事務代行の料金を徹底解説!業務範囲と料金体系を把握し、適切な選択を

事務業務が増えて手が回らない、でも新たに人員を増やすのはコストがかかる…というときに事務代行サービスの利用を検討する人も多いのではないでしょうか。

ただ、料金がどうなっているのか、いくらくらい費用がかかるのかは意外とわからない。

この記事では、そんなお悩みを解決するための「事務代行」について詳しくご紹介します。具体的な業務範囲から料金体系、さらに料金以外で注意するポイントなど事務代行の全てを徹底解説しますので、事務代行サービスを検討する際のを参考になれば幸いです。

事務代行とは?

事務代行とは、企業の事務業務を外部の専門業者に依頼し、それを代行してもらうサービスのことを指します。これは一般的なオフィスワークの範囲から、経理、秘書・総務業務、人事、営業サポート、Web系業務といった専門的な業務まで幅広く含みます。

具体的には、書類の整理、データ入力、電話応対、メール対応など日々の細かな業務から、会計、給与計算、採用活動、営業のための資料作成、ウェブサイトの運営・更新など、企業の運営に欠かせない各種業務が対象になります。

事務代行のメリット

  • 業務負荷の軽減
  • コスト削減
  • 専門知識を有するアシスタントによるサポート

事務代行の最大のメリットは、業務負荷の軽減とコスト削減です。自社で全ての事務業務をこなそうとすると、人員の確保や教育、それに伴う経費が増大します。しかし、事務代行を利用すると、必要な時に必要な業務だけを依頼することができるため、人件費や設備投資を抑えることが可能になります。

また、専門的な知識を持つプロフェッショナルに業務を任せることで、業務の質も向上します。事務代行業者はその道のプロであるため、専門知識や最新の情報を持っており、質の高いサービスを提供してくれます。

事務代行のデメリット

  • コミュニケーションの難しさ
  • 業務の品質のアンコントローラブルさ

一方で、事務代行には注意点やデメリットも存在します。一つは、コミュニケーションの難しさです。社内のメンバーと違い、事務代行業者は外部の人間なので、意思疎通がスムーズに行かないことがあります。これは特に、業務の詳細や期待値などを伝える際に問題となることがあります。

また、業務の品質についても注意が必要です。事務代行業者はプロフェッショナルであるとはいえ、企業の文化や方針を完全に理解しているわけではないません。そのため、自社の特性やニーズに完全に対応したサービスが得られない場合もあります。これは特に、ブランドイメージや顧客対応といった業務に影響を及ぼす可能性があります。

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事務代行の業務範囲

事務代行サービスは、業務の範囲が幅広く、企業が抱える様々な問題を解決するためのパートナーとなり得ます。経理から秘書・総務、人事、営業サポート、一般事務、そしてWeb系まで、その対応範囲は企業のニーズに応じて多岐にわたります。以下では、各領域で事務代行がどのような業務を担当するのか、具体的に解説していきます。

  • 経理
  • 秘書/総務
  • 人事
  • 営業事務
  • 一般事務
  • Web系

経理

経理事務代行では、企業の財務状況を管理するための各種業務を担当します。これには帳簿の整理や給与計算、税務処理などが含まれます。特に小規模企業では、経理専門のスタッフを抱えるのが難しいため、経理事務代行の利用は非常に有効です。

業務業務詳細
帳簿の整理収支の記録、経費の管理など
給与計算社員の給与計算、源泉徴収など
税務処理月次、年次の税務申告など

秘書/総務

秘書・総務事務代行では、社内のコミュニケーションや日常業務をスムーズに行うためのサポートを提供します。これには電話応対やメール対応、スケジュール管理、会議の準備などが含まれます。

業務業務詳細
電話応対顧客からの電話対応、問い合わせ対応など
メール対応顧客からのメール対応、問い合わせ対応など
スケジュール管理社内のスケジュール調整、会議の設定など

人事

人事事務代行では、社員の採用や教育、評価など、人材管理に関わる業務を担当します。人事戦略の策定や実行、社員のモチベーション管理なども含まれます。

業務業務詳細
採用活動求人広告の作成、応募者対応、面接の調整など
教育・研修新入社員研修の企画、社員教育の計画など
評価制度社員のパフォーマンス評価、昇進・昇給の対応など

営業事務

営業事務代行では、営業活動をサポートする業務を担当します。これには資料作成や顧客データの管理、見積もり作成などが含まれます。また、営業活動の効率化を図るための営業戦略の企画なども行います。

業務業務詳細
資料作成営業資料やプレゼンテーション資料の作成など
顧客データ管理顧客情報のデータベース管理、アップデートなど
見積もり作成商品やサービスの見積もり作成など

一般事務

一般事務代行では、企業の日常的な業務をサポートします。これには文書の作成やファイリング、データ入力などが含まれます。業務の効率化を図るための業務改善提案なども行います。

業務業務詳細
文書作成レポートや書類の作成など
ファイリング書類の整理、保存など
データ入力情報の入力、データベースの管理など

Web系

Web系事務代行では、企業のウェブサイトやソーシャルメディアの管理を担当します。これにはウェブサイトの更新やソーシャルメディアの投稿、データ分析などが含まれます。また、デジタルマーケティングの戦略立案なども行います。

業務業務詳細
ウェブサイト管理ウェブサイトの更新、コンテンツ作成など
SNS管理ソーシャルメディアの投稿、運用など
データ分析ウェブサイトやSNSのパフォーマンス分析など

以上が一般的な事務代行の業務範囲です。ただし、代行業者により提供する業務は異なりますので、自社のニーズに合わせて選ぶことが大切です。次節では、その選び方のポイントについて説明します。

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事務代行の料金体系・相場

事務代行サービスの料金は、主にその業務内容や範囲、契約形態によって大きく変わります。また、サービスを提供する代行業者の資質や経験、スキルによっても料金は異なるでしょう。一般的に、事務代行サービスの料金体系は「固定報酬型」と「従量課金型」の2つに大別されます。以下では、それぞれの料金体系の特徴と相場について詳しく説明します。

固定報酬型

固定報酬型の料金体系は、その名の通り月額あるいは年額で固定の料金が設定されています。この体系の利点は、料金が予め決まっているため、予算管理がしやすいことです。

固定報酬型の料金は、サービス内容や契約期間、業者のスキルや経験によりますが、一般的には月額5万円から数十万円程度が相場とされています。

時給換算で算出されることが多く、時給2000円だとすると、月額5万円なら10時間稼働となり、アウトソースできる時間が10時間となります。

業務の内容や範囲によっては、それ以上の料金が発生することもありますが、例えば以下のようになります。

月額依頼可能時間業務内容例
5万円10時間日程調整などの一般事務業務が依頼可能
10万円20時間幅広くさまざまな事務作業の依頼が可能
20万円40時間Web系作業などの専門的かつ時間のかかる業務まで依頼可能

従量課金型

一方、従量課金型の料金体系は、利用した業務の量や時間に応じて料金が計算されます。固定報酬型と異なり、業務の需要が変動する場合や業務量が少ない場合には、この体系が適しています

従量課金型の料金は、サービス内容や利用時間、業者のスキルや経験によりますが、一般的には時間あたり1,000円から数千円、あるいは業務あたり数千円から数万円が相場とされています。ただし、業務の内容や範囲、必要なスキルによっては、それ以上の料金が発生することもあります。

  • 1,000円から数千円 / 時間
  • 数千円から数万円 / 業務

例えば以下のようになります。

業務業務詳細時間あたりの場合(例業務あたりの場合(例
基本的な事務業務データ入力やメール対応など1,500円 / 時間5000円 / 全データ入力が完了
経理業務請求書・給与計算など2,500円 / 時間10,000円 / 当月全請求書発行が完了
人事業務採用支援・研修計画など5,000円 / 時間50,000円研修計画の作成が完了

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料金体系で事務代行を選ぶ際に注意するポイント

事務代行業者の選択にあたっては、料金体系も重要なポイントの一つです。しかし、料金体系は一見すると単純そうに見えても、実は多くの要素が絡んできます。そのため、料金だけを見て業者を選ぶのではなく、以下のポイントに注意して選ぶことが重要です。

  • 他に費用がかかるものがないか確認する
  • 月額固定制の場合、超過料金に注意する
  • 当月未使用の時間を翌月繰越できるかどうか確認する
  • 料金内で依頼できる業務範囲を把握する

他に費用がかかるものがないか確認する

事務代行の料金とは別に、初期費用やシステム導入費、消耗品代などの隠れたコストが発生することがあります。これらは見落としがちなポイントですが、長期的に見ると大きな負担となる可能性があります。そのため、契約前には契約内容をしっかりと確認し、不明な点は業者に質問してみましょう。また、コストが発生するタイミングや、それらがどれほどの頻度で発生するのかも重要な情報です。

月額固定制の場合、超過料金に注意する

月額固定制の事務代行サービスを選ぶ際には、業務量が増えた場合の超過料金について注意が必要です。業務の内容や量によっては、予想以上に作業時間がかかり、超過料金が発生することもあります。超過料金の発生を防ぐためには、事前にどれくらいの業務量や時間が見込まれるのかを把握し、それを業者と共有することが大切です。

当月未使用の時間を翌月繰越できるかどうか確認する

月額固定制の事務代行サービスを選ぶ際には、当月未使用の時間を翌月に繰り越せるかどうかを確認することも重要です。一定の業務量を見込んで契約を結んだものの、一部の月ではその全てを使い切れなかった…という事態は十分に考えられます。

このような時、未使用時間を繰越できるサービスならば、無駄なくサービスを利用することができます。一方で繰越しが不可の場合、未使用の時間はそのまま消えてしまい、結果的に単価が高くなることもあります。

料金内で依頼できる業務範囲を把握する

料金体系を理解する上で大切なのは、その料金内で何ができるのか、すなわち、サービスの内容を理解することです。固定料金制でも、業務の範囲や深さ、質が業者により異なります。そのため、同じような料金設定の業者でも提供されるサービス内容は大きく変わることがあります。料金だけでなく、自分のニーズに合ったサービスが提供されるかどうかも確認しましょう。

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事務代行を成功させるためのコツ

事務代行を効果的に活用するためには、単に業務を任せるだけではなく、いくつかの重要なポイントを把握する必要があります。以下4つのコツを紹介します。

  • アウトソースしたい業務の種類を把握する
  • 対応してくれる人材とのマッチ度
  • コミュニケーションの頻度やツールを確認する
  • フリーランスに依頼するのもあり

アウトソースしたい業務の種類を把握する

事務代行を効果的に活用するための最初のステップは、自社で何をアウトソースしたいのかを明確にすることです。これは一見単純なように見えますが、実は非常に重要な作業です。

まずは、自社の業務を「コア業務」と「ノンコア業務」に分け、どの部分を外部に委託するかを明確にすることです。

ノンコア業務

ノンコア業務とは、直接的に利益を生むわけではないが、企業活動を支えるために必要な業務です。経理、人事、一般的な書類作成やデータ入力などが該当します。これらの業務は専門的な知識やスキルが必要とされることもありますが、自社の主力事業とは直接関連していないため、外部の専門家に委託することで、コスト削減や効率化を図ることが可能です。

コア業務

一方、コア業務とは企業の中心的な活動で、直接的に収益を生む業務のことを指します。この業務は、企業の競争力やブランド価値を左右するため、業務の品質や効率が直接経営成績に影響を及ぼします。一見アウトソースすることは難しそうに見えますが、特殊なスキルや深い知識を必要とする業務については、専門的な事務代行会社やフリーランスの専門家に委託することで、高品質な業務遂行が期待できます。

ただし、コア業務をアウトソースする際は、サービス提供者とのコミュニケーションが特に重要となります。詳細な指示やフィードバック、必要に応じたミーティングなどを通じて、期待する品質の業務遂行を確実にするための対話を重ねることが求められます。

つまり、

ノンコア業務なら

  • アウトソースするとどれだけ自社メンバーの時間が空くのか
  • 空いた時間で利益を生み出すことができるのか

コア業務なら

  • アウトソース先は専門的か?実績はあるか?
  • 自社メンバーと連携して利益を生み出すことができるのか

を確認する必要があります。事務代行のメインは「ノンコア業務」であることが多いため、上記ノンコア業務の観点で自社業務の棚卸しをしましょう。

対応してくれる人材とのマッチ度

事務代行を成功させるためには、業務を依頼する人材とのマッチ度も重要です。事務代行業者によっては、経理の専門家や人事のプロフェッショナルなど、特定の業務に特化したスタッフが在籍していることもあります。

また、人材のスキルセットだけでなく、コミュニケーションスタイルや業務遂行のスピードなども考慮する必要があります。特に長期的なパートナーシップを考える場合、相性の良さは成果を大きく左右します。

コミュニケーションの頻度やツールを確認する

事務代行とのコミュニケーションは、業務遂行の質とスピードに大きく影響します。そのため、コミュニケーションの頻度やツールを事前に確認し、自社の業務フローに合った方法を選択することが重要です。

例えば、メールでの連絡を主体とするか、電話やビデオ会議を活用するか、またはチャットツールを用いるかなど、各社のニーズにより最適な手段は異なります。また、頻度についても日次、週次、月次など、業務内容と進捗に応じて調整が必要です。

フリーランスに依頼するのもあり

事務代行業者だけでなく、フリーランスの専門家に事務業務を依頼するという選択肢もあります。特定の分野に深く精通したフリーランスは、一般的な事務業務だけでなく、特殊なスキルや知識を必要とする業務に対しても高いパフォーマンスを発揮することが期待できます。

また、フリーランスは一対一での直接的なコミュニケーションが可能であるため、より細かい要望を伝えやすく、柔軟な対応が得られることもあります。ただし、フリーランスの場合、依頼する業務の範囲や料金、契約期間などを事前にしっかりと確認し、明確な契約を結ぶことが重要です。

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事務代行を選ぶ際に、料金以外のチェックすべき項目

事務代行サービスを選ぶ際には、料金だけでなく、そのサービスの品質や信頼性を確認する必要があります。チェックすべき項目を2つ紹介します。

実績・評判

事務代行サービスを選ぶ際には、料金だけでなく、そのサービス提供者の実績や評判も大切な選択基準の一つです。サービス提供者の過去の実績や取引先からの評価は、そのサービスの質や信頼性を確認するための重要な指標となります。

具体的には、同業種や同規模の企業からの依頼実績があるか、またその結果がどうだったのかを確認すると良いでしょう。また、インターネット上の口コミや評価サイトを活用して、利用者の声を集めることも有効です。ただし、あくまで参考の一つとして考え、最終的な判断は自社のニーズに照らして行うことが大切です。

人材採用選考基準

事務代行を依頼する際には、業務を遂行する人材の質も重要な要素です。そのため、事務代行会社の人材採用基準を確認することをおすすめします。

例えば、経理業務を依頼する場合、事務代行会社がどのような基準で経理担当の人材を採用しているのか、資格や経験は十分なのか、また研修制度は整っているのかなどを確認することが大切です。これにより、依頼した業務が適切に遂行されるかどうかの見通しを立てることができます。

また、人材採用基準を通じてその会社の組織文化や品質管理の方針も見えてきます。高い品質のサービスを提供するためには、優秀な人材を確保し、育成することが不可欠です。そのため、人材採用の基準を明確に設定し、研修や教育に力を入れている会社は信頼できる事務代行会社と言えるでしょう。

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おすすめの事務代行サービス

ここまで事務代行サービスの料金体系や相場、選び方を解説してきました。以下記事では、おすすめの事務代行サービスを紹介していますので、検討の際は参考にしてみてください

まとめ

本記事では、事務代行サービスについて紹介しました。最後に要点を以下にまとめておきます。

事務代行の業務範囲

  • 経理
  • 秘書/総務
  • 人事
  • 営業事務
  • 一般事務
  • Web系

事務代行の料金体系・相場

  • 固定報酬型:月額5万円〜数十万円
  • 従量課金型:時間あたり1,000円から数千円、あるいは業務あたり数千円から数万円

料金体系で事務代行を選ぶ際に注意するポイント

  • 他に費用がかかるものがないか確認する
  • 月額固定制の場合超過料金に注意する
  • 当月未使用の時間を翌月繰越できるかどうか確認する
  • 料金内で依頼できる業務範囲を把握する

事務代行を成功させるためのコツ

  • アウトソースしたい業務の種類を把握する
  • 対応してくれる人材とのマッチ度
  • コミュニケーションの頻度やツールを確認する
  • フリーランスに依頼するのもあり

b-pos編集部

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