BtoB 営業とは?その特徴と具体的な営業の流れ・ポイントを解説
BtoB営業とは、企業間で営業を行う手法のことを指します。長期的な関係を築くための方法や、そもそもの特徴もBtoC営業とは大きく異なります。
本記事では、BtoB営業とBtoC営業の違いから、BtoB営業の種類、その具体的な流れ、さらにはBtoB営業パーソンに求められるスキルまで、幅広く解説します。
BtoB営業のコツを身につけ、最適な流れでのアプローチを行い、これからの営業活動にお役立てでできれば幸いです。
BtoB営業の特徴
先述のとおり、BtoB営業は多くの点でBtoC営業と異なっています。BtoB営業の特徴を理解するためには、まずはBtoC営業との違いを理解する必要があります。
BtoC営業の違い、BtoB営業の種類の紹介を基に、BtoB営業の特徴を解説していきます。
BtoB営業とBtoC営業の違い
BtoB営業は購買単価を始め、検討期間や意思決定者、購買要因など様々な点で特徴が大きく異なります。
ぞれぞれについて解説します。
購買単価
BtoC営業では購買単価は数百円〜数万円程度ですが、BtoB営業では数十万円〜数億円と金額が大きく異なります。BtoB商材は金額規模が大きく、購入者に与える影響力が大きい点が特徴です。
そのため、導入することによって課題が解決するという確証を持てないと購入してもらえない傾向にあります。購入を促すためには、金額に見合った費用対効果を納得できるように説明する必要があります。
検討期間
BtoC営業では検討から購入まで期間が短いケースが多いですが、BtoB営業の場合、金額規模が大きいため、長い場合1年以上など検討期間が長い傾向にあります。
BtoB営業では、段階を踏んで何度も顧客と打ち合わせをしたりする必要が出てきますので、長期的に関係性を構築することが重要です。
意思決定者
BtoC営業では、ほとんどのケースで購買意思決定者と利用者が同じですが、BtoB営業では購買意思決定者と利用者が異なるケースがほとんどです。
そのため、BtoB営業では、意思決定者と利用者双方にメリットがあることを訴求し、理解してもらうことが重要なポイントとなります。
購買決定要因
BtoC営業では、感情に訴えかけるような営業手法で、情緒的な理由で購買を促すことが多いですが、BtoB営業では、「本当に課題を解決できるか?」など、合理的な理由で決定するケースがほとんどです。
そのため、「たまたま売れた」ということが起きにくく、購入に見合うリターンを提供できるかどうかを合理的に説明する必要があります。
BtoB営業の種類
BtoB営業の種類には、大きく分けると2種類あります。
アウトバウンド営業
アウトバウンド営業は、テレアポなどを始めとした新規開拓営業のことを指します。まだ企業との接点がない状況で営業がアプローチをかけアポイントを取得し、受注を目指す営業手法です。
企業との接点がないので、そもそも自社のソリューションで解決できる課題を、企業側が本当に課題としているかどうかの確認から必要となります。
インバウンド営業
インバウンド営業は、Webサイトのお問い合わせからコンタクトをくれた顧客に対し商談を設定し、受注を目指す営業方法です。
顧客主体のアクションに対してアプローチをするため、比較的アポイントが取りやすいかつ、抱えている課題が明確な場合が多いため、ソリューションを訴求することができれば受注に至るケースが多いです。
BtoB営業の具体的な流れ
ここでは、アウトバウンド営業の流れについて解説いたします。インバウンド営業の場合、以下フローの「営業リスト作成」がないと考えてください。
- 営業リスト作成
- アプローチ
- 商談前準備
- 商談
- 受注後サポート
① 営業リスト作成
まずはアプローチ先の営業リストを作成します。これまでに受注した企業の特徴からリストを作成するか、自社の商材を必要としているだろうと思う企業をリストアップしていきましょう。
多くの企業にアプローチする必要があるため、以下の方法を参考に、できるだけ多くの企業をリストアップしましょう。
② アプローチ
営業リストの作成が完了したら、アプローチをしていきます。具体的には、メール送付、テレアポ、フォーム送信などを用いてアプローチします。
電話することが苦手であれば、問い合わせフォームからの営業でも問題ありません。まずは顧客から反応が返ってくることを目標とし、どうすれば商談を設定してもらえるかを考えてアプローチしましょう。
インバウンド営業の場合は、問い合わせが来てから5分以内にメールもしくは電話でアプローチをしましょう。複数社に問い合わせをしているケースが多いので、競合他社に流れてしまいます。
③ 商談前準備
アプローチが成功し、商談を設定することができれば次は商談前準備を行います。初めて話す企業になりますので、先方のこと知っておくのは重要です。具体的には、企業名やサービス名で検索し、ホームページやWebサイトを網羅的にインプットします。
網羅的にインプットすることで、抱えている課題の仮説を立てることができます。複数個の仮説を立て、それぞれに対する解決策を準備しておくことで、商談の際に臨機応変に対応することができます。
また、自社を知ってもらうことも必要なので、会社紹介資料やサービス紹介資料、営業資料などを作成しておくことも効果的です。
④ 商談
商談では、準備した課題仮説の検証を行いましょう。まずは会社、自分の紹介をし、ヒアリングを行います。このヒアリングでは、事前に想定してきた課題が合っているかの確認を行い、提供できる解決策を提示しましょう。
初回の商談で受注まで至ればベストですが、そうではないケースもあります。まずはBANT情報や課題を網羅的にヒアリングし、次回提案アポイントに繋げるといった、段階を踏んだ提案も必要です。
BANT条件とは、Budget(予算)・Authority(決定権)・Needs(必要性)・Timeframe(導入時期)の4つの頭文字を取ったものです。 商談時のヒアリング項目としてこれらの情報を確認しておくことで、「商談成立の可能性がどれくらいなのか」を把握しやすくなります。
⑤ 受注後サポート
受注後は、顧客が自社の商品を利用し続け、成果に繋げるためのサポートが必要です。せっかく購入いただいても、期待していた成果に繋げることができなければ、解約やクレームにつながってしまいます。
継続的に利用いただくために、商品を利用して、顧客を勝たせることを意識しましょう。製品の使い方をレクチャーするキックオフMTGや、定期的なフォローアップMTGを通して、徹底したサポートを行うと効果的です。
BtoB営業パーソンに必要なスキル
BtoB営業パーソンに必要なスキルは多くありますが、その中でも重要は3点を解説いたします。
- ヒアリングスキル
- 資料作成スキル
- 最後は人間性
ヒアリングスキル
BtoB営業は、引き出さないといけない情報が多くあります。引き出した情報から提案を行うため、課題に刺さる最適な提案をできるかどうかは、どれだけ網羅的にヒアリングすることができるかにかかっています。
また、ただ質問を繰り返して聞くだけではなく、顧客が本当に困っている課題を聞き出すために、別の確度から質問をしたり、自分なりの解釈を相手にぶつけることも重要です。
そのため、ヒアリングスキルはBtoB営業にとって必須のスキルと言えるでしょう。
資料作成スキル
BtoB営業では、資料を使用する場面が多いです。例えば、初回商談の際に会社紹介のための資料を使用したり、商談後に商談内容を素早くまとめて送付したりと、都度資料を作成する必要があります。
そのため、資料作成に時間がかっていたら、自分が使える時間が少なくなってしまいます。顧客に向き合う時間が減ることになり、結果として受注数が減少する可能性が高いため、資料作成スキルは営業担当にとって必要なスキルと言えるでしょう。
最後は人間性
最後に大事になるのは、人間性です。
BtoB営業はいくら会社に営業するといえど、最後に決めるのはやはり人間です。そのため、この人に任せてもいいと思ってもらえるかどうかが重要になります。信頼を勝ち取れるかどうかは、商談中の話し方や向き合い方、受注に至るまでのサポートの姿勢、コミュニケーションが大事になってきます。
ヒアリングスキルや資料作成スキルの強化も大事ですが、それ以上に「任せたい!」と思ってもらえる人間になれるよう、日々を過ごしましょう。
BtoB営業を成功させるためのポイント
最後に、BtoB営業を成功させるための3つのポイントについて解説していきます。
- ヒアリングでフレームワークを活用する
- CRMなどのデータ・情報を活用する
- 外注を活用し、顧客に向き合う
ヒアリングでフレームワークを活用する
ヒアリングを行う際、何を聞いたら分からないといった悩みはよくあると思います。その際、最低限抑えておきたいのが、BANT情報です。
BANT情報は営業の対話やプロセスにおいて、リードや潜在顧客の購買意欲や適合性を判断するためのフレームワークの1つです。
B (Budget):予算 | 顧客が製品やサービスの購入のためにどれくらいの予算を持っているか。 |
A (Authority):決裁権 | 顧客の中で購入決定を行う権限を持つ人物は誰か。 |
N (Need):ニーズ・需要 | 顧客が何を必要としており、それにどのような解決策を求めているか。 |
T (Timing):導入時期 | 顧客が製品やサービスを購入する意向を持つタイミングや、実際の購入を行う予定の時期はいつか。 |
BANT情報を収集することで、購買を進める可能性が高いかどうか、どのようにアプローチをすれば良いかの判断ができるようになります。特にBtoBの営業活動でよく利用され、購買の適切なタイミングや重要なステークホルダー、必要な予算等の情報を明確にするための有効なツールとなっています。
CRMなどのデータ・情報を活用する
CRMなどで顧客を管理している場合、管理しているデータや情報を活用して、顧客に応じたコミュニケーションや提案を行うことができます。
例えば、メールに含まれているURLを何回もクリックしていたら、その商品に興味がある可能性が高いですし、メールを毎回最後まで読んでくれているのであれば、自社に興味を持ってくれている可能性が高いです。
このようなアクションをしている顧客に対して、アポイント打診をしてみるなど、データや情報を活用することで、企業ごとに応じたアプローチをすることが可能になります。
外注を活用し、顧客に向き合う
そもそもBtoB営業では、コア業務以外に時間を取られてしまうという悩みはよくあることです。この悩みを解決するには、資料作成や営業リスト作成などのノンコア業務を外注すると効果的です。
ただただ作業を依頼するだけではなく、営業組織の課題を解決できる会社へ依頼することで、業務効率化と成果の最大化の両方を実現することができます。
以下の記事では、おすすめ資料作成代行会社の紹介をしています。
営業代行会社の紹介もしているので、外注の検討時に参考にしてみてください。
まとめ
ここまでBtoB営業について詳しく解説してきました。BtoB営業は、検討期間や購買単価などの点で、消費者向けのBtoC営業とは大きく異なるため、より専門的で戦略的なアプローチが求められます。
本記事でご紹介したスキル、成功させるためのポイントを実践し、より成果を最大化させる営業を行っていきましょう。
アウトバウンド営業のコツは以下の記事でも解説しているので参考にしてみてください。
b-pos編集部
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