オンライン秘書とは?メリット・費用相場・サービスの選び方を解説
オンライン秘書とは、伝統的なオフィス秘書のサービスをオンライン上で提供するものです。近年、リモートワークやテレワークが一般的になる中で、このオンライン秘書の需要も急速に増加しています。
では、オンライン秘書は具体的にどのようなサービスを提供するのでしょうか。また、そのメリットや、サービスの費用相場はどれくらいなのか。
そして、多くのサービスが登場する中で、どれが特におすすめなのでしょうか。この記事が、上記の疑問を解決し、オンライン秘書サービス利用の一助になれば幸いです。
オンライン秘書とは?
オンライン秘書とは、従来のオフィスに所属する秘書の役割をオンライン上で果たすサービスを指します。主な業務に、一般的な秘書業務は勿論、総務・経理・営業事務など専門的なサポートを受けることも可能です。
サービスを導入することで、企業はコア業務に注力することが可能となり、それ以外の雑務をオンライン秘書に代行してもらうことができます。
オンライン秘書サービスが注目されている理由
近年、リモートワークやテレワークの導入が増加したことでいくつかのメリットが企業や個人事業主にもたらされています・
例えば、総務省によると以下のような効果を企業・社会・労働者は感じているとされています。
【企業】
働き方改革、労働人口の確保、生産性の向上、地方創生【社会】
非常時の業務継続(BCP)、人材の確保・離職防止、業務変革(BPR、DX)、オフィスコスト削減、生産性の向上【労働者】
テレワークの推進|総務省
多様な働き方の実現(ex.育児、介護、治療との両立)、通勤時間の削減
これらの効果が実感されつつある世の中でオンライン秘書の需要が高まってきているということです。
オンライン秘書サービスに依頼できる業務
オンライン秘書サービスに依頼できる業務は多岐にわたります。主に「一般事務」「専門事務」に分けることができます。
一般事務
受発注書類整備 | 注文に関連する文書や資料の作成と、必要な相手への提出を行います。 |
メール対応 | 顧客やビジネスパートナーからのメールのハンドリングと、適切な返答の実施をします |
電話サービス | 取引先や顧客からの電話の対応と、その質問や要望への応答を行います。 |
配送対応 | 顧客のための商品のパッケージングとその発送のアレンジを担当します。 |
在庫最適化 | 商品や部材の数量をチェックし、必要な水準を確保して過不足がないよう調整します。 |
受発注サポート | 顧客の注文の受け入れから、供給業者への発注までの手続きを代行します。 |
データ調整・確認 | 必要なデータの入力と、データの精度を検証します。 |
アンケート管理 | アンケートの配布、収集、そしてその結果の整理を実施します。 |
名刺データサービス | 受け取った名刺の情報をシステムに記録し、名簿の作成や更新をします。 |
日程調整 | 会議や活動のスケジュールを整頓し、最適化します。 |
料金文書の作成 | 顧客に提示する料金を明記した文書を整備します。 |
専門事務
データ入力&検証 | 重要な情報をシステムに記入し、その精度を検査します。 |
顧客サポート | 顧客の疑問や要求に対し、アシスタンスを提供します。 |
データ分析 | 得られた情報を体系化、評価し、必要に応じて変換します。 |
来訪者サービス | オフィスを訪れる方々の受付と適切な案内をします。 |
イベントオペレーション | イベントの策定から実行、フォローアップまでを担当します。 |
多言語変換 | 文章や対話の内容を他の言語に翻訳します。 |
Webサイト管理 | WebやECサイトの維持、管理、運用を実施します |
法的タスク | 契約の整理や法的な指導を実施します。 |
情報調査 | 特定のテーマや情報の収集および研究を行います |
オンライン秘書サービスのメリット・注意点
オンライン秘書サービスが多くのビジネスパーソンから注目されている背景には、そのメリットが大きく関与しています。
一方で、全てのサービスにはデメリットや利用上の注意点が存在します。ここでは、オンライン秘書サービスの利点とその際の留意点について深掘りしていきます。
オンライン秘書サービスを利用するメリット
オンライン秘書サービスを利用するメリットは大きく2つあります。
- 主要業務に注力できる
- 人材採用・教育のコストがかからない
主要業務に注力できる
オンライン秘書サービスを利用する最大のメリットは、主要業務への集中が可能になる点です。ビジネスを成功させるには、主要業務への注力が一番重要なことです。
日常の細々としたタスクや管理業務を外部に委託することで、本来のビジネスやクリエイティブワークに専念する時間が増えます。
例えば、普段の商談が1日あたり3件だったのが代行サービスを利用することで5件に増えた場合、それだけでも大きなメリットと言えます。
人材採用・教育のコストがかからない
従来の秘書採用には、求人の掲載費用、面接や選考の時間、教育や研修のコストなど多くの経費と時間がかかります。
一般的に通常の採用プロセスを経ると、業務を遂行できるまでに採用から1ヶ月ほど要し、また5~50万円程度のコストもかかります。
しかし、オンライン秘書サービスを活用することで、これらのコストや時間を削減できるだけでなく、専門性の高いサービスを即時に受けられる点も大きなメリットとなっています。
オンライン秘書サービスを利用する上での注意点
オンライン秘書サービスを利用する上での注意点は大きく2つあります。
- スムーズな業務の引き継ぎを
- 事前に課題の整理を
スムーズな業務の引き継ぎを
オンライン秘書サービスの効果的な利用のためには、業務のスムーズな受け渡しが不可欠です。
折角、サービスを利用して業務の効率化を図っているのに、十分なコミュニケーションが取れていないことでより手間がかかるなどの可能性もあります。
その為、具体的な指示や情報の共有、期待する成果の明確化など、事前のコミュニケーションをしっかりと行うことが重要です。
そうすることで、誤解や不具合を最小限に抑え、狙った成果を得ることができます。
依頼前に課題の整理を
依頼を出す前に、どのような課題を解決したいのか、どの業務をアウトソースしたいのかをしっかりと整理しておくことが大切です。
おそらく、サービスを利用する人のほとんどは「業務効率をあげたい」と思って利用している人が多いでしょう。
しかし、なんとなくな理由だけでサービスを利用するのはリスクが伴います。
どの業務に時間が取られていて、その中でオンライン秘書代行に任せられる部分はどこなのか、そして結果としてどれくらいの効果を得られるのか、をしっかり精査して代行してもらうことが重要です。
オンライン秘書の料金体系・費用相場
オンライン秘書サービスを利用する際の最も気になる点の一つが、その料金です。サービスの範囲や内容に応じて料金は変動しますが、一般的な料金体系や市場相場について解説していきます。
基本的には以下のような料金体系が展開されています。
- 月額固定
- 従量課金
- チケット制
また、月額固定の場合、「月〇〇時間」というように月当たりに割り振れる業務時間によってサービス展開されています。その平均的な相場は「1時間あたり:3000円」となっています。
勿論、3000円は相場ですので、それより高いサービスもあれば安いものもあります。しかし、値段よりも「自社のニーズを満たすことができるかどうか」を重要視しましょう。
オンライン秘書サービス利用イメージ
オンライン秘書サービスの活用イメージを具体的に知ることで、ビジネスの効率化や業務改善への手助けが可能です。
例えば、営業事務・Webメディア事務を30時間分、代行してもらった際の利用イメージは以下のようになります。
営業事務の場合
資料作成 | 10時間 | 商談やプレゼンテーション用の資料作成 |
日程調整 | 2時間 | 複数の取引先や社内メンバーとの日程を調整 |
商談後整理 | 8時間 | 商談の内容をメモや報告書にまとめる作業 |
営業リスト作成 | 10時間 | リードのリスト作成やデータベースの更新 |
30時間の業務がオンライン秘書のサポートで高効率化され、営業担当者はよりコアな活動に専念できるようになります。
Webメディア事務の場合
リサーチ | 5時間 | 記事作成の前段階としてのリサーチ |
文章校閲 | 2時間 | 品質の高いコンテンツを提供するための校閲作業 |
SEO対策 | 3時間 | キーワードの選定や最適化のためのアドバイス |
画像作成 | 10時間 | 記事に合わせた画像の選定や加工 |
公開作業 | 10時間 | CMSの操作や公開前の最終チェック |
これらの業務のサポートにより、総計30時間の作業が効率的に行われ、Webメディア運営者はコンテンツのクオリティ向上や他の戦略的業務に時間を割くことができます。
オンライン秘書サービス/会社の選び方
オンライン秘書サービスを導入する際、多数のサービスや会社が存在する中で、どれを選べばよいのか悩むことは少なくありません。
その選択を的確に行うためのポイントを、以下に3つの視点から具体的にご紹介します。
- 依頼できる業務
- 臨機応変さ
- 信頼性
依頼できる業務
オンライン秘書サービスの中には、特定の業務に特化したものから、幅広い業務をサポートするものまで様々あります。まず、自社が必要とする業務内容を明確にし、それに対応できるサービスを選ぶことが重要です。
もしも、どのサービスでも自社のニーズを満たすことが可能であり、どれにすれば良いか悩む場合は「対応業務がより広いサービス」を選ぶようにしましょう。
そうすれば、もしも時間が経ってからお願いしたい業務内容が変わった際に対応業務の幅が広いサービスであれば引き受けてくれます。
臨機応変さ
ビジネスの状況やニーズは日々変わります。そんな中、オンライン秘書サービスが柔軟に対応してくれるかは大きな選定基準となります。
例えば以下の場合、どのような対応をしてくれるかなどを知っておくといいでしょう。
・該当する業務に対するサポートの具体的な体制は?
・祝祭日や年末年始にも業務対応は行えるのか?
・急な変更や緊急の要求にどのくらい速やかに対応してくれるのか?
・予期せぬ追加タスクや定義外の作業が発生した場合の料金設定は?
・過去に手がけた事務代行のプロジェクトや業界経験の幅は?
信頼性
サービスのクオリティを判断するためには、会社の信頼性や顧客のフィードバックを検証する必要があります。
公式ウェブサイトに掲載されているクライアントの感想や事例紹介、または外部の評価サイトやユーザーの口コミを参照することで、サービスの実態や対応能力の実際を把握することが可能となります。
特に、自社と同じ業界やビジネス規模の企業からのコメントやレビューは、サービスの適合性を評価する際に格段に参考になります。
下記記事で、オンライン秘書サービス11社を比較しています。
まとめ
オンライン秘書サービスは、ビジネスをスムーズに進めるための大きなサポートを提供します。利点として、コア業務への集中、採用や教育のコスト削減、効率的な業務委託が挙げられます。
しかし、その効果を最大限に引き出すためには、サービスの選び方が重要です。
業務の範囲、サービスの柔軟性、会社の実績や評判など、様々な観点から検討する必要があります。CASTER BIZ, フジ子さん, HELP YOU, I-STAFF, ビズアシなど、各サービスには独自の特色や強みがあります。
その中から、自社のニーズに合った最適なサービスを選ぶことで、ビジネスの効率化と品質向上を実現できます。
b-pos編集部
代行・外注サービスの比較サイトb-pos(ビーポス)の編集部。b-posは、BPOサービスの比較検討時に知っておきたい情報やサービスの選び方について解説するメディアです。サービスの掲載企業の方はこちらから(https://b-pos.jp/)