コンテンツマーケティング導入手順6ステップ|メリットと注意点も解説

コンテンツマーケティングは、現代のマーケティング戦略の中心として注目されていますが、正しい導入方法がわからないと、かけたコストが無駄になってしまいます。

この記事では、コンテンツマーケティングの成功に必要な「6つのステップ」をわかりやすくご紹介します。導入を考えている企業や個人にとって、具体的な手順とその効果を理解することで、高いROI(投資対効果)を得るための道筋が見えてきます。

さらに、実践時のメリットだけでなく、失敗しないための注意点も詳しく解説します。

コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングは、情報や知識を共有する形式のコンテンツを制作(作る)・配信(届ける)することで、ターゲットとなる顧客層の関心や信頼を引きつけ、結果的にビジネスの目標達成に寄与するマーケティング手法です。

今や、消費者はただの商品やサービスの情報だけでなく、その背景や価値観、そして役立つ情報を求めています。コンテンツマーケティングは、そんな現代の消費者のニーズに応える最適な手法と言えるでしょう。

これはBtoBでも同じことが言えます。企業間取引もオンライン化してきていることから、BtoB企業の方がコンテンツマーケティングでの投資対効果が高く、取り組む企業が増えてきています。(本記事はBtoBを中心に説明していきます)

BtoBにおけるコンテンツマーケティング手法はオウンドメディアを中心に展開されることが多いです。

オウンドメディアとは、企業が自ら所有・運営するメディアのことを指し、メディアを通して独自のコンテンツをターゲット層に直接届けることが可能となります。

コンテンツの種類(1.作る)

コンテンツマーケティングで使用されるコンテンツは多岐にわたります。ここでは、主要なコンテンツの種類とそれぞれの特徴を簡単に紹介します。

  • 記事
  • ホワイトペーパー
  • 動画

記事

記事は、オウンドメディアやブログなどでよく用いられるコンテンツの一つです。特定のテーマやトピックについて詳細に解説する形式で、SEO(検索エンジン最適化)の観点からも非常に重要とされます。

例)

タイトルパワーポイントのデザインパターン集。資料作成に使える39のアイデア
コンテンツ内容パワーポイントのデザインパターンを紹介。
画像を用いてわかりやすく解説することで、
読み手が資料作成時にデザインに困らないコンテンツとなっています。
URLhttps://cone-c-slide.com/see-sla/blog/design-pattern/

ホワイトペーパー

ホワイトペーパーは、専門的かつ深い知識を提供するための文書、所謂お役立ち資料です。主にB2Bのマーケティングにおいて有効とされ、具体的な解決策や業界のトレンド、データなどを詳細にまとめます。

サイト訪問者に対して、フォーム入力を要求することで電話やメールなどでアプローチをすることができるようになるため、顧客獲得に有効なコンテンツマーケティング手法となっています。

例)

タイトル月1本ウェビナーを継続するための”資料作成外注”活用術
コンテンツ内容ウェビナー準備に時間と手間がかかっているマーケター向けに、
ウェビナーを月一で継続して行うためのノウハウをまとめた資料。
顧客獲得を目的に、ノウハウとともに自社サービスの紹介をしています。
URLhttps://cone-c-slide.com/see-sla/download/webinercontinue/

動画

動画は、情報(ノウハウの解説、ウェビナーの録画など)を視覚的に伝える強力なツールとして、近年のコンテンツマーケティングにおいて注目を浴びています。

ユーザーのエンゲージメントを高める上で効果が高く、SNSでのシェアや拡散も期待できます。

例)

タイトル伝わる資料が作れるようになる2つのデザインルール
コンテンツ内容資料をつくるのが苦手なビジネスパーソン向けに、
BtoB向けの資料作成のポイントを動画で解説。
URLhttps://www.youtube.com/watch?v=4MGQMBAe2f4

コンテンツの配信手段(2.届ける)

コンテンツマーケティングの成功の鍵は、素晴らしいコンテンツを作成するだけでなく、それを適切なターゲットオーディエンスに効果的に届けることです。

そのための手段は多岐にわたりますが、ここでは特にSEOメールを中心に、その重要性と実践方法を解説します。

SEO対策

SEO(検索エンジン最適化)は、コンテンツを検索エンジン上でより高い位置に表示させるための手法です。

多くの人々が情報を求める際に、GoogleやYahoo!などの検索エンジンを使用しています。

したがって、これらのエンジンで上位に表示されることは、未接点潜在層(まだ自社を知らない見込み顧客)を獲得するための非常に効果的な方法となります。

手段SEO対策
ターゲット未接点潜在層
(まだ自社を知らない見込み顧客)
コンテンツ・記事
・動画

メール(メルマガ)

メールは、コンテンツを直接的にターゲットに届けるための手段の一つです。

特に、ニュースレターや情報配信の形式で、定期的に有益なコンテンツを購読者に提供することは、ブランドの認知度維持や顧客ロイヤルティの向上に寄与します。

良質なコンテンツを提供することで、メール購読者はそのブランドや企業を信頼する情報源として認識し始めるでしょう。この信頼感は、最終的には購買行動や他の形のエンゲージメントへと繋がります

メールマーケティングのポイントは、頻度やタイミング、そしてコンテンツの質です。

過度な宣伝は避け、代わりにユーザーの価値を中心にしたコンテンツの提供を心がけることが大切です。

手段メール(メルマガ)
ターゲット接点有準顕在層向け
(すでにコンタクトが一度でも取れている顧客)
コンテンツ・記事
・ホワイトペーパー
・動画

どの層の顧客に届けるかによって、手段は変える必要があります

コンテンツマーケティング導入のメリット

コンテンツマーケティングは、現代のデジタル時代において企業やブランドが取り組むべき重要な戦略の一つです。

このアプローチには数々のメリットがあり、以下でその主要な3点を詳しく説明します。

  • 認知度・好意度の向上
  • 見込み顧客の獲得
  • 広告費の削減

認知度・好意度の向上

コンテンツマーケティングをうまく実施すると、認知度を効果的に高めることができます。

一貫性のある価値の高いコンテンツを提供することで、ターゲットに対して企業の専門性や信頼性を示すことができます。 さらに、有益で魅力的なコンテンツは、顧客とのエンゲージメントを高め、企業への好意度やロイヤルティも向上させます。

見込み顧客の獲得

質の高いコンテンツは、興味を持っている見込み顧客をサイトやオンラインプラットフォームに引き寄せる強力なツールです。

これにより、サイトのトラフィックが増加し、それがリード獲得や最終的には受注につながります。 顧客が情報を探している際、役立つコンテンツを提供することで、彼らの問題を解決し、信頼関係を築くことができます。

つまり、「良い」コンテンツが、適切なターゲットに届けば、見込み顧客の獲得ができる、とういことです。

広告費の削減

リスティング広告などに比べ、コンテンツマーケティングは比較的低コストで効果的なマーケティング手段となります。

高価な広告キャンペーンを頻繁に行うのではなく、一度作成したコンテンツは永続的に価値を持ち続けるため、中長期での投資対効果が非常に高いです。

(広告は成果をあげるには常にコストがかかりますが、コンテンツは一度作成してしまえばそれ以降コストは発生せず、成果まで期待できる、ということ)

SEOであれば検索結果に残り、お役立ち資料であれば別の顧客にも送付できます。 また、SEOを適切に取り入れることで、有料広告に頼らずとも自然な検索経由でのトラフィックを増加させることが可能です。

これにより、継続的なオーガニックトラフィックを得られるため、広告費の削減や効率的なマーケティングが実現します。

コンテンツマーケティングを導入して成功した事例

コンテンツマーケティングの力は、理論だけではなく、実際の成功事例を通じても明らかとなります。多くの企業やブランドがコンテンツマーケティングを導入し、その成果を享受しています。

One Tip(ferret One)

こちらのコンテンツは、btobマーケに関してまとめられており資料ダウンロードとお問い合わせからリードを獲得することに成功しています。

バーコード講座(株式会社キーエンス)

製造業のFA化を推進する事業で有名なキーエンスのコンテンツでは「QRコード」に関する内容が細かくまとめられており、ニッチな顧客獲得に成功しています。

コンテンツマーケティング導入手順6ステップ

コンテンツマーケティングは単にコンテンツを制作・配信するだけではありません。効果的に取り組むためには、明確なステップを踏む必要があります。

以下は、その導入手順を6ステップで解説します。

  1. コンテンツマーケティングを導入する目的を整理する
  2. 目的に最適な「届ける手段」を明確にする
  3. 作成するコンテンツとテーマを決める
  4. 目標を決める
  5. 体制/ルールを決める
  6. コンテンツを作成する

①コンテンツマーケティングを導入する目的を整理する

まず始めに、コンテンツマーケティングを行う目的を明確にします。

目的は、ブランドの認知度向上、見込み客の獲得、顧客エンゲージメントの強化など、多岐にわたりますが、今回は以下の3つを目的例として解説していきます。

  • 認知度・好意度を向上させる
  • 未接点の見込み顧客を獲得する
  • 接点有の見込み顧客と商談を設定する

②目的に最適な「届ける手段」を明確にする

次に、目的を達成するための配信チャネルや方法を決定します。

SEO、SNS、メールマーケティングなど、多数の手段が存在しますが、ターゲットとなる顧客や目的に合わせて最適な手段を選択します。

①で設定した目的ごとに「手段」の設定例を見ていきましょう。

目的:認知度・好意度を向上させる

目的認知度・好意度を向上させる
手段動画(SEO)
Sansan株式会社

Sansanは、日本発のB2B向け名刺管理サービスを提供する企業です。

こちらのYoutubeチャンネルではサービスの一つである「Bill one」のCMを打ち出すことでサービスの認知度の向上を行なっています。

目的:未接点の見込み顧客の獲得

目的未接点の見込み顧客を獲得する
手段SEO
株式会社マネーフォワード

株式会社マネーフォワードは、主に家計簿や経理、会計ソフトウェアの提供を行うテック企業です。

オウンドメディアでは、SEOを上げるため、マネーフォワードの提供するサービスを活用した賢いお金の管理方法や、最新の経済情報、節税のヒントなど、金融や会計に関する有益な情報を一般ユーザーやビジネスオーナーに向けて提供しています。

目的:接点有の見込み顧客の商談化

目的接点有の見込み顧客と商談を設定する
手段メール(メルマガ)
株式会社LIG

株式会社LIGは、デザインやブランディング、ウェブ開発などを手掛けるクリエイティブエージェンシーです。

オウンドメディア「LIGブログ」を運営しており、ここではデザインやマーケティング、ウェブ技術、チームづくりなど、幅広いテーマに関する専門的な記事を日々発信しています。

また、これらの記事を見込み客にメールで送付して自社の存在とサービスを忘れられないように接点を保ち続け商談を獲得しています。

③作成するコンテンツとテーマを決める

どのような内容のコンテンツを作成するのか、また、その中心となるテーマを決定します。

ターゲットの興味・関心や解決すべき課題をもとに、関連性の高いテーマを選択し、それを基にコンテンツのアイディアを練り上げます。

例えば、

コンテンツ記事
テーマ資料作成に困っている人の役に立つコンテンツを発信して、
中長期的に未接点潜在層の見込み顧客から発注が来るようにする
自社が「資料作成代行事業」を運営している場合の例

④目標を決める

具体的な数値目標を設定します。

例えば、月々のページビュー数新規のリード獲得数コンバージョン率など、コンテンツマーケティングの成果を示す指標を設定し、それを達成するための戦略を立てます。

また、目標は「結果目標」と「行動目標」の両方を立てましょう。

結果目標1年後に、記事から5件 / 月、問い合わせを獲得する
行動目標まず3ヶ月は、月4本(週1本)記事を更新する

おまけ話ですが、最初はできるだけ記事更新本数は多いほうがいいです。初期は記事を公開しても、検索結果に反映されるのが遅いため、最初にできるだけ多くの記事を公開して反映されるのを待つ必要があります。

⑤体制/ルールを決める

コンテンツの制作や配信、分析を担当するチームや担当者の体制を整えます。

また、投稿の頻度や品質基準、配信スケジュールなどの運用ルールを明確にします。

【体制】
マネージャー:Aさん
構成作成担当:Bさん
記事執筆担当:Cさん

【ルール】
・定例MTGで進捗確認
・毎週火に、構成担当が構成UP
・毎週月に、記事執筆担当が記事UP
・毎週金に、マネージャーが記事公開

⑥コンテンツを作成する

最後に、実際にコンテンツを制作します。

前のステップで決定したテーマや目標、ルールをもとに、質の高いコンテンツを継続的に生産していきます。

コンテンツ制作に関して、参考になる記事を紹介しておきます。

記事作成

ホワイトペーパー

コンテンツマーケティング導入時の注意点

コンテンツマーケティングは、正しいアプローチと戦略を持って取り組むことで、企業やブランドにとって大きな価値を生む手法となります。

ただし、導入時には多くのハードルや課題が待ち受けています。以下では、導入時に気をつけるべきポイントを詳しく解説します。

コンテンツマーケティングは、正しいアプローチと戦略を持って取り組むことで、企業やブランドにとって大きな価値を生む手法となります。

ただし、導入時には多くのハードルや課題が待ち受けています。以下では、導入時に気をつけるべきポイントを詳しく解説します。

成果は中長期的に考える

コンテンツマーケティングの成果は、短期間での大きな変化を期待するものではありません。

初めてコンテンツを公開したからと言って、即座に売上やアクセスが上がることは稀です。 実際には、コンテンツの質やブランドの認知度、SEOの成果などが積み重なることで、時間をかけて成果が現れることが多いのです。

導入時には、短期的なROIを求めず、中長期的な視点で取り組む心構えが求められます。

経営者層がコミットする

コンテンツマーケティングの導入と継続には、経営者層の強いコミットメントが必要です。

特に、中長期的な視点での成果を求めるアプローチには、経営層の理解とサポートが欠かせません。 予算の確保や人材の配置、方針の決定など、トップダウンでの推進力がないと、継続的な取り組みが難しくなることも。

「作成」が滞らない工夫を

コンテンツマーケティングの成功の鍵は、定期的かつ継続的なコンテンツの制作と公開にあります。

しかし、アイディアの枯渇や他業務の優先など、さまざまな要因でコンテンツの作成が滞ることがよくあります。 こうした課題を回避するためには、コンテンツカレンダーの作成やテーマのリストアップ、外部のライターやデザイナーとの連携など、具体的な工夫や体制作りが重要です。

体制/ルールを決める

多くの失敗パターンとしてこの例が挙げられます。 コンテンツマーケティングの取り組みをスムーズに進めるためには、明確な体制やルールの確立が欠かせません。

誰がどのような役割を担当するのか、どのようなフローでコンテンツが承認され公開されるのかなど、細部にわたるルール作りを行うことで、一貫性のあるコンテンツ制作が可能となります。

まとめ

コンテンツマーケティングは、今やビジネスの成果を大きく左右する強力なツールとして認識されています。

しかし、その取り組みを成功させるためには、正しい方法での導入と継続的な実行が必須となります。

また、導入時の注意点として、成果を中長期的に捉えること、経営者層のコミットメント、継続的なコンテンツ制作の工夫、そして明確な体制やルールの確立が挙げられます。

最後に、コンテンツマーケティングは一時的なブームやトレンドにとらわれるものではありません。

それは、顧客との信頼関係を深め、ビジネスの成長を促進するための持続的な取り組みとして位置づけられるべきです。この記事を通じて、その重要性と取り組む上での具体的な方法を理解し、実際のビジネスに活かしていただければ幸いです。

更新が途絶えないよう、外部の人に関与してもらうや定例MTGを実施するなどの工夫が必要です。

b-pos編集部

代行・外注サービスの比較サイトb-pos(ビーポス)の編集部。b-posは、BPOサービスの比較検討時に知っておきたい情報やサービスの選び方について解説するメディアです。サービスの掲載企業の方はこちらから(https://b-pos.jp/)