SNSマーケティングとは?4つの手法と実践方法を解説【事例付き】

「SNSマーケティングには、どのような種類があるのか知りたい」
「具体的な実践方法が知りたい」

といった疑問は、SNSマーケティングの実施を検討されているマーケティング担当者の方に起きがちです。

SNSマーケティングは、X(Twitter)やInstagramなどのSNSを活用して実施するマーケティング活動のことです。SNSマーケティングには「認知度・好意度が向上する」「未接点の潜在層にリーチできる」「低コストで実践できる」といったメリットがある一方で「成果が出るかわからない」「運用コストがかかる」といったデメリットもあります。

本記事では「SNSマーケティングの概要」と「始め方7ステップ」を中心に解説します。

SNSマーケティングとは

SNSマーケティングとは、SNSを活用して実施するマーケティング活動です。具体的には、X(Twitter)やInstagram、Facebookなどを活用します。

SNSを利用するユーザーは多く、多くの企業がマーケティングを実施する場となっています。

株式会社ICT総研が発表したデータによると、日本のSNS利用者は2022年末に8,270万人に達する見込みだという結果となりました。

2024年末には8,388万人へ拡大する見込みであり、今後もSNSの利用者数は増加していく予測です。

このようにSNSは多く利用されているため、SNSマーケティングを実施する企業も増えつつあります。SNSごとに利用するユーザーの年代や利用目的が異なるため、目的に応じて媒体を選ぶことでマーケティングの効果が高まります。

SNSマーケティングの目的

SNSマーケティングは、おもに次の2つの目的で実施されます。

  • 顧客獲得
  • ブランディング

それぞれ解説します。

顧客獲得

SNSマーケティングは、新規顧客や見込み顧客などの「顧客獲得」を目的として利用されます。

SNSを通じて企業が情報発信することで、各SNSのユーザーに商品・サービスの情報を届けられます。SNSの種類によっては「投稿内容を保存して購入を検討する」「気に入った商品の情報を拡散する」といった、顧客獲得につながるユーザーのアクションが期待できます。

また、日時に関係なくコンテンツを投稿することができます。自社アカウントがユーザーからフォローされていれば「自社のタイミングで投稿し、ユーザーが閲覧できるタイミングで情報を得てもらう」といった方法も可能です。

SNSマーケティングは各SNSのユーザーに効率よくリーチできるため、商品の購入をはじめとした「顧客獲得」を目的として利用されます。

ブランディング

SNSマーケティングは「他社との差別化」や「ユーザーからの信頼度・好感度の向上」につながる「ブランディング」を目的とする場合も利用されます。

SNSに投稿できるコンテンツ内容は幅広いのが特徴です。「商品・サービスに関する情報」だけでなく「自社の価値観やメッセージを伝える」「ユーザーとコミュニケーションを図る」といった利用方法もあります。

また、テキスト以外に画像や動画が活用できるSNSもあります。たとえば「自社しか発信できない有益な情報」を発信する場合、テキストよりも動画が適しているケースがあります。ユーザーにとって有益な情報を動画でわかりやすく伝えることで、ブランディングにつながります。

このように各SNSの特徴を考慮して工夫することで、ブランディングに効果的なコンテンツが作成できます。

他のWebマーケティング施策との違い

企業がマーケティングで実施する施策には「SEO」や「リスティング広告」といった種類もあります。それぞれの施策とSNSマーケティングとの違いを解説します。

SEOとの違い

SEOとSNSマーケティングの違いは「自社の認知度・好意度の上げやすさ」です。

SEOは、検索エンジンから自社サイトに流入する読者を増やすことを目的とした施策です。検索エンジンに最適化し、自社サイトのページを検索結果画面の上位に表示させます。キーワードによっては購買意欲の高いユーザーにアプローチできるため、成果が上げやすいです。

しかし、情報を検索して「欲しい情報が得られたらサイトから去る」といったアクションも多いため、自社の認知度・好意度を上げるのは難しいです。

一方、SNSマーケティングは「ユーザーが気に入ったコンテンツを拡散する」といったアクションが期待できます。いわゆる「バズる」と呼ばれる現象が起きれば、拡散された企業の認知度は一気に上がります

SEOは認知度・好意度が上げにくい一方で、SNSマーケティングはコンテンツの内容次第で認知度・好意度が上がりやすいといった違いがあります。

リスティング広告との違い

リスティング広告とSNSマーケティングとの違いは「リーチできる幅」です。

リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードに連動して表示される広告です。設定したキーワードを検索したユーザーのみにリーチできます。たとえば「〇〇 おすすめ」といった購買意欲が高いユーザーが検索するキーワードで入札することで、顧客獲得の確度が高くなります

ただし「人気の高いキーワードを入札する」「自社の広告を上位表示させる」といった場合、かかる費用は高くなる傾向があります。加えて、広告を出稿し続ける限りコストがかかります

一方SNSマーケティングは、SNSを利用する多くのユーザーにリーチできます。手法によっては無料で運用することも可能なため、低コストで実施できます。

リスティング広告は顕在層にリーチできる一方で、SNSマーケティングは潜在層から顕在層まで幅広い層にリーチできるといった違いがあります。

SNSマーケティングのメリット・デメリット

SNSマーケティングには、メリット・デメリットがあります。

SNSマーケティングのメリット

SNSマーケティングに取り組むメリットは次の3つです。

  • 認知度・好意度の向上
  • 本来接点がなかった潜在層の獲得
  • 低コストでの実践が可能

それぞれ解説します。

認知度・好意度の向上

X(Twitter)などのSNSでは、ユーザーが気に入った投稿を拡散する「バズる」と呼ばれる現象があります。これにより爆発的に拡散された場合、SEO以上のリーチ数が期待できることから、認知度の向上に効果的です。

また良質なコンテンツを発信し続けることで、ユーザーの好意度が高まり自社のファン獲得につながります。SNSマーケティングにおいて発信するコンテンツを工夫することで、認知度・好意度の向上につながるのがメリットです。

本来接点がなかった潜在層の獲得

SNSマーケティングでは、これまでの施策ではリーチできなかった層と接点を作ることができます。具体的には、SEOやリスティング広告、ディスプレイ広告といった施策では接点を持てなかった層です。

このため「自社製品カテゴリに興味があるが、自社を認知していない」といったユーザーにもリーチ可能です。SNSを通じて、ユーザーの選択肢の1つに加わる可能性があるのもメリットです。

低コストでの実践が可能

SNSマーケティングには、コンテンツの企画・投稿や運用といった手間がかかります。しかしアカウント作成は基本的に無料であり、成功すれば多くの顧客を獲得できます。

またSNS広告を出稿する場合も、少額から始められます。SNSマーケティングは低コストでマーケティング施策が打てるため、成果によっては費用対効果が高い施策です。

SNSマーケティングのデメリット

SNSマーケティングに取り組むデメリットは次の2つです。

  • 成果が出るかわからない
  • 運用コストがかかる

それぞれ解説します。

成果が出るかわからない

SNSマーケティングは、拡散されるのに必要なフォロワーが増えるのに時間がかかります。加えてフォロワーが増えた場合であっても、顧客獲得につながらないケースが多いです。そのため「運用方法次第では成果が出ない」という点がデメリットです。

投稿だけが増えていく一方で、何の成果にもつながっていないアカウントも一定数存在します。SNSマーケティングはかけた労力に対して、確実に成果が出る手法ではない点に注意が必要です。

運用コストがかかる

先述したとおり、SNSマーケティングのメリットは「費用面のコストがかからない」という点です。ただし自社メンバーがSNSアカウントを運用するため、運用コストがかかる点がデメリットです。

SNSマーケティングは、成果が出るまで時間がかかります。加えて、質の高いコンテンツ制作には手間がかかるため「自社メンバーがコア業務に集中できない」「SNS運用専任の担当者が必要」といった状態となる可能性があります。

SNSマーケティングにかけた労力・コストに対して、思うような成果が上がらないケースもあるため「運用コストだけがかかってしまう」といった状況が起こりうる点に注意しましょう。

SNSマーケティングを活用すべき企業

SNSマーケティングにはメリット・デメリットがある一方で、取り組むと成功する確率が高い企業もあります。

SNSマーケティングを活用すべき企業の特徴は次の3つです。

  • ターゲットのSNS利用率が高い企業
  • オンラインで商品・サービスを販売する企業
  • 競合がSNSマーケティングを活用していない企業

それぞれ解説します。

ターゲットのSNS利用率が高い企業

1つめの特徴は「ターゲットがSNSを利用する割合が高い企業」です。

令和4年に総務省が実施した調査によると、SNSを利用する割合は13~19歳が最も多い92.0%でした。次いで20~29歳が91.7%、30~39歳が90.8%となっています。

引用:総務省|令和4年通信利用動向調査の結果

このように、SNSを利用する層は偏りがあります。幅広い年齢層のなかでも10代後半、20代、30代向けの商品・サービスを扱う企業は、SNSマーケティングの活用により、ターゲットに効率よくリーチできます。

一方で70代以上がターゲットの商品・サービスは、成果が出る見込みが低いです。そのため自社のターゲット層に応じて、SNSマーケティングに取り組むべきかを判断しましょう。

オンラインで商品・サービスを販売する企業

2つめの特徴は「オンラインで商品・サービスを販売する企業」です。

インターネットの普及前は店頭で購入するケースが多く「マス広告」を活用したプロモーションが主流でした。しかし、現在は「ネットで商品を購入する」「ネットからサービスを申し込む」などのアクションが多く、それに伴って消費者の購買行動モデルである「AISAS(アイサス)」の考え方が取り入れられています。

AISAS(アイサス)には以下のプロセスがありますが、すべてSNS上で完結することが可能です。

Attention(認知)Interest(興味)Search(検索)Action(購買)Share(共有)
SNS上で知る興味をもつ商品に関する情報を収集する購入するSNSに感想を投稿する

SNSを通じて、ECサイトやランディングページに集客することもできます。またSNSから購入したユーザーは、購入後の感想をSNSにアップする可能性が高いため、口コミの拡散も期待できます。

AISAS(アイサス)に基づいた戦略が立案できるECサイトなどは、SNSマーケティングの効果が実感しやすいです。自社の販売経路に応じて、実施を検討しましょう。

競合がSNSマーケティングを活用していない企業

自社の市場で、競合がほとんどSNSマーケティングを活用していない場合はSNSをマーケティング手法として採用してみても良いかも知れません。

競合がSNSを活用していないということは、SNSをマーケティングに活用するのが難しいということかもしれませんが、逆に考えるとその難しさを攻略することができれば自社しか活用し得ないマーケティングチャネルにすることができます。

レガシーな企業だったりBtoBサービスを提供している企業がこれに該当する場合が多いですが、そうでなくとも自社の市場で競合がSNSを活用しているかどうかをまず確認してみましょう。

SNSマーケティングの主な4つの手法

SNSマーケティングの手法は、おもに次の4つがあります。

  • アカウント運用
  • 広告運用
  • キャンペーン施策
  • インフルエンサー起用

それぞれの手法と、手法ごとのInstagramにおける成功事例について解説します。

SNSアカウント運用

アカウント運用では、コンテンツを投稿して「公式アカウント」を運用します。「見込み顧客・既存顧客などに向けた情報発信」「認知拡大」「ユーザーとのコミュニケーション」などに適しています。

単純にコンテンツを更新するのではなく「ユーザーにとって有益な情報を発信する」「炎上リスクへの対応策を用意する」「運用ルールを決める」などの取り組みが必要です。

アカウント運用に成功した例として、女性向けにコスメ情報を中心に発信するInstagramアカウント「LIPS」をご紹介します。

引用:LIPS(リップス)-コスメ・メイク動画(@lipsjp) • Instagram

LIPSは、Instagramの機能を活用して「コスメの新作情報」や「キャンペーン情報」を発信しています。またコンテンツのデザインにも工夫があり、エンゲージメント獲得につながっています。

2023年10月現在、LIPSのフォロワーは88.7万人となっています。

SNS広告運用

SNS広告運用は、SNS上で広告を配信します。SNSごとに多様な掲載面に広告を配信できます。たとえばX(Twitter)では「タイムライン上、Instagramではフィード上などに掲載でき、一般的な投稿と同じように表示できる種類もあります。

ターゲティング機能が活用できるため、狙ったターゲットにアプローチできます。また目的に応じて課金タイミングが選べるため、運用次第で費用対効果が高まります

SNS広告運用に成功した例として、ヘルス&ビューティケアをはじめとした、さまざまな商品を展開する「花王」のInstagramアカウントをご紹介します。

引用:企業によるインスタグラム広告の成功事例 | インスタグラム運用・撮影代行のスナップレイス

花王はクレンズケアシャンプー「PYUAN(ピュアン)」のプロモーションにSNS広告を活用し「ターゲットに応じて使用する広告フォーマットを選択する」「架空のキャラクターを打ち出してブランディングする」といった取り組みをおこないました。

その結果、Instagram広告の出稿により、ブランド認知が10ポイント上昇、購入意向が3ポイント上昇、店頭金額シェアが150%増加といった成果につながりました。

キャンペーン施策

キャンペーン施策は、SNSを通じてユーザーのアクションを促します。ユーザー参加型のコンテストやプレゼント企画を展開し「認知拡大」や「顧客との関係強化」「フォロワー数増加」といった効果が期待できます。

キャンペーン施策に成功した例として、アウトレット専門のショッピングモールである「プレミアム・アウトレット」のInstagramアカウントをご紹介します。

引用:プレミアム・アウトレット(@premiumoutletsjapan) • Instagram

プレミアム・アウトレットはInstagramで「施設内のディズニーキャラクターたちが彩るイルミネーションとともに写真を撮影する」「ハッシュタグをつけてインスタグラムに投稿する」というキャンペーンを実施しました。

キャンペーンを通じてユーザーの来店を促進し、購買意欲の向上につながりました。また、来店したユーザーが投稿した画像を「接点がなかった潜在顧客」の目に留まることで、新規顧客の来店も促すことができました。

インフルエンサー起用

インフルエンサー起用は、インスタグラマーやYouTuberといったSNS上のインフルエンサーを起用し、消費者の購買行動に影響を与える手法です

ターゲットに影響があるインフルエンサーを選定することで、大きな宣伝効果が得られます。インフルエンサーを選ぶ際には「どのようなユーザーにフォローされているか」「そのフォロワーはどんなことに関心をもっているか」「自社商品・サービスと親和性があるか」といった点を意識しましょう。

インフルエンサー起用に成功した例として、ペット関連の商品を生産・販売する「株式会社ペティオ」のInstagramアカウントをご紹介します。

引用:ゆう(@ernie_pooh_) • Instagram

株式会社ペティオは、自社ブランド「キャラペティ」の商品紹介を目的として、Instagramで人気のインフルエンサー「ゆう」さんを起用しています。

この企画では「ゆう」さんの愛犬がブランドの服を着用している写真を掲載しました。その結果、1万5,000を超える「いいね」と260ものコメントが寄せられ、大きな反響を呼びました。インフルエンサーを起用することで、商品の認知拡大と販売促進に成功した事例です。

SNSマーケティングの始め方

SNSマーケティングにおける「アカウント運用」は、以下の7ステップで始められます。

  1. 目的を明確にする
  2. ターゲットを決める
  3. 期待するアクションを明確にする
  4. チャネル(SNS)を決める
  5. ベンチマークを探す
  6. 発信するコンテンツを定める
  7. 他の手法を検討する

ステップごとに解説します。

1. 目的を明確にする

まずは、SNSマーケティングをおこなう目的を明確にしましょう。

SNSマーケティングでは「顧客獲得」「ブランディング」といった目的が達成できます。目的に応じて取り組む内容が変わるため、最初に目的を明確にしておきましょう。

2. ターゲットを決める

続いて、SNSマーケティングでリーチしたいターゲットを決めます。

たとえば10~20代の女性向けのアパレルを扱う企業の場合、若年層の女性をターゲットとします。ターゲットを決めておくことで「SNSで発信するコンテンツの作成」などに役立ちます。

3. 期待するアクションを明確にする

続いて「投稿を見たあとに、ターゲットになにをしてもらいたいか」といったターゲットに期待するアクションを明確にします。

ターゲットに期待するアクションは、ステップ1の「目的」に応じて変わります。たとえば「顧客獲得」を目的とする場合「商品の購買」がターゲットにしてほしいアクションとなります。また「ブランディング」が目的であれば「フォロー」となります。

自社がSNSマーケティングを実施する目的に応じて「ターゲットしてもらいたいアクション」を明確にしましょう。

4. チャネル(SNS)を決める

続いて、SNSマーケティングで活用するチャネル(SNS)を決定します。

ステップ2で設定したターゲットが、利用するSNSを選びましょう。ターゲットと親和性が低いSNSを選んだ場合、質の高いコンテンツを作成してもターゲットまで届かない恐れがあります。

各SNSの特徴は以下の表のとおりです。

SNSの種類国内ユーザー数特徴
X(Twitter)4,500万人(2017年10月時点) ・拡散性とリアルタイム性が高い
・フォロー・リツイートによる拡散が期待できる
・匿名可のため炎上しやすい ・10~20代の利用率が高い
Facebook2,600万人((2019年7月時点)・実名登録制であり家族 / 友人 / ビジネスでのつながりが多い
・メインのユーザー層は30~40代
・若年層の利用率は低い
Instagram3,300万人(2019年3月時点)・画像 / 動画に高いクオリティが求められる
・ハッシュタグ検索が活用されているが拡散性は低い
・メインのユーザー層は10~20代の女性
LINE9,500万人(2023年6月時点)・生活のインフラとして定着しているSNS
・ユーザーの年齢層が幅広い
・20代の利用率は98%以上
YouTube7,000万人(2022年10月時点) ・テレビでの利用率が増加傾向
・30~50代の利用率が高い
・コンテンツ形態は動画のみ
TikTok1,700万人(2021年8月時点)・10代の利用率が高い
・短い動画(15秒~1分程度)のみ投稿できる
・簡単にキャッチャーな動画が作成できる

たとえば20代の男女をターゲットに設定した場合、X(Twitter)の利用が最適です、中高齢層にリーチしたい場合は、YouTubeを利用するとよいでしょう。

このように、それぞれのSNSの特徴を踏まえたうえで活用するチャネル(SNS)を選びましょう

5. ベンチマークを探す

続いて「SNSマーケティングに成功している企業」や「競合他社」からベンチマークを探します。具体的には、ステップ4で選定したチャネル(SNS)のなかからベンチマークを見つけ出します。

ベンチマークに最適なアカウントかどうかを判断するには、投稿されているコンテンツが「ユーザーから多く反応されているか」「フォロワー数は多いか」といった点をチェックしましょう。ベンチマークとするアカウントを決めたら、コンテンツ内容や運用ルールをチェックします。

ベンチマークのアカウントが、各SNSで「どのようにSNSマーケティングに取り組み、成果が上がっているか」を学び、自社アカウントの運営・コンテンツ制作に役立てましょう

6. 発信するコンテンツを定める

ステップ3の「ターゲットに期待するアクション」と、ステップ4の「チャネル(SNS)」ステップ5の「ベンチマーク」を踏まえて、コンテンツで発信するテーマを決めましょう

たとえば、若年層の女性のターゲットに「洋服を購入してほしい」とします。そして、ベンチマークのアカウントでは、Instagramのアカウントで「アイテムのおすすめの着こなし方」や「アイテムの手入れ方法」といった有益な情報を、動画を活用して紹介しているとします。

この場合、ベンチマークのアカウントのコンテンツ内容を参考にしつつ、Instagramの「ショッピング機能」を活用して購入まで誘導できる導線を作る方法があります。

また、コンテンツ内容だけでなく「利用するフォーマット」や「投稿のルール」もベンチマークを参考にして決めておきます。たとえば、YouTubeにおいて「動画を週2本公開する」といった運用方法です。

コンテンツ内容やアカウント運用で使用するフォーマット、投稿のルールをベンチマークを参考にしつつ決定しましょう。

7. 他の手法を検討する

最後に、ステップ3のターゲットに期待するアクションに対して「アカウント運用以外に有効なSNSマーケティング手法はないか」を検討します。

先述したとおり、SNSマーケティングには「広告運用」「キャンペーン施策」「インフルエンサー起用」といった手法があります。それぞれ得られる効果が異なるため、自社の目的に応じてほかのマーケティング手法の実施も検討しましょう。

SNSマーケティングを活用した企業事例

ここでは、SNSマーケティングを活用した企業の成功事例をご紹介します。

NEC

引用:Facebook|NEC (日本電気株式会社)

住友グループの大手電機メーカーである「NEC」は、Facebookで公式アカウントを運営しています。2023年10月時点のフォロワー数は10万人となっており、BtoB企業のなかでは非常に多くのユーザーと接点をもっているのが特徴です。

Facebookのフィード機能を活用し、ビジネス層に向けた広報活動やキャンペーンの告知、技術力のアピール、社員インタビューなどの情報を発信しています。

Facebook上での投稿から、自社オウンドメディアのコンテンツに誘導する作りとなっています。大規模なトピックに焦点を当てて著名人・専門家を招き議論する大企業ならではのコンテンツが多く「ブランドイメージの強化」につながっています。

ターゲットである「ビジネスパーソン」に利用されているFacebookを活用することで、SNSマーケティングを効率よく実施している事例です。

白潟総研

引用:白潟敏朗@白潟総研の代表 (@t_shiragata)

中小・ベンチャー企業を対象としたコンサルティング事業を展開する「白潟総研」は、Twitter(X)で社員全員が個人でアカウント運営をおこなっています。

それぞれ、本名・顔・会社名を出してアカウントを運用し「フォロワーやほかの企業とのコミュニケーション」「定期的な投稿」といった取り組みを中心に実施しました。その結果、3年間で月間100万以上のインプレッション数を達成しています。

ほかにも「学生や求職者との関係作り」や「テレビ・新聞での露出」「売上アップ」といった成果にもつながっています。

ベイジ

引用:X|sogitani / baigie inc.(@sogitani_baigie)

Web制作を手掛ける「ベイジ」は、X(Twitter)で代表自身が個人アカウントで顔出しをし、日常の仕事への考え方やWebマーケティングに関する情報を発信しています。

その結果、8万人(2023年10月時点)を超えるフォロワーを獲得し企業の「知名度向上」や「見込み顧客獲得」といった成果につながっています。

以下の記事では、SNSマーケティングの成功事例を企業規模別・媒体別に16選ご紹介しています。成功事例についてさらに知りたい方は、ぜひご覧ください。

関連記事:SNSマーケティング成功事例16選!企業規模別・媒体別・BtoB/BtoC別に紹介

まとめ

SNSマーケティングでは「顧客獲得」や「ブランディング」といった目的が達成できます。目的やターゲット、期待するアクションに応じて、チャネルとベンチマークを決めることで、SNSに投稿するコンテンツ制作に役立ちます。

本記事でご紹介したSNSマーケティングの始め方7ステップを参考に、自社アカウントの運用に役立てましょう。

b-pos編集部

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