SEOのキーワード選定手順5ステップ。具体例やコツもご紹介。

キーワード選定は、検索する単語の中から、アプローチするキーワードを決めることです。

検索エンジンでは、ユーザーが検索したキーワードに応じた情報が返ってきます。逆算して考えれば、キーワードからユーザーの課題を推測できるということです。

この課題(キーワード)に対して、どのコンテンツ(記事)を提供するか?を決めるために大切なのが、キーワード選定になります。

今回は、以下についてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

  • キーワード選定が大切な理由
  • キーワードから推測するマネタイズ例
  • キーワード選定の5ステップ

SEOでキーワード選定が大切な理由

結論からいうと「無駄な努力を減らすため」です。SEO対策において、順位を上げることは手段であり、目的ではありません。

主たる目的は、商品やサービスの購入、お問い合わせ、資料請求等のコンバージョンにつなげることです。こちらを達成するために最も大切なのがキーワード選定になります。

実際にキーワードを正しく選定できていなければ、以下の事態が生じます。

  • 検索上位をとってもアクセスが少ない
  • アクセスが流入してもCVに繋がらない
  • そもそも上位をとれない

検索上位をとってもアクセスが少ない

誰も検索しないキーワードで上位をとっても、アクセスには繋がりません。このキーワードにどれほどの需要があるのか?を事前に知っていなければ、結果に繋がることはありません。

キーワード選定時には各キーワードがどれくらい検索されているか?をツールを使って算出します。このデータを参考に対策キーワードの優先度や方針を決めます。

リターンを得られるキーワードかどうかを調査し、根拠を持って記事を書き始めるようにしましょう。

アクセスが流入してもCVに繋がらない

コンバージョンから遠いキーワードばかりで記事を書いてしまった場合、アクセスが増えたとしても自社への利益にはなかなか繋がりません。

たくさん検索されているから!有名なキーワードだから!等の安易な理由だけで、記事を書いてしまうとせっかく上位をとれても得られるのがアクセスだけになってしまいます。

アクセス数があれば、すぐに軌道修正ができそうと考えられますが、攻めている領域が大きくズレていた場合は再設計に非常に時間がかかります。二度手間にならないために、キーワード選定時に自社のコンバージョンに繋がる可能性があるかを調査する必要があります。

そもそも上位をとれない

メディア立ち上げ初期にも関わらず、難易度の高いキーワードばかり記事を書いても上位を取れることはありません。

利益に繋がりやすいキーワードほど上位をとる難易度は高くなるため、メディアが成長した状態でなければ、全く検索結果に出てこないんですよね。

そのため、狙うキーワードはメディアの成長段階によって変える必要があり、その優先度をキーワード選定時に決める必要があります。

SEOキーワードにおけるマネタイズ例をご紹介

どのようなキーワードが、どんな商品・サービスの購入に繋がるか想像しにくいですよね?

キーワード選定を始める前に、既存のキーワードからどのような悩みを抽出し、どのような提案を行っているか事例を見ていきましょう。

今回調査したキーワードは以下になります。

キーワードダイエット 食事 コンビニ
推測できる検索意図コンビニで販売しているヘルシーな食品を知りたい

この検索結果からどんなサービスをCVポイントとして設置しているのかを調査しました。特に多かった3つを順番にご紹介します。

どれも「悩み」と「提案」をセットにしています。各事業者がユーザーからどのような課題を想定して、どのような解決方法を提案しているのかを読み取っていただければ幸いです。

どれも記事の内容から推測したものになります。

弁当の宅配サービス

コンビニのご飯ではなく「弁当の宅配サービスを使うのはいかが?」という提案になります。

キーワードから直接的に読み取れるニーズは、手軽に食べれる低カロリーなコンビニ飯ないかな?と考えられます。これに対して、どのようなアプローチをしているかみていきましょう。

悩みヘルシーなコンビニ飯もいいけど、
頻繁に食べていると以下が気になるよね?
・食費が割高になる
・身体の健康が心配
・頻繁に利用すると飽きる
提案うちの弁当ならコンビニ飯よりも、
以下の点で優れてます、どうでっか
・アプリで注文して自宅に届く弁当
・栄養バランスに配慮(低カロリー)
・数多くのメニューから選べる

コンビニ飯を食べるデメリットに対して、言及していますね。

確かに記事を読んだ感じでは、弁当がコンビニ飯の上位互換のように感じました。顕在的な欲求をストレートに満たしているため、検索結果の中でこのサービスを紹介している記事は多かったです。

トレーニングジム

そもそも痩せたいなら「トレーニングシムに通おう!」という提案です。

ヘルシーな食事を探しているなら「痩せたい」という潜在的な欲求を持っている可能性が高いですよね。さらに、痩せたいなら必然的に「ジムに通いたい(過去に挫折したがまた通いたい)」という欲求を持つと推測できます。

この欲求を前提として、トレーニングジムは以下の悩みを推測し、それに対するアプローチを行っていました。

悩みジムに通いたい(挫折経験アリ)
・継続して通えない
・自分に合ったトレーニングか不安
・パーソナルは高すぎる
提案初心者でも安心、続けやすさをアピール
・月額安めのパーソナルジム
・営業時間が長く駅チカで通いやすい
・個室でトレーナーがマンツーマン指導

ジムに通うハードルが下がる利点をアピールし「無料カウンセリング」や「入会金の割引」等でさらなる行動喚起を促していました。こちらは潜在的な欲求に対してアプローチしているタイプになります。

ダイエットサプリ

ダイエットが続かないなら「サプリメントを利用してはいかが?」という提案です。

先程の例で述べた潜在的な欲求に「痩せたい」がありました。ここからさらに深ぼると「ダイエットに何度も失敗し、半ば諦めかけているが、痩せたい」層が存在していると推測できます。

これらの悩みに対してアプローチしていたのがダイエットサプリでした。どのような提案をしているのか見ていきましょう。

悩みダイエットに挑戦するが、痩せれない
・昔より体重が落ちにくい
・トレーニングが続かない
・食べるのを止められない
提案失敗するのは自身の体質を知らないから
自分を知り、適切なサプリを飲めば痩せられる
・医学的なアプローチで安心
・食事制限や運動も必要なし
・スマホで簡潔するので簡単

提案内容から、ダイエット経験済みのユーザーに限定しているようです。以上から1つの悩みであっても、様々な面で捉え、ユーザーの課題解決に結びつけていることが分かります。

キーワードを選定する5つの手順(ツール付き)

それでは実際にキーワード選定を行う手順を5つのステップで解説します。今回は、無料ツールだけを使って実践できる基礎的な内容にしてますので、ぜひ参考にしてください。

  1. 軸キーワードを洗い出す
  2. キーワードを膨らませる
  3. キーワードの検索ボリュームを確認
  4. 検索ボリュームの多いものを分解
  5. キーワードの優先度を決める

SEO未経験者が無料ツールだけを使ってキーワード選定を行うのは非常に難しいです。
今回ご紹介している方法は基礎的なものですので、一度SEO経験者にご相談することをおすすめします。

1. 軸キーワードを洗い出す

まずは、サイトの軸となるキーワードを洗い出しましょう。こちらは、自社と関連性の高い単一語を選ぶようにしましょう。

例えば、「プレゼン資料の制作会社」であれば、以下のようなキーワードがその候補にあたります。

  • 資料作成代行
  • プレゼン資料
  • パワーポイント 等

あくまで一例ですが、感覚でいいので一旦関連性の高いものを集めましょう。他にこの軸キーワードを集める方法には以下がありますので、参考にしてください。

自社ユーザー顧客へのヒアリング(ユーザーの声)
自社サイトのデータGoogle Analytics, Search Console, リスティング広告等のデータ
競合データ競合サイトの記事やタイトルタグ等の確認(有料SEOツールによる解析が望ましい)

2. キーワードを膨らませる

次は、軸キーワードを元に、関連性の高いキーワード候補を洗い出していきます。例えば「資料作成代行」であれば、以下のように「軸キーワード + ◯」の形で表示されます。

  • 資料作成代行 相場
  • 資料作成代行 個人
  • 資料作成代行 副業
  • 資料作成代行 バイト 等

これらは軸キーワードと関連性が高いもので、ユーザーが検索するキーワードの中から抜け漏れを防ぐためにとにかく数を出していきます。

これらの候補は以下の無料ツールを利用して抽出できますので、スプレッドシート等にリストアップしていきましょう。

サジェストキーワード検索エンジンの検索窓に入力した際に表示される候補
ラッコキーワードで取得可
再検索キーワード検索キーワードに続いて入力する頻度の高いキーワード
LSI調査ツールで取得可(Twitterでパス取得する必要アリ)
共起語検索キーワードとセットでコンテンツ内でよく使われる単語
こちらもラッコキーワードで取得可

3. キーワードの検索ボリュームを確認

リストアップしたキーワードが1ヶ月にどれくらい検索しているか?を調べます。これは月間検索ボリュームと呼ばれ、検索される需要の高さを知ることができます。

例えば、資料作成代行の関連キーワードの月間平均ボリュームを出すと、以下のような形になります。

資料作成代行100~1000
資料作成代行 相場100~1000
資料作成代行 個人10~100
資料作成代行 副業10~100

上記はGoogleの無料ツールのキーワードプランナーを利用して出したものになります。ここで各キーワードがどのボリュームゾーンに属しているか知りましょう。

ここでボリュームが「0〜10」のものに関してはアクセスがほぼ見込めないので、リストから削除しましょう。

具体的なボリュームを知るならahrefsやSemrushのような有料SEOツールを利用することをおすすめします。

4. 検索ボリュームの多いものを分解

ボリュームを出すと、一部「1000〜」のキーワードが出てくると思います。このように検索ボリュームの多いキーワードが出た際には、再度関連キーワードを洗い出してください。

以下がボリュームの多いキーワード候補が出てきたときの例です。

  1. 「資料作成」の複合キーワードとボリュームを調べた
  2. 「資料作成 コツ」のボリュームが「1000~1万」だった
  3. 「資料作成 コツ」をラッコキーワード等に入れ、再度候補を集める
  4. 出てきた候補のボリュームを調べる

この繰り返しを行い、各キーワードを細分化し、ボリュームを分散させてください。

5. キーワードの優先度を決める

これで、リストアップしたキーワードは、以下3つのボリュームに分けることができます。

ボリューム特徴対応
10〜100上位を取りやすいがアクセス少ない書かない
100〜1000上位を取る難易度は競合次第優先的に書く
1000〜上位を取る難易度が高いメディアが育ったら

「10〜100」はリターンが小さすぎる、「1000〜」は難易度が高すぎるので、最初はこの「100〜1000」に絞って書くのがよいでしょう。

SEOキーワードを選ぶときの注意点

今回ご紹介した手順で書くキーワードをある程度洗い出すことができたと思います。

ここから記事を書いていく中で注意したい点を以下にまとめましたので、参考にしてください。

  • 1ページ1KW(重複を避ける)
  • ロングテールキーワードを狙う
  • YMYLキーワードは除外する

1ページ1キーワードを心がける

1つの記事を書くときには、対策するキーワードを必ず1つに絞ってください。大きな理由としては、コンテンツの内容が検索意図とブレるのを防ぐためです。

複数のキーワードに対して、記事を書いてしまうと、あれもこれもと、ユーザーにとって不要な情報を記載することになり、キーワードとの関連性を下げる要因になります。

また、様々な情報を書くことで、コンテンツの重複を招くことにもなりかねません。何について書かれた記事なのか?を意識して、1記事で伝えることは1つだけにしましょう。

ロングテールキーワードを狙う

ロングテールキーワードは、複数のキーワードで構成された検索ボリュームが少ないキーワードです。以下のように3〜4単語で構成されることが多いです。

例)資料作成 代行 相場

ロングテールキーワードを優先的に狙う理由は、検索意図が明確で分かりやすく、上位表示を狙いやすいからです。SEOにおいてWebサイトの評価は各ページの集合体になります。

そのため、これらのキーワードで少しずつアクセスを集めれば、最終的にサイトの評価が上がり、より難易度の高いキーワードを狙えるようになります。

同じボリュームであれば、ロングテールキーワードを優先的に書くようにしましょう。

YMYLキーワードは除外する

YMYLは「Your Money or Your Life」の頭文字をとった略語で、簡単に説明すると、人の人生に大きな影響を与えるトピックのことを指します。これらのトピックを扱うことは避けましょう。

理由としては、YMYLに関するテーマには、非常に高い品質評価基準が設けられているため、高い権威性や専門性を持たない限り上位を取るのが難しいからです。

メディアの運営元が専門性・権威性の高い法人や公的な機関でない限り、このトピックは避けたほうがよいでそう。具体的な領域に関してはGoogleの品質評価ガイドラインをご覧ください。

品質評価基準が高いのは、情報の品質が低い場合に人を危険をさらすると可能性があるためです。過去に信憑性の低い医療情報が上位表示される事件があったことを境に厳格な評価基準が設けられました。

まとめ

キーワード選定の重要性から選定手順について解説しました。今回ご紹介した内容を以下にまとめました。

セクション要約
キーワード選定の重要性無駄な努力をしないために行う
怠ると、以下の事態が起こる
・検索上位をとってもアクセスが少ない
・アクセスが流入してもCVに繋がらない
・そもそも上位をとれない
キーワード選定の手順5つのステップ
・軸キーワードを洗い出す
・キーワードを膨らませる
・キーワードの検索ボリュームを確認
・検索ボリュームの多いものを分解
・キーワードの優先度を決める
キーワードを選ぶ際の注意点 ・1ページ1KW(重複を避ける)
・ロングテールキーワードを狙う
・YMYLキーワードは除外する

キーワード選定は、SEOの基本となる非常に重要な対策になります。当記事を参考に選定したキーワードを記事のどこに入れるかを以下の記事でご紹介してますので、ぜひご覧ください。

b-pos編集部

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