受注の鍵は商談中よりも商談後?セリーズの「成果が出た施策の裏側」

この記事ではBPO事業者を対象に、サービスの立ち上げから現在に至るまでで効果があった施策や独自の取り組みについて紹介していきます。

今回の取材では、株式会社ビズリンクスが運営する「Selly-s(セリーズ)」の事業部長の冨澤さんと、マーケティング・広報の門田さんにこれまでの苦悩から現在行っている顧客獲得手法などについて伺いました。

営業オンラインアシスタントサービス「セリーズ」とは

佐藤

まず初めに、「セリーズ」のサービス内容について教えていただけますか。

ひとことで言うと「セリーズ」は月額時間制の営業オンラインアシスタントサービスです。

セリーズのサービスサイトはこちら

オンライン上で毎月固定時間の中で、営業やマーケティング、さらにはクリエイティブなどビジネスサイドの業務支援を行っています。

支援内容としては、アウトバウンドコール(BDR)、インサイドセールス(SDR)、MAツール運用代行、メルマガの企画・配信代行、Webサイト運用まで幅広く行っており、「セールス」「マーケティング」「クリエイティブ」の3つの軸で支援させていただいております。

他社さんのオンラインアシスタントサービスはバックオフィス業務をメインとしてる場合が多いですが、「セリーズ」の場合はフロントオフィス(営業・マーケティング)に特化した業務なので、そこが他のオンラインアシスタントサービスとの違いですね。

佐藤

なるほど。ちなみに営業代行と比較されることはありますか。

最近だとオンラインアシスタントより営業代行会社と比較されることが多くなってきました。

ただ、多くの営業代行会社ですと、半年から1年の長期契約で1ヶ月に数十万からと、とても高額なんですよね。実際に「依頼前は本当に成果が出るのか分からないリスクがある」と多くのお客さまからご相談いただきます。

セリーズの場合、プランにもよりますが30時間で月額13万5千円からご用意しており、契約期間も6ヶ月単位となっているので、営業代行会社よりリスクが少なく、低単価から始めて頂けます。

佐藤

なるほど。確かに高額だとリスクが大きいですし、依頼するまでの不安はすごいですよね。

なぜセリーズは安価にサービス提供できるのですか。

ポイントとしては2つあります。

1つ目は、30時間という限られた時間内で支援するということです。

2つ目は、上流の戦略設計は行ってないところですね。営業代行会社の場合、上流部分から営業戦略をご提案をされ、組織的に支援をしていくことが多いと伺います。

コンサルタントが資料作成するなど、肝心のアウトバウンド業務以外の付加価値を付けて高額な料金を請求しているかと思うのですが、弊社はあくまで「営業やマーケティングのアシスタント」に徹しているため、「この業務をやってほしい」と切り出していただいて、作業やタスクをこなして行く感じになるので、他の営業代行会社より安価に提供できています。もちろん、業務の切り出しや課題の整理など、オンボーディングはしっかりとサービス範囲内で行いますのでご安心ください。

メルマガを活用した潜在層へのナーチャリング

佐藤

現在はどのように顧客を獲得しているのですか。

主にWeb広告などの「ペイドメディア」を複数社活用しています。

その他、「BtoBのマッチングサービス」や「SEO対策」などデジタルマーケティングにも力を入れています。

佐藤

御社のSEO記事を拝見させてもらったのですが、制作する上で気をつけるべきポイントなどはありますか。

とにかく継続させることですね。

弊社も3年くらいはコツコツ続け、やっと安定してお客さまが流入してくる状態を作れたんですよね。最初はなかなか結果が出にくいのですが、更新の間が空いてしまうとGoogleの評価も下がってしまうので、諦めずに毎月継続して更新し続けることが重要です。

あとは、内製化することですね。記事作成自体は外注活用もいいと思うのですが、戦略設計やディレクションを内製化することでコンテンツの量と品質の担保、両面行えると思います。

実際に弊社では門田がSEOのディレクションを担当しておりますので、詳しくは彼女から説明してもらいます。

ありがとうございます。内容につきましては、冒頭にも出てきました「営業」「マーケティング」「クリエイティブ」の3軸をテーマにして月に3本ほど作成していましたが、作業の分散を行うことで今では倍の6本を更新しています。

先ほど冨澤からもあったように営業代行会社と比較して流入してきているので、最近は「営業やインサイドセールス」をテーマにした記事を制作しています。

中には「テレアポ代行との違い」など結構切り込んだ内容とかもありますね。

その完成した記事は、メルマガで潜在顧客へ送ることでコンバージョンに繋がったりするので、メルマガは重要視していますね。

メルマガ以外も、X(旧Twitter)で拡散したりもしていて、そこから記事の感想をいただいたりもするので、そのような事を社内でフィードバックして次回の記事内容を決めたりもしていますね。

なので、コンテンツは誰か一人が担当するのではなく、社内で回しながら作成しています。

佐藤

メルマガいいですね。メルマガを実施されている6割くらいの企業さまは「商談の再設定案内」や「新サービスの案内」などのナーチャリングに関連していないコンテンツが多いと思うのですが、御社の場合、記事更新をするたびにメルマガを送っているのはすごくいいなと思います。

ということは、月に6本メルマガを送ってるのですか。

そうですね。記事が上がるたびにメルマガは内容をカスタマイズして送っています。

ただ、最近はこのメルマガの内容を見直そうと社内でなっているので、今後は記事の配信本数やサービスの関連情報も追加していけたらと思います。

商談後には「動画の送付」と「フォロー架電」

佐藤

では、これまで数々の施策を行なってきたと思うのですが、その中で一番成果が出たのはなんですか。

短期と長期の2つのパターンがありますね。

短期だと、少ない工数で角度の高いリードを獲得できる「ペイド(比較サイト)」と「BtoB マッチング」は比較的安定的に効果が出ていますね。

引用:b-pos「営業代行会社おすすめ17選比較。目的別4タイプの選び方」

長期だと、「SEO記事」はやっておいて良かったなと思いますね。

SEO記事から成果をあげるには時間がかかりますが、現状オーガニックから流入されるお客さまは、100%商談化につながっています。

おそらく、SEO記事の質が上がってきているのが要因だと思うので、継続的に続けてきて良かったと思いますね。受注になった企業の半数以上はオーガニック流入のリードなので、そこからの質は一番高いです。

佐藤

BtoBのマッチングで他社サービスに勝っていくのは大変ですよね。

弊社では専任チームを組んで定期的にミーティングをするなど、工数は結構かけていますね。

マッチングサイトでは、お客さまがどういうことをしたいのかなどを案件表に詳しくまとめられているので、ターゲットを絞りやすいんです。案件表に記載してある「抱えてる課題」などに対しての具体的な提案がしやすいので、割と商談に繋がりやすいですね。セリーズはフロント業務の幅広い支援が特徴なので、課題に対する提案の幅も強みの一つですね。

それぞれの企業さまが抱えている課題はバラバラなので、「御社と同じような事業内容の企業さまを支援したことがあります」などを1社ごとに内容を変えてアプローチしています。

佐藤

なるほど。では、アプローチした先に商談があると思うのですが、その商談で受注率を上げるためのコツはありますか。

実は、商談後に送付するお客さま専用のポータルサイトを作っています。

商談後に「資料とプレゼン内容のYouTubeをお送りします」という形でお客さまに送っています。

商談に来る方って決済者の方が多いのですが、担当者の場合もあります。担当者が上長に伝え、稟議に持っていくという流れがあると思うのですが、「サービス説明動画を上長に渡すだけで理解ができます」という形で担当者の説明時間を省いたりしています。

そうすることで、担当者個人の説明レベルに関係なく、商談に参加されていない方でもサービス内容が理解できるような仕組みを作り、稟議に通りやすくしていますね。

あとは商談後のメールでも「商談内容サマリー」を記載したり、「セリーズで解決できること」を記載するなど、お礼メールは提案書だと思い、受注を見据えたフォローに力を入れています。

佐藤

弊社の場合でいくと、商談後には商談内容を資料にまとめて送っています。

ただ、メールの内容にはそこまで力を入れてないのですが、どのように工夫しているのでしょうか。

弊社では、その日に商談した内容をまとめた「簡単議事録」のように使用しています。

引用:note「本当は教えたくない。営業の生産性を速攻上げる方法」

黄色部分には「今日の提案内容」をお客さまに合わせてカスタマイズし、その他はテンプレートを活用しながらメールを送付しています。弊社はパッケージサービスなので個別の提案書は必要としていないのですが、セリーズをどのように活用いただくか、お客さまごとにイメージしやすいように工夫しています。

佐藤

「簡単議事録」いいですね。

それに加えて詳しい内容をまとめたサービス紹介資料動画も送ってるのですね。

そうですね。あとは、商談後にインサイドセールスが電話フォローを細かく実施しています。

商談の翌日には「昨日は商談ありがとうございました」というお礼のお電話を必ずしています。そこで質問をいただくケースもあるので、その場で疑問の解決をすることもありますね。

その他、商談から1週間経ったが反応がないお客さまには「検討状況はいかがですか?」という電話フォローをしたりと、特に商談後のインサイドセールスには力を入れていますね。

佐藤

メールだけの場合と電話をする場合では受注率に差はありますか。

全然違いますね。以前の商談数からの受注率が約4倍になりました。受注にかかる商談回数も今までに比べ半減しています。

佐藤

そんなに変わったのですね。

商談中にサービスの説明やお客さまのヒアリングをした上で、商談後に受注角度をコントロールしてるという事ですね。

比較サイトとポジショニングマップを活用

佐藤

少し話は戻りますが、長期的な施策を「やって良かった」と言うのは結構難しいと思うんですよ。

僕のイメージですが、SEO記事をあげGoogleにある程度インデックスされて、サービスページの順位が徐々に上がっているからオーガニックが取れてきていると思うんです。

少し流入の経路やアクセスなどを拝見しました。女性の営業代行を行なっている競合他社さんと比べてコンバージョンが分散している気がするのですが、そのような競合他社さんを意識されることってありますか。

あまり、というかほとんど比較されたことは無いので意識はしませんね。

オーガニックから問い合わせを頂いたお客さまの話を聞くと、「比較サイトで弊社を見つけたが、その場で資料ダウンロードはせずに直接Googleでセリーズの指名検索をして問い合わせというケースが多いです。

佐藤

なるほど。そういった面でセリーズの集客は比較サイトをフル活用されているのですね。

そうですね。それこそb-posさんを見て検索してくれたお客さまもいました。ありがとうございます。

佐藤

こちらこそありがとうございます。

ちょっと思ったのが、指名検索されるためにはどういった文脈でサービスの説明をしてるのかが気になります。

「どういうポジショニングなの?」とお客さまから聞かれた時に、どのように分かりやすく説明されているかを聞きたいです。

どうしても営業代行会社と比較されがちなので、ポジショニングマップを用いて商談で説明するようにしていますね。

ガッツリ営業を行う営業代行会社はコンサルティングや戦略設計もやってくれるが、どうしても高単価になってしまいますよね。

逆に通常のオンラインアシスタントさんは「定型業務」が多くてマニュアル化されたバックオフィス業務が中心のため低価格で提供できます。

セリーズの場合、「非定型業務(ビジネスサイドのフロント業務)」を中心に支援しているが、時間固定制なので低価格が実現できるので「唯一の立ち位置」と呼んでいます。

ポジショニングマップは商談の際、お客さまが複数社を比較検討されている場合、セリーズの立ち位置を明確に示しやすいので作って良かったと思っています。

「リードの獲得」をメインとする新サービスをリリース

佐藤

最後に、今後の展望について教えていただけますか。

「リードコンシェル」というサービスを最近リリースしました。

今までは時間制の営業オンラインアシスタントがメインでしたが、リード獲得をBtoB向けに成果保証で提供するというサービス内容となります。

現状、様々な比較サイトに掲載してもらいながら、リード獲得をしている段階ではあります。

今までの顧客層は営業オンラインアシスタント方面に傾いてたのですが「リードコンシェル」をリリースし、2軸のサービスでお客さまの課題解決をしていこうと思っています。

佐藤

ターゲットのお客さま層は違うとはいえ、営業オンラインアシスタントは「リード獲得から育成の総合サービス」、リードコンシェルは「リード獲得保証サービス」じゃないですか。

なぜリードコンシェルをリリースしたのかが気になります。また、今後はどうしていくのですか。

「セリーズ」だとアウトバウンドコールも行ってはいるのですが、「30時間アウトバウンドコールします」というサービスなので、「何件獲得できます」という話ができませんでした。

セリーズで商談する方の6割は「テレアポをやってほしい」というニーズだったので、KPIを明示出来ないがために他社さんへ流れていくということも少なからずありました。

今回は「リード獲得」にピンを止め、セリーズからBDR型のインサイドセールスを切り出し「リードコンシェル」としてリリースしました。

「リードコンシェル」はアウトバウンド専業で月10件のリード確約という内容にしたことで、セリーズでは対応できなかった成果への期待にもお応えできるようになりました。

本来「セリーズ」を導入いただけることが一番有難いのですが、「30時間をどうやって使おうか」と迷うケースも多く、一旦「リードコンシェル」を活用頂くことで、10件の成果が保証されます。

また、リードコンシェルでは「メルマガ送付」や「時間制のセリーズを10時間分活用可能」などのオプションメニューも豊富に用意があります。このように少しづつ「セリーズ」も活用いただくことで「リード獲得以外の育成やMA運用業務などの潜在的なニーズにも広がります。

佐藤

なるほど。今後が楽しみですね。

本日はありがとうございました。

まとめ

セリーズではサービス内容を工夫することで営業代行会社と比較して比較的安価にサービス提供ができており、独自のポジショニングを確立することで競合と差別化してることがわかります。

① SEO記事は継続が大事:SEO記事は初めから成果は出にくいですが、定期的に更新をすることでGoogleの評価が向上します。そのためにコンテンツを内製化することで量とクオリティが一定化し質の高い記事を継続して更新することが可能となります。

② メルマガの活用:記事を更新するたびにメルマガを送ることで、顧客とのコミュニケーションを深め、コンバージョンにつなげることができます。また、SNSなどで顧客の知りたい情報をキャッチすることでより良い訴求を行うことが可能です。

③ 商談後のフォローアップ:商談後にはメールを送るだけではなく、商談内容をまとめた動画やメッセージ内容にすることで、受注率を高めることができます。また、フォロー電話を行い、お客さまの疑問や要望に対応し、信頼関係を構築することで商談の成功率を高めています。

ビズリンクスはリードの獲得に重きを置いた新サービス「リードコンシェル」を展開することで、2つのサービスの相乗効果を高め、どんなニーズにも対応できるサービスを目指しています。

顧客の獲得に課題を持つ方は、ぜひ参考にしてみてください。

b-pos編集部

代行・外注サービスの比較サイトb-pos(ビーポス)の編集部。b-posは、BPOサービスの比較検討時に知っておきたい情報やサービスの選び方について解説するメディアです。サービスの掲載企業の方はこちらから(https://b-pos.jp/)