第二新卒のメリット・デメリット|採用時のポイントと特化サービスも紹介

「新卒採用を実施しているが、目標人数に足りていない」
「若手を人材したいが、どうすればいいのかわからない」

といった課題を抱えている、採用担当者の方は多いのではないでしょうか?

本記事では、第二新卒が注目されるようになった背景から、採用するメリットやデメリット、採用する際のポイントやおすすめサービスについて紹介していきます

第二新卒という言葉は聞いたことあるけど詳しくは知らないという方はぜひ本記事を読み、自社に第二新卒の採用が必要なのか、課題を解決することができるのかどうかを検討してみてください。

第二新卒とは?

「第二新卒」とは、一般的には新卒で就職して3年未満で離職した若者のことを指します。

しかし、以下の条件に当てはまる人材を「第二新卒」と呼ぶこともあります。年齢は、一般的には25~26歳前後ですが、企業や状況により前後することもあります。

  • 新卒で就職してすぐに離職した若者
  • 社会人経験のない既卒/フリーター
  • 大学には入学せずに働いている社会人

多くの人が第二新卒を「早く辞める人」とマイナスのイメージを持つことがありますが、実際には「仕事や社風が合わないと感じ、早くから新しい環境での再スタートを選ぶ前向きな人材」とも言えます。

社会人の経験を持ちつつも、前職の影響が少ないため、自社の文化やビジネスマナーにも馴染みやすく、教育へのコストが少ないのがその特徴です。

本記事では、「新卒で就職してすぐに離職した若者」を中心に解説していきます。

第二新卒の採用が注目されている背景

第二新卒の採用が近年注目されていますが、注目されるようになった背景は3つあります。

そもそも労働人口が減少している

引用:みずほ総合研究所

みずほ総合研究所の調査の結果では、40年後の労働人口が現在よりも4割減少すると予測されています。具体的には、2020年には6404万人いる労働人口が、2065年には3946万人にまで減少します。

引用:内閣府(2022)「令和4年版高齢社会白書」

また、高度経済成長期は、15歳〜64歳までの労働人口が多く、何もしなくとも働き手が集まってくる時代でしたが、現在は少子化の影響もあり、働き手を確保することが難しい時代になっています。

新卒で目標人数が採用できない

少子化の影響から、新卒採用市場は売り手市場となっており、採用に苦戦している企業が増えています。

引用:リクルートワークス研究所

リクルートワークス研究所によると、2024年卒の大卒求人倍率は1.71倍となり、さらに従業員数300人未満の中小企業のみに絞り込むと6.19倍にまで上がると予想されています。

そのため、新卒で採用目標人数を達成することができず、新卒と年齢差のあまりな若い人材を確保するために、社風や自社文化の浸透などが見込める第二新卒に注目が集まっているようです。

早期退職者が増えている

厚生労働省のデータによると、新卒の方が入社してから3年以内に離職する、離職率の平均は32.2%でした。つまり、新卒採用で苦労して採用した人材も3年後には3人に1人の確率で退職していることになります。

早期退職をする理由としては、もちろんマイナスな理由もありますが、新卒が早期離職につながる一番の理由は「今の会社での将来の具体的なキャリアステップが見えてこず、成長が望めない」という点です。

また、厚生労働省が発表している従業員数別(事業所規模別)に見た、離職率は下記となっており、従業員数が少ない会社ほど、3年以内の新卒の離職率が高い傾向にあります。

【従業員規模別 高校卒・大学卒の入社3年以内の離職率】

従業員規模高校卒大学卒
5人未満60.5% 55.9%
5~29人51.7%48.8%
30~99人43.4%39.4%
100~499人35.1%31.8%
500~999人30.1%29.6%
1,000人以上24.9% 25.3%
引用:新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)

第二新卒採用のメリット

第二新卒の採用は、以下の3つのメリットがあげられます。

  • 入社までのリードタイムが短い
  • 教育コストが小さい
  • 優秀な人材を採用できる可能性がある

それぞれ解説します。

入社までのリードタイムが短い

第二新卒は前職を不本意な形で退職している方も多いため、就職意欲の高い方が多く、新卒で言うところの「内定からの内定承諾率が高く、早い」という特徴があります。

そのため内定〜入社までに多くのアプローチが必要な新卒や、一人当たりの採用単価の高い中途採用よりも低コストで採用することが可能です。

また、前職を早期退職しているため、次の企業ではいち早く馴染めるように、いち早く結果が出せるようにと努力する人も多いため、企業に定着しやすいというメリットがあります。

教育コストが小さい

新卒にて前職の経験があるので、社会人の基礎中の基礎から教える必要がありません。なので、新卒ほど教育にかける時間も費用も少なく、少ない教育コストで戦力となってくれるでしょう。

優秀な人材を採用できる可能性がある

第二新卒の採用をしている企業数は、新卒採用や中途採用と比べると少ないため、その分競合が少なく、優秀な人材を採用できる可能性が高くなっています。

また、応募者も自身の前職の経験から自己分析を行い、自分が求める、自分に合う環境はどこなのかと企業研究を行った上で少数の企業に応募してきますので、より自社に合った人材の発掘が可能となります。

第二新卒採用のデメリット

第二新卒の採用には、デメリットも存在します。デメリットは以下の2つです。

  • 「辞めグセ」の可能性がある
  • 新卒の研修・教育では時間が無駄になる

それぞれ解説します。

「辞めグセ」の可能性がある

第二新卒の方は、前職を早期退職していることから「辞めグセ」が付いている可能性もあります。

前職を何かしらの理由で辞めているということになるので、「自社でも同様の理由で辞めてしまうのではないか」「嫌なことがあれば、すぐに転職してしまうのではないか」と不安に思うケースも多いでしょう。

また、前職の経験から、過去と現在を比較されるケースも想定されます。

「せっかく労力をかけて採用したのに、またすぐに辞めてしまった」とならないよう面接のタイミングなどでしっかりと見極める必要があります。

新卒の研修・教育では時間が無駄になる

ある程度のビジネスマナーなどを前職の際に習得し、社会人を経験している第二新卒からすれば、新卒用の研修・教育は「遅い(もう知っている)」内容の場合があり、第二新卒と研修や教育を行う側の時間を無駄にしてしまう可能性があります。

新卒と同様に研修や教育を実施してしまうと、両者にとって無駄になる可能性が高いので、理解度などを確認しながら教育することが必要です。

新卒採用と比較したときのメリット/デメリット

第二新卒採用と新卒採用を比較したときのメリット、デメリットについて解説します。

メリット:採用コストが少ない

新卒採用の求人広告を出すと平均で年間80万円ほど、新卒採用の人材紹介であれば、一人あたり約100万円かかります。さらに、採用のターゲットによっては更なる施策の追加や、オプション機能を追加すると費用はさらにかかります。

一方、第二新卒の採用にかかる費用は、想定年収の30〜40%であり、自社の採用したい人材の確保が可能となるので、トータルした時の採用コストが少なくなる傾向にあります。

デメリット:数年遅れを取っている

新卒に比べると「ほとんど能力差がないのにも関わらず、数年経過してしまっている人材」ではあるので、若くはありますが、中途採用と同様のレベル感を求めて採用するとギャップが発生してしまいます。

また、同じ年の自社新卒社員の方と比べても、商品やサービス、業務の知識は劣りますので、改めての教育が必要となります。

中途採用と比較したときのメリット/デメリット

第二新卒採用と中途採用を比較したときのメリット、デメリットについて解説します。

メリット:企業の文化に染まりやすい

中途社員を採用する際にネックとなる理由の一つに、自社文化の浸透が難しいという点が挙げられます。中途社員は前職までの経験や、前職までの会社文化に馴染んでしまい、新しく転職した会社の文化が受け入れられない可能性があります。

それに比べ、第二新卒は前職での経験やそもそも在籍年数が短いので、中途採用者と比較すると、自社の文化に染まりやすいでしょう。

デメリット:即戦力としては期待できない

第二新卒の方は、中途社員と比べると、もちろんスキルや実力、経験で劣ります。

そもそも前職で3年にも満たない経験しか積めていないので、社会人としての基礎力は身についているかもしれませんが、即戦力として期待できるかと言われるとそこまでの能力はありません。

期待値を高く設定せず、しっかりと自社で教育する必要があるということは念頭に置いた上で、採用することが必要となります。

第二新卒を採用する際のポイント

第二新卒を採用を成功、そして入社後の定着をさせるためのポイントは以下の2つです。

  • 第二新卒用の採用基準を設定する
  • 第二新卒用の教育プログラムを用意する

それぞれ解説します。

第二新卒用の採用基準を設定する

第二新卒を採用する際のポイントの一つ目に、「第二新卒用の採用基準を設定する」ということが挙げられます。「採用をしたが、すぐに転職をしてしまった」、「スキル的に仕事について行けない」など入社後の両者間でのギャップをなくすためにも必要となります。

具体的には、面接で「離職した理由」と「前職での実績」について確認をしておきましょう。

離職した理由が、「仕事が嫌になった」や「仕事がしんどいので楽な仕事をしたい」などネガティブな理由ではなく、「人間関係がこじれて」や「上司からのパワハラがひどい」など、第二新卒の方だけの問題ではない場合は、前向きな転職だと捉えて大丈夫でしょう。

また、前職での実績を聞いて、「営業成績同期上位」など、しっかりと成績を残していた優秀な人材である可能性も高いので、将来的に戦力として期待できるかどうかも含めて判断することが大事です。

第二新卒用の教育プログラムを用意する

新卒よりも仕事の飲み込みが早いが、中途ほど戦力にはならないのが第二新卒です。

新卒の教育プログラムでは、第二新卒の時間を無駄にしてしまいます。逆に、中途の場合は教育というより「オンボーディング(慣れてもらう)」というほうが近く、そのレベル感で第二新卒に接してしまうと、ついて行けなくなる可能性が高いです。

そのため、第二新卒用に教育プログラムをつくることで、無駄なくいちはやく戦力になってもらうことができます。

具体的には、すぐに相談できる教育担当を課内の人間に任せて、足りないスキルを一緒に洗い出し、必要に応じて研修を受けさせたり、今後の目標設定のMTGを実施したりと、第二新卒の方が孤立しないよう、なるべく近い距離で教育をすることが大切です。

この際、教育担当は次期リーダーに任せると、次期リーダーにも教育という自覚が芽生え両者にメリットがあります。

第二新卒採用のための人材紹介サービス5選

ここからは、第二新卒採用のためのおすすめの人材紹介サービスを5つ紹介します。

サービス特徴
UZUZ人材サービス自社で運営している集客チャネルを中心に、
月間2,000名を超える20代若手人材を集客
Liber Career
(リーベルキャリア)
全国の人材紹介会社をネットワーク化し、求職者を
集客しているため、効率よく人材を集めることが可能
就職Shop未経験の若者を育成した実績のある企業を中心に、
幅広い非公開求人の紹介が可能
マイナビジョブ20‘sマイナビグループの豊富なノウハウを活かし、
企業と転職者を丁寧にサポート
ハタラクティブ独自のノウハウで、毎月9,000名を集客しており、
他サービスに比べて紹介の量が多い

UZUZ人材サービス

引用:UZUZ人材サービス

UZUZは、自社で運営している集客チャネル(Webサイト、YouTubeチャンネル、SNS等)を中心に、月間2,000名を超える20代若手人材を集客している人材紹介サービスです。

豊富な登録データベースから採用要件に合致した人材を紹介するため、「質」と「量」を両立した人材紹介が可能です。

運営会社株式会社UZUZ
特徴・月間2,000名超の登録DBから、要件に合致する若手人材をご紹介
・ミスマッチを極限まで減らす取り組みによる定着率の圧倒的高さ
・初期教育のコスト(工数)の削減に繋がる社会人基礎教育

Liber Career(リーベルキャリア)

引用:Liber Career(リーベルキャリア)

リーベルキャリアは、全国の人材紹介会社を「ネットワーク化」し、求職者を集客している人材紹介サービスです。契約1つで、多数の人材紹介会社から効率よく人材を集めることが可能です。

また、人材紹介会社から推薦された人材は専属の担当がスクリーニングをおこない、紹介するため、量と質の両軸を担保しています。

運営会社株式会社ネオキャリア
特徴・複数の人材紹介会社に一度に求人を展開可能
・20代の多様な人材数多く紹介可能
・初期費用・求人掲載料0円、完全成果報酬型

就職Shop

引用:就職Shop

就職Shopは、株式会社リクルートが運営する対面型の就職・転職活動支援サービスです。

経験豊富な専任のキャリアコーディネーターが就職活動を無料でサポート。未経験の若者を育成した実績のある企業を中心に、幅広い非公開求人の紹介が可能です。

運営会社株式会社リクルート
特徴・非公開求人が多く、求職者に直接紹介
・未経験の若者を育成した実績のある企業を中心に紹介
・営業系、技術系、事務系まで幅広く対応可能

マイナビジョブ20‘s

引用:マイナビジョブ20‘s

マイナビジョブ20’sは、登録者の75%以上が25歳以下の若手採用に特化した人材紹介サービスです。マイナビグループの豊富なノウハウを活かし、企業と転職者を丁寧にサポートしてくれます。

運営会社株式会社マイナビワークス
特徴・20代専門のサービスで、若手採用の実現
・採用業務はマイナビジョブ20’sが代行
・マイナビグループならではの多様なニーズに応えられる情報網を用意

ハタラクティブ

引用:ハタラクティブ

ハタラクティブは、費用をおさえて優秀な若手人材を採用できる若年層特化型の人材紹介サービスです。

Webを中心とした独自の求職者募集ノウハウを活かし、毎月9,000名の新規登録があります。そのため、他の人材紹介サービスに比べて、最適な人材の紹介量が多い点が最大の特徴です。

運営会社Leverages株式会社
特徴・毎月9,000名の新規登録
・平均2.6回の面談で、圧倒的に高い承諾率
・入社が成立するまで料金の発生はなし

まとめ

本記事では、第二新卒について解説をしました。第二新卒を採用するメリットしては、下記3点が挙げられます。

  • 入社までのリードタイムが短い
  • 教育コストが小さい
  • 優秀な人材を採用できる可能性がある

ただ、第二新卒には、「辞めグセが付いている可能性がある」、「教育プログラムの設定」など、デメリットもありますので、自社の採用課題に合わせて、第二新卒採用に取り組むかどうかを判断する必要があります。

その判断を行う際に、本記事が参考になり、貴社人材採用に少しでもお役立て出来れば幸いです。

b-pos編集部

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