新卒採用と中途採用の違いとは?メリットとデメリットについても解説!

企業が人材を確保するにあたって、新卒採用と中途採用のどちらにするか迷いますよね。
獲得できる人材や採用活動に伴う費用などが全く異なるため、2つの採用のメリット・デメリットを詳しく知っておく必要があります。
当記事では、新卒採用と中途採用の違い、メリット・デメリットについて解説してますので、ぜひ今後の採用活動に参考にしてください。
新卒採用と中途採用の違い
新卒と中途で採用活動にどのような違いがあるのでしょうか?
2つの違いを以下の6つの項目に分けて比較しました。各項目について順番に解説してますので、ぜひ1つづちご覧ください。
新卒採用 | 中途採用 | |
---|---|---|
対象者 | 新卒学生 | 社会人経験者 |
採用基準 | ポテンシャル | スキルや経験 |
採用時期 | 一括採用 | 不定期採用 |
給与 | 基本的に一律 | スキルや経験を考慮 |
選考方法 | グループ面接、GD、個人面接 | 個人面接 |
採用コスト | 93.6万円 | 103.3万円 |
対象者
各採用のターゲットを厳密に記載すると以下になります。中途採用と比較すると、新卒採用の対象者は条件が限られています。
新卒採用 | 卒業予定の在学生(卒業して3年以内も対象) |
中途採用 | 学校を卒業している社会人経験者 |
なお、新卒学生の条件については、厚生労働省の「青少年雇用機会確保指針」で方針が設けられており、在学生以外に、卒業して3年以内の学生も含まれるようになりました。
なお、学校卒業後に就職していない、離職した場合は以下に分類されます。
第二新卒 | 卒業から3年以内に離職した人 |
既卒 | 卒業後に社会人経験がない人(非正規雇用は経験に含まない) |
企業によっては、卒業から3年以内であれば新卒採用に応募できる可能性がありますし、第二新卒、既卒を歓迎条件として提示している場合もあります。
採用基準
社会人経験の有無で採用基準は大きく異なります。新卒の場合は戦力になるまでに教育費と時間がかかるため、採用後も大きなコストがかかります。
新卒採用 | 2〜3年後に戦力として期待できる人材 ある程度の能力値を担保するために学歴はチェック 面接では熱意や人柄、成長できる人材かを重視 |
中途採用 | 入社後に即戦力として期待できる人材 学歴よりも前職の実績や経験をチェック 第二新卒など若手の場合はポテンシャルを重視 |
新卒採用時は、ポテンシャルを評価するために学歴や面接時の内容を大きく評価される傾向にあります。中途採用でも、第二新卒などの若手の場合は、ポテンシャルを重視されることが多いです。
採用時期
採用時期も大きく異なります。新卒は時期が決まっていますが、中途は本当に不定期のため、求人が全く存在しない時期が存在します。
新卒採用 | 学校卒業後の4月に一括採用 一般的には卒業の1年前がピーク(3月頃) 採用期間は半年〜1年 |
中途採用 | 不定期 企業によって様々(一括採用や個別対応など) 採用期間は1ヶ月〜 |
新卒は、採用までの期間が非常に長い傾向にあります。学校卒業後に一括で採用するため、内定承諾から入社まで半年〜1年程度かかり、採用プロセス自体もエントリーから採用まで半年〜1年程度要します。
中途採用は、応募者との条件が合えば即入社できるため、早ければ1ヶ月も経たぬ間に働き始めます。
給与
中途採用は、前職のスキルや経験を考慮して給与が決まります。応募者の交渉力にもよるため、企業や人に応じて給与の金額は大きく異なります。
逆に新卒の場合は、ポテンシャル採用のため、学歴による変動はあるものの、どの企業も給与にほとんど差はありません。
なお、新卒の給与の目安は、以下の全国的にみた初任給の平均を参考にしてください。
高校 | 専門学校 | 高専・短大 | 大学 | 大学院 | |
---|---|---|---|---|---|
男女計 | 181,200円 | 212,600円 | 202,300円 | 228,500円 | 267,900円 |
男 | 183,400円 | 207,000円 | 204,100円 | 229,700円 | 271,900円 |
女 | 177,600円 | 216,600円 | 201,800円 | 227,200円 | 256,900円 |
選考方法
選考方法は用意する書類から面接形式など全く異なります。新卒採用ではグループ面接を導入している企業が多く、中にはグループディスカッションを設けている企業もあります。
新卒採用 | 就職情報サイトからエントリー後 ES提出→筆記試験→グループ面接→個人面接→採用 |
中途採用 | 転職サイトからエントリー後(条件アリ) 職務経歴書提出→個人面接(複数回)→採用 |
新卒採用では、必要書類がエントリーシートですが、中途採用では、職務経歴書が必要になります。どちらもエージェントなどを頼れば添削を行ってくれます。
採用コスト
採用コストは若干中途採用の方が多いですが、そこに大きな差はありません。以下は「就職白書2020」の調査で判明した1人あたりの採用コストになります。
2018年度 | 2019年度 | |
---|---|---|
新卒採用 | 71.5万円 | 93.6万円 |
中途採用 | 83.0万円 | 103.3万円 |
ただし、現在は採用のオンライン化が進み、採用方法が多様化している背景がありますので、企業によっては上記の金額よりも大きく削減できている可能性があります。
新卒採用のメリット・デメリット
実際に新卒採用の特徴を踏まえた上でメリット・デメリットを順番にご紹介します。

メリット | ・優秀な人材を囲い込める ・企業文化を浸透させやすい ・採用単価を抑えられる |
デメリット | ・選考フローが長い ・長期育成が必要 ・早期退職の可能性 |
新卒採用のメリット
優秀な人材を囲い込める
新卒採用は一括で学生を採用するので、ポテンシャルの高い優秀な人材を獲得しやすいです。
中途採用の場合、個人のスキルに応じて条件が異なるため、優秀な人材は市場に出ていないか、雇うのに多額のコストが必要になるケースがほとんどです。
新卒の場合は、他企業との給与面での差がつきにくいため、ポテンシャルを見抜くことさえできれば、知名度の低い企業でも優秀な人材を確保できる可能性があります。
企業文化を浸透させやすい
新卒採用では、まだ社会に出ていない学生が主なターゲットです。他の職場を知らないため、自社の文化や価値観を浸透させやすく、企業に馴染みやすい人材になります。
最初の上司の教えが今後働く上での基礎になりやすいので、初めての職場で学んだことは非常に素直に受け入れやすいです。逆に一度社会に出ると、最初の職場での経験が足を引っ張ることもあります。
採用単価を抑えられる
新卒採用では、採用スケジュールが決まっており、一括で多数の人材を採用するため、採用単価を抑えることができます。イベントや研修などを開催する回数も減らせます。
このコストは1人あたりの採用コストですので、採用人数が少ない場合は割高になる可能性があります。
新卒採用のデメリット
選考フローが長い
新卒採用時期は、学生が卒業する1年程度前から始めるのが一般的です。そこから筆記試験、会社説明会、面接、内定などと入社までの採用期間が非常に長いです。
さらに近年は早期選考が主流になり始めているので、今よりも時間と労力がかかると考えられます。なお、入社後は一定期間研修が必要になります。
長期育成が必要
新卒採用はポテンシャルで判断して採用しているため、即戦略まで育てるには、長期の育成期間が必要になります。社会人として当たり前のビジネスマナーから実務まで、様々な経験を終えてやっと、会社の戦力となりえるのです。
また、新人教育のために上司や先輩社員は、さらなる負担が課せられるため、社内の人員を考慮して部署や支店に新人を割り当てる必要があります。
早期退職の可能性
新卒は社会人経験がないため、初めての職場になりまるので、入社前と入社後のギャップからミスマッチが起こり、早期退職へとつながる可能性があります。

早期退職が起こるリスクは意外と高く、厚生労働省の新規学卒就職者の離職状況(平成28年3月卒業者の状況)の結果、新規学卒就職者の就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者39.2%で新規大卒就職者32.0%となっているため、3人に1人は3年以内に退職していることがわかります。
中途採用のメリット・デメリット
次に中途採用のメリット・デメリットについて解説していきます。

メリット | ・即戦力が期待できる ・育成が必要ない ・簡略な採用プロセスで済む |
デメリット | ・再転職の可能性 ・企業文化を浸透させにくい ・優秀層の獲得が難しい |
中途採用のメリット
即戦力が期待できる
中途採用では、前職の経験やスキルを考慮して採用するため、短い期間で即戦力になれる可能性が非常に高い人材を確保できます。
業務内容や雰囲気などは会社によって異なりますが、慣れればすぐに戦力になってくれるでしょう。
育成が必要ない
中途採用者は、過去に職務経験があるため、ある程度のビジネスマナーなどの基礎が出来上がっている状態です。新卒が受けるような研修必要ないため、育成期間は短く済みます。
なお、前職が同じような業界、職種だった場合は、さらに教育の工数が必要なくなるため、育成コストを大幅に抑えることができます。
簡略な採用プロセスで済む
中途採用の場合、応募条件に必要なスキルや経験を直接指定できるため、ピンポイントで必要な人材を確保することができます。
新卒採用は応募から採用までに1年程度はかかりますが、中途採用は数週間〜数ヶ月程度で完了できるため、採用に割く工数が短く済みます。
中途採用のデメリット
再転職の可能性
中途採用者は、転職を経験しているため、転職自体に抵抗がありません。新しく入社した企業のイメージが合わなかったり、馴染めなかった場合に再転職に踏み切る可能性があります。
また、短期間で複数回の転職を行っているような人材は、飽きっぽい性格である可能性がありますので、採用時にはそのあたりも確認する必要があります。
企業文化を浸透させにくい
新卒採用と違い、中途採用者は社会人経験があるため、過去に教わったやり方や考え方が染み付いてしまい、企業文化に馴染めない可能性があります。
過去に築いた仕事への姿勢や進め方をすぐに直すのは難しいので、自社の方針とかけ離れていないかは、採用時に確認しておいた方がいいでしょう。
優秀層の獲得が難しい
中途採用で即戦力になり得る人材は確保しやすいのですが、非常に優秀な人材を採用するのは非常に厳しくなります。
優秀な人材は、そもそも採用市場に出てくる可能性が低いです。出てきたとしても、待遇が非常に重要となってしまうため、規模の小さい企業では、勝ち取ることが非常に難しくなります。
まとめ
今回は、新卒採用と中途採用の違い、各採用のメリット・デメリットについて解説しました。どちらも費用や獲得できる人材が大きく異なります。以下に当記事の内容を表にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
新卒採用 | 中途採用 | |
---|---|---|
対象者 | 新卒学生 | 社会人経験者 |
採用基準 | ポテンシャル | スキルや経験 |
採用時期 | 一括採用 | 不定期採用 |
給与 | 基本的に一律 | スキルや経験を考慮 |
選考方法 | グループ面接、GD、個人面接 | 個人面接 |
採用コスト | 93.6万円 | 103.3万円 |
メリット | ・優秀な人材を囲い込める ・企業文化を浸透させやすい ・採用単価を抑えられる | ・即戦力が期待できる ・育成が必要ない ・簡略な採用プロセスで済む |
デメリット | ・選考フローが長い ・長期育成が必要 ・早期退職の可能性 | ・再転職の可能性 ・企業文化を浸透させにくい ・優秀層の獲得が難しい |

b-pos編集部
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