Twitter採用とは?メリットや成功事例から「始め方」まで解説
Twitter採用とは、企業が採用活動の一環としてTwitterを活用する手法の一つです。
この記事では、Twitter採用が注目されている背景から、メリット、成功事例、そしてその「始め方」について詳しく解説します。
Twitterを活用して採用活動を行うことで、リアルタイムで狙った層にダイレクトにアプローチでき、一般的な求人広告よりも手軽に、かつ低コストで実施することができます。
本記事を読み、採用活動において競争優位を確保した上で、優れた人材を確実に獲得するための一歩となれば幸いです。
目次
Twitter(ツイッター)とは
Twitterは、2006年に誕生して以来、全世界で広く使われているソーシャルメディアの一つです。
ストロイヤ社の2022年の報告によれば、日本国内でのTwitterの月間アクティブユーザー数は約6800万人と推計されています。
この数字は日本のSNS利用者のうち、かなりの割合を占めており、幅広い年齢層に利用されています。しかし、Twitterは単なるコミュニケーションツールではなく、特に企業においては、マーケティングはもちろん、採用活動にも積極的に活用されています。
画像を用いて視覚的に求職者に訴求したり、ハッシュタグ機能で特定の人々にリーチすることやリアルタイムで企業情報を伝えたりことができるためTwitterを採用に利用する企業は増えてきています。
Twitterでの採用活動のメリット
Twitterを活用して採用活動を行うメリットは、以下の4つがあげられます。
- 圧倒的なリーチ数
- 本来接点がなかった人の入社の可能性
- ミスマッチが起こりにくい
- 気軽に更新が可能
- 情報感度の高い人の採用
それぞれ解説します。
圧倒的なリーチ数
Twitterは、他の媒体に比べ、高い拡散力を持っています。
短いテキスト、ハッシュタグ、リツイートなどの機能を活用することで、多くの人にリーチすることができます。特にバイラルマーケティングのように何らかの話題を作ることで、一気に拡散力が高まります。
しかし、バズが起きなくても、通常の求人媒体以上のリーチ数が期待できるのがTwitterの魅力です。具体的には、フォロワーだけでなく、そのフォロワーのフォロワー、さらにはハッシュタグで関心を持った多くの人々にも瞬時に情報が届きます。
これにより、広告などを使わなくとも多くの人々に自社の採用情報を届けることが可能なため、狙った層にダイレクトに訴えかけ、質の高いリーチが期待できます。
本来接点がなかった人の入社の可能性
Twitterは、すでに就職先を絞っている新卒学生や、転職を考えていない優秀な層、いわゆる「潜在層」にもリーチできる貴重な手段です。
通常、このような層は一般的な求人媒体ではなかなか触れることができませんが、Twitterを通じて認知してもらい、興味を持ってもらうことでキャリアの一つの選択肢として検討してもらえます。
例えば、企業のプロジェクトや成果をリアルタイムで発信することで、その企業がやりがいのある仕事をしていると認知され、興味を持つ人が増えるでしょう。
このように、潜在層にリーチできることで、自社にとって有用な人材を獲得する可能性が高まります。
ミスマッチが起こりにくい
求人媒体では掲載できる情報には限りがありますが、Twitterでは基本的に情報の制限はありません。自社の文化や価値観、プロジェクトの進捗状況などを自由に発信することができます。
この発信に興味を持ち、理念や社風を理解している方が面談やイベントを積み重ねて入社に至るため、採用後のミスマッチが起こりにくくなります。
気軽に更新が可能
YouTubeやInstagramでは、高品質な動画や画像が必要ですが、Twitterではテキストだけでも充分に情報を届けることができます。
SNSと通じて発信する採用担当者、広報担当者は決してSNSでの発信だけが仕事ではなく、他のメイン業務も行う必要があります。その中で、日々の更新は業務を圧迫させる要因の1つとなります。
そのため、Twitterでの発信のこの手軽さが、担当者にとって大きなメリットとなります。
情報感度の高い人の採用
Twitterのユーザー層は、InstagramやYouTubeなどの他SNSに比べ、情報感度が高いビジネスパーソンや学生が多いとされています。多くのベンチャー企業でも、コーポレートサイトにTwitterアカウントが掲載されていることが多いです。
特に学生層に焦点を当てると、Twitterは最新の情報を迅速にキャッチしたい、自らも発信して影響力を持ちたいという学生に非常によく利用されています。
このように情報感度が高く、新しいことに挑戦する意欲やスキルも高い人材にアプローチできる点は、通常の求人媒体にはメリットです。
Twitterで採用活動を行う上での注意点
先述の通り、Twitterでの採用活動は、通常の求人媒体にはないメリットが多くあります。一方で、簡単に効果的・効率的な採用に至るのかといえば、そうではありません。
Twitterでの採用活動を成功に導くために、以下のポイントに注意して取り組みましょう。
- 成果が出るまでに時間がかかる
- 継続的に工数がかかる
- 大量の採用には向いていない
それぞれ解説します。
成果が出るまでに時間がかかる
Twitterでの採用活動は、成果が出るまでに時間がかかります。特に、フォロワーが少ない初期段階では、投稿した内容の拡散力は弱く、すぐに応募が集まるわけではありません。
Twitterでの採用は、企業のブランディングや価値観を発信して、共感を得られる層を徐々に増やしていく作業です。このプロセスには時間と労力が必要となります。
また、求職者は最新の企業情報を求めており、更新頻度が低い企業アカウントに対してはあまり興味を抱きません。そのため、単発の投稿ではなく、継続的に情報を発信し続けることが重要となります。
継続的に工数がかかる
継続的な発信が重要なTwitterでは、専任の担当者が必要な場合もあります。
TwitterはコメントやDMなどで双方向のコミュニケーションを取ることができるのも大きな魅力です。そのため、運用する上では投稿だけではなく、求職者からの質問に対するレスポンスなどが必要になってきます。
また、より多くの潜在層にリーチするためにはデータ分析や投稿の最適化なども必要になり、他の求人媒体と比べても継続的に工数がかかってきます。
Twitterでの採用活動を始める際は、継続的に工数をかけることができるのかを考慮にいれましょう。
大量の採用には向いていない
Twitterはターゲットを絞った質の高い採用が可能ですが、大量採用には向いていません。
拡散力は強いですが、リーチできる層のほとんどが「転職顕在層」ではなく、「転職潜在層」となるため、通常の求人媒体などに比べて、採用できる人数は少なくなります。
そのため、他の採用チャネルと組み合わせて運用をしたり、主力の採用手段としては使用せず、採用ブランディングの意味も含めて継続的に運用していくことをおすすめします。
Twitter採用を成功させている企業アカウント事例
Twitter採用を積極的に行い、成功を収めている企業のアカウントを紹介します。
アカウント運営には、企業発信で行う企業アカウント、企業で働く社員発信で行う個人アカウント、そしてその両方を採用している3つがあります。それぞれの成功事例を紹介していきます。
SalesforceJapan(企業アカウント)
CRM(顧客管理システム)業界の世界シェアNo.1企業である、Salesforce Japanの採用アカウントです。
こちらのアカウントでは、採用に直接的に関係する情報は勿論、日々リアルタイムで企業が参加しているイベントであったり、サービスに関連する一般の人では知り得ない知識などを共有し、抵抗感なく自社が取り組んでいることに興味を持ってもらえるような投稿をしています。
また、Q&AセッションをTwitter上で開催することで、求職者からの質問にリアルタイムで答える機会を設け、透明性を高めています。
企業名 | Salesforce Japan |
発信内容 | ・採用に関する情報 ・リアルタイムのイベント情報 ・サービスに関連する知識 |
企業アカウント | https://twitter.com/SalesforceJapan?s=20 |
LayerX(企業&個人アカウント)
「すべての経済活動を、デジタル化する」をミッションに掲げ、SaaS事業やFintech事業を展開する株式会社LayerXのアカウントです。
企業アカウントではさまざまな情報がリアルタイムで共有されており、開催中のイベントの詳細や、代表の想いをまとめたノート、そして事業に関連する最新情報が随時アップデートされています。
また、企業アカウントだけではなく、LayerXに属する社員の個人アカウントからも会社に関する情報を発信されています。カジュアル面談の定期的な募集や、Twitter上での様々な企画への参加など、個人単位でも積極的にTwitter採用に取り組んでいます。
企業名 | 株式会社LayerX |
発信内容 | ・採用に関する情報 ・開催中イベントに関する情報 ・事業に関する最新情報 |
企業アカウント | https://twitter.com/LayerXcom |
個人アカウント | https://twitter.com/ichhiyy?s=20 |
白潟総研(個人アカウント)
白潟総研は、広告やマーケティング研究に特化した企業であり、Twitterでの採用活動においても独自のアプローチを見せています。具体的なプロジェクトや研究結果を共有する一方で、社員インタビューやオフィスの日常なども発信しています。
これにより、業務内容だけでなく、社員がどのような人物であるか、どのような雰囲気で働いているのかを求職者に示しています。
また、採用や事業と全く関係のない日常的な投稿も見られ、求職者との距離感が近くなるような工夫がされています。
企業名 | 白潟総研 |
発信内容 | ・プロジェクトの研究結果に関する情報 ・社員へのインタビュー ・採用に関連しない日常的な情報 |
企業アカウント | https://twitter.com/ishikawa_ssoken?s=20 |
Twitter採用の始め方
Twitter採用は、ただツイートするだけでは効果を得ることはできません。ここでは、効果的にTwitter採用に取り組むためのステップを紹介します。
- 目的を明確にする
- ターゲットを決める
- 期待するアクションを明確にする
- ベンチマークを探す
- 発信するテーマ・ルールを決める
- 投稿を開始し、分析改善を行う
①目的を明確にする
Twitterでの採用活動を始める前に、取り組む目的を明確にしましょう。
「採用したい」などの曖昧な目標ではなく、具体的な目標を設定しましょう。例えば、「私たちは〇〇な企業です」といった〇〇に入る、言わばブランディングのようなものを設定し目指すことが大切です。
目的が明確であれば、その達成のために何をすべきか、どのようなコンテンツを発信すべきかが見えてきます。この段階でしっかりと計画を練ることが、後の活動での成功につながります。
②ターゲットを決める
次に、どのような層にアプローチしていくのかターゲットを決めます。
新卒採用であれば、就活生や学生、中途採用であれば、業界経験者やスキルを持つ求職者など、狙いたい人物像を明確にしましょう。
ターゲットが決まれば、その層が興味を持ちやすいコンテンツやキーワードが見えてきます。
③期待するアクションを明確にする
Twitterで発信する際に、フォロワーに何をして欲しいのか「期待するアクション」を明確にしましょう。
具体的には「採用サイトへの訪問」や「カジュアル面談の申し込み」、「セミナーへの参加」などが考えられます。期待するアクションを明確にし、どのような投稿をすれば効果的かを考える基準にしましょう。
④ベンチマークを探す
発信する前に、Twitter採用に成功しているベンチマーク企業を探しましょう。
ベンチマーク企業がどのような投稿をしているのか、どれくらいの頻度で投稿しているのか、どのようなエンゲージメントがあるのかなどを分析し、自社の戦略立ての参考にしましょう。
⑤発信するテーマ・ルールを決める
いよいよ投稿を始める前に、発信するテーマやルールを決めます。具体的には、企業文化や社員インタビュー、業界情報など多くのテーマがあります。
テーマが決まれば、投稿の頻度や形式(例:毎週月曜は業界情報、水曜は社員インタビュー)などのルールを設定し、一貫性を持たせることが重要です。
⑥投稿を開始し、分析改善を行う
発信を開始したら、運用ルールに基づいて実行できているかどうかの行動目標とKPIの確認をしましょう。ここで確認するKPIは「期待するアクション」をもとに数値化したものです。
期待するアクション | KPI例 |
---|---|
採用サイトへの訪問 | 例)採用サイトURLのクリック数 |
カジュアル面談の申し込み | 例)面談申し込み数 |
セミナーへの参加 | 例)投稿内URLからの申し込み数 |
そして、確認するだけではなく、データを基に何がうまくいっているのか、改善点はどこかを明確にし、戦略を練り直します。この「分析と改善」のサイクルを継続することで、効果的な採用活動に繋げます。
Twitter採用を成功させるためのポイント
効果的なTwitter採用を実現するには、以下の3つのポイントも意識する必要があります。
- 告知マシーンではいけない
- 同僚を巻き込み、チームで
- アプローチも欠かさずに
告知マシーンではいけない
Twitterでの採用活動において最も避けるべきなのは、アカウントを単なる「告知マシーン」にすることです。
つまり、自社の求人情報やイベント情報ばかりを一方的に流すのではなく、相互性を持たせることが重要です。エンゲージメントが求められるTwitterでは、リツイートやリプライ、いいね等のインタラクションがないと、フォロワーからの信頼や注目を集めることができません。
情報を流すだけではなく、業界のトレンドや面白い記事、役立つ情報を共有したり、フォロワーからの質問に答えたりすることで、コミュニケーションを図ることが重要です。
同僚を巻き込み、チームで
成功するTwitter採用の次なるポイントは「チームで」行うことです。
採用担当者だけでなく、社員メンバーや関係者も巻き込むことで、多角的かつ多層的な情報発信が可能になります。各人が自分の視点や経験を基に発信することで、企業の多面性や人々が感じられるリアルな働き方が求職者に伝わります。
また、例えば一人でフォロワー1000人を目指すよりも、五人で200人ずつフォロワーを獲得するとを目指した方がモチベーションも保ちやすく、達成しやすい目標となります。
このように、一人に任せてしまうのではなく、チーム全員で運用することが大切です。
アプローチも欠かさずに
最後に必要なのは、企業側からのアプローチです。待っているだけで、欲しい人材が応募してくれるわけではありません。
フォロワーは基本的に自社に好意・興味を抱いている人なので、積極的にコンタクトを取りに行くことで、他媒体よりも効率よく面談に至ることができます。
関連するハッシュタグで検索して、気になる方にDMで直接に話をしたり、インフルエンサーにリツイートをお願いするなど、さまざまな方法でターゲットとなる人物に対してアクションを起こしましょう。
まとめ
Twitterは、現代の採用活動において大きな影響力を持つプラットフォームです。その拡散力とリーチ数は、従来の求人媒体を圧倒し、多様な層に訴えることができます。
特に、他媒体ではアプローチできない転職潜在層にもリーチ、アプローチができる点は最大の魅力です。一方で、先述の通りTwitter採用の成功には継続的な運用・発信が重要となります。
本記事を通して、Twitter特有のメリット、特性を理解した上でTwitter採用に取り組み、採用活動の実現に活用していただけますと幸いです。
b-pos編集部
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