【ケース別】コンテンツマーケティングに必要な費用とは|相場と費用対効果の考え方

「コンテンツマーケティングをするために、どれくらい予算が必要なんだろう」
「費用対効果が見合うのか気になる」

といった悩みは、コンテンツマーケティングを始めようとしている経営者・マーケティング担当者の方に起きがちです。

コンテンツマーケティングにかかる費用は、社内の体制、状況、目標数値によって差があります。費用対効果については、自社の「商材単価」と「リーチ可能数」を見極めることで予測できます。

本記事では、コンテンツマーケティングの費用相場費用対効果の考え方を中心に解説します。

そもそもコンテンツマーケティングって意味あるの?

コンテンツマーケティングを実施することで、次の3つの成果が期待できます。

  • 認知拡大
  • 顧客獲得
  • 広告費削減

それぞれ解説します。

認知拡大

コンテンツマーケティングは、企業・商品の認知拡大に効果的です。

コンテンツマーケティングでは、ユーザーにとって有益な情報を継続的に発信します。まずユーザーに見てもらえるチャネルが一つ増えることで、知名度が高まりやすくなります。また信頼度の高い情報を発信することで「信頼できる情報源」として認知され、ユーザーからの信頼や好意を得られます。

さらに専門性が高い情報を発信することで、市場における存在感が高まります。競合他社と差別化できるため、比較検討しているユーザー視点で観て優位に立てます。

顧客獲得

自社が狙いたいターゲットが求める情報を提供することで、顧客獲得につながります。

たとえば、営業支援ツールを提供する企業がコンテンツマーケティングをすると仮定します。顧客のニーズは「社内リソース不足」が考えられます。顧客に対して「リソース不足の対策」というテーマの記事を書くことでユーザーに流入してもらいやすくなります。記事のなかで自社のツールを紹介すると、売り上げにつながる可能性が高まります。

ターゲットとなるユーザーが求める情報を提供することで、顧客獲得につながります。

広告費削減

コンテンツマーケティングを活用することで、広告費の削減につながります。

広告は即効性があるのが特徴です。しかし「出稿期間は継続的に費用がかかる」「効果は出稿期間に限られる」といったデメリットがあります。

一方でコンテンツは資産です。定期的な見直しは必要ですが、一度Web上に公開すると機能し続けます。

中長期的に考えると、コンテンツマーケティングを効果的に活用することで、広告費を削減しつつ顧客を増やせる可能性もあります。

コンテンツマーケティングにかかる費用項目と相場

コンテンツマーケティングには、以下の費用がかかります。これらを外注する場合のサービス費用と相場も、併せてご紹介します。

費用項目サービス内容相場(外注した場合)
戦略設計費・運用体制設計
・アクセス獲得設計
・記事制作体制設計
・KW選定
・競合分析
・ターゲットの調査・分析
50~300万円
サイト制作
/改善費用
・デザイン
・CMS構築
・コーディング
・SEO内部施策
・CTA・オファー部分の改善
10~300万円
記事制作費用・ペルソナの設定
・構成作成
・ライティング
・公開作業
1~5万円 / 1本
運用費用
(分析/改善)
・保守
・KPI管理
・アクセス解析
・改善支援
10~100万円
他コンテンツ
制作費用
コンテンツ制作
・ホワイトペーパー
・動画
・SNS投稿
ホワイトペーパー:10万円
動画:30~300万円 / 1本
SNS投稿:5~20万円 / 月

それぞれの項目について解説します。

戦略設計費

企業の目標を達成するには、コンテンツマーケティングの戦略を設計する必要があります。戦略設計費は、コンテンツマーケティングの方向性を決め、効果的な施策を実行するためにかかる費用です。

戦略設計では、以下のような内容を整理します。

  • どのようなターゲットにどんな情報を届けるのか
  • どのような手段でターゲットにアプローチするのか
  • 作成するコンテンツはどのようなテーマがよいのか
  • どのキーワードでコンテンツを作成すれば効果的か
  • 実際に実行するにはどのようなWeb上の機能や体制が必要なのか

社内で戦略設計する場合、かかる費用は人件費のみです。
一方、外注した場合の費用相場は50~300万円程度です。

外注した場合、受けられるサービスの例は次のとおりです。

  • 運用体制設計
  • アクセス獲得設計
  • 記事制作体制設計
  • KW選定
  • 競合分析
  • ターゲットの調査・分析

なお戦略設計を間違えると成果が出ないため、注意が必要です。社内にノウハウがない場合、戦略設計を得意とする外注先に依頼しましょう。

サイト制作/改善費用

サイト制作/改善費用は、コンテンツ単位ではなく、Webサイト全体の制作・改善にかかる費用です。

コンテンツマーケティングは、基本的にWebサイト上で実施します。そのため、始めるにあたってWebサイトを制作する必要があります。

また「CTA」を改善することで、コンバージョン率が高まります。CTAとはCall To Actionの略でユーザーに具体的な行動を起こさせることです。

例えば「資料請求はこちらをクリック」のボタンや、電話予約のボタンを指します。コンテンツマーケティングの成果の1つである「顧客獲得」にかかわる重要な要素です。

Webサイトを社内で制作・改善する場合、人件費が必要です。「Webデザイン」や「コーディング」をはじめとした幅広いスキルが必要なため、知識がある適切な人材を配置または採用する必要があります。

一方、外注した場合の費用相場は10~300万円程度です。
サイトに求める機能性やデザイン性によって、費用に差が出ます。

また下記の費用は、社内制作・外注のいずれであっても発生します。

  • サーバー代:1万円~ / 年
  • ドメイン代:1,000円~ / 年

外注の場合、プランの費用に含まれている可能性があるため確認しましょう。

外注した場合、受けられるサービスの例は次のとおりです。

  • デザイン
  • CMS構築
  • コーディング
  • SEO内部施策
  • CTAの改善

発注内容が高度になるほど、費用も高額になる傾向があります。

記事制作費用

Webサイト内に投稿する記事の作成にかかる費用です。

記事を社内で制作する場合、人件費がかかります。ほかの業務を担当しながら記事を制作する場合「短期間で記事を量産できない」「一定数のコンテンツを継続的に更新するのが難しい」といったデメリットがあります。

一方、記事を外部ライターに任せる場合、安定して記事の作成ができます。
費用は記事1本あたり1~5万円程度が相場です。記事を量産することは容易ですが、外注先によって記事の品質が不安定なケースもあります。

外注した場合、受けられるサービスの例は次のとおりです。

  • ペルソナの設定
  • 構成作成
  • ライティング
  • 公開作業

SEO施策を重視する場合「社内にSEOライティングできる人材がいるか」がポイントです。社内の人材をいちから育成する必要がある場合、外注した方がコストパフォーマンスがよい可能性があります。

運用(分析/改善)費用

コンテンツマーケティングで成果を出すためには、データの分析・改善が重要です。これらを実施するために、運用費用が必要となります。

コンテンツの効果を最大限引き出すには、ユーザー数コンバージョン率検索結果順位といった数値を分析し、改善を重ねる必要があります。

社内でコンテンツの分析・改善をする場合、人件費のみかかります。データ分析は「Googleアナリティクス」や「Googleサーチコンソール」といったツールを活用してPDCAを回すため、メディア運営に精通した人材でなければ、コンテンツの改善は難しい可能性があります。

コンテンツの分析・改善を外注する場合、費用の相場は10~100万円です。

受けられるサービスの例は以下のとおりです。

  • 保守
  • KPI管理
  • データ分析
  • 改善支援

データを活用してPDCAを回し、コンテンツマーケティングの費用対効果を高めます。

他コンテンツ制作費

コンテンツマーケティングでは「コンバージョンポイント」が必要です。具体的には、ホワイトペーパー、問い合わせページなどがあります。

「記事からホワイトペーパーのページに遷移してもらい、ダウンロードを促す」という動線を整備することで、より商材をアピールできるほか、ユーザーの連絡先を獲得でき、アプローチしやすくなります。

自社でホワイトペーパーなどのコンテンツを制作する場合、基本的には人件費のみ必要です。コンテンツマーケティングにおいて、特に「ホワイトペーパー」はコンバージョン率を高める重要なコンテンツです。デザインやライティングのスキルがある人材が担当することで、成果が上がるホワイトペーパーが作成できるでしょう。

外注する場合の費用相場は、以下のとおりです。

  • ホワイトペーパー:10万円
  • 動画:30~300万円 / 1本
  • SNS投稿:5~20万円 / 月

それぞれのコンテンツ制作に特化した外注先に依頼することで、質の高いコンテンツの完成が期待できます。

ケース別にコンテンツマーケの外注費用を考える

以下の、ケース別にコンテンツマーケティングにかかる外注費用を考えてみましょう。

  • サイト自体は自社で作成できる場合
  • 採用力がある場合
  • リソースはあるがノウハウがない場合

サイト自体は自社で作成できる場合

自社でWebサイト自体は作成できる場合、以下の費用がかかります。

  • 戦略設計費用
  • 記事制作費用
  • 運用(分析/改善)費用

コンテンツマーケティングの主軸となるオウンドメディアの制作・改善が自社でできるため、コンサルティング会社に依頼してサイト構造を相談すると、効果的なコンテンツマーケティングにつながります。

コンサル会社との定例MTGの場で「運用(分析/改善)」に関する部分を相談するのも有効です。

サイト制作が可能なため、ほかのコンテンツの作成も可能であると考えられます。そのため、ホワイトペーパーや動画といったコンテンツを外注する必要はありません。

ノウハウがたまり、オウンドメディアの運用が軌道に乗ってきたら「記事制作費用はライターを複業等で採用して外注する」といった方法で、継続してコンテンツを作成・公開できる体制を整備しましょう。

採用力がある場合

採用力がある場合、以下の費用がかかります。

  • サイト制作/改善費用
  • 記事制作費用
  • 他コンテンツ制作費用

採用力がある場合、コンテンツマーケティングに長けた人材を採用し「戦略設計」と「運用(分析/改善)」を依頼しましょう。その人が指揮をとって「サイト改善」「記事制作」「ホワイトペーパーなどのコンテンツ制作」を進めましょう。

注意点として、上記の費用以外に採用費用と人件費が別でかかります

しかし「自社の意向を反映させやすい」「PDCAを回しやすい」「コンテンツの質が担保できる」といったメリットがあるため、コンテンツマーケティングの知識を持つ人材採用がおすすめです。人材確保が難しい場合、複業採用でもよいでしょう。

リソースはあるがノウハウがない場合

リソースはあるがノウハウがない場合、以下の費用がかかります。

  • 戦略設計費用
  • サイト制作/改善費用
  • 運用(分析/改善)費用

リソースがある場合、その人材に「コンテンツ制作」をすべて担ってもらいましょう。コンサルティング会社に依頼してノウハウを教えてもらいながら、コンテンツをできるだけ多く、早く公開し続けることをおすすめします。

そうすることで、ノウハウが社内に蓄積されて「サイト改善費用」しか必要なくなり、自走できるようになります。

コンテンツマーケティングの費用対効果の考え方

コンテンツマーケティングの費用対効果は「商材単価」と「検索ボリューム(リーチ可能数)」の関係によって決まります。

たとえば「BtoBのコンテンツマーケティングでリード獲得を目的としている」とします。この場合、商材単価によってはコンテンツマーケティングを実施する意義があります。

具体例として、以下のケース①とケース②を用いて説明します。

上記のケース①では、商材単価が10万円です。費用・工数がかかる割にアクセス数が集まらず、CVが少ないため、費用対効果が悪いといえます。

一方ケース②では、商材単価が500万円です。費用・工数がかかったとしても回収できるため、費用対効果がよいです。

どちらもコンテンツマーケティングを実施するのに100万円かけていた場合、ケース①では「-60万円」ケース②では「+400万円」といった結果になります。

つまり「書ける記事が少ない」「KWの検索ボリュームが少ない」などの結果、アクセス数が少なくても、商材単価が大きければ回収できます。

そのため自社の「商材単価」と「KWボリューム(リーチ可能数)」の関係を考慮して、費用対効果が見合うかを考えるとよいでしょう。

コンテンツマーケティングの外注におすすめの企業3選

コンテンツマーケティングの外注におすすめの企業を3社ご紹介します。

ナイルのコンテンツ相談室

引用:ナイルのコンテンツ相談室

ナイルのコンテンツ相談室は、自社メディアの運用経験を活かして「勝てるマーケティング戦略」を提供しています。

「クライアント向けの社内研修」「コンサルティングを通じた教育」といった方法で、内製化に関する支援もおこなっています。

「SEO向け」「SNS向け」といった目的に合わせて、ホワイトペーパーや動画、漫画といったコンテンツの作成依頼も可能です。

「ライオン株式会社」や「三井住友カード株式会社」「株式会社ベネッセスタイルケア」といった企業の支援実績があります。

ベイジ

引用:株式会社ベイジ

ベイジは、BtoBに特化したWeb制作のサービスを提供しています。顧客やユーザーの「ベネフィット(便益)を作ること」をモットーにしています。

Web制作に必要な全機能が在籍しているため、デザインからコンテンツ制作まで対応可能です。

「株式会社才流」や「クリエイティブサーベイ株式会社」「サイボウズ株式会社」といった企業の支援実績があります。

バズ部

引用:バズ部

バズ部は、自社のオウンドメディア運営で培ったノウハウを活かし、記事制作を代行しています。全2,229本の執筆記事のうち、876本が検索結果1位表示を獲得しています。

バズ部の社員が認定ライターに対し、記事作成の全工程においてマンツーマンで確認・指導しています。そのため、高品質な記事制作が実現できます。

「富士通株式会社」「株式会社リクルートホールディングス」「アフラック生命保険株式会社」といった企業の支援実績があります。

まとめ

コンテンツマーケティングには「戦略設計費」をはじめとした、さまざまな費用がかかります。企業の体制・状況に応じて外注することで、コンテンツマーケティングの目標達成に近づきます。

コンテンツマーケティングにかかる費用項目を理解し、自社において費用対効果が見合うかを検討してみましょう。

b-pos編集部

代行・外注サービスの比較サイトb-pos(ビーポス)の編集部。b-posは、BPOサービスの比較検討時に知っておきたい情報やサービスの選び方について解説するメディアです。サービスの掲載企業の方はこちらから(https://b-pos.jp/)