Facebook広告とは?基礎知識と配信開始までの9ステップでやり方解説
「Facebook広告の掲載場所や種類など、基本的な部分がわからない」
「広告配信を検討しており、配信までの手順が知りたい」
といった疑問は、Facebookの運用を検討されている方に起きがちです。
Facebook広告は、SNSの「Facebook」や「Instagram」などで配信できる広告です。特徴として「正確な情報をもとにターゲティングできる」「30~40代のビジネスパーソンに届きやすい」といったものがあります。
本記事では「Facebook広告の基礎知識」と「配信開始までの9ステップ」を中心に解説します。
目次
そもそもFacebook広告とは
Facebook広告とは、実名登録制のSNSである「Facebook」や「Instagram」などで配信できる広告のことです。
Facebookの月間アクティブユーザー数は、2023年6月30日時点で30億3,000万人です、日本国内においては、2019年時点で月間アクティブユーザー数が2600万人となっており、30~40代がメインです。そのため、多くのユーザーに広告を届けられます。
企業が「情報発信」や「コミュニケーション」を目的として活用するケースも多く「Facebookページ」という企業やブランド、団体向けのアカウントも用意されています
参考:Meta Reports Second Quarter 2023 Results
参考:フェイスブック ジャパン長谷川代表が語る「退任の真意」–独占ロングインタビュー – CNET Japan
特徴1:正確な情報に基づいたターゲティング
Facebook広告は実名登録制のため、正確な情報に基づいたターゲティングが可能です。ユーザーがFacebookに登録しているユーザーの居住地、性別、年齢、興味といった情報が活用できるため、広告のターゲットユーザーにアプローチできます。
特徴2:中高年齢層のビジネスパーソンに届きやすい
令和3年に総務省が実施した調査によると、Facebookの年代別の利用率は30代が45.7%と最も多く、次いで40代が41.4%、20代が35.3%でした。
このようにFacebookのユーザーは30~40代が多いことから、中高年層をターゲットとした商材向きの広告といえます。また実名登録制のため、ビジネス目的で利用する男性ユーザーが多い傾向があります。そのため、30~40代のビジネスパーソンに届きやすいのが特徴です。
参考:総務省情報通信政策研究所|令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
特徴2:広告出稿先を幅広い配信面から選べる
Facebook広告はFacebookのみならず、Instagram、Messenger、Facebookが提携するアプリ・サイトなどにも配信できます。
なかでもInstagramは女性ユーザーが多く、Facebookと異なるユーザー層にアプローチできます。このように、幅広い広告配信先から選べるのもFacebook広告の特徴です。
Facebook広告の基礎知識
Facebook広告の基礎知識として押さえておきたいのは、次の4点です。
- 掲載場所
- 種類
- 費用
- ターゲティング方法
それぞれ解説します。
掲載場所
Facebook広告は、媒体別に以下の場所に掲載されます。
媒体 | 掲載場所 |
---|---|
Facebook広告 | PC(ニュースフィールド / 右側広告) スマホ(ニュースフィールド / インスタント記事 / インストリーム動画 / ストーリーズ) |
Messenger | スマホ・PC(受信箱 / ストーリーズ / 広告メッセージ) |
Instagram広告 | スマホ(フィード / ストーリーズ / 発見タブ) |
ビジネスパーソンに向けて広告を出稿する場合、Facebookが適しています。
Messengerは、インプレッションを増やしたい場合のみ利用しましょう。
一般の若年層向けであれば、Instagramを利用すると効果的です。
種類
Facebook広告には、以下の種類があります。
広告の種類 | 特徴 | 推奨事項 |
---|---|---|
画像広告 | ・画像(1枚)+テキスト(見出し / 本文)で構成 ・もっとも一般的なフォーマット | 画像サイズ ・1200×628(Facebook) ・1080×1080(Facebook / インスタグラム) |
動画広告 | ・動画(1本)+テキスト(見出し / 本文)で構成 ・伝えられる情報量が多く、注目を集めやすい | ・アスペクト比: 9:16~16:9 ・ファイルサイズ:最大4GB ・長さ:1秒~240分 |
カルーセル広告 | ・複数の画像 / 動画(最大10個)で構成 ・横にスワイプすることで一連の画像などが見られる | カード数2~10枚 |
コレクション広告 | ・画像 / 動画 / カルーセル / リンクを組み合わせた構成 ・ユーザーの興味関心に応じて表示 | 画像の最小横幅(ピクセル):400 画像の最小縦幅(ピクセル):150 |
初めてFacebook広告を出稿する方は、画像広告からスタートするとよいでしょう。また「広告の運用目的」や「商材特性」に応じて、動画広告の利用も視野に入れてみましょう。
費用
Facebook広告は、費用の発生タイミングを次の2つの課金方式から選びます。
課金方式 | 特徴 | 単価の相場 |
---|---|---|
インプレッション課金(CPM) | ・広告が1,000回表示されるごとに費用が発生 ・表示が繰り返されるため認知拡大できる ・効果につながらなくても費用が発生する | 100~500円程度 |
クリック課金(CPC) | ・広告が1回クリックされるごとに費用が発生 ・広告の表示のみでは費用がかからない ・確度の低いクリックにも課金される | 100~200円程度 |
Facebook広告は、基本的にインプレッション課金です。広告を作成する際に設定する「広告の目的」によっては、インプレッション課金しか選べないケースもあります。
ターゲティング方法
Facebook広告は「誰に広告を配信するか」といったターゲティング方法に、以下の3つがあります。
種類 | ターゲティングのもとになる情報 | 例 |
---|---|---|
コアオーディエンス | ・ユーザーのプロフィール情報 ・Facebook、アプリ上の行動 | ・20~30代の男性 ・Facebook上でいいねしたユーザー |
カスタムオーディエンス | ・自社サイトにアクセスしたユーザー ・顧客リスト | ・商品ページを閲覧したユーザー |
類似オーディエンス | ・カスタムオーディエンスに似たユーザー | ・自社サイトを訪問したユーザーに類似たユーザー |
カスタムオーディエンスは「サイトへのトラフィック」や「顧客データ」が少ない場合、リーチできるユーザー数が少なくなります。また類似オーディエンスに関しても、カスタムオーディエンスが100人以上いないと作成できません。
そのため、まずは詳細なターゲティングができるコアオーディエンスから始めてみましょう。
【初心者向けまとめ】
上記解説の通り、まず初めて見るなら以下の表を参考にはじめてみてください。
掲載場所 | BtoBならFacebook・BtoCならInstagram |
種類 | 画像広告 |
費用 | インプレッション課金 |
ターゲティング方法 | コアオーディエンス |
Facebook広告のやり方〜配信までの9ステップ〜
ここではFacebook広告の配信までを「準備編」と「配信設定編」に分けて、ステップごとに解説します。
準備編
Facebook広告を始める前に、次の2点を準備しておきましょう。
- 広告クリエイティブの制作
- Facebookアカウントの作成
それぞれ解説します。
広告クリエイティブの制作
はじめに、出稿する広告のクリエイティブを制作しておきましょう。
先述したとおり、さまざまなクリエイティブの種類がありますが、まずは「画像」を制作しましょう。サイズは「1080×1080」と「1200×628」の2種類ありますが「1080×1080」の正方形を数パターン用意します。
このとき、競合が出稿している広告画像が閲覧できる「Meta広告ライブラリ」を活用することで、アイデアをもらうことができます。このアイデアを活かして、自社で画像を作成してみましょう。
Facebookアカウントの作成
Facebook広告の利用には、Facebookアカウントが必要となります。アカウントがない場合、まずはFacebookアカウントを作成しましょう。
配信設定編
Facebook広告を始める準備が終わったら、以下の9ステップで広告を配信します。
- ビジネスマネージャの作成
- Facebookページの作成
- 広告アカウントの作成
- キャンペーンの作成
- オーディエンスの設定
- 配置の設定
- 広告予算と掲載期間の設定
- 広告の作成
- 支払い方法の設定
ステップごとに解説します。
1. ビジネスマネージャの作成
まずは、Facebook広告の利用に必要な「ビジネスマネージャー」を作成します。
ビジネスマネージャーの画面を開いたら、画面左中央部の「利用を始める」もしくは、右上の「スタート」を押します。
アカウント名や名前、メールアドレスなどの情報を入力したら、ビジネスマネージャの作成は完了です。
2. Facebookページの作成
続いて、Facebookページを作成します。Facebookを開いたら、メニュー内の「ページ」を押します。
ページ作成画面が開いたら「ページの名前」「カテゴリ」を選びます。これでページ自体は作成できましたが、詳細が未入力の状態です。必要に応じて入力しましょう。
「Facebookページを利用しない」という場合は、情報を入力しなくても広告運用はできるため、問題ありません。「自社・自社製品に関する情報を発信したい」といった場合のみ入力しましょう。
3. 広告アカウントの作成
続いて、広告のアカウントを作成しましょう。ビジネス設定のなかの「広告アカウント」を開いてから「追加」をクリックするとポップアップが開きます。そこから「新しい広告アカウントを作成」を押します。
「新しい広告アカウントを作成」の画面で、名前・時間帯・通貨を入力/選択します。
4. キャンペーンの作成
続いて、キャンペーンを作成します。広告マネージャーを開いたら、キャンペーン内の「+作成」ボタンを押します。その後、広告の目的を選択して進みます。
5. オーディエンスの設定
続いて「オーディエンスの設定」で広告を配信するターゲットを決めます。
地域や性別、年齢などを選ぶと、右側に「どの程度リーチできるか」といった広告の効果の目安が表示されます。効果が低いと感じたら、設定を変更して調整しましょう。
6. 配置の設定
続いて、広告の配置先を決める「配置の設定」をおこないます。
Facebook広告によって最適な配置がおこなわれる「自動配置」と、自分で配置を決める「手動配置」があります。初めて広告を出稿する場合は「自動配置」を選択しましょう。
7. 広告予算と掲載期間の設定
続いて、広告予算と掲載期間を設定します。予算では「1日の予算」か「通算予算」のいずれかを選択して金額を決めます。スケジュールは、広告を掲載する期間を設定します。
ひと月の広告予算は、10~30万円前後が相場です。ただしFacebook広告の最低出稿金額は100円のため、まとまった予算が確保できなくても問題なくスタートできます。
初めてFacebook広告を出稿する場合は、1日1,000円程度から始めて必要に応じて調整しましょう。
8. 広告の作成
続いて、広告を作成します。広告名、Facebookページ、広告フォーマットなどを入力・選択します。選んだフォーマットに応じて、テキスト・画像・動画・URLなどを選択します。
このステップで「準備編」で制作した、画像や動画などのクリエイティブを選択します。
9. 支払い方法の設定
最後に、広告費の支払い方法を設定します。支払い方法の画面の「支払い方法を追加」を押します。この画面では、国・通貨・時間帯を設定します。あとから変更できないため、間違いがないように設定しましょう。
次に、支払い情報を入力します。クレジットカード・デビットカード・PayPalのいずれかを選択して設定します。
これで、Facebook広告の配信までの設定が完了しました。
Facebook広告運用時の注意点
Facebook広告を運用する際は、次の2点に注意しましょう。
- クリエイティブを常に差し替える必要性
- ABテストが必須
それぞれ解説します。
クリエイティブを常に差し替える必要性
Facebook広告は、配信するクリエイティブによって効果が左右されます。広告の効果を最大化するには、クリエイティブを常に差し替える必要がある点に注意しましょう。
Facebook広告を表示するプラットフォームには、ユーザーが1日に何度も訪れます。同じクリエイティブを長期間使い続けていると、ユーザーに飽きがきて成果につながりにくくなります。
広告効果が出ているクリエイティブであっても、2週間~1か月程度で差し替える必要があります。常に新鮮味がある広告で、ユーザーにアプローチが必要な点に注意しましょう。
ABテストが必須
Facebook広告の運用時には「どちらがよりよい成果が出せるのか」を検証するABテストが必須である点に注意しましょう。
広告のクリック率やコンバージョン率を高めるには、ABテストを活用した改善作業が効果的です。たとえば、2つのターゲットを用意して「どちらのターゲットに配信すると効果が高いのか」といった点を検証することで、成果が上がりやすいターゲットに絞って配信できます。
クリエイティブに関しても勝ちパターンの発見につながるため、効果的なクリエイティブの制作に役立ちます。広告を配信するだけでなく、分析や改善も併せて必要な点に注意しましょう。
Facebook広告運用代行の活用も一つの手
Facebook広告は「自社で運用する」「広告運用を代行する代理店に依頼する」といった2つの選択肢があります。
Facebook広告を自社運用する場合
自社でFacebook広告を運用する場合、スピード感を持って運用することができます。自社の商品・サービスを理解したメンバーが関わるため「広告のターゲティング」や「クリエイティブの制作」に知識を活かすことができます。
一方でFacebook広告の運用には「クリエイティブの頻繁な差し替え」や「ABテストをもとにした分析・改善」などが必要です。これらを実施して効果的に広告を運用するには、社内に十分なリソースとノウハウが必要となります。
Facebook広告運用を代理店に依頼するメリット
Facebook広告の運用を代理店に依頼するメリットは、次の3つです。
- 広告運用に関する一連の作業を任せられる
- 豊富な知識・ノウハウをもとに運用してもらえる
- 広告の改善まで対応可能
それぞれ解説します。
広告運用に関する一連の作業を任せられる
代理店に依頼することで、Facebook広告の設定から出稿まで一連の作業を任せられます。「広告運用の担当者を配置する」「ほかの業務と並行して広告を運用する」といった必要がなくなるため、自社のコア業務に集中できます。
豊富な知識・ノウハウをもとに運用してもらえる
代理店は広告運用の経験が多く「この業界ではどのように運用したら効果的か」といった知識・ノウハウが豊富です。これらを活かして自社の広告を運用してもらえるため、高い広告効果が期待できます。
広告の改善まで対応可能
代理店では、広告の運用だけでなく改善まで対応可能です。ABテストなどを実施して改善を重ね、PDCAを回します。自社の競合や市場なども考慮するため、状況に応じて最適な広告を運用してもらえます。
まとめ
Facebook広告は、FacebookやInstagramに配信できるため、それぞれのSNSを利用するユーザーにアプローチできます。居住地や性別、年齢といった登録情報をもとにターゲティングするため、狙ったユーザーに広告を届けられます。
基礎知識とやり方を参考にして、Facebook広告の利用を検討してみましょう。
b-pos編集部
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