事務作業を自動化する方法3つ!成功事例もご紹介!

事務作業をなんとなく自動化してみたいとお考えではありませんか?

すべての業務を自動化するのは難しいかもしれませんが、部分的に自動化するのであれば、すぐに取り組める可能性が高いです。徐々に自動化を進めることができれば、今まで以上にコア業務に時間を注げるようになるでしょう。

当記事では、自動化できる事務作業の条件から具体的な実現方法、組織で自動化に取り組み成功した事例についても解説してきます。

自動化できる事務作業は?

事務作業の中にも、自動化に向いている業務とそうでない業務があります。以下の条件に当てはまる作業は自動化が効果的な傾向にあります。

作業手順単純(判断が不要)
業務内容定型化(一定のルールあり)
実行頻度定期的(決まったサイクルで実行)
処理件数大量(処理に多くのリソースが必要)

逆にイレギュラーが多く、都度意思決定が必要な業務に関しては、自動化に向いていません。また、パソコン上で操作できないものに関しても自動化は難しいです。

すべての事務作業を自動化するのは難しいため、データ照合や入力作業だけを自動化して、最終チェックは人力で行うなど、自動化する作業の選別が非常に大切です。

事務作業の自動化を実現する方法

事務作業と一口にいっても、会社や事業によって業務のフローは様々です。これらの業務をどのような方法で自動化していくのか?イメージが湧きにくいですよね。

現実的に事務作業を自動化できる方法を以下にまとめましたので、順番にみていきましょう。

VBAOffice製品で利用できるプログラミング言語
Excelの処理の自動化に利用される
環境構築不要だが学習コストがかかる
Pythonオープンソースのプログラミング言語
汎用性が非常に高い(Excelにも利用可)
環境構築必須で学習コストがかかる
RPAソフトウェア内のロボットが操作を代行
PCでの操作であれば対象(Excelも利用可)
学習コストはないが、金銭的コストが高い

VBA(Visual Basic for Applications)

VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Office製品で利用できるプログラミング言語です。WordやExcelなどのOffice製品上で簡単なプログラムを書いて様々な処理を自動化させることができます。似たようなものにExcelのマクロがありますが、こちらも内部的な処理にVBAが利用されています。

VBAは主にExcelで使われることが多く、例えば以下のような業務を自動化できます。

  • インターネットの情報をシートに出力
  • 請求書やグラフの作成
  • 顧客リストをもとにメールを送信 など

これらは一部にすぎませんが、1つ1つの業務を組み合わせたり、その他Ofiice製品と連携することでより複雑な業務も自動化することができます。

このように作業を自動化するには、VBAのプログラムを書く知識が必要になりますが、環境構築不要で他のシステム開発よりも習得が簡単なため、非エンジニアの方にも人気の言語になります。

ただし、Office製品用の言語のため、Officeソフトを使わない前提の場合は利用できませんし、サポートされていないツールや製品と連携することはできません。データ量が多すぎると処理に時間がかかりすぎる傾向にありますし、ワークシートの容量以上のデータ処理ができないデメリットがあります。

パフォーマンスに制限はありますが、Office製品をメインに扱っており、コストをかけたくない方におすすめの方法になります。

Python

Pythonは、Webアプリケーションや人工知能開発、ビッグデータ解析など、様々な用途に利用されているオープンソースのプログラミング言語です。事務作業の自動化にも適しており、データ解析、ウェブスクレイピング、そしてネットワークの自動化など、幅広い用途に利用できるライブラリが存在します。

Pythonで開発することで以下のような操作を自動化できます。

  • Webスクレイピング
  • ExcelやWordの操作
  • ファイル操作(画像やPDF)
  • メール操作 など

さきほどVBAについて解説しましたが、Pythonでも同じようにExcelやWordの操作を自動化することができます。今回ご紹介する方法の中では、最も汎用性が高いため、Office製品以外の業務の自動化やVBAで実現できない処理の自動化に利用するのがおすすめです。

また、Pythonのソースコードは非常にシンプルなため、記述量が少なく読みやすい特徴があります。コードの書き方にも厳格なルールが存在しているため、誰が開発しても書き方に差がないため、他の人も修正しやすい設計となっています。

しかし、Pythonは本格的なプログラミング言語になりますので、学習コストは非常に高くになります。さらに環境構築なども必要になりますので、VBAよりも導入は難しくなります。

RPA(Robotic Process Automation)

RPA(Robotic Process Automation)ツールは、事務作業の自動化に特化したソフトウェアです。RPAは、人間の操作を模倣することで、マウスクリックやキーボード入力を通じてアプリケーション間でのタスクを自動化することができます。

自動化できる作業に関しては、パソコン上の操作であればだいたい自動化することができます。

  • パソコン上での操作全般
  • ブラウザ操作
  • アプリケーションの操作(Office製品も可)
  • 自社システム操作

RPAツールの最も大きな特徴は、VBAやPythonのようにコードを書かなくともマウス操作などで開発できる学習コストの低さになります。パフォーマンス面もPython開発には劣るものの、パソコン操作がほぼ対象のため、VBAよりも幅広い業務を自動化できます。

VBAもPythonも学習に時間がかかるため、プログラミング言語を習得せずに普段の作業を自動化させたいという方に非常におすすめの方法になります。

事務作業を自動化した例を3つ紹介

事務作業を自動化する方法を3つご紹介しましたが、やはりプログラミング知識不要で導入できるRPAツールの導入が最も一般的です。RPAでどの業務を自動化し、どれだけ効果があったのか気になりますよね。

実際にRPAで事務作業の自動化に成功した以下3つの成功事例をご紹介します。課題〜効果まで詳しく解説してますので、ぜひご覧ください。

  • 農地情報の自動入力
  • ダウンロード作業の自動化
  • 請求書処理業務の自動化

農地情報の自動入力(福岡県宗像市)

地方自治体の入力作業の時間削減に成功した事例になります。既存のシステムが古いせいか、データを手入力で1つずつ処理していたり、取り込みに時間がかかりすぎたりで1450時間相当の作業量がありました。

この入力作業や取り込み作業にRPAを利用して自動化することで、1,410時間(約97%)の労働時間を削減することができたようです。

課題農地情報の入力・取り込み作業に手間がかかる(合計1450時間)
背景賃貸借権設定状況:CSV一括取込ができないため1件ずつ手入力
300時間(最大1,800件、1件あたり作業時間 約10分)
農耕地の利用状況:取込データ作成に時間がかかる
1,150時間(約23,000件、1件あたり作業時間 約3分)
対策賃貸借権設定状況:
農地台帳システムの個別画面から必要な情報をRPAで入力
農耕地の利用状況:
エクセルからシステムに取り込めるデータをRPAで作成して一括取込
効果1,450時間想定の入力業務が約40時間で完了
機械による自動作業のため、入力ミスなし
RPAによる農地情報の自動入力(福岡県宗像市)

ダウンロード作業の自動化

毎日手作業で行うダウンロード作業をRTAツールで自動化した成功事例です。データのダウンロードって単調な作業ですが、事業者数が多く、頻度も高いと負担が非常に大きくなります。

このように作業手順とサイクルが毎回決まっているような業務は、RTAツールの自動化に適しています。実際に削減した労働時間を金額に換算すると年間1100万円に相当するようです。

課題POSデータのダウンロード作業の負担が大きい
背景商品開発のために小売業者から開示されたPOSデータが必要。
POSデータのDLは手作業かつ非常に時間がかかる。
1週間分のPOSデータの抽出に約160回の操作が必要なことも。
作業コストとそれを行う社員のモチベーション低下や操作ミスの発生が問題
対策RTAツール「Autoブラウザ名人」の導入
※現在は「Auto ジョブ名人」が後継
1)自動化したい操作を実際に行って記録
2)必要に応じて(1)の操作を編集
3)スケジュールを設定し実行
あとは24時間365日ソフトウエアが自動で作業
1年ライセンスで16万円(税別)とリーズナブル
効果POSデータのダウンロード作業の自動化に成功
労働時間の削減効果:年間約5700時間
金額換算:約1100万円
出展:RPAの活用で、サッポロビールに年間約1100万円の削減効果

請求書処理業務の自動化

毎月の請求書の処理業務の自動化に成功した事例です。請求書はいまも紙で利用されているケースが多く、仕分けするためにデータの照合や確認、入力などの手作業が生じてしまいます。

そこで、紙の請求書に記載されている情報を読み取り、パソコン上で扱えるようデータ化したことによって、RPAで自動化できました。これにより、労働時間の創出だけでなく、社員がテレワーク可能になるなどの効果があったようです。

課題手作業による毎月3,500件の請求書処理
背景届く請求書のフォーマットがバラバラ(全部で2,000通り)
請求書の処理業務が集中する月末は残業が避けられない。
紙の場合は特に入力ミスやチェック漏れが発生しやすい。
このミスを抑制するために人手を追加する事態に。
対策AI-OCRで紙の請求書を自動認識して一括データ化
→RPAでデータの照合、入力、確認作業を自動化
1) 紙媒体をPDFデータ化
2) AI-OCRでOCRデータ化
3) RPAでOCRの確認・仕分けを行いCSV化
4) 会計システム
効果請求書処理業務の自動化に成功
月に約102時間の時間を創出
リコージャパン社内実践事例「AI-OCR & RPA活用による働き方改革」

まとめ

事務作業を自動化する方法について解説しました。自動化といえばプログラミングのイメージが強いですが、いまやRTAツールを利用することで、誰でも簡単に自動化を実現できます。

以下に当記事の内容を表にまとめてますので、ぜひ参考にしてください。

条件作業手順:単純
業務内容:定型化
実行頻度:定期的
処理件数:大量
実現方法VBA:Office製品向け
Python:汎用性が高い
RPA:プログラミング不要で導入可
成功事例・農地情報の自動入力
・ダウンロード作業の自動化
・請求書処理業務の自動化

b-pos編集部

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