案件管理ツール14選比較。場面別4種類に分類して紹介【比較表付】
案件管理の効率化を図れる案件管理ツール。一口に案件管理といっても、受注前後で活用に向いているツールは異なります。本記事では、活用場面に合わせて案件管理ツールを分類して、特徴や選び方を解説します。
目次
案件管理ツールとは?
案件管理ツールとは、顧客情報や営業の進捗を可視化し、案件進行の効率化や進捗管理をするためのツールです。
案件ごとに担当者が異なり、各人がそれぞれ進行していると、それぞれの進捗状況などが共有されておらず、トラブルに陥る可能性もあります。案件増加や社内の担当の人数が増えるにしたがって、管理するデータも増えるため、管理が難しくなっていきます。
案件管理ツールを導入することで、必要情報を入力しておけば、案件それぞれの進捗状況や担当まで可視化されるため、チームで共通の管理が可能になります。また、顧客情報やデータもツール内に一元管理することができ、これまで各人が管理していたデータもだれでもすぐにアクセスできるようになり、業務効率化にもつながります。
案件管理ツールの種類・機能
案件ツールといっても、さまざまな種類があり特徴も異なるため、本記事では4つにタイプを分類しましたので、案件管理ツールを選ぶ際のひとつの基準にしてみてください。
- 受注までの営業案件に使えるタイプ
- 受注後の対応・進捗管理に使えるタイプ
- Web開発の案件・タスク管理に使えるタイプ
- 低価格で汎用性高く使えるタイプ
1. 受注までの営業案件管理に使えるタイプ
商談管理とも言えるタイプの案件管理ツールです。いつ、どの顧客と、どんな商談をしたのか、今はどのステータスなのかなどの「受注まで」のプロセスを記録・管理することができます。その案件情報をチームで共有し、タスクの対応期日などを設定することで、とるべきアクションの対応漏れを防いだり、チームメンバーもフォローしやすくなります。営業組織で案件管理が煩雑になっていて、営業担当の負担を減らして売上向上を図りたい場合におすすめのタイプです。
2. 受注後の対応・進捗管理に使えるタイプ
受注後の契約業務や、カスタマーオンボーディングに使えるタイプ。基本的にはプロジェクト管理ツールと同義で、カンバンビューで顧客対応の進捗をひと目で確認できたり、対応の詳細をメモしたりと、こちらも顧客情報を一元管理することができます。受注が確定して、顧客から必要情報を集めたり、契約締結を実施したり、サポートのスケジュールを案内したり、と受注後に対応すべきことが多く、その対応業務を効率化・一元管理したい場合におすすめのタイプです。
3. Web開発の案件・タスク管理に使えるタイプ
UIがWeb開発向けに設計されているタイプ。Webディレクターやエンジニアが使いやすい画面設計になっており、工数管理も可能なツールも。Web案件のタスク管理や進捗管理はもちろん、自社プロジェクトの管理も可能。タスクの担当者や期日を設定することもでき、かつガントチャート形式で表示できるものも多いため、タスクが非常に多くなるWeb開発に向いています。
4. 低価格で汎用性高く使えるタイプ
案件管理用に開発されたものではなく、汎用性高く使えるオールインワン系のタイプ。メモや数値計算などの汎用性の高い機能を備えているため、案件管理にも利用できるようになっています。このタイプは、多数のユーザー向けになっているため、低価格でさまざまな用途で扱えるようになっているのが特徴。
案件管理ツールの選び方・比較ポイント
案件管理ツールの種類がわかって、自社の場合を想定できたら、次はそのタイプの中で比較する3つの項目を紹介します。
- 使いやすさ
- 他ツールとの連携
- 料金体系
使いやすさ
案件管理ツールの導入に失敗するケースの中で、最も多いのが「入力忘れなどによる進捗のズレ」によって使うのが面倒になっていまうというものです。業務フローにしっかり組み込む意識も大切ですが、入力や確認がしやすいツールを選ぶことでその課題を解消しましょう。拡張機能などで入力が自動化できるものだったり、完了を押すと自動で進捗したりするツールもあります。
他ツールとの連携
案件管理ツールの中には外部ツールと連携できるものがあります。例えば、案件のフェーズが進捗した際に、Slackに通知が届くなど。他のツールと連携することで、先述の確認漏れを防いだり、自動化による業務効率化も期待することができます。自社ツールと連携できるかどうか、またどのような連携内容なのかを確認しましょう。
料金体系
案件管理ツールは種類が多いため、料金体系も異なります。基本的には「月額〇〇円 / ユーザー」のユーザー課金のサブスクリプションですが、「ユーザー〇〇名までは月額△△円」のユーザー数限定の月額料金や、ユーザー数を問わないシンプルな月額料金の場合もあります。ユーザー課金の場合は、ユーザー数が増えればその分、月額料金は高騰してしまいますので、利用人数が多い企業は注意が必要です。
案件管理ツール14選一覧比較表
以下は、これから紹介する案件管理ツールを各項目で比較できる表です。
ツール名 | 特徴 | 料金 |
---|---|---|
Salesforce | 顧客管理・案件管理・商談管理やダッシュボードで 各数値の確認が可能 | 月額9,600円 / ユーザー ※ 無料トライアル有:30日間 |
Mazrica Sales | 自動入力やAIサポートによって手間を削減した 現場志向の案件管理ツール | 月額27,500円 / 5ユーザー ※ 無料トライアル有:30日間 |
Zoho CRM | 営業プロセスの流れを登録することができ 営業活動の標準化が可能 | 月額1,600円 / ユーザー ※ 無料トライアル有:15日間 |
eセールスマネージャー Remix CLOUD | 見やすさ、マネジメントのしやすさが特徴の 案件情報画面 | 月額11,000円 / ユーザー ※ 無料トライアル有:30日間 |
cyzen | 外回りの営業活動を管理・効率化できる案件管理ツール | 月額1,000円 / ユーザー ※ 無料トライアル有:14日間 |
Jooto | カンバン方式で案件進行状況を表示できる シンプルなデザイン | 月額980円 / ユーザー ※ 無料プラン有 |
Trello | 海外製のカンバン方式タスク管理ツール | 月額5ドル / ユーザー ※ 無料トライアル有:14日間 |
formwork | タスクの管理だけではなく、フォームに回答するだけで タスクの実行まで可能 | 月額2,980円 / 10ユーザー ※ 無料トライアル有:7日間 |
Stock | ノート形式で社内情報を蓄積できるタスク管理ツール | 月額500円 / ユーザー ※ 無料プラン有 |
Reforma PSA | Web案件特化。案件の販売管理や工数が連携され、 案件ごとの収支を確認可能 | 月額500円 / ユーザー ※ 無料プラン有 |
Backlog | 担当者・期日設定ができるチームの業務を可視化する Web案件向けの案件管理ツール | 月額17,600円 ※ 無料トライアル有:30日間 |
Jira software | 各人のタスクとチーム全体の進捗状況を共有可能な 開発向け案件管理ツール | 月額1,070円 / ユーザー ※ 無料プラン有 |
Notion | 案件管理用のテンプレートも用意されているため、 スムーズに導入可能 | 月額8ドル / ユーザー ※ 無料プラン有 |
Google Sheets | セルを「顧客ステータス」などの案件管理項目で 設定することで案件管理にも活用可能 | 月額1360円 / ユーザー ※ 無料プラン有 |
【1.営業案件】案件管理ツール比較
受注前の営業案件に活用できる案件管理ツールを紹介します。
Salesforce
世界シェアno.1のCRM。見込み客の管理から売上予測、商談のクローズまで、営業活動のあらゆる場面の効率化が可能。顧客情報の管理はもちろん、メールなどによる顧客とのやりとりも自動で記録することができるため、入力の手間を省きながら営業データの活用ができます。
また、見込み顧客のステータス(対応中・検討中など)の管理をチームで共有可能、かつ売上予測や見積書の作成も即座にできるため、管理と実行の効率化を実現することができます。そのステータスや顧客情報から、リード数・コンバージョン率などのデータをダッシュボードで確認可能。
特徴 | 顧客管理・案件管理・商談管理やダッシュボードで各数値の確認が可能 |
料金 | 月額9,600円 / ユーザー ※ 無料トライアル有:30日間 |
Mazrica Sales
現場が使いやすいことを重視した営業案件管理ツール。自動入力による入力工数の削減や、AIが進行中の案件のリスク分析や類似案件の洗い出しをサポート。営業担当の手間をできるだけ減らすような機能が備わっています。他にもSlackやfreeeなどの外部ツールとの連携も豊富で自社業務フローに組み込みやすいのも特徴。
また、各担当の案件の進捗状況を把握できる案件ボードがあり、チームで案件情報を共有して効率的な営業活動を実施できるようになっています。
特徴 | 自動入力やAIサポートによって手間を削減した現場志向の案件管理ツール |
料金 | 月額27,500円 / 5ユーザー ※ 無料トライアル有:30日間 |
Zoho CRM
SFA、SFA、MAとして使える機能が備わっていて、さまざまなプロセスで利用できる顧客管理ツール。会社名・担当者名・メールアドレスなどの基本情報はもちろん、商談情報や契約したサービスなどすべての情報の管理が可能。
案件管理としては、営業活動内での、担当者の割り当て、架電、製品デモ、見積もり、といった一連の流れを登録しておくと、その流れに沿ってやるべきことが「タスク」として表示されるため、管理・実行対応の標準化が可能です。
特徴 | 営業プロセスの流れを登録することができ営業活動の標準化が可能 |
料金 | 月額1,600円 / ユーザー ※ 無料トライアル有:15日間 |
eセールスマネージャーRemix CLOUD
導入実績5,500社超、185業種以上で導入され、利用継続率95%のCRM/SFA。案件管理画面は、見やすさ、マネジメントのしやすさが特長。
案件ごとに顧客、営業担当者、客先担当者、商品、代理店、見積、売上金額など必要な情報を紐づけて管理することができ、表示項目も自由に設定可能。さらに、規模や進捗でのランク付け管理や停滞案件のリスト化など、自社に応じた項目で管理することができるのに加え、その条件を指定してメンバーに通知する機能もあるため、案件対応のタスク漏れを防ぐことができます。
特徴 | 見やすさ、マネジメントのしやすさが特徴の案件情報画面 |
料金 | 月額11,000円 / ユーザー ※ 無料トライアル有:30日間 |
cyzen
外回りの営業活動を管理・効率化できる案件管理ツールです。マップを利用して顧客情報を管理したり、基本的にはスマホから案件情報を登録・共有したりと、外で働く人のために設計された案件管理ツールとなっています。社外のスタッフはスマホでタップするだけで簡単に顧客情報を閲覧、報告書を作成でき、社内ではメンバーの報告書をリアルタイムで確認することができます。
設備・リフォーム業・銀行・保険・ポスティングなどの業種で使われているツールとなっています。
特徴 | 外回りの営業活動を管理・効率化できる案件管理ツール |
料金 | 月額1,000円 / ユーザー ※ 無料トライアル有:14日間 |
【2.進捗管理】案件管理ツール比較
受注後の顧客対応の進捗管理に活用できる案件管理ツールを紹介します。
Jooto
カンバン方式でタスクを表示できる、直感的に使えるレイアウト・シンプルなデザインのタスク管理ツールです。カンバンごとに案件ステータス名を付すことで案件管理ツールとして利用が可能。タスクをドラッグ&ドロップで移動させることができ、案件の進行状況や各担当者のタスクをひと目で確認することができます。
また、ラベル機能を利用することで案件の優先度や分類を指定することができます。
特徴 | カンバン方式で案件進行状況を表示できるシンプルなデザイン |
料金 | 月額980円 / ユーザー ※ 無料プラン有 |
Trello
こちらもカンバン方式のタスク管理ツール。「作業中」「完了」といったステータスに従って進捗管理が可能なため、「契約対応中」「キックオフミーティング」などの案件の進捗管理にも活用ができます。
Jootoは国産でTrelloは海外ツールという認識で、外部ツールとの連携はSlackやJiraなどがメインですが、ワークフローの自動化まで可能。そのため、案件の管理だけではなく案件進捗の効率化まで実現可能。
特徴 | 海外製のカンバン方式タスク管理ツール |
料金 | 月額5ドル / ユーザー ※ 無料トライアル有:14日間 |
formwork
タスク管理だけではなく実行まで可能な案件管理ツール。ステップ式のワークフローを構築し、表示されるフォームに回答することで案件の進行が可能。例えば、「契約書情報入力」などのステップをクライアントに共有して、クライアントに表示される説明通りにタスクを実行してもらうことで、繰り返し説明の工数削減を実現。
またこちらもカンバンビューを採用していますが、フォームのステップが完了されるとボードが動くので手動で動かす必要がなく、進捗管理が楽に。
特徴 | タスクの管理だけではなく、フォームに回答するだけでタスクの実行まで可能 |
料金 | 月額2,980円 / 10ユーザー ※ 無料トライアル有:7日間 |
Stock
ノート形式で社内情報を蓄積できるタスク管理ツール。「ノート」機能に案件情報を記録し、メンバーとリアルタイムで共有することができます。またノートにはタスクも紐づけることができるため、顧客への対応漏れを防ぐこともできます。
メール自動転送機能では、普段利用しているメールボックスに届いたメール内容を自動でツール内に転送・記録することができ、案件進捗とともに顧客とのやりとりまで管理することができます。
特徴 | ノート形式で社内情報を蓄積できるタスク管理ツール |
料金 | 月額500円 / ユーザー ※ 無料プラン有 |
【3.Web開発】案件管理ツール比較
Web開発案件のタスク・進捗管理に活用できる案件管理ツールを紹介します。
Reforma PSA
IT・Web・広告などのクリエイティブ業のための案件管理ツール。業界に特化した設計で、案件の販売管理や工数が連携され、案件ごとの収支を確認することができ、案件管理のみならず案件ごとにどれくらいの利益が出ているかどうかまで追うことができます。
受注前の営業活動管理から、受注後の発注書発行やメンバーアサイン管理や工数管理まで、Web案件のプロセス全体の管理が可能。
特徴 | Web案件特化。案件の販売管理や工数が連携され、案件ごとの収支を確認可能 |
料金 | 月額500円 / ユーザー ※ 無料プラン有 |
Backlog
チームの業務を可視化するWeb案件向けの案件管理ツール。担当者や期日を設定することができ、だれがどの案件をいつまでに進めるのかを見える化することで、タスク漏れやスケジュール遅延を防ぐことができます。シンプルな画面設計になっており、開発者だけではなく、デザイナーや営業などチーム全員が案件情報の確認がしやすくなっています。
タスクが多くなるWeb案件には助かるガントチャート形式での表示機能があり、グラフの色分けができ業務担当者それぞれの進捗状況がわかりやすいのも特徴。
特徴 | 担当者・期日設定ができるチームの業務を可視化するWeb案件向けの案件管理ツール |
料金 | 月額17,600円 ※ 無料トライアル有:30日間 |
Jira software
開発プロジェクトのためのタスク管理ツール。社内のタスク管理がメインのツールですが、システムデザインのカスタマイズ性も優れており、社外の案件管理にも使えるようになっています。
ひとつの案件を複数人で進めている場合も、各人のタスクとチーム全体のスケジュールの進捗状況を共有することができるため、残りの作業工数や担当ごとの負担バランスまで確認することができます。
特徴 | 各人のタスクとチーム全体の進捗状況を共有可能な開発向け案件管理ツール |
料金 | 月額1,070円 / ユーザー ※ 無料プラン有 |
【4. 汎用性高・低価格】案件管理ツール比較
低価格で汎用的に利用できる案件管理ツールを紹介します。
Notion
ドキュメントの作成、プロジェクトの管理、スケジュール管理などさまざまな用途で使えるオール・イン・ワンツール。データベース機能が特徴のツールとなっており、そのデータベース機能を利用することで、案件情報の管理や進捗状況の把握などが可能に。案件管理用のテンプレートも用意されているため、スムーズに導入することができます。
案件管理用のツールではなく、自由な設計となっているため、運用するまでにはある程度の設定や慣れが必要になりますが、それを上回る汎用性と低価格が特徴となっています。
特徴 | 案件管理用のテンプレートも用意されているため、スムーズに導入可能 |
料金 | 月額8ドル / ユーザー ※ 無料プラン有 |
Google Sheets
Excelをクラウドで扱えるスプレッドシート。Excelはクラウドでも利用できますが、ほとんどが各人のPCのローカルで編集されるため、チームでの案件管理には不向きですが、Google Sheetsはクラウドサービスのため、共同編集が可能。
案件管理向けではありませんが、セルを「顧客ステータス」や「受注金額」などの案件管理項目で設定することで案件管理にも活用可能。また、関数を組むことで入力工数を削減することもできます。ただ、こちらも自由な設計のため、使いこなすためにはある程度の慣れやスキルの習得が必要になります。
特徴 | セルを「顧客ステータス」などの案件管理項目で設定することで案件管理にも活用可能 |
料金 | 月額1360円 / ユーザー ※ 無料プラン有 |
まとめ
今回は案件管理ツールを紹介しましたが、案件管理や進捗管理は業務効率化や売上向上の手段に過ぎません。自社の課題や状況とマッチしないツールを選んでしまうと、逆に導入定着コストがかかってしまい生産性は向上するどころか低下していまいます。
本記事で紹介した案件管理ツールの分類や比較ポイントを参考に自社に最適なツールを選びましょう。
また、営業活動の効率化・売上向上が課題の場合は、ツールだけではなくアウトソーシングを活用するという手段もあります。
営業代行会社は、案件獲得のみならず、案件管理の方法からサポートしてくれる会社もありますので、そちらの検討もしてみてください。
自社に最適な「手段」にて業務効率化・売上向上を実現しましょう。
b-pos編集部
代行・外注サービスの比較サイトb-pos(ビーポス)の編集部。b-posは、BPOサービスの比較検討時に知っておきたい情報やサービスの選び方について解説するメディアです。サービスの掲載企業の方はこちらから(https://b-pos.jp/)