マーケティングを内製化する流れ・ポイント。内製化支援の会社も紹介

マーケティングの内製化により、迅速な意思決定、一貫したマーケティング、そして何よりもコスト削減が期待できます。
しかし、この外注化から内製化への移行は計画的に行う必要があります。
本記事では、マーケティングの内製化を成功させるための重要なステップとポイントを解説し、さらに内製化をスムーズに進めるための支援会社も紹介します。
この記事が、マーケティング内製化の一助になれば幸いです。
目次
マーケティングを外注し続けることの注意点
マーケティング活動を外部の専門家や代理店に依頼することは、多くの企業にとって一つの解決策ですが、外注し続けることにはいくつか注意点があります。
- 社内にノウハウが蓄積できない
- コストがかかり続ける
- 圧倒的な成果は期待できない
社内にノウハウが蓄積できない
外注を継続する最大のデメリットの一つは、社内に専門的なマーケティングノウハウが蓄積されないことです。
外注先に依存し続けることで、社内スタッフはマーケティングの深い知識やスキルを身につける機会を失います。
自社でマーケティング活動を内製化することにより、従業員は実践を通じて学び、経験を積むことができ、その結果、企業は自分たちにあった方法で効率的なマーケティングを将来的に行うことができます。
コストがかかり続ける
外注のもう一つの大きな問題は、コストが継続的に発生することです。
例えば、広告運用を代行する場合、広告費の20%が代理店への手数料として支払われるのが一般的です。広告費が月に100万円の場合、20万円が手数料として加算され、年間ではこの差額が大きなコストとなります。
具体的には、広告費だけで1200万円、手数料で240万円という計算になり、これが毎年継続すると企業の財務負担は大きくなります。
内製化によって初期投資は必要ですが、長期的にはコスト削減につながります。
圧倒的な成果は期待できない
外部の代理店や専門家は多くのクライアントを持ち、必ずしもあなたの企業の商材や経営戦略を完全に理解しているわけではありません。
彼らは「顧客獲得」を目指しますが、企業のブランドや長期的な施策全体という観点では限界があります。結果として、一つの施策での成果は上がるかもしれませんが、企業全体としての圧倒的な成果を期待するのは難しいでしょう。
外部に依存する場合でも、自社の戦略を深く理解している社内メンバーがコミットし、連携を取ることが重要です。
マーケティングを内製化するメリット
では、マーケティングを内製化することでどのようなメリットがあるのでしょうか。
以下では、主なメリットを2つご紹介いたします。
- ユーザーのニーズに応えた施策がしやすい
- マーケティング施策の実行スピードが早い
ユーザーのニーズに応えた施策がしやすい
メリットの一つ目は、顧客のニーズに迅速に対応しやすくなることです。
外部にマーケティング業務を委託する場合、代理店や外注先はマーケティングのノウハウやスキルを持っているかもしれませんが、必ずしも自社製品や業界に関する深い理解を有しているわけではありません。
その結果、外注先とは常に綿密な連携が求められることになります。
加えて、顧客からのフィードバックや製品情報を社内で直接扱うことにより、マーケティング施策を顧客の実際のニーズに即して柔軟に調整することが容易になります。
このように、内製化することで、顧客の声をダイレクトに反映しやすくなり、より効果的なマーケティング活動を展開することが可能になります。
マーケティング施策の実行スピードが早い
マーケティング業務を外部に委託することは、社内の貴重なリソースを節約し、ノウハウを取り入れることができます。
しかし、外部のパートナーとのやり取りには、依頼の詳細説明や情報交換といったコミュニケーションが伴います。
そのため、施策の実行に至るまでのプロセスが長引くことがあります。
一方で、社内でマーケティングの計画、実施、分析を一貫して行う体制を整えることができれば、迅速にPDCAサイクルを回すことが可能になります。
これにより、施策の効果を速やかに検証し、改善へとつなげることができ、最終的には成果を出しやすくなります。
マーケティングを内製化する流れ
マーケティングの内製化は、企業にとって大きなステップです。
このプロセスを成功させるためには、じっくりと時間をかけて、段階的に進めることが重要です。内製化を急ぐことなく、計画的に取り組むことで、スムーズな移行と持続可能なマーケティング体制の構築が可能になります。
- 現状外注している業務の整理
- ナレッジをドキュメント化
- 自社メンバーのアサイン
1. 現状外注している業務の整理
マーケティングの内製化を始める第一歩は、現状外注している業務の詳細な整理からです。
これには、リスティング広告の運用、オウンドメディアの管理、SNSの運用などが含まれます。
各業務をさらに細分化し、リスティング広告ではキーワードの追加や削除、広告文の改善、ランディングページのコンテンツ改善(EFOなど)といった具体的なタスクに分けます。

この細分化により、どの業務を内製化するか、そしてそのために必要なリソースやスキルが明確になります。
2. ナレッジをドキュメント化
業務を細分化したら、次はその各業務に関連する知識やノウハウをドキュメント化する段階に移ります。
定例ミーティングなどを通じて、外注先から「どのような意図で、どのような調整をマーケティング施策を行う上で行っているのか」を詳しく聞き出し、そのポイントを文書にまとめていきます。

ここでは、代行会社が行っている普段の業務フローについても知ることが大切です。外注先から得られる情報を基に、内製化に向けた知識の基盤を構築します。
業務秘密などで共有できない情報もあるかもしれませんが、できる限り多くの知見を収集することが目標です。
3. 自社メンバーのアサイン
業務の整理とナレッジのドキュメント化が完了したら、次は内製化の実行フェーズに移ります。
ここでは、整理された業務に対して適切な自社メンバーをアサインします。

それぞれの業務に必要なスキルや経験を持つ社員を選定し、内製化の一員として参加させることで、各タスクの内製化を進めていきます。
この段階でのコミュニケーションとチームワークが、内製化の成功を大きく左右します。
適切な人材配置と教育により、内製化への移行をスムーズに進め、企業内でのマーケティングにおける成功に繋げます。
マーケティングを内製化する際のポイント
マーケティングの内製化は多くの企業にとって重要な戦略的ステップですが、その過程で注意すべきポイントがいくつかあります。
特に、内製化をスムーズに進め、効果を最大化するためには、戦略的なアプローチが求められます。
- 一部のみの内製化から始める
- 売上に近い施策から始める
一部のみの内製化から始める
マーケティングの内製化において、いきなり全ての業務の内製化を達成することは難しいです。
内製化をうまく行うためには、まず一部分から始めることです。
全ての業務を一度に内製化しようとすると、社内リソースに過度の負担がかかり、結果的にどの業務も十分な成果を出せなくなる恐れがあります。
したがって、初期段階では、特定の業務やプロジェクトに焦点を当て、内製化のプロセスを段階的に拡大していくことがオススメです。
例えば、広告を打ち出す上での戦略的部分は自社で行い、その後のクリエイティブ制作の部分などを外注するなどです。
初期段階では、専門的な知識を要する業務や、時間を要する単調な作業を外部に委託することで、社内リソースを有効に確保することができます。
売上に近い施策から始める
マーケティングの内製化を検討する際、どの施策から手を付けるべきかを決定することは非常に重要です。
売上に直結する施策、つまり即効性が高く、成果が出やすい活動から始めることが大切です。
例えば、リスティング広告の運用は、顕在的なニーズを持つユーザーに直接アプローチできるため、売上に繋がりやすく、初期の内製化で取り組むには最適な業務です。
これに対して、オウンドメディアやSNSの運用は、潜在顧客層への訴求を目的としており、売上に直結する成果を出すまでには時間がかかることが多いです。
そのため、内製化の初期段階では、より直接的に売上に貢献する可能性の高いリスティング広告の運用から手を付け、徐々に潜在層向けの施策へと拡大していくことが効果的です。
これにより、内製化の効果を早期に実感し、社内のモチベーションを維持しながら次の業務の内製化に進むことができます。
マーケティング内製化支援会社
マーケティングの内製化には多くのメリットありますが、いざ内製化をしようとしても難しいのが現実です。
そのため、内製化の初期段階で必要とされる専門知識やリソースの確保が難しい場合、まずはマーケティングの内製化支援を行なってくれるサービスを利用するのもオススメです。
以下では、内製化におすすめの支援会社を3社紹介いたします。
株式会社FlyEdge

FlyEdgeは、3,000回以上のコンサルティングから構築した勝ちパターンをもとに戦略構築から支援するだけでなく、専任担当のマーケターのコーチングによる内製化支援まで行っています。
インプット1割、アウトプット9割の内製化支援により経験が蓄積され、現場でPDCAを回しながら施策を実施することのできる人材の育成が可能です。
内製化できる領域 | ・毎月・毎週の定例MTG ・回数無制限のチャット相談 ・Webマーケティング戦略の構築支援 ・Webマーケティング戦術の構築、実行支援 ・他部署との連携体制構築支援 ・Webマーケティング基礎レクチャー ・WebマーケティングPDCAの仕組みの構築 |
料金 | 月額33万円〜 |
サイトエンジン株式会社

サイトエンジンは、マーケティングの戦略立案から実行まで支援してくれるだけでなく、内製化支援も充実しており、SEO、BtoBマーケティング、デジタルマーケティング、オンラインセミナー運用、動画マニュアル制作といった多岐にわたるインハウスサービスを提供しています。
内製化できる領域 | SEO記事制作/コンテンツマーケティング、BtoBマーケティング/コンサルティング、 デジタルマーケティング、インハウスSEO、オンラインセミナー、 アンケート調査コンテンツ、SEOライティング |
料金 | ・SEO記事制作/コンテンツマーケティング:50万円〜 ・BtoBマーケティング/コンサルティング:50万円〜 ・デジタルマーケティング:100万円〜 ・webマーケティング研修・講座:150,000円 / 定員10~15名(15名以上は応相談) ・webマーケティング研修・講座:〜25万円 ・アンケート調査コンテンツ;〜12万円 |
株式会社アジタス

アジタスの内製化支援は、クライアントの課題に合わせて、その時に必要な最新かつ正確な情報を、適切な粒度で提供してくれます。
また、情報の提供に留まらず、それを活用したマーケティング施策の実行や、原稿の作成といった具体的なノウハウの習得をサポートしてくれます。
さらに、必要な情報はすべて書面化してくれるので、後任の育成にも活用することができます。
内製化できる領域 | 【課題の明確化】 ・競争環境の整理 ・自社資源の整理・資料化 ・外注状況の把握 ・内製・外注項目の洗い出し 【理想のチーム体制の策定】 ・マーケティング計画 ・ワークフローの整備 【伴走と実践】 ・知識・スキルの習得 ・標準化・仕組化・効率化 ・ベンダーコントロールの質向上 【チームの育成・他部門との連携】 ・定着化と研修の整備 ・会社全体の理解・協力促進 |
料金 | 要問い合わせ |
まとめ
今回は、マーケティングを内製化することに関して紹介いたしました。
現在、マーケティングを外注している企業や今後マーケティングをしていく上で内製化を考えている企業も、まずは少しずつ内製化していきましょう。
そうすることで、コストを少しずつ削減しつつ、無理のない内製化へと移行することができます。今回、紹介した内製化へのステップをもとに実行していきましょう。
この記事が、マーケティング内製化の一助になれば幸いです。

b-pos編集部
代行・外注サービスの比較サイトb-pos(ビーポス)の編集部。b-posは、BPOサービスの比較検討時に知っておきたい情報や、内製化・成果向上に繋げるノウハウについて解説するメディアです。サービスの掲載企業の方はこちらから(https://b-pos.jp/lp)