SNS集客とは?SNSの選び方・集客のコツ・成功事例までご紹介。

ソーシャルメディアが私たちの日常生活に深く浸透した現代において、SNSを活用した集客戦略は、ビジネスの成功に欠かせないマーケティング戦略の一つとなっています。すでに多くの企業や店舗では、「Instagram」「Twitter」「Facebook」「TikTok」など、多様なプラットフォームを通じて、潜在的な顧客と直接つながり、ブランドの認知度を高め、売上を伸ばす機会を獲得しています。
しかし、SNS集客は単に投稿を行うだけでは十分ではありません。効果的なSNS集客には、戦略的なアプローチと継続的な運用が必要となります。
そこで本記事では、集客における最適なSNSの選び方や成功事例、SNS集客が古いと言われる理由を中心に解説します。
目次
SNS集客とは
SNS集客とは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用して、潜在的な顧客を引き付け、自社ビジネスの認知度を高める手法です。SNS集客は、従来の広告手法とは異なり、双方向のコミュニケーションを重視し、ユーザーとの直接的な対話や交流を通じて信頼関係を構築していきます。
SNS集客の特徴は、その即効性と広範囲性にあります。投稿や広告を通じて、瞬時に多くの人々にリーチすることができ、さらにシェアやリポストによって情報が拡散されることで、より広い層へのアプローチが可能となります。また、ターゲットを絞ったSNS内での広告配信や、ハッシュタグを利用した効果的な情報発信など、SNSならではの機能を活用することで、効率的かつ効果的な集客活動を展開することができます。SNS集客の目的は単なる販売促進だけではありません。ブランドイメージの向上、顧客との関係性強化、市場調査、カスタマーサポートなど、多岐にわたる目的で活用されています。
このように、SNS集客は現代のデジタルマーケティングにおいて欠かせない要素となっており、企業や店舗が顧客と直接つながり、ビジネスの成長を加速させる重要なマーケティング手法として近年注目を浴びています。
企業がSNSを活用して集客すべき理由
企業がSNSを活用して集客すべき理由には、以下のようなものがあります。
- 新規顧客の獲得につながりやすい
- 口コミによる信頼度の向上
- コストパフォーマンスの高さ
- インフルエンサーマーケティングの活用
- ブランドロイヤルティの向上
- 検索チャネルの移り変わり
新規顧客の獲得につながりやすい
SNSは新規顧客との接点を作りやすいという特徴があるため、自社の商品やサービスを知らない潜在顧客に対して、効果的にアプローチすることが可能となります。特にZ世代をはじめとする若年層にとって、SNSは主要な情報収集手段となっているため、検索エンジンのSEOを強化するよりも効果的な場合もあります。
口コミによる信頼度の向上
SNSでの活発な活動は、ユーザー間の口コミを促進させることができ、自社商品やサービスへの信頼度を高めることができます。特にポジティブな口コミは、潜在顧客の購買意欲を刺激する強力な要因となるため、第三者目線での評価を獲得できるという点で強みを持っています。
コストパフォーマンスの高さ
多くのSNSプラットフォームは無料で始められ、初期投資を抑えつつ効果的なマーケティング施策を展開することができるため、特にマーケティング予算が限られている中小企業にとっておすすめです。また、有料での広告出稿も可能なため、会社の状況に合わせたマーケティング活動を行うことができます。
インフルエンサーマーケティングの活用
SNSには多くのフォロワーを持つインフルエンサーが存在しているため、協力することで自社ブランドの認知度を大幅に向上させることが可能です。インフルエンサーのフォロワー属性が自社のターゲット層と合致する場合、効果的な新規顧客の獲得に繋げることが可能となります。
ブランドロイヤルティの向上
SNSを通じて顧客と直接対話することで、リアルタイムでフィードバックを得られるため、顧客ニーズをより深く理解し、製品やサービスの改善に活かすことができます。また、効果的にSNSを運用することによって、フォロワーとの関係を強化し、ブランドロイヤルティを高めることができます。
検索チャネルの移り変わり
インターネットの普及に対応した現代の消費者行動モデル「AISAS(アイサス)」では、認知・興味・検索・購入・共有の5つのプロセスを経ます。そのなかの「検索」は、かつてはGoogleなどの検索エンジンの利用が主流でしたが、SNSへ移り変わりつつあります。
また、2022年にSaaSレビュー比較プラットフォーム「Capterra」が実施した調査によると、オンライン消費者の47%が毎日SNS上で企業・ブランドを検索するというデータもあるため、企業や店舗はSNS集客に注力することで、SNSを通じて情報収集する多くのユーザーにリーチすることができます。
SNS集客のデメリット
SNS集客は効果的なマーケティング手法ですが、いくつかのデメリットも存在します。以下では3つの主なデメリットについて詳しく解説します。
- SNSを運用するのに手間がかかる
- 成果が出るまでに時間がかかる
- 炎上のリスクが常にある
1. SNSを運用するのに手間がかかる
SNSにて集客を行うためには継続的な運用コストが発生します。効果的な運用には以下のような作業が求められます。
- 定期的なコンテンツ作成と投稿
- フォロワーとの対話やコメントへの返信
- トレンドの把握と適切な対応
- データ分析と戦略の調整
このような作業は日々の努力が必要で、特に中小企業や個人事業主にとっては大きな負担となる可能性があります。SNSの運用には平均して1日45分程度の時間が必要と言われており、効果的な運用にはさらに多くの時間が必要となることもあります。SNSを運用する場合には、片手間で行うのではなく、十分なリソースを確保した上で始めることをおすすめします。
また、このような日々の面倒なSNS運用を外部の会社に外注することもおすすめです。以下の記事では、おすすめのSNS運用代行会社をまとめていますので、参考にしてみてください。
2. 成果が出るまでに時間がかかる
SNS集客は即効性のある手法ではありません。フォロワーを獲得し、エンゲージメントを高めるには長期的な取り組みが必要です。
- 十分なフォロワー数の獲得には通常3~6ヶ月程度かかる
- 本格的な成果が現れるまでには半年から1年程度の期間が必要
- 継続的な投稿と戦略の調整が常に必要
「SEOとは違い、すぐに結果が出るだろう」と考えてSNSを始める企業や店舗は多いですが、「バズる」ことを期待して短期的な成果を求めるのは現実的ではありません。「バズる」ためには緻密な戦略が必要となるため、結局、地道な努力の積み重ねが必要となります。
3. 炎上のリスクが常にある
SNSはどんな情報でも簡単に投稿することができ、簡単に拡散することができる便利なツールですが、それには常に炎上のリスクがあるという事も忘れては行けません。
- 不適切な投稿や誤った情報が瞬時に拡散する可能性がある
- 一度炎上すると、その影響は長期間続く可能性がある
- ブランドイメージに深刻なダメージを与える恐れがある
投稿内容は慎重に検討し、複数の目でチェックする体制を整えることが重要です。また、炎上時の対応策をあらかじめ準備しておくことも必要です。
このような炎上リスクを軽減する方法として「風評被害対策サービス」を利用することをおすすめします。以下の記事では、おすすめの風評被害対策サービスを紹介しているので、参考にしてみてください。
SNSを活用した集客方法5つ
SNSを活用した集客方法は以下5つが挙げられます。
- SNSアカウント運用
- SNS広告運用
- SNSキャンペーンの実施
- インフルエンサーの起用
- UGC創出の促進
SNSアカウント運用
SNSアカウントの運用は、SNS集客における基本的な方法です。自社公式アカウントを各SNSに作成し、情報発信やユーザーとのコミュニケーションなどの場として活用します。インターネット上の公式ホームページのように、SNS上における企業の顔としての役割を持ちます。
たとえば、新商品・サービスの情報を定期的に発信することで、ユーザーの興味を引き認知度を高めることが可能です。フォロワーがシェアやリポストなどをすることで、より多くのユーザーに情報が拡散され、新規顧客獲得にもつながります。また、コメント欄でユーザーとコミュニケーションを図ることで、エンゲージメント向上にも役立つでしょう。
SNS広告運用
SNS広告とは、SNSに実装されている広告配信機能を活用して、各プラットフォームに広告を出稿する方法です。ターゲティングによってはSNSを利用する多くのユーザーの目に触れるため、短期間での認知向上や集客などが可能です。
また、ユーザーの性別・年齢・居住地などのユーザー属性に加え、SNS上の行動に基づいたターゲティングも可能です。ターゲットや関心の高いユーザーにアプローチできるため、コスト面でも無駄なく広告を運用できます。加えて、多様な広告フォーマットがあり、テキスト・画像・動画などのクリエイティブを活用できるため、自社商材の魅力を伝えやすいのも特徴です。
以下記事では、SNS広告についてさらに詳しく解説しています。自社に適したSNS広告が選べる内容のため、SNS広告出稿を検討中の方はぜひあわせてご覧ください。
SNSキャンペーンの実施
SNSキャンペーンは、SNS上でユーザー参加型のキャンペーンを実施して集客を図る方法です。たとえば「フォロー&いいねで〇〇をプレゼント」のように、ユーザーに自社アカウントをフォローしてもらい、特定の投稿にいいねしてもらうキャンペーンなどがあり、フォロワー増加や認知度向上などを目的に実施されます。
株式会社ネオマーケティングが実施した調査によると、X(旧Twitter)においてユーザーが企業・商品アカウントをフォローしたきっかけの44%は「キャンペーンに参加するため」でした。また、キャンペーン終了後も「フォローを解除しない」と答えたのは66.1%にのぼり、キャンペーンにより新たに獲得したフォロワーの半分以上は、終了後もキープできる可能性が高いことを示しています。
インフルエンサーの起用
SNS上で高い影響力を持つインフルエンサーに自社商品・サービスなどをPRしてもらい、認知拡大や購買につなげる方法です。インフルエンサーは特定ジャンルに特化した情報発信を行っているケースが多いため、自社のターゲット層をフォロワーとして抱えるインフルエンサーに依頼することで高い集客効果が見込めます。
また、消費者目線での感想も伝えてもらえるため説得力があり、ユーザーからの共感を得られます。SNSの拡散性の高さから、インフルエンサーの投稿から二次拡散が狙えるのも特徴です。
以下記事では、インフルエンサーを活用したマーケティングについてさらに詳しく解説しています。自社に適したインフルエンサーマーケティング会社が選べる内容のため、インフルエンサーの過活用を検討中の方はぜひあわせてご覧ください。
UGC創出の促進
UGC(User Generated Content)は、企業ではなく一般ユーザー・消費者によって作られるコンテンツです。UGCはユーザーが主体的に発信するため、商品購入時の参考にされるなど消費者からの信頼が厚いのが特徴です。また、各ユーザーの視点で商品を紹介してもらえるため、企業側が気付かなかった魅力も多角的に伝えられます。
UGCは、キャンペーンを実施して短期間で創出できるものの「施策を打たないとUGCが創出されない」「自然発生でないためUGCの質が低い」といったデメリットもあります。そのため、ブランド力・商品力を上げながら自社アカウントで良質なフォロワーを抱え、シェアされやすい環境を作ることが重要となります。
SNS集客に活用されている6大プラットフォーム
SNS集客に活用されているのは、おもに「Facebook」「instagram」「X(旧Twitter)」「LINE」「TikTok」「YouTube」の6つのプラットフォームです。それぞれリーチできるユーザー層や特徴などが異なるため、自社の商品・サービスに合わせてSNS戦略を構築することで、効果的な集客につなげることが可能です。


Facebookは、ビジネス向けSNSとして高い評価を得ています。年齢や興味関心に基づく精密なターゲティング広告が可能で、企業のマーケティング戦略において非常に効果的なツールとして広く活用されています。また、幅広い年齢層にリーチできる点も大きな特徴です。
Instagramは、ビジュアルコンテンツに特化したSNSプラットフォームであり、写真や短い動画を通じて製品やサービスを魅力的に紹介できます。特に若い世代に人気が高く、インフルエンサーマーケティングにも最適なツールとして活用されています。ショッピング機能により、直接的な販売促進も可能です。
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)は、リアルタイムの情報拡散に優れたプラットフォームです。短文での情報発信や、迅速なコミュニケーションが特徴的で、企業のブランディングや顧客との直接的な対話に適しています。トレンドの発信や、即時性を重視するマーケティング戦略に最適です。
LINE
LINEは、日本独自のコミュニケーションプラットフォームとして、個人間のメッセージング機能に加え、企業の公式アカウントによるマーケティング活動が活発です。開封率が高く、ダイレクトなアプローチが可能な点が大きな特徴です。
TikTok
TikTokは、短い動画コンテンツに特化したSNSで、特に若い世代に爆発的な人気を誇っています。クリエイティブで斬新なコンテンツが瞬く間に拡散される特性があり、企業のブランド認知向上に非常に効果的です。
YouTube
YouTubeは、動画共有プラットフォームの代表格として、長尺の教育的コンテンツやエンターテイメント動画の配信に最適です。企業は製品紹介、企業文化の発信、顧客サポートなど、多様な目的で活用できます。
SNSの選び方
集客で活用するSNSは、以下のニーズに応じて選びましょう。
- 集客・販売促進に役立てたい
- 顧客とのコミュニケーションを図りたい
- 拡散力を活かして話題作りに役立てたい
集客・販売促進にはFacebook・Instagramがおすすめ
集客や販売促進を目的とするなら、FacebookとInstagramの活用がおすすめです。Facebookでは、イベントページを作成してセミナーや展示会の告知・集客ができるほか、Facebookショップ機能で自社ECサイトへの誘導も可能です。
また、Instagramは「ショッピング機能」などを活用することで、商品発見から購買までの消費行動をSNS上で完結できます。写真・動画などを活用して視覚的に訴求できるため、特にコスメやアパレル、食品などの商材の販売促進に向いています。
顧客とのコミュニケーションはLINEがおすすめ
顧客との双方向のコミュニケーションを重視するなら、LINEの活用がおすすめです。法人向けのLINE公式アカウントでは、チャット機能を活用した顧客からの質問対応や予約受付などが可能です。プッシュ通知によってメールよりも高い開封率を実現でき、リアルタイムな情報提供ができます。
また、ユーザー属性や行動履歴に応じたセグメント配信にも対応しており、1人ひとりに最適化されたメッセージを届けられるため、顧客との関係性構築に効果的です。LINEの活用により、きめ細やかな顧客対応とエンゲージメント向上を両立できるでしょう。
話題作りにはX(旧Twitter)・TikTokがおすすめ
新商品やキャンペーンなどの話題を広めたい場合、X(旧Twitter)やTikTokの活用がおすすめです。Xは、リポストやハッシュタグ機能などの情報拡散に役立つ機能があります。たとえば、時事ネタと絡めたコンテンツをハッシュタグ付きで投稿することで、ユーザー間での2次拡散を狙うことも可能です。
またTikTokは、コンテンツ単位での拡散が狙えるアルゴリズムのため、フォロワー数が少なくても話題になる可能性があります。たとえば、流行の音楽や話題のチャレンジに参加したユニークな動画を投稿することで、若い世代の注目を集められます。
Xは短文テキスト・画像などが中心な一方で、TikTokは縦型ショート動画がメインです。また、TikTokの方がエンターテイメント性も求められるため、自社の企画力や集客の方向性なども考慮して、活用するSNSを選ぶとよいでしょう。
SNS集客のやり方8ステップ
ここからは、SNS集客のやり方を以下の8ステップで紹介します。
- 目的を明確にする
- .ターゲット・コンセプトを決める
- 活用するSNSを選定する
- ベンチマークアカウントを設定する
- アカウントを作成する
- 運用体制・スケジュールを決める
- コンテンツを作成・投稿する
- 効果測定・改善を行う
1. 目的を明確にする
SNS集客の目的によってアカウント設計やコンテンツ内容が異なるため、自社の目的を明確にしましょう。企業がSNS集客で掲げる目的には、以下のようなものがあります。
- 新規顧客の獲得
- 商品・サービスの販売促進
- ブランディング
- 認知拡大
- 既存顧客のリピーター化
2. ターゲット・コンセプトを決める
SNS集客における目的を決めたら、次はターゲット・コンセプトを決めましょう。
ターゲットは、年齢・性別・居住地・職業・悩みなどの項目で明確にしましょう。たとえば自然派コスメの販売促進を目的とする場合、以下のようにターゲットを明確にしましょう。
- 年齢:22歳~29歳
- 性別:女性
- 居住地:東京都
- 職業:会社員
- 悩み:敏感肌や肌トラブルで悩んでいる
すでに販売している商品の場合、既存顧客を参考にしてターゲットを設定する方法もあります。
また、コンセプトは「ターゲットにどのような情報を届けるのか」「ターゲットに最終的にどのようになってほしいのか」といった視点で決めましょう。
たとえば、上記で設定したターゲットの場合、肌トラブルに悩む20代の女性向けに「肌トラブルのリスクを減らしつつ、化粧を楽しめる情報を知ることができる」というようにコンセプトを決めます。
ターゲットやコンセプトが明確になれば一貫性のある情報を発信でき、ユーザーの興味も惹きつけられるでしょう。
3. 活用するSNSを選定する
ターゲット・コンセプトを明確にしたら、売り出したい商品・サービスなども考慮して、活用するSNSを選定しましょう。
たとえば、コスメ商材の場合、写真・動画で色や質感、使用方法などを効果的に訴求できるInstagramが適しています。利用ユーザーも20代の女性ユーザーが多いため、ターゲット層にも効率的にアプローチできるでしょう。
一方でFacebookは、30代~40代の男性ユーザーがビジネス目的で利用している傾向があるため、コスメ商材の集客に活用するには、そもそもターゲット層にリーチできない可能性が高いです。加えて、写真・動画よりもテキストが中心で視覚的に訴求するには限界があるため、コスメ商材の販促にFacebookは不向きです。
このように、SNS集客の目的や商材によって向き・不向きがあります。自社商材のターゲットに合わせてSNSを選びましょう。
4. ベンチマークアカウントを設定する
集客で活用するSNSを選んだら、次は参考にするベンチマークアカウントを決めましょう。具体的には、選定したSNS内で自社が扱うジャンル・コンセプトで成果を上げているアカウントを10個ほどピックアップします。
ベンチマークアカウントを探す際は「自社商品に関連するハッシュタグで検索する」「競合他社のアカウントを探す」といった方法があります。
5. アカウントを作成する
ベンチマークアカウントを設定したら、次はSNSのアカウントを作成しましょう。
たとえばInstagramの場合、一般ユーザー向けの「個人アカウント」や、企業向けの「ビジネスアカウント」、個人クリエイターやインフルエンサー向けの「クリエイターアカウント」などがあります。
ビジネスアカウントでは、企業の住所や電話番号などを公開できるうえ、来店予約や商品注文などの「アクションボタン」が設置できたり「ショッピング機能」を活用できたりするため、集客を目的とする場合はビジネスアカウントを開設しましょう。
X(旧Twitter)やFacebookなども複数のアカウントの種類があるため、自社の目的に合ったアカウントを作成しましょう。
6. 運用体制・スケジュールを定める
アカウントを作成したら、次はSNSアカウントの運用体制やスケジュールなどを決めましょう。
たとえばInstagramの場合、企画立案やクリエイティブ制作、投稿・更新対応、数値分析などを行うメンバーが必要です。運用の属人化を防ぐためにも、なるべく複数のメンバーで運用しましょう。
また、投稿スケジュールもあらかじめ決めておくと、計画的に運用できます。企業アカウントによって投稿頻度には差があるものの、1日1回程度の投稿が目安です。ベンチマークアカウントの分析結果なども踏まえ、スケジュールを決定しましょう。
7. コンテンツを制作・投稿する
次に、SNSに投稿するコンテンツを制作します。このとき、ステップ2.3で設定したターゲットやコンセプト、活用するSNSなどに応じて、コンテンツの企画から制作までを進めましょう。
今回は、肌トラブルに悩む20代の女性向けに「肌トラブルのリスクを減らしつつ、化粧を楽しめる情報を知ることができる」をコンセプトに情報発信するため、以下のようなコンテンツを企画・制作します。
- 肌トラブルをカバーできるメイクを使用する商品とともに紹介
- 乾燥肌・混合肌など肌タイプ別におすすめ化粧品を紹介
- 肌トラブルを防ぐために避けるべき成分を解説
コンテンツ内容が定まったら、SNSに投稿するクリエイティブを制作します。特に画像・動画には推奨サイズがあるため、制作前に確認しましょう。
たとえばInstagramの場合、フィード投稿では幅1080ピクセル・アスペクト比は1.91:1から4:5の範囲内が推奨されています。SNSの種類だけでなく投稿場所によっても推奨サイズは異なるため、確認したうえで制作しましょう。
コンテンツを制作できたら、自社アカウントへ投稿します。このとき、設定したターゲットが閲覧する可能性の高い時間帯に投稿すると、より効果的です。
8. 効果測定・改善を行う
コンテンツを投稿できたら、コンテンツがもたらす効果を測定し、改善につなげていきましょう。たとえば、ユーザーから多くブックマークされたコンテンツは、有益な情報だと感じてもらえたと判断できます。自社アカウントにおける勝ちパターンを把握し、今後のコンテンツ作りに役立てると効果的です。
以下の記事では、Instagramにおける集客の始め方をさらに詳しく解説しています。Instagramでの集客を検討されている方は、ぜひあわせてご覧ください。
SNS集客の成功事例
ここからは、SNS集客における成功事例3つを紹介します。
- X(旧Twitter)の成功事例:ローソン
- Instagramの成功事例:bloomee
- LINEの成功事例:アサヒビール
ローソン(X)

大手コンビニエンスストアチェーン「ローソン」は、X(旧Twitter)を活用した集客の成功事例です。コンセプトとして「あきこちゃん」という親しみやすいキャラクターを通じて、商品情報やキャンペーン情報などを発信し、顧客とのエンゲージメント向上に役立てています。
2~3年の間で200万~300万フォロワーの獲得に成功しており、スイーツをフックにしたキャンペーンとアニメ・アイドルなどとコラボしたキャンペーンの実施が要因となっています。特にアイドル・アニメファンは情報収集にXを活用することから、これらのファン層へのリーチを重視して多くのフォロワーを獲得しており、2025年1月時点で874万人ものユーザーにフォローされています。
bloomee(Instagram)

花のサブスクリプションサービス「bloomee」は、Instagramを活用した集客の成功事例です。2016年からSNS運用を開始し、2025年1月時点でフォロワー数を11.8万人まで伸ばしています。コンテンツ内容は、花の紹介だけでなく「秋を楽しめる飾り方」や「バラの深水法」といった花好きなユーザーにとって有益な情報も発信しています。
さらに「お花が届いたら『# ブルーミー』をつけて投稿してみてください」といった、ユーザーの投稿を促す一言も付け加えています。華やかな見た目の生花とInstagramの特徴を活かし、会員数10万世帯を突破するなど集客に成功している事例です。
アサヒビール(LINE)

大手ビールメーカー「アサヒビール」は、LINE公式アカウントを活用して「THE DRAFTERS(ドラフターズ)」のタッチポイントを集約させています。ユーザーが使い慣れたLINE上で、サービス登録から情報収集、コミュニケーション、購入後のサポートまで、一連の顧客体験をシームレスに提供することを目的として、初のブランドアカウント開設に踏み切りました。
公式アカウントを通じて、ビールサーバーの取扱動画やFAQ、クリエイターとコラボした動画、ユーザーの属性に適したコンテンツなどを配信しており、これらはユーザーの登録期間・購入回数・アンケートで取得したデータなどに基づいて配信しています。その結果、2025年1月時点で238万人もの会員を獲得しています。顧客とのエンゲージメントを高め、ブランドロイヤリティを向上させた成功事例です。
以下の記事では、さらに多くの成功事例を紹介しています。
SNS集客はもう古いといわれる3つの理由
成功事例からもわかるように、SNSを活用した集客は一定の効果が見込めます。しかし、以下のような理由から、SNS集客はもう古いという声も挙がっています。
- フォロワー数=顧客数ではないから
- SNSを活用する企業が増えて情報が埋もれがちになったから
- 広告出稿費が高騰しているから
フォロワー数=顧客数ではないから
SNSは、一般的にフォロワー数が多いほど良いといわれていますが、必ずしもフォロワーが商品を購入したりサービスを利用したりするとは限りません。フォロワー数が増えても必ず売上につながるとは限らないことから、SNS集客が古いといわれることもあります。
SNSを集客につなげるには、闇雲にフォロワー数を増やすのではなく、フォロワーの質も重視すべきです。たとえば、自社アカウントをただフォローしているだけのフォロワーを、自社のファンになってもらうために育成するといった施策を講じれば、売上向上につながる可能性もあるでしょう。
SNSを活用する企業が増えて情報が埋もれがちになったから
企業がSNSを集客に活用し始めた初期は、ユーザー数も少なくSNSを活用する企業も限られていたため、集客効果を簡単に実感できる環境でした。しかし現在は、ユーザー数が増えるとともにSNSに取り組む企業が増えたため、情報過多により単純な投稿では注目を集めにくくなっています。
より戦略的な運用が求められるようになったため、SNSを活用して集客を実現するには、SNSマーケティングの知識や各SNSプラットフォームへの理解、クオリティの高いコンテンツ制作のスキル・体制などが必要です。
ターゲット層に合わせて戦略的にアプローチし、PDCAを回しながら運用することで、ターゲットに届けたい情報届けられます。しかし、コンテンツ投稿後の効果測定や改善まで行えなければ、競合コンテンツに埋もれてしまい思うようにユーザーからの反応が得られず、集客効果を感じられない可能性もあるでしょう。
広告出稿費が高騰しているから
SNS広告の単価はオークション形式で決定します。SNS広告の人気が高まるにつれて広告枠の競争が激化しているため、それに伴ってクリック単価が高騰しているのが現状です。
また、各SNSプラットフォームは広告の品質も重視しており、低品質とみなされた広告は表示機会が減少し、結果としてCPCが高くなりやすくなります。たとえば、Facebookでは広告画像内のテキスト量が多すぎると低品質と判断され、広告パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
SNS広告を費用対効果高く運用していくには、適切なターゲティングや広告クリエイティブの最適化などが求められるため、これらに対応できない場合はSNS広告の効果を感じにくく、SNS集客は古いと感じてしまう可能性もあるでしょう。
SNS運用代行おすすめ4選と選び方
SNS集客は内製でも行える一方で、SNS集客は古いと感じる方もいるように、効果を実感するには一定の知識・ノウハウが求められます。社内にSNSマーケティングに精通した人材がいなかったりリソースが不足していたりする場合は、SNS運用のプロである運用代行会社に依頼する方法もあります。
SNS運用代行会社を利用することで「社内にノウハウがなくてもSNSでの集客が実現できる」「複数のSNSを活用した施策をワンストップで支援してもらえる」などのメリットもあります。ここからは、SNS運用代行会社を以下タイプごとに紹介します。
- 低コストで多様な業務を依頼できる
- UGC創出の企画力に強みがある
- 関連施策での総合的なマーケティング支援に強みがある
- 特定の媒体に特化している
なお、以下の記事では上記4タイプのSNS運用代行会社を紹介しています。さらに多くの代行会社を比較し、自社にマッチした依頼先を選びたい方は、ぜひあわせてご覧ください。
アルパカSNS(低コストで幅広い業務を依頼できる)

アルパカSNSは、低コストでSNS運用代行を依頼できるサービスです。月額5万円のライトプランでは、Instagramのフィード・ストーリーズ・ハイライトなどへの投稿を10日分依頼でき、投稿画像の制作まで対応してもらえます。
WEB制作やロゴ制作なども担うデザイン会社としての強みを活かし、デザイン視点・顧客視点でコンテンツを制作しています。また、自社サービスの運用実績をもとにSNSから商品購入までの導線を意識しているのも特徴。Instagram・Facebook・Xの3つのSNSにおいて、最大20日分の投稿を8万円で提供しているのも魅力です。
ホットリンク(UGCの創出でおすすめ)

株式会社ホットリンクは、UGC創出に特化したSNS運用代行会社です。独自メソッド「ULSSAS」を用い、業種・業態を問わず高い確率でUGC創出を実現。X(旧Twitter)をはじめとするSNSビッグデータとブログや口コミサイト等のデータを組み合わせた分析で、精度の高い施策を提案。「真にデータドリブンなTwitter活用」を強みとしています。
SNS戦略・戦術に精通したスペシャリストとクリエイティブ専門のクリエイターが在籍し、質の高いUGC創出を支援。大手飲食チェーンの初速販売数1.9倍増、アイウエアブランドのUGC数380%増といった実績も多数保有しています。
株式会社クロス・プロップワークス(関連施策でのマーケティング支援に強み)

株式会社クロス・プロップワークスは、1000万人超のアンケートパネルによるリサーチデータを活用した、戦略的なSNS運用代行サービスを提供しています。消費者の生の声を捉え、根拠に基づいた投稿戦略を立案。投稿への反応分析とPDCAサイクルで、効果的な投稿を実現します。
Instagram・X・TikTok・LINEといったSNSに加え、楽天・AmazonなどのECプラットフォームの運用経験も豊富です。新規アカウント開設から投稿・キャンペーン企画、分析まで包括的にサポートしてもらえる運用代行会社です。
Natee(特定の媒体に特化)

Nateeは、TikTokに特化した豊富なノウハウを持つ運用代行会社です。創業以来TikTokに注力し、ショート動画マーケティングを支援。1万人以上のクリエイターと提携し、独自開発のデータツールで最適なクリエイターをアサインします。
現役TikTokクリエイターを含むディレクターが、顧客の要望とクリエイターの魅力を両立する動画制作を実現。国内主要リテールとの連動施策、クリエイター共創ワークショップ、VTuber/ストリーマー施策など、多様なソリューションを提供している運用代行会社です。
まとめ
SNS集客はもう古いという声もある一方で、実際に商品・サービスの売り上げにつなげている成功事例も多く存在します。本記事で紹介した各SNSの特徴やSNS集客の始め方を参考に、自社がSNSを活用して集客していくべきかを検討してみましょう。
本記事が、SNSを活用した集客施策の実行に役立てれば幸いです。

b-pos編集部
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