電話代行サービスの料金体系と費用相場を紹介。費用を抑える3つの方法と格安業者の落とし穴

「電話代行サービスを導入したいけど、どのくらい費用がかかるのかわからない」「できるだけ安く抑えたいけど、安すぎる業者は不安」と悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。
実際、電話代行サービスの料金は依頼内容や委託先によって異なるため、料金体系を正しく理解し、自社に合った選び方をすることが重要です。場合によっては、「格安」だからと依頼して、対応品質や契約条件で後悔してしまうリスクもあります。
そこで本記事では、
- 電話代行サービスの代表的な料金体系と費用相場
- コストを抑えるために活用できる3つの具体的な方法
- 安さだけで選ぶと失敗する“格安業者”の落とし穴
をわかりやすく解説します。電話代行の導入で失敗しないためにも、ぜひ最後までご覧ください。
目次
電話代行サービスとは
電話代行サービスとは、企業や個人事業主が受ける電話対応を専門業者に委託するサービスです。
活用される用途としては、
- 電話に出られない時間帯の対応
- 代表電話への一次取次ぎ
- 予約・問い合わせの受付対応
です。上記の業務を代行してもらうことができ、少人数での運営やバックオフィスの負担を軽減したい事業者におすすめ。
業種を問わず利用されており、特に士業・クリニック・EC事業者などでは、顧客対応の質を維持しながら業務効率を高める手段として活用されています。電話に出られなかったことによる機会損失を防ぎ、顧客満足度の向上や信頼の維持にもつながります。
電話代行を委託できる依頼先
電話代行を依頼できる先には、電話代行業者だけでなく「コールセンター代行会社」「秘書代行サービス」があります。
電話代行業者は主に少人数対応や営業時間外の対応を得意としており、1件あたりの従量課金や月額基本料+従量課金の料金体系が一般的です。コールセンター代行会社は大量の電話対応や複雑な応対にも対応でき、オペレーター数や対応範囲によって費用が高くなる傾向に。
一方、秘書代行サービスは「人による丁寧な対応」が特徴で、経営者のスケジュール管理や個別対応も任せられるため、やや高単価なケースが多いです。それぞれの特性と料金体系を理解したうえで、自社のニーズに合った業者を選ぶことが重要です。
以下の記事でコールセンター代行・秘書代行のおすすめ会社を確認できますので、あわせてご覧ください。
電話代行サービスの料金体系
電話代行サービスの料金体系は、主に「月額固定型」「従量課金型」の2種類に分類されます。
料金体系 | 概要・特徴 | おすすめの企業 |
---|---|---|
月額固定 | 毎月一定額を支払う。契約したコール数や時間内であれば定額で利用可能 | コール数が安定している企業、予算管理重視 |
従量課金 | 対応件数や時間に応じて料金が変動。1件ごと、または1時間ごとに課金される | コール数が不規則な企業、小規模事業者 |
月額固定型
月額固定型は、毎月あらかじめ決められた件数や対応時間を上限とする契約で、その範囲内であれば追加料金なしで電話対応を委託できる料金プランです。たとえば、「月50件まで」「対応時間は合計10時間まで」などと設定され、定額で安定した費用管理が可能なのが特徴です。
月額固定型の料金体系には、以下のような特徴があります。
- コール件数が毎月安定している企業に適している
- 予算が立てやすく、コスト管理がしやすい
- 対応件数が少ない月でも料金が固定されているため割高になる可能性も
月内のコール数が上限を超えた場合には「オーバーコール(追加料金)」が発生するため、利用状況を定期的に見直すことが重要です。一定の件数・時間が継続的に発生する企業や、月々の支出を平準化したい企業に向いています。
従量課金型
従量課金型は、コールセンター代行が実際に対応した件数や時間に応じて料金が発生する方式です。たとえば、「1件あたり100円」「対応時間が1時間ごとに2000円」など、対応実績に応じて課金されるのが特徴です。
従量課金の料金体系には、以下のような特徴があります。
- 問い合わせ件数や対応時間が不定期な企業に適している
- 業務量が少ない月はコストを最小限に抑えられる
- 事前に必要な費用の見通しが立てにくい
対応件数が少ない月には費用を抑えられる一方、繁忙期にはコストが膨らむリスクも。そのため、月ごとの業務量にばらつきがある企業や、予算に余裕がある企業に適しています。事前にコール数の予測が立てにくい場合は注意が必要です。
電話代行サービスの費用相場
電話代行サービスの費用相場は、サービス内容やコール数、対応時間、専門性などによって異なります。
項目 | 費用相場 | 備考 |
---|---|---|
初期費用 | 0~30,000円 | 契約時のみ発生 |
月額基本料金 | 3,000~30,000円 | コール数や対応時間で変動 |
1コールあたり | 100~200円 | 高度な対応や専門性で単価上昇あり |
コールオーバー料 | 100~300円/件 | 契約コール数超過分 |
オプション料金 | 数百円~数万円 | 夜間・休日対応、バイリンガル等 |
月額基本料金の相場
電話代行サービスの月額基本料金は、プランの規模やコール数によって異なります。個人事業主向けの小規模プランで月額3,000~10,000円、標準的なプランで10,000~30,000円が相場です。
コール数が多い場合や専門性が高い場合はさらに高額となります。たとえば、
- 月50件まで:5,000〜10,000円
- 月100件まで:10,000〜20,000円
- 月200件まで:20,000〜30,000円
が一般的です。対応件数が多い場合や専門性が高い場合は、これより高額になるケースもあります。
従量課金型の相場
従量課金型は、1件ごとの対応に応じて費用が発生する課金方式です。1コールあたり100~200円程度が主流で、以下のような料金設定が一般的です。
- 通常の電話対応:100円〜200円
- 専門的・時間外対応:200円〜
- コールオーバー料:100〜300円
月額料金が安いプランでも、コール数が多くなると追加費用がかさむ点には注意が必要です。事前に平均コール数の見積もりを立てておくと、コストを抑えやすくなります。
電話代行サービスで費用差が出る3つの理由
電話代行の料金・費用を抑えるためには、「なぜ高くなるのか」という理由を知っておく必要があります。主に以下3つの理由で料金が高くなります。
- 専門知識が求められる業種は担当者が限定されるため
- 対応方法や業務フローを細かく指定するため
- 専任制を選んでしまうため
専門知識が求められる業種は担当者が限定されるため
士業や医療機関など、専門性の高い業種では、電話を受けるオペレーターにも一定以上の知識や専門用語の理解が求められます。
たとえば、顧客からの問い合わせ内容を正しく理解し、関係部署へスムーズに伝達するには、業界のルールや用語への理解は必須です。そのため、一般的な電話代行と異なり、専門研修を受けた経験者や、高いコミュニケーション能力を持つスタッフが担当に選ばれることが多くなります。
結果として人材確保や教育にコストがかかり、それが料金に反映されるのです。対応スタッフの質を担保する必要があるため、料金はどうしても高めに設定される傾向にあります。
対応方法や業務フローを細かく指定するため
電話代行サービスの中でも、格安プランの多くは、あらかじめ決められた「テンプレート対応」を前提に設計されています。つまり、定型の受け答えや簡単なメモの転送など、業務フローが標準化されているため、低コストで提供できるわけです。
しかし、クライアント側から「予約システムへの入力」や「Slack・Chatworkなどの外部ツールとの連携」など、より細かい業務指示やカスタム対応を求める場合は、対応フローの設計からシステム連携、担当スタッフへのマニュアル教育など、事前準備や日常の運用工数が増加。
これにより、業者側の負荷が高まり、その分コストも上乗せされる仕組みになっています。柔軟な運用を希望する場合は、ある程度の追加費用を見込んでおく必要があるでしょう。
専任制を選んでしまうため
電話代行サービスには、複数の企業の電話をまとめて対応する「兼任制」と、1社専属で対応する「専任制」の2種類があります。
専任制は「自社の業務に詳しいスタッフが一貫して対応してくれる」「対応品質が安定する」といった安心感があります。しかし、専任制を選ぶことで、1件ごとの処理効率が下がり、1人のスタッフが担当できる企業数が減るため、人員コストの比重が高くなります。結果として、料金設定も割高になりがちです。
業者側としても、企業のためにスタッフを固定することは運用リスクが高いため、より高い金額を設定してバランスを取る必要があるのです。品質と柔軟性を重視する企業ほど専任制を選びやすく、それがコスト増の要因になりやすいという点は知っておくべきでしょう。
格安電話代行サービスを選ぶ前に知っておきたいこと
電話代行サービスを選ぶ方の中には「格安電話代行サービス」の利用を検討している方もいるでしょう。しかし、格安電話代行には落とし穴がある場合も。知っておくべきことを3つ紹介します。
- 対応品質が不透明な外注オペレーターで運営されているケースも
- 音声録音に制限があり情報共有が機能しないことも
- サービスが自動化に偏りすぎていて融通が効かない
対応品質が不透明な外注オペレーターで運営されているケースも
格安電話代行サービスの中には、コストを削減するために、電話対応をクラウドワーカーや在宅委託スタッフに外注しているケースも少なくありません。
こうした場合、自社内での一貫した教育体制や品質管理が行われていないことが多く、オペレーターごとのスキルにばらつきが生じやすくなります。特にトーンや言葉遣い、対応スピードといった「電話対応の質」は、顧客満足度に直結する要素であるため、オペレーターが不特定多数であることは対応品質の不透明化やトラブルのリスクを高める要因になります。
価格だけで選ぶと、「対応者の質がわからない」「同じ人が対応しない」といった不安定さがビジネスに悪影響を及ぼす可能性があるため、導入前に運営体制の確認は必須です。
音声録音に制限があり情報共有が機能しないことも
電話代行サービスの「通話録音機能」は、情報共有や対応トラブルの防止に欠かせない仕組みです。しかし、格安の電話代行サービスでは、通話録音が有料オプションになっていたり、録音そのものができないプランも存在します。
また、対応内容の通知も「誰が・何を・いつ言ったか」といった内容が省略され、簡易なメッセージのみで済まされるケースもあります。このような状況では、顧客からの問い合わせ内容が社内に正確に伝わらず、後追いの連絡にタイムラグが生じたり、誤認対応によるクレームに発展する可能性もあります。
複数の担当者で対応を分担している企業は、録音やレポートがないことは致命的です。安さを重視するあまり、必要な情報が共有されず社内連携に支障をきたす恐れがある点は十分に注意すべきです。
サービスが自動化に偏りすぎていて融通が効かない
近年では、AI音声やIVRを活用した「ノンオペレーター型」の格安電話代行サービスも登場しています。このサービスは、人件費をほとんどかけずに電話対応を自動化することで、圧倒的な低価格を実現しています。
しかし、顧客からのイレギュラーな要望や細かなニュアンスへの対応が困難であるという課題があります。たとえば、高齢者や機械操作が苦手な人は音声ガイダンスに従えず、途中で切電してしまうケースも少なくありません。また、急ぎの連絡やクレームなど、人間の判断が必要な対応が求められる場面では、機能しない可能性があります。
自動化によるコストメリットに魅力を感じる一方で、顧客体験や対応の柔軟性を犠牲にしてしまうリスクがあるため「価格」だけで判断せず、自社の業種や顧客層との相性を見極めることが重要です。
格安の電話代行を利用しなくても費用を抑える3つの方法
格安の電話代行を利用しなくても費用を抑える方法はあります。ここでは3つの方法を紹介します。
- 対応業務を限定して回数と作業量を最小化する
- 電話を減らす仕組みを並行して整備する
- サービスは価格ではなく費用対効果で選ぶ
対応業務を限定して回数と作業量を最小化する
電話代行サービスの費用は、基本的に「対応件数 × 1件あたりの単価」で構成されます。さらに、業務内容が複雑になるほど1件あたりの単価が上がるため、コスト最適化を図るには「対応内容を絞る」ことが重要です。特に初期導入時は、以下のように一次受付に限定するのがおすすめです。
- 名前・用件・折り返し先のヒアリングにとどめる
- 案内や予約対応などは一旦保留し、社内で処理する
- 対応マニュアルもシンプルに設計する
このように「誰でも対応できる内容」に絞ることで、オペレーターの教育コストも抑えられ、件数あたりの単価を安く維持したまま、全体の業務量を削減できます。 結果として、格安プランに頼らずともコストダウンが可能です。
電話を減らす仕組みを並行して整備する
電話代行は「電話が来た時に対応してもらう」サービスですが、そもそも電話件数そのものを減らせば、費用も比例して削減できます。そのため、受電の前段階で顧客の自己解決を促す仕組みの整備が重要です。具体的には以下のような取り組みがあります。
- よくある質問には「FAQページ」や「チャットボット」で対応
- 予約・キャンセル・問い合わせはLINEやフォームで自動受付
- メール対応のテンプレート整備で電話問い合わせの回避
上記を整えることで、「電話しなくても解決できる状態」をつくり、無駄な着信を減らすことができます。 電話代行費用の削減だけでなく、社内リソースの節約や、顧客満足度の向上にもつながる一石三鳥の施策です。
サービスは価格ではなく費用対効果で選ぶ
「とにかく安い電話代行を」と思いがちですが、月額料金の安さだけを基準に選ぶと、むしろ非効率な運用になり、結果的にコスト高になるケースもあります。本当に抑えるべきは、表面的な価格ではなく、運用後にかかるトータルコストです。たとえば、以下のような付加価値を持つ代行サービスを選ぶことで、間接的なコスト削減が可能になります。
- Slack・Chatwork連携で即時社内通知 → 情報伝達の効率化
- CRM自動入力で対応ミス削減 → 顧客管理の手間減
- 即日返信代行 → 顧客対応スピードの向上
これらが整っている代行業者であれば、誤対応や伝達漏れによる損失がなくなり、対応にかかる社内人件費も削減。結果として、初期費用は高くても「費用対効果」で見ればむしろ安くなるという現象が起こります。価格だけで判断せず、総合的なパフォーマンスで選ぶことが重要です。
おすすめの電話代行については以下の記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。
電話代行サービスの費用に関するよくある質問
電話代行サービスの費用に関するよくある質問は主に3つです。
- 電話代行を個人に依頼するのはありですか?
- 電話代行サービスは違法ですか?
- 電話代行業者は犯収法に準拠する必要がありますか?
電話代行を個人に依頼するのはありですか?
電話代行をフリーランスや個人に依頼すること自体は違法ではなく、条件を満たせば選択肢の一つとして検討できます。個人の電話秘書や副業ワーカーに依頼するケースでは、コストを抑えやすく、柔軟な対応をしてもらえるメリットがあります。
しかし、法人と比べて業務体制や情報管理体制が整っていない場合も多いため、注意が必要です。
たとえば、
- 対応品質のばらつき
- 情報漏えい・トラブル時の責任所在が不明確になりがち
そのため、信頼できる個人かどうか、事前に実績や守秘義務契約などの取り交わしがあるかを確認することが重要です。小規模事業者や短期的な利用では有効ですが、継続的な運用や法人向け業務には業者選定の方が安心感が高いでしょう。
電話代行サービスは違法ですか?
電話代行サービスそのものは、適切な運用がされていれば違法にはなりません。実際、多くの企業や個人事業主が「外注による業務効率化」の一環として導入しており、社会的にも認知されたサービスです。
ただし、利用目的や使い方によってはトラブルや法的問題につながる恐れもあります。たとえば、他人になりすましたり、違法行為として使ったりするケースでは、名誉毀損・詐欺・不正競争防止法などの違反に該当する可能性があります。
また、契約内容に不備があると、顧客トラブルや個人情報保護法の違反につながることもあるため、信頼できる業者を選び、業務範囲・責任範囲を明確にした契約を結ぶことが大切です。
電話代行業者は犯収法に準拠する必要がありますか?
電話受付代行業者や電話転送サービス事業者のうち、特定の業務を行っている場合には、「犯罪収益移転防止法(犯収法)」に基づく義務が発生します。犯収法では、マネーロンダリングやテロ資金供与に使われる恐れのある業種に対して、顧客の本人確認や記録の保存、疑わしい取引の通報などが義務付けられています。
具体的には、以下のようなサービスが対象となります。
- 顧客に対し、自社の電話番号を貸与し、その番号への着信を転送する「電話転送サービス」
- 顧客の代わりに電話を受け、内容を通知・記録する「電話受付代行サービス」
これらの事業者は、サービス契約時に顧客の「氏名・住所・生年月日」や「法人の名称・所在地・実質的支配者」の確認を行い、その記録を7年間保存しなければなりません。また、不審な取引があれば所轄機関へ報告する義務もあります。
クラウドPBXやアプリフォンなど、新しい技術を使ったサービスも対象に含まれるため、「自社は関係ない」と判断せず、自社の提供サービスが犯収法に該当するかどうか、総務省のガイドラインを基に確認する必要があります。
まとめ
電話代行サービスの費用を抑えながらも、品質を妥協せずに導入するには、料金体系の理解と自社に合った依頼方法の選定が必須。「格安」の言葉だけに惑わされるのではなく、業務範囲や対応品質、情報管理体制、費用対効果までをトータルで見極めることが重要です。
本記事では、以下のような視点から比較・検討することを解説しました。
- 自社に適した料金体系の把握
- 回数・内容を限定して効率的に依頼する工夫
- 品質リスクや情報管理リスクへの注意
これらを踏まえて導入すれば、単に「安いから」ではなく、目的に応じて最適なパートナーを見つけ、無駄なコストを抑えつつ、安定した顧客対応を実現することが可能になります。 信頼できる代行業者と連携し、業務効率と顧客満足度の両立を図っていきましょう。

b-pos編集部
代行・外注サービスの比較サイトb-pos(ビーポス)の編集部。b-posは、BPOサービスの比較検討時に知っておきたい情報や、内製化・成果向上に繋げるノウハウについて解説するメディアです。サービスの掲載企業の方はこちらから(https://b-pos.jp/lp)