問い合わせ対応を効率化する3つの方法|手間・費用・効果の観点で解説
「顧客からの問い合わせへの応対品質にバラつきが出ている」
「問い合わせ件数が多すぎるので効率化したいがやり方がわからない」
このような課題は、カスタマーサポートチームに起きがちな悩みです。
問い合わせ対応業務は、顧客満足度に大きく関わる重要な仕事です。一方で顧客接点が増えたいま、問い合わせ対応業務は多忙になりがちです。対応品質を安定して高めるためにも、問い合わせ対応の業務効率化は必須です。
この記事では、コールセンターの問い合わせ対応の効率化を実践するための方法を紹介します。問い合わせ対応を効率化する方法が分からない方は、参考にしてみてください。
問い合わせ対応とは?
問い合わせ対応とは、「顧客からの商品・サービスについての問い合わせに対して適切な回答をすること」です。コールセンターを含む、カスタマーサポートチームがメインで対応します。
問い合わせ対応の変遷
従来、企業に対する問い合わせ窓口は電話のみでした。しかし時代が進むにつれてFAX・ハガキ・メール・Webサイト、チャットボット、SNSなど、顧客の問い合わせ先が多様化しています。
顧客接点が以前より増えるにつれて、カスタマーサポートチームの対応範囲は広がっている状況です。そのぶん業務オペレーションが煩雑になっています。
問い合わせ対応の重要性
問い合わせ対応が重要な理由は、単純に顧客の要望を受け付けるだけではなく、「顧客満足度向上」や「競合との差別化」といった役割も果たすからです。
顧客満足度の向上
問い合わせ対応は、顧客と企業とのつながりをつくる業務です。顧客から問い合わせがあったときには、的確かつ迅速に対応できなければ、満足度を低下させてしまうおそれがあります。
一方でスピーディーかつ丁寧に対応し、顧客の疑問を解決できれば信頼感を獲得できます。すると顧客満足度・ロイヤリティが高まり「解約率の抑止」「顧客単価の向上」につながります。問い合わせ対応が最終的には利益につながるのです。
競合他社との差別化
自社の利益向上のためには、他社と比較して差別化できるポイントが重要です。しかし特に競合が多い市場では商品の性能だけで優位性を出すのは難しいことです。
その点、問い合わせ対応を丁寧に行うことによって、競合他社との差別化を図れます。「市場での優位性を獲得する」といった観点でも問い合わせ対応業務は大切です。
問い合わせ対応の課題
問い合わせ対応には、以下の3つの課題があります。
- 【数】が多い
- 対応に【時間】がかかる
- 対応品【質】のバラつき
それぞれ詳しく説明します。
【数】問い合わせの数が多い
まずは「問い合わせ数」の課題です。問い合わせ数がカスタマーサポートの許容範囲を超えると、顧客からの電話がつながりにくくなり、人的ミスも起こりやすくなります。
その結果、顧客満足度が下がり、クレームに発展するおそれもあります。さらに、オペレーターにも大きな負担を強いる状況に陥りかねません。長時間の残業が必要になり、退職者の増加につながります。
問い合わせ数が増える原因は、主に以下が考えられます。
- ユーザーのアクセス数が増えたから
- キャンペーンなどが起因しているから
- 公式Webサイトの情報が不足しているから
- マニュアルやFAQがわかりにくいから
このうち「ユーザー数の増加」や「キャンペーン」は、企業にとってはプラスの要素です。新規顧客獲得・リピーター増加のチャンスだといえるでしょう。企業としては積極的に対応したい問い合わせです。
一方で「公式Webサイトの情報不足」や「マニュアルやFAQのわかりにくさ」は、顧客対応のノウハウ不足から発生します。これらの要因による問い合わせ増加によって、新規顧客獲得・リピーター増加の機会を逃してしまう可能性もあります。
そのため、Webサイトの情報拡充、マニュアル・FAQ整備は早急に実行すべき施策です。
【時間】問い合わせ対応に時間がかかる
「1件あたりの問い合わせ対応時間」に関する課題もあります。現在、商品・サービスが多様化するにあたって、問い合わせ内容が複雑になっています。そのため1つの問い合わせに複数のスタッフが対応しなければいけないケースもあります。
いくつもの部署に確認をしたり、同じ質問を繰り返したりすると、問い合わせ対応の時間が延びてしまうことがあります。こうした案件が増えると、顧客にネガティブな印象を与えてしまいます。
【質】問い合わせ対応品質のバラつき
スタッフごとにスキル・ノウハウに差があると、対応品質にバラつきが出ます。すると、同じ内容の問い合わせに対して、担当者ごとに違う回答をしたり、誤情報を伝えたりするおそれがあります。
その結果、商品・サービスに対する信頼を損ねてしまうことがあります。問い合わせ対応に関しては、オペレーターによって過度に良し悪しがある状態ではなく「全員が平均点以上の品質を発揮できる状態」にすべきです。
問い合わせ対応の効率化を図る3つの方法
問い合わせ対応の効率化を図るには、以下の3つの方法があります。
- オペレーションを改善する
- 代行・外注を活用する
- システム・ツールを活用
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1. オペレーションを改善する
社内のオペレーションを改善することによって、問い合わせ対応の効率化を図ります。この解決策の手間・費用・効果は以下の通りです。
オペレーションを改善する方法は以下の2つです。
- 社員を教育する
- 問い合わせ対応のプロセスを改善する
社員を教育する
社員ごとのスキルを向上させることによって、業務の効率化を図ります。「定期的に社内研修を実施する」「ロールプレイングやOJTをやり直す」など、学習機会を設けることでスキルの均一化を目指す方法です。
コールセンターの研修内容・実施する手順などは以下の記事を参考にしてください。
→ コールセンターの研修内容|6つの種類と5つの手順を解説!カリキュラム例 付
問い合わせ対応のプロセスを改善する
「顧客からの問い合わせ受け付け」から「処理の完了」まで、いずれかのプロセスに問題があると対応に時間がかかってしまいます。また、対応品質にバラつきが発生する要因にもなります。
そのため、問い合わせ対応のプロセスを一つずつ見つめ直し、マニュアルの改善を考えましょう。
コールセンターの電話対応マニュアルについては以下の記事を参考にしてみてください。
→ 【見本付】コールセンターの電話対応マニュアルの作成・改善手順と運用のコツまで解説!
2. 代行・外注を活用する
代行会社を活用し、業務をアウトソーシングすることによって、問い合わせ対応の効率化を図ります。この解決策の手間・費用・効果は以下の通りです。
カスタマーサポート代行を活用する
カスタマーサポート業務全体を代行会社に委託することで、顧客との窓口業務を大幅に減らすことが可能です。業務に余裕が出ますので、対応品質が向上します。
しかし、外注費がかかるため、事前に費用対効果をよく計算しておきましょう。また、社内のカスタマーサポートメンバーの空いた工数で、どんな業務を依頼するのかを考えておく必要があります。
カスタマーサポートの外注のやり方・外注先については以下の記事で詳しく紹介しています。
→ カスタマーサポートは外注できる?料金などの外注の基礎知識と代行会社5選!
コールセンター代行を活用する
カスタマーサポート全体ではなく、電話の対応業務のみを外注するのもひとつの手段です。その際、コールセンター代行を検討してみてください。この場合、メールでの対応・ヘルプデスク業務については、これまで通り自社が担います。
現状、受電業務に負担がかかっている場合は、コールセンター代行を活用することにより、時間を確保できるようになります。コールセンターの代行会社や選び方について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
→ コールセンター代行会社10社を3項目で徹底比較!料金相場から選び方まで
3. システム・ツールを活用
システム・ツールを活用することで、問い合わせ対応の効率化を図る解決方法もあります。
チャットボットやFAQといったシステムはうまく使えば、顧客の問い合わせ数を大幅に減らせます。しかし設定次第では「問い合わせ数が変わらない」「むしろクレームが増える」という結果になる可能性もありますので、注意が必要です。
この解決策の手間・費用・効果は以下の通りです。
チャットボットを活用する
チャットボットを導入することによって、顧客は悩みや不明点を問い合わせる前にWebで解決できる可能性が高まります。人が対応しなくてもbotが自動的に受け答えをしてくれるため、営業時間外についても対応可能です。
しかし、チャットボットのみでは、顧客の質問・疑問に対して適切に回答できないケースがあります。「人とbotをどのように協働させるか」が重要なポイントです。
コールセンターでのチャットボットの取り入れ方に関する詳しい情報は、以下の記事を参考にしてみてください。
→ コールセンター向けチャットボット5選比較|導入効果・事例を解説!
FAQシステムを活用する
FAQシステムを活用することによって、業務効率化を図ります。Webサイト上にFAQページを作成し、公開することにより、顧客は自分自身で不明点の解決策をリサーチできます。その結果、電話での問い合わせ件数を大幅に減らせます。
しかし、FAQシステムの設定次第では運用工数だけがかかってしまい、効果を得られない可能性もありますので注意してください。
コールセンター業務に取り入れるべきシステムに関しては、以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
→ コールセンターシステムおすすめ9選!CRM・CTI・FAQどれを使うべき?種類別に比較!
まとめ
顧客の問い合わせへの対応を効率化する方法について解説しました。
問い合わせ対応は、顧客の声を聞くばかりではなく、顧客満足度を高めたり、差別化を図ったりとあらゆる役割を担う重要な業務です。効率化を図ることで、企業全体の利益向上につながります。
自社のカスタマーサポートに対して、問い合わせの数、時間、対応品質の課題を感じている方は、この記事を参考に効率化に取り組んでみてください。
b-pos編集部
代行・外注サービスの比較サイトb-pos(ビーポス)の編集部。b-posは、BPOサービスの比較検討時に知っておきたい情報やサービスの選び方について解説するメディアです。サービスの掲載企業の方はこちらから(https://b-pos.jp/)