コールセンター向けチャットボット5選比較|導入効果・事例を解説!

「コールセンター業務をチャットボットを使って効率化したい」
「コールセンターにチャットボットを入れて本当に業務が改善するの?」

このように考える企業は少なくありません。コールセンター業務にとって、チャットボットを使うことによってメリットはあります。

本記事では、コールセンターがチャットボットを導入するメリット・成功事例・比較検討のポイント、主な製品5選を紹介します。チャットボットの導入に悩んでいる方は、ぜひ比較検討をしてみてください。

なおコールセンター業務にはアウトバウンド業務もありますが、チャットボットはインバウンド業務を効率化する目的で導入されます。この記事では、インバウンド業務を行うコールセンターの方に向けて解説をしていきます。

コールセンター向けチャットボットとは?

チャットボットとは、人と機械がチャット形式でやり取りできるプログラムです。ユーザーからの質問に対して自動で回答を示すプログラム・アプリケーションを指します。

引用:HubSpot

チャットボットは主に以下の3つのタイプに分かれます。

タイプ説明
辞書型ユーザーの質問内容・キーワードに対応して返答する
シナリオ型設定したシナリオに応じてユーザーに選択肢を示し解決に導く
AI型蓄積したデータを機械学習によって学び、自然な対話ができるようになる

「辞書型」「シナリオ型」は、あらかじめ決めた設定に応じてユーザーからの質問に回答を示します。学習はしないため、設定次第で性能の良し悪しが決まります。

一方で「AI型」は機械学習を搭載しているため、質問が蓄積されるほど返答の性能が高まるのが特徴です。長く使うほど、複雑な質問にも対応できるようになります。

コールセンターにチャットボットを導入するメリット・効果

コールセンターにチャットボットを導入するメリット・効果を3つ紹介します。

  • 最大の導入効果は「負荷軽減」
  • その他にも様々なメリットがある
  • ユーザーからしてもメリットがある

それぞれ解説します。

最大の導入効果は「負荷軽減」

コールセンターにチャットボットを導入することにより、オペレーターの負荷軽減・人件費の削減ができます。

従来であれば、すべての質問に対してコールセンターのオペレーターが対応する必要がありました。しかしチャットボットを導入すれば、顧客自身が自己解決できるようになります。その結果、電話応対数の削減が見込めます。

またチャットボットは24時間365日対応可能です。オペレーターは基本的に早朝・夜間は稼働しません。もし稼働をする場合には手当が必要になるうえ、スタッフは疲弊します。その点、チャットボットを導入することでオペレーターの負荷を軽減できます。

ただしチャットボットを導入することでユーザーの悩みを即座に解決できず、逆にクレームにつながる可能性があります。その場合に備えて「チャットボットユーザーの情報を収集したうえでオペレーターにつなげる」といった仕組みを構築することが可能です。

その他にも様々なメリットがある

チャットボットにはオペレーターの負担軽減のほか、あらゆるメリットがあります。主なメリットは以下の3点です。

  • 顧客対応の品質均一化
  • 顧客接点の増加
  • 誘導や商品説明のフォロー

それぞれ詳しく説明します。

顧客対応の品質均一化

チャットボットはどのユーザーにも同じクオリティで返答できるのがメリットです。

人間のオペレーターが対応すると、経験・人間性といった観点で対応品質にばらつきが出ます。しかしチャットボットはあらゆるユーザーに的確な返答ができます。

顧客接点の増加

チャットボットは自社のWebサイト上だけではなく、SNSとの連携などあらゆるチャネルに展開できます。

顧客は普段、Webサイトだけでなく、あらゆるチャネルを使って生活を送っています。その点、チャットボットを使うことで顧客接点が増えることはマーケティングの観点でもメリットがあります。

誘導や商品説明のフォロー

顧客がWebサイト上で欲しい情報をすぐに提案できるのもメリットです。例えば流入した際に「お探しの情報は何ですか?」のような文言とあわせて、チャットボットを表示することで、ユーザーは効率よく情報を収集できます。

企業側としては「顧客に取ってほしい行動」を誘導できるといえます。これは商品説明・サポート案内といった利用用途でも効果を発揮します。

ユーザーからしてもメリットがある

チャットボットはメリットがあるとはいえ「人間が対応しないことで、逆にユーザーのクレームが増えるんじゃないか」と不安を抱いている方もいらっしゃると思います。

しかしチャットボットは利用するユーザーにも大きなメリットがあります。以下の2点ついて紹介します。

  • 時間と場所に左右されない問い合わせ
  • 電話待ちの時間やストレスの軽減

時間と場所に左右されない問い合わせ

企業が設置しているコールセンターの多くは、問い合わせできる時間や曜日が定められています。基本的に時間外での対応は、ほぼできません。

しかし顧客側としては、対応時間外だとしても「今すぐに解決したい」というニーズは一定数あります。その点、チャットボットは24時間365日対応可能です。顧客にとっていつでも悩みを解決できるのはメリットです。

電話待ちの時間やストレスの軽減

コールセンターに問い合わせの連絡をする際、長時間待たされたり掛け直しを促されたりする場合。顧客はストレスを感じます。

その点、チャットボットであれば待ち時間は発生しません。さらに、スピーディに返答があるため、ストレスを軽減することが可能です。

コールセンターのチャットボット導入事例

コールセンターのチャットボット導入事例を2社ご紹介します。

バルミューダ株式会社

バルミューダ株式会社は、キッチン家電を中心とした事業を展開しています。「時期に応じて顧客対応数に大きな変動があることが分かった」「リアルタイムでの顧客対応の必要性を強く感じた」という背景から、KARAKURI chatbotの導入を検討しました。

導入ツールを選定にあたって、AIを活用した知見の多さデザインや応対品質のレベルを比較材料としました。運用にあたっては、予測変換機能ツールを組み合わせることによって、ユーザーが自分の言葉で検索しやすいようカスタマイズされています。

その結果、ユーザー自身が最短で問題解決できるようになり、コールセンターの運用効率の向上を実現しました。

参考:KARAKURI|バルミューダ株式会社 – チャットボットとシステム連携で顧客体験の向上とCSコストの適正化に挑戦

株式会社NTTドコモ

株式会社NTTドコモは、日本国内最大手の通信事業者です。すでにチャットボットを導入していましたが「必要とするFAQが満たない」ことや「メンテナンスによる工数が煩雑になった」という背景であることから、PKSHA AI チャットボットへの切り替えを検討したそうです。

切り替え後には、ユーザーの自己解決率・運用工数が大幅に改善しています。自己解決率は50%を目標にしていましたが、83%まで向上しました。PKSHA AI チャットボットのメンテナンス支援機能を併用したことにより、工数の92%削減に成功しています。

参考:CXジャーナル|チャットボットの導入事例6選 – 導入効果や手順、費用も解説 –

コールセンター向けチャットボットの比較ポイント

コールセンター向けチャットボットを比較するポイントには、以下の3つが挙げられます。

  • 有人チャットへの切り替えができるか
  • 必要機能は搭載されているか
  • 料金・相場・コスト感は?

それぞれ詳しく説明します。

有人チャットへの切り替えができるか

チャットボットは典型的な質問には強力ですが、複雑な質問には対応できません。そのため「有人対応を前提とした運用」を意識すべきです。

例えばツールによっては「チャットボットとユーザーのやり取りの履歴をオペレーターに共有できる機能」「同じ画面上でチャットボットから有人チャットに切り替える機能」があります。こうした機能を使うと有人対応に切り替えやすいです。

必要機能は搭載されているか

チャットボットを比較する際「自社の課題を解決する機能が搭載されているか」について確認してください。まずは自社の課題を認識・定義することが重要です。そのうえで「解決できる機能」を選びましょう。

また、外部ツールとの連携が可能なチャットボットを使えば、問い合わせ対応以外の周辺業務の効率化も可能です。

ツールによってはCRM・MAなどの「顧客データ管理機能」と連携ができます。チャットの履歴を蓄積することで「顧客が不満を感じる部分」が分かり、マーケティング業務・プロダクトマネジメント業務の効率化につながります。

料金・相場・コスト感は?

チャットボットを導入する際、初期費用や運用コストが発生します。チャットボットは、基本的にIDの数に応じて課金が発生します。つまり、利用者が多くなるとコストも高額になります。

そのため、導入前に「費用対効果が合うのか」については必ず検討しましょう。

一般的なチャットボットの価格相場は以下の通りです。

費用項目料金相場
初期費用・辞書型、シナリオ型:5〜10万円ほど
・AI型:20~100万円ほど
月額費用・辞書型、シナリオ型:10〜30万円ほど
・AI型、カスタマイズ可能:30~100万円ほど
その他の費用・シナリオやQ&A作成、有人切り替えなどの内
・サービスによってさまざま

コールセンター向けチャットボット5選比較

コールセンター向けチャットボットを5つ選んでご紹介します。

サービス料金特徴
Zendesk(チャットボット)1ユーザー
約600円〜 / 月
Webサイト、LINE、Facebook Messengerなどの
チャネルに実装可能
Service Cloud3,000〜39,600円 / 月Salesforceが提供しているカスタマーサービスに
特化したクラウド型ツール
KARAKURI chatbot要問い合わせ運用未経験でも操作しやすいと評判の
カスタマーサポートツール
PKSHA Chatbot要問い合わせ高い拡張性と高精度アルゴリズムが
備えられたAIチャットボットサービス
COTOHA Chat & FAQ55,000円〜 / 月独自の意味検索エンジンにより、
質問者の意図を深く読み取って回答

Zendesk(チャットボット)

参考:Zendesk

Zendeskのチャットボットは、AI搭載型となっています。Webサイト、LINE、Facebook Messengerなどのチャネルに実装可能であり、有人チャットへの移行もできます。

また「問い合わせ件数」「解決率」などの数値のレポート機能があるのが特徴です。データをもとに運用・改善しやすいツールとなっています。

有人チャット切り替え可能
機能・レポート機能
・AI搭載ボット
・マルチチャネルへの実装
・FAQとの連携機能
料金1ユーザー 約600円〜 / 月

Service Cloud

参考:Service Cloud

Service Cloudは、Salesforceが提供しているカスタマーサービスに特化したクラウド型ツールです。顧客管理機能とあわせて、チャットボットやFAQなどの機能を備えています。

また、チャットボットはあらゆるチャネルに設置することが可能です。ほかにも、顧客の属性や行動、選択肢によって適切な部署へと自動的に振り分けてくれるため、スムーズな対応を実現できます。

有人チャット切り替え可能
機能・ケース管理
・AIによる自動化
・インサイトに基づいた分析
料金3,000〜39,600円 / 月

KARAKURI chatbot

参考:KARAKURI chatbot

KARAKURI chatbotは、運用未経験でも操作しやすいと評判のカスタマーサポートツールです。シンプルでわかりやすい管理画面となっています。

チャットボットを初めて導入する場合、運用が軌道に乗るまで時間がかかる可能性があります。そのような不安を取り除くために導入前から導入後に至るまで、徹底したサポートを受けられることが特徴です。さらに、高性能AIによる自動学習によって最小工数で回答精度を高められます。

有人チャット切り替え可能
機能・シンプルで使いやすい管理画面
・あらゆる外部サービスとの連携が可能
・手厚いサポート体制
料金要問い合わせ

PKSHA Chatbot

参考:PKSHA Chatbot

PKSHA Chatbotは、高い拡張性と高精度アルゴリズムが備えられたAIチャットボットサービスです。わずか数行のタグをサイトへ埋め込むだけで、チャットサービスを導入できます。

また、ビッグデータが活用された辞書データがあらかじめ搭載されているため、最小の学習データで高精度のやり取りを実現可能です。さらに、SlackやTeamsなどのビジネスチャット上からでも利用できることから、定着率の向上も期待できます。

有人チャット切り替え可能
機能・一般的な言い回しが習得された独自AI搭載
・担当者自動振り分け機能
・有人チャットへページ遷移なく提供
料金要問い合わせ

COTOHA Chat & FAQ

参考:AIチャットボット COTOHA Chat & FAQ®

COTOHA Chat & FAQは、NTTコミュニケーションズが提供している高精度チャットボットです。独自の意味検索エンジンにより、質問者の意図を深く読み取って回答します。

また、13言語をリアルタイム翻訳して対応できるマルチリンガル機能や、Teams上からチャットボットを使用できるTeamsアダプターなど、豊富なオプションメニューが提供されています。

有人チャット切り替え可能
機能・意味検索エンジン搭載
・豊富なオプションメニュー
・手厚いサポート体制
料金トライアルプラン月額:55,000円〜

まとめ

コールセンターがチャットボットを導入した際のメリット・ツール選びのポイントなどを紹介しました。

チャットボットは有人を組み合わせた仕組みを構築することで、オペレーターの業務効率化を実現できます。またユーザー満足度向上も見込めるツールです。

コールセンター業務にチャットボットを導入したい方は、ぜひ導入を検討してみてください。

b-pos編集部

代行・外注サービスの比較サイトb-pos(ビーポス)の編集部。b-posは、BPOサービスの比較検討時に知っておきたい情報やサービスの選び方について解説するメディアです。サービスの掲載企業の方はこちらから(https://b-pos.jp/)