営業マニュアルを作成する5つの手順|メリットやマニュアルに含む内容について徹底解説!

「営業を効率化したい」「教育時間を短縮したい」このような悩みがある企業は、少なくないでしょう。

これらの課題を改善するためにおすすめしたい施策として、営業マニュアルの作成が挙げられます。マニュアルがあれば、営業全体の効率化やノウハウの共有などに役立ち、品質の均一化についても期待できます。

この記事では、営業マニュアルがもたらすメリットや作成手順、盛り込むべき内容までご紹介します。

営業マニュアルとは?

営業マニュアルとは、アプローチから商談、クロージングなどの手順や、基礎知識・ルールに関することを記載した資料です。マニュアルを整備することによって、新人の早期戦力化を期待できたり、担当者のレベルの平準化ができたりする効果が見込めます。

具体的には、以下の情報を盛り込みます。

  • 商材の価値
  • ターゲット像
  • 市況・競合状況
  • 商談準備の方法
  • よくある対応例

これらのことを含めて明文化することによって、効率的な人材育成につながるでしょう。

営業マニュアルを作成する5つのメリット

営業マニュアルを作成するメリットには、以下の5つが挙げられます。

  1. 業務効率化につながる
  2. 品質の安定につながる
  3. 離職率の低下につながる
  4. コスト削減につながる
  5. 属人化の予防につながる

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.業務効率化につながる

営業マニュアルを作成することで業務改善につながります。もしも、わからないことがあったとしても、マニュアルを開けば正しい手順などをすぐに確認できます。

たとえば、新人教育のことから見てみると、現状OJTで付きっきりで指導している場合、事前にマニュアルを読み込ませておくことで理解が早まるでしょう。

また、マニュアル内にFAQを充実させておくことによって、質問回数を少なくできます。教育担当の手間や時間を効率化することにもつながります。

2.品質の安定につながる

営業マニュアルを確認しながら業務に当たることで、品質の安定につながります。必要となる作業を間違いなくこなせるようになれば、作業レベルの均一化を図ることができるでしょう。

つまり、誰もが同じレベルの仕事ができるようになることから、品質の安定を見込めるようになります。営業は個人が担うことが多く、属人化しやすいものだからこそ、マニュアル化が必須です。

3.離職率の低下につながる

マニュアルが整った職場だと、社員が安心して働けます。理不尽さを感じることも少ないです。その結果、離職率を低下できるといえます。

また営業職はノルマが設定されていることが多く、勤務時間が長くなりやすい点も、定着率が低いひとつの要因です。しかし、マニュアルがあればこれまで蓄積したノウハウを元に営業活動に取り組めて営業成績の向上にもつながります。また業務時間の短縮も見込めるのがメリットです。

4.コスト削減につながる

営業マニュアルがあれば、営業全体の効率化を望めるため、人件費削減が期待できます。営業の実務において、取るべき行動に迷ったときでも、マニュアルをチェックすれば解決策が見つかるため、悩む時間も軽減されるといえます。

また、新人教育の時間を削減できます。上司や先輩社員がつきっきりで指導する必要がなくなります。基本業務はマニュアルを読みながら進めてもらい、わからない部分についてのみ相談しながら進行するような手段がとれるようになるのがメリットです。

このように従来かかっていた時間を減らせることから、コスト削減が見込めるでしょう。

5.属人化の予防につながる

営業マニュアルがあれば、属人化の防止にもつながります。業務内容やスキル、経験などが共有しにくいため、教育や顧客の引き継ぎが困難な場合も想定できるでしょう。

しかし、マニュアルにすべきことが記載されているため、誰が見ても同じ作業内容を再現できます。このことから、急な退職や異動に備えることができるようになり、知識の継承を行いやすくする効果が期待できるでしょう。

営業マニュアル5つの作成手順

営業マニュアル作成の手順は、以下の5つが挙げられます。

  1. 目的の明確化
  2. 対象者の選定
  3. 内容の決定及び作成
  4. 一定期間の運用
  5. 効果測定

ここでは各手順ごとに解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.目的の明確化

営業マニュアルは、ただ漠然と作業内容を記すだけでは役立ちません。必ず最初に目的を明確化してください。マニュアルを作成する目的の例を挙げると、以下のようなものが挙げられます。

  • 育成期間の短縮
  • 業務効率化

目的を明確にすることによって、自ずと記載すべき内容が決まります。育成期間の短縮が目的であれば、「新入社員向けマニュアル」になります。業務効率化が目的なら「工数がかかりがちなタスクを重点的に記載したマニュアル」になります。

目的ごとに記載すべき内容が大きく変わるため、必ず目的を定めてからマニュアル作成に取りかかるようにしてください。

2.対象者の選定

マニュアルを読む対象者についても明確にしましょう。新入社員と中堅社員では、前提となる知識や経験に違いがあるため、同じ内容が書かれていたとしても理解度には大きな差が生まれてしまいます。

そのため、対象者に合わせて、マニュアルの内容を調整することが求められます。この際「誰にあてたマニュアルなのか」について明確にし、レベルに応じた内容を記載するようにしましょう。

3.内容の決定及び作成

目的と対象者を決めたら、盛り込む内容を決めて実際の作成へと移ります。

いきなり詳細な内容を書き込むのではなく、概要となる目次を作成したあと、対象となる読み手に確認してもらいましょう。そこで理解を得られたら、詳細な内容の執筆と整理、編集をかけたうえで運用を開始します。

作成時に意識したいことには、以下のようなポイントが挙げられます。

  • 文章はできるだけ簡潔に
  • 専門用語は避ける
  • 図やイラストも盛り込む

また、1人で作り込むよりも、社内で関連する部署や専門知識を有する人を巻き込んで作成するように心がけると、よりわかりやすいマニュアルに仕上がるでしょう。

4.一定期間の運用

マニュアルが完成したら、営業部内で運用します。このときにマニュアルを必要としている人に行き渡るように、配布する範囲についても決めておきましょう。配布方法は、ペーパーベース・オンラインでの閲覧・データ資料などがあります。

必要な人が手にしたことを確認し、一定期間運用します。もしも、不明点などがあれば意見をもらうようにし、データとして蓄積していきましょう。

5.効果測定

マニュアルは作っただけでは終わりません。実際にマニュアルを運用した効果を振り返る必要があります。この際に目的に応じたKPI(数値目標)を設定しておきましょう。主なKPIは以下です。

  • 営業部の業務時間
  • 営業部全体の総売上
  • 長期的に見た営業部の離職率
  • 新入社員の指導時間
  • 新入社員の目標達成までの時間

効果測定することによって改善点を洗い出し、内容をブラッシュアップしていきます。

最初は半年程度を目安に効果測定を行い、その後も1年に1回は改訂する機会を設けるとよいでしょう。ただし離職率のような長期的な目標を掲げる際は柔軟に期間を定める必要があります。

営業マニュアルに含むべき内容

営業マニュアルに含むべき内容は、業種や商材に応じて異なります。一般的なものとしては、以下のような内容を盛り込むとよいでしょう。

  • 身だしなみ
  • 挨拶や名刺交換
  • 商談時のマナー
  • 商談時の話法
  • 商品情報の伝達方法
  • 営業先へのアプローチ法
  • クロージングの手法
  • 顧客管理の方法

ただし先述した通り、内容はターゲットによって異なります。これらに加えて、事前に設定した目的や対象者が必要としている項目を盛り込むようにしてください。

営業マニュアルに関するよくある3つの質問

営業マニュアルに関するよくある質問には、以下の3つが挙げられます。

  • 質問1.営業マニュアルとは何ですか?
  • 質問2.営業マニュアル作成に適したツールを教えてください
  • 質問3.マニュアル作成にかける時間がない場合はどうすればよいですか?

それぞれの質問に対して回答します。

質問1.営業マニュアルとは何ですか?

営業マニュアルとは、営業活動に必要となる基礎知識や手順、ルールについて記載した資料です。期待できる主な効果は以下です。

  • 新人の営業業務の理解度が高まる・早まる
  • 営業活動のフォーマットができ、業務レベルが平準化される
  • ノウハウや知識の共有ができ、チーム全体で業務の質が高まる

マニュアルの作成には手間とコストがかかりますが、長期的に見た場合、早めに整理をしておくことが賢明です。営業活動全体の効率化につながるため、ぜひ取り組んでみてください。

質問2.営業マニュアル作成に適したツールを教えてください

営業マニュアル作成に適したツールは、以下の3つが挙げられます。

  • Word
  • Excel
  • PowerPoint

マニュアルの内容や構成に応じて使い分けてみてください。

Wordは、文章中心のマニュアル作成に適しています。ページ数や目次の追加も簡単にできるため、編集作業が簡単に進められます。また、サイズも固定されており、レイアウト崩れが起きにくいことも特徴です。

Excelは、表やリストを多用したい場合に最適です。図やグラフを作成してそのまま貼り付けることができます。また、タブを複数用意することによって、複数のページをまとめて管理することも可能です。

PowerPointは、デザインをたくさん盛り込みたい場合に適しています。1つのスライドに図や表を盛り込みやすく、動画や音声についても組み込むことが可能です。また、研修時にスライド用資料として使いやすいことも特徴といえます。

このほかにも、テンプレートサービスやクラウドサービスを使ってみるのも、マニュアル作成の手段です。

質問3.マニュアル作成にかける時間がない場合はどうすればよいですか?

マニュアル作成に時間をかけられない場合には、外部へ依頼するのも手段の一つです。主な外注先と特徴は以下の通りです。

  • マニュアル作成代行会社:企画構成から原稿作成、製本まで一貫して依頼できる
  • フリーランス:品質や料金には差がある。交渉次第で柔軟な対応を期待できる
  • クラウドソーシング:求めるスキルを持った個人とネットを通じて依頼できる

予算や求める内容に応じて、適した外注先に依頼しましょう。

まとめ

営業マニュアルについて解説しました。マニュアル作成には時間と費用がかかりますが、最適な内容のものを運用できると、営業全体の効率化が期待できます。

また、マニュアルは一度作っただけでは真価を発揮しません。定期的な効果測定と改善を続けることによって、真に使えるマニュアルを運用可能です。

ぜひ、この記事で解説したポイントを参考にして、営業マニュアルの作成に取りかかってみてください。

b-pos編集部

代行・外注サービスの比較サイトb-pos(ビーポス)の編集部。b-posは、BPOサービスの比較検討時に知っておきたい情報やサービスの選び方について解説するメディアです。サービスの掲載企業の方はこちらから(https://b-pos.jp/)