の変化、新たな法規制の変更など、Web検索では取得しにくい情報が掲載されています。

例えば以下のような情報源です。

  • 新聞
  • 雑誌(業界特化の雑誌や業界レポートなど)
  • 四季報

紙媒体の大きなメリットはその信頼性です。新聞や専門誌などは編集者や専門家による厳しいチェックを受けており、信頼性の高い情報を得られます。また、新製品やサービスの詳細情報、企業の戦略やビジョンなど深い情報を知るためにも紙媒体は有効です。

展示会に参加する

展示会への参加は直接的な情報収集手段として優れています。展示会では、競合他社の製品やサービスを直接確認できるだけでなく、業界の最新トレンドやニーズを肌で感じることができます。これらの情報は営業リストの質を高めるための非常に価値あるリソースとなります。

展示会では名刺交換も行われるため、後日の具体的な商談に繋がる貴重なリードが手に入ります。このような情報は公開されていないビジネスの戦略やニーズを理解するための貴重な情報源となります。

ただし、展示会への参加には費用と時間が必要となります。それでも、その投資が高品質な営業リストを生み出し、最終的にはビジネスの成功につながることを理解することが重要です。

2. リスト化する

情報収集が一段落したら、次はそれらの情報を一覧化し、営業リストを作成します。Excelなどのスプレッドシートを活用しましょう。たとえば、以下のように情報を整理すると良いでしょう。

企業名業種製品・サービス規模決算月ニーズ担当者 / 連絡先ホームページアプローチ方法商談内容メモ
・正式名称・事業内容
・業界
・主要な製品
・サービス内容
・従業員数
・年間売上 etc
・決算月
→予算繰越タイミングを予測
・ニーズ
・課題
(仮説でOK)
・担当者名
・電話番号
・メールアドレス
・ホームページ
・採用ページ
・営業アプローチ方法
(先の情報を参考に)
・商談履歴
(次回アプローチの参考に)
・会社のキーパーソンの名前
・直近の業績情報 etc
(自由に記載する場所)

(画像:Excelと上記情報羅列)

情報を見やすく、検索しやすい形で一覧化することにより、営業活動を円滑に行うことができます。

重要なことは、リストは一度作成したら完了ではなく、常に最新の情報に更新し続ける必要があるということです。市場や顧客のニーズは日々変わりますので、それに合わせてリストも逐次更新ししながら、常に最高のパフォーマンスを発揮する営業リストを保つことが必要となります。

リスト作成は手間と時間を必要としますが、その労力は確実に営業の質と効率を向上させ、ビジネスの成長に寄与するといえます。

営業リスト作成方法2【ツール・購入】

営業リスト作成には、自社で一から情報を集める自力・無料の方法以外にも、各種の営業リスト作成ツールや購入という選択肢があります。これらのツールを利用することで、時間と労力を大幅に削減し、より質の高いリスト作成が可能になります。

今回は、その中でも特におすすめの5つのツールを紹介します。

サービス特徴費用無料プラン
Musubu「話題度」や「求人ニーズ」など独自のスコアを提供月額25,000円(税込)〜あり
BIZMAPS中小企業の情報を豊富に持っており、取引先の信用情報も提供している月額5,000円(税込)〜 あり
SalesMarkerキーワードを検索した企業を一覧で閲覧可能問い合わせ45分の無料デモあり
HRogリスト企業の最新の動向を把握するのにも役立つ人気No.1ツール対象エリアによる(問い合わせ) 1ヶ月無料トライアルあり
SalesNowリストアップした企業にアクションがあった際の通知機能あり問い合わせ5日間の無料トライアルあり

Musubu

(出所:Musubu公式Webサイト)

Musubuは日本で広く使われているBtoBの営業リスト作成ツールです。1400万社以上の企業情報を取り扱っており、その中から企業名・業種・規模・地域など、さまざまな条件で検索することが可能です。

さらに、経済ニュースや求人情報、企業のWebサイト情報などから算出した「話題度」や「求人ニーズ」など独自のスコアも提供しており、一歩進んだリスト作成に役立ちます。最新の情報をリアルタイムで取得できるため、ターゲット企業の変動に素早く対応することができます。

また、無料でお試しすることも可能なので、まずは気軽に試してみてはいかがでしょうか。

参考料金月額25,000円(税込)〜 
※無料プランあり(取得可能企業数30件/月まで)

BIZMAPS

(出所:BIZMAPS公式Webサイト)

BIZMAPSは、特に中小企業の情報を豊富に持っている点で知られています。取引先の信用情報も提供しているので、新規の取引先を探す際にリスク管理を行うことが可能です。

また、企業同士の取引関係を可視化できる機能も持っており、競合企業の取引先を探す際などに活用できます。インターネット環境があればどこでも情報にアクセスでき、取引情報、上場情報、ニュース、SNSなど、多角的に情報を集めることができます。その圧倒的な情報量がBIZMAPSの大きな強みです。

参考料金月額5,000円(税込)〜 
※無料プランあり(取得可能企業数100件/月まで)

SalesMarker

(出所:SalesMarker公式Webサイト)

SalesMarkerは、企業情報を日々更新し、豊富な分析機能を提供している営業リスト作成ツールです。取引先の信用度や取引リスクを分析する機能があり、業務のリスクマネジメントに有効です。

また、市場分析機能も充実しており、競合他社の動向や市場規模、市場動向などを理解するのに役立ちます。このような情報は、マーケティング戦略を策定する際にも活用できます。

さらに、自社で設定したキーワードを検索した企業を一覧で見ることができ、その企業に対する営業活動を行うことが可能です。

参考料金問い合わせ
※45分の無料デモあり

HRogリスト

(出所:HRog公式Webサイト)

HRogリストは、特に人事・採用の領域に特化した営業リスト作成ツールで、その中でも人気No.1のツールです。企業の人事担当者や採用担当者の情報が豊富で、人事領域のソリューションを提供する企業にとって有益な情報源となります。

また、各企業の組織図や採用情報、リストに登録された企業のニュース等も提供しているので、企業の最新の動向を把握するのに役立ちます。

参考料金対象エリアによる(問い合わせ)
※1ヶ月無料トライアルあり

SalesNow

(出所:SalesNow公式Webサイト)

SalesNowは、BtoBの新規開拓に特化した営業リスト作成ツールです。企業名だけでなく、企業の業績、ニュース、採用情報など、企業の「今」を理解するのに役立つ情報が充実しています。

また、企業の最新情報だけでなく、個々の企業が抱える課題や、解決策を提案するための情報も提供しています。これらの情報を活用すれば、より具体的なニーズに応える提案が可能となります。

さらに、SalesNowの特徴的な機能として、リストアップした企業にアクションがあった際の通知機能があります。これは、例えばある企業が新たにプレスリリースを公開した際や、新規採用を開始した際など、あらかじめ設定したトリガーに基づいて通知が行われるというものです。この機能により、ターゲットとしている企業の最新の動向を逃すことなく、迅速に営業活動に反映させることができます。

参考料金問い合わせ
※5日間の無料トライアルあり

リストアップ後のアプローチが最も重要

営業リストを作成することは重要ですが、そのリストを元にしてどのようにアプローチを行うかが最も重要といえます。高品質なリストを作成したとしても、それに基づいた適切なアプローチが行われなければ、リストの価値は半減します。ここでは、適切なアプローチ方法とタイミングについて考察します。

適切なアプローチ方法を見極める

一度に全ての企業に一律のメッセージを送るのではなく、各企業の特性やニーズに合わせてカスタマイズされたメッセージを送ることが重要です。

リストを作成する際に収集した情報を活用し、ターゲットの企業が抱える問題や求めている解決策を理解することが必要です。これを基に、自社の製品やサービスがどのようにその問題解決に寄与できるのかを伝えましょう。

また、アプローチの方法も多様です。電話営業、メール、SNS、直接訪問など、企業や担当者の特性に合わせて選択しましょう。例えば、忙しい担当者にはメールでのアプローチが効果的であったり、製品の特性を直接見てもらいたい場合は訪問が有効であったりします。

適切なタイミングを見極める

アプローチのタイミングも重要な要素の一つです。”企業が新製品を発表したとき”、”新規事業を開始したとき”、”新たな問題に直面しているとき”など、タイミングによって、企業が解決策を求めている可能性が高まります。そのようなタイミングを見極めてアプローチすることで、より効果的な営業が可能になります。

また、特定の企業が新製品を開発したときに、その製品に関連する問題解決のソリューションを提供可能な他の企業に対してアプローチするなど、他社の動きを見極めることもターゲットを広く取る上で効果的です。

以上のように、リストアップした企業へのアプローチ方法とタイミングを適切に見極めることが、営業の成功に繋がります。これらのポイントを押さえつつ、戦略的な営業活動を展開していきましょう。

まとめ

営業活動を進める上で、質の良い営業リストの作成は非常に重要な要素となります。リストを持っていないランダムな営業活動と、きちんとしたリストに基づく営業活動とでは、その効率性と戦略に大きな差が出ます。

リスト作成の第一歩は、ターゲットの選定です。ターゲットとなる企業や人物の特性やニーズを理解することで、より適切な営業戦略を構築することが可能になります。

そして、情報を収集するための方法論は多様です。自力で無料で集める方法としては”Web検索”や”紙媒体の活用”、”展示会への参加”などがあります。また、効率よく情報を集めるためのツールやサービスも存在します。

一方で、リストを作成した後のアプローチ方法とタイミングも重要となります。ターゲットの特性に合わせたアプローチ方法を見極め、適切なタイミングでアプローチすることが求められます。

以上のように、営業リストの作成と活用は営業活動の成功に直結するといえます。自社のビジネスに合わせた営業リスト作成の方法を見つけ、効率的な営業活動を行うための一歩として活用しましょう。

b-pos編集部

代行・外注サービスの比較サイトb-pos(ビーポス)の編集部。b-posは、BPOサービスの比較検討時に知っておきたい情報やサービスの選び方について解説するメディアです。サービスの掲載企業の方はこちらから(https://b-pos.jp/)