リスティング広告の費用相場|仕組みから予算の決め方5ステップを解説
「リスティング広告を始めたいけれど、かかる費用がわからない」
「自社がリスティング広告を出稿した場合の費用対効果が気になる」
といった疑問は、リスティング広告の導入を検討されている方に起きがちです。
リスティング広告は「1クリック〇〇円」といった換算で広告費が決まるクリック課金式です。キーワードや広告の品質によってクリック単価が変動するため、予算が組みづらいです。
本記事では「リスティング広告の料金・費用」と「予算の決め方5ステップ」を中心に解説します。
目次
リスティング広告とは
リスティング広告とは、Googleなどの検索結果画面の上部に表示される広告のことです。「広告見出し」「説明文」「リンク先のURL」の3つで構成されています。
以下の画像の「スポンサー」と記載されているサイトは、企業が費用をかけて出稿しているリスティング広告です。
なおスポンサーと記載されていないサイトは、広告ではない「オーガニック検索(自然検索)」で表示されるサイトです。
リスティング広告の仕組み
リスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでユーザーが検索したキーワードに応じて表示されます。
リスティング広告をクリックすると、指定したランディングページ(LP)・Webサイトに誘導されます。ユーザーが広告をクリックすると、広告費が発生します。
リスティング広告の料金体系・費用
リスティング広告は、クリックされた場合のみ費用が発生する「クリック課金制」です。
リスティング広告の料金が発生するまでの流れは、以下のとおりです。
リスティング広告は「〇〇 購入」「〇〇 問い合わせ」などの購買意欲が高いユーザーが検索するキーワードを設定することで、購入や契約、資料請求といったコンバージョンにつながりやすいのが特徴です。またボタン1つで配信開始・停止ができるため、柔軟に広告が運用できます。
まずは、広告主が「広告が表示されるキーワード」などを設定してリスティング広告を出稿します。次に設定したキーワードをユーザーが検索すると、オークションが発生します。オークション後にリスティング広告が表示され、この広告がクリックされると費用が発生します。
リスティング広告の料金体系であるクリック課金制は「1クリックにつき〇〇円」といった換算方法です。クリック単価はキーワードや業種、広告の品質などによって変動します。なお、クリック単価の上限は広告主が設定します。この設定金額を超えた料金が請求されることはありません。
また広告の表示前におこなわれるオークションでは、検索されたキーワードを「どの広告をどのような順位で掲載するか」を検索エンジン側が決定します。掲載順位は、入札単価と広告の品質に応じて決まる「広告ランク」によって決まります。
そのため広告を上位表示させるには、広告に費用を割くだけでなく「品質の高い広告を出稿している」といった点も重要です。
リスティング広告の予算の決め方5ステップ
リスティング広告は、クリック課金式であるうえにクリック単価が変動するため、予算が組みにくいです。そのため、以下のステップを参考にして予算を決めましょう。
- 平均クリック単価を確認する
- 自社サイトのCVRを確認する
- 1CVに必要なクリック数と費用を算出
- 自社商材の単価を考慮して費用対効果を判断する
- 予算を決める
それぞれのステップごとに解説します。
1:平均クリック単価を確認する
まずは「平均クリック単価」を確認します。SEO分析ツールである「エイチレフス」で自社が狙いたいキーワードを検索しましょう。
今回は平均クリック単価=500円とします。
2:自社サイトのCVRを確認する
次に自社サイトの現在のCVR(コンバージョン率)を確認します。今回はCVR=2.5%とします。
3:1CVに必要なクリック数と費用を算出
1CVに必要なクリック数と、クリックを得るのに必要な金額を算出します。
1CV÷2.5%(CVR)=40となるため、1CVに必要なのは40Clickとなります。今回は平均クリック単価=500円のため、500×40=20,000となります。そのため1CVにつながる40Clickには、20,000円かかる計算となります。
4:自社商材の単価を考慮して費用対効果を判断する
自社商材の単価を考慮し、費用対効果がよいのかを判断しましょう。BtoBにおいては、受注率も考慮する必要があります。
1受注で40万円の商材かつ受注率が25%の場合、1受注するには4CV→160Clickが必要のため、1受注に必要な費用は80,000円となります。広告費用を8万円かけることで、40万円売上が出ます。「40万円(売上)- 8万円(広告費)= 32万円」となるため、利益は32万円となります。
ROI(費用対効果)は「32(利益)÷8(広告費)×100=400%」となります。
5:予算を決める
ステップ4で算出したROIをもとに予算を決めます。リスティング広告で100万円の売上を作りたい 場合、 20万円が必要となるためこれが予算となります。
目標から逆算して「作りたい売上」と「売上に対してかかる費用」を考慮して、予算を決定しましょう。
自社で運用する場合と代理店に依頼する場合の違い
リスティング広告は「自社で運用する場合」と「代理店に依頼する場合」とで、それぞれメリット・デメリットがあります。
自社と代理店のメリットの違い
リスティング広告を自社で運用する場合、リスティング広告をはじめとしたWebマーケティングに関する知識・ノウハウを蓄積できる点がメリットです。「自社製品の購買層の傾向」や「効果的な売り出し方」などのデータも蓄積できるため、これらのデータをマーケティング施策に活かすことができます。
一方代理店は、リスティング広告の運用を数多くおこなっているため、専門性が高いです。これまでの経験で蓄積した知識・ノウハウをもとに運用するため、短期間で成果が出やすい傾向があります。また社内に広告運用の担当者を置く必要がなくなるため、自社のおけるコア業務に注力できるのも大きなメリットです。
自社と代理店のデメリットの違い
リスティング広告を自社で運用する場合、担当者の採用・教育に時間がかかります。自社に広告を運用するノウハウがなければ「運用方法」や「戦略の立案方法」といった情報収集から始める必要があるため、広告の成果が出るまで時間がかかるのもデメリットです。
一方代理店に依頼する場合、社内にリスティング広告の運用に関する知識・ノウハウが溜まりにくい点がデメリットです。また外部に依頼するため「広告の結果をもとに内容を改善する」といった対応は、自社運用と比べると遅い可能性があります。
リスティング広告運用代行の代理店のなかには「自社運用を目指す企業向けに担当者の育成サポートをおこなっている」といった代理店もあります。また「運用担当者と直接やり取りできる」「毎日運用状況を共有してもらえる」といったケースもあります。
そのため「将来的に広告運用を内製化したい」「こまめにコミュニケーションを取りたい」といった希望に応じて代理店を選ぶことで、自社に最適なサービスが受けられます。
リスティング広告を代理店に依頼する場合にかかる費用
代理店にリスティング広告の運用を依頼する場合「広告費+運用代行費(20%)」がかかります。
広告費はGoogleなどの媒体に支払う費用であり、自社で運用する場合もかかります。運用代行費用は、代理店に支払う費用で「広告費の〇〇%」といった割合で料金が決定します。
ほとんどの代理店は、広告費の20%を運用代行費用として設定しています。たとえば広告費が50万円の場合、運用代行費は「50×0.2=10万円」となります。このため、代理店にトータルで支払うのは「50万円(広告費)+10万円(運用代行費)= 60万円」です。
広告費が大きくなるほど、代理店から受けられる支援内容も充実していきます。たとえば「ツールによる分析」や「競合他社の広告の監視」など、代理店によってさまざまなサービスがあるため、リスティング広告の効果をさらに高められます。
「リスティング広告での集客を重視したい」といった場合は、ある程度の予算を確保することで効果の最大化につながります。
まとめ
リスティング広告の予算は、自社が狙いたいキーワードの「平均クリック単価」や「自社サイトのCVR」などをもとに、費用対効果を測ることができます。目標から逆算して予算を決めることで、リスティング広告を運用する目的の達成に近づきます。
本記事でご紹介した費用対効果の測り方を参考にし、リスティング広告にかかる費用とその効果を確認してみましょう。
b-pos編集部
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