EC運営代行の費用相場と適正価格の見極め方。見積時に失敗しないポイントも解説

オンラインショップを運営している企業にとって、EC運営代行の利用は時間とリソースを節約できる有効な手段ですが、費用面での失敗が後々の大きな負担になってしまうことも少なくありません。
特に、初めて外注を検討している場合、料金体系や相場についての理解が不十分だと、「思った以上に高くついた」「費用対効果が見合わなかった」といったトラブルが起こりがちです。
さらに、費用だけで選んでしまうと、期待していた成果が得られず、結局自社の運営負担が増えることに。重要なのは、単なる「安さ」ではなく、費用と成果のバランスをどれだけ意識して選べるかです。これを見誤ると、せっかくの外注が無駄になってしまいます。
そこで本記事では、EC運営代行の費用に関する実態を詳しく説明し、無駄な支出を避けつつ、効率的に運営代行を活用するためのポイントを解説します。
EC運営代行については、以下の記事にて業務内容・メリット・費用相場・選び方などを徹底解説しているので、依頼を検討されている方は参考にしてみてください。
関連記事:EC運営代行おすすめ24選比較。月商別のリアルな外注パターンと費用内訳まで解説
目次
最初に押さえるべき「EC運営代行費用の全体像」
EC運営代行を利用する際、最も重要なのは、費用の全体像をしっかりと把握することです。運営代行のコストは単なる「価格」だけでなく、料金体系や相場、さらには月商に応じた外注パターンが大きく影響します。特に、代行会社によって提供されるサービス内容や、費用がどのように算出されるかは企業ごとに異なります。
EC運営代行の料金体系は、企業の運営スタイルや規模に応じて様々なため、主要な料金体系とその特徴を理解することが大切です。
代表的な料金形態として、初期費用、月額費用、そして成果報酬型があります。
初期費用
EC運営代行における初期費用は、外注を始めるために必要な初期設定や準備にかかる費用です。ショップの立ち上げ時に行う業務には以下のようなものがあります。
- 商品の登録作業
- サイトの設計・構築
- 初期マーケティング施策の立案
- SEO対策の導入 など
必ずしもどの会社も初期費用を取っているわけではありませんが、一般的な初期費用は、規模に応じて異なりますが、中小規模のECショップでは50万円〜150万円程度が相場となっています。大手企業や規模が大きいショップでは、200万円以上かかることもあります。
なお、初期費用が無料または極端に安い会社も存在しますが、その場合はサービスの質やサポート体制にばらつきがある可能性があるため、導入前に提供内容を慎重に確認することが大切です。
月額費用
月額費用は、運営代行サービスが継続的に提供する業務に対する毎月の費用です。委託する業務範囲によって価格帯は幅広くなりますが、主に以下のような業務が含まれます。
ECサイト運営実務 | 商品登録、在庫管理、CS対応、キャンペーン設定など |
マーケティング支援 | 広告運用、SNS企画、LINE・メルマガ施策など |
UI/UX改善 | 導線設計、LP改善、カート離脱率改善など |
CRM/LTV最大化 | 顧客分析、ステップ配信、ロイヤル化施策 |
システム・サイト構築 | カート選定、アプリ開発、リプレイス支援など |
モール連携運用 | Amazon、楽天、Yahoo!などの出店・運営支援 |
オムニチャネル支援 | 店舗連携、在庫一元化、体験統合支援 |
分析と改善提案 | アクセス解析、CVR分析、PDCA設計 |
月額費用の相場は、ECサイトの月商や運営規模によって次のように分類できます。
【小規模なオンラインショップの場合】
月商が100万円未満の小規模なオンラインショップでは、5万円〜50万円前後が一般的です。この範囲では、基本的な商品登録や広告運用、在庫管理などの最低限のサポートが含まれることが多く、少人数体制の代行会社が対応します。
【中規模〜大規模サイトの場合】
月商が100万円〜1,000万円の中規模〜大規模サイトの場合、30万円〜100万円以上になることが多く、高度なマーケティング施策やレポート分析、SNSやSEOなどの支援も受けられるケースが増えます。
【大手企業や多店舗展開している場合】
大手企業や多店舗展開している場合は、200万円を超えることもあります。海外対応や複数ブランド運営、連携ツールのカスタマイズなどが加わることで費用は跳ね上がります。
重要なのは、金額の多寡ではなく、自社の事業規模や課題に対して、適切な範囲の業務を担ってくれるかという視点で費用対効果を見極めることです。
成果報酬
成果報酬型は、売上や利益といった成果に応じて費用が発生する契約方式です。初期費用や月額固定費が抑えられている場合が多く、運営代行会社としても売上アップが報酬に直結するため、成果に向けたコミット度が高くなるのが特徴です。
このモデルの魅力は、運営がうまく軌道に乗れば、初期投資を抑えながら高い利益を期待できる点です。一方で、成果の定義や報酬発生の基準が曖昧なままだと、後々のトラブルに発展する可能性があるため、事前の契約内容の確認が必須です。
報酬率の相場は以下の通りです。
- 一般的には売上の5%〜15%程度が多い
- 月商1,000万円以上のような大規模な運営では、5%前後に設定されることが多い
- さらに規模が大きくなると、2%〜5%程度に下がる傾向がある
なお、成果報酬型が向いている企業と向いていない企業は以下になります。
向いている企業 | 向いていない企業 |
---|---|
売上をこれから伸ばしたい | ブランドコントロール重視 |
初期投資を抑えたい | 細かな指示を自社で出したい |
代行会社に主体的に動いてほしい | 利益率が低い商材を扱っている |
成果報酬型を導入する場合は、「何を成果とするか」「どのタイミングで成果とみなすか」「返品やキャンセルは成果に含めるか」など、詳細なルールをすり合わせておくことが非常に重要です。
相場よりも大事な、費用と成果のバランス
EC運営代行を検討するうえで、「相場に合っているかどうか」を基準にすることは決して間違いではありません。しかし、費用だけでサービスを比較・選定してしまうと、本来得られるはずだった成果を逃す可能性もあります。
ここでは、価格だけを見て選ぶことが失敗につながる理由と、費用対効果を最大化させるための視点について深掘りして解説します。
なぜ「価格だけ」で選ぶと失敗するのか?
EC運営代行を価格だけで選んだ結果、期待していた成果が得られないケースは少なくありません。その原因は、代行会社の「提供範囲」と「深さ」が価格と比例しないことがあるからです。
たとえば、料金が安い代行会社の中には、運営をただ“こなす”だけで、戦略的な提案や改善の主体性を持たないケースがあります。具体的には、レポートは提出されても、その内容に対する考察や次のアクションが提示されないなど、形だけの運営にとどまってしまうことがあるのです。
また、低価格の代行にありがちなのが、ノウハウが浅く、誰にでも当てはまるテンプレート的な施策ばかりを提案してくることです。競合との差別化が重要なEC領域において、画一的な施策では売上の伸び悩みを招きます。
さらに、価格重視で選んだ結果、「実務はすべて依頼側が指示を出さないと動かない」ような受け身型の運営会社に当たるリスクも高まります。その場合、自社に十分なノウハウがなければ、結果的に運営の質が低下し、むしろ負担が増えることも珍しくありません。
こうした失敗は、「価格が安いこと」自体が問題なのではなく、その安さを成立させるために何を削っているのか、どこに制約があるのかを見極めずに選定してしまうことに起因しています。
費用対効果を最大化するための考え方
代行費用が妥当かどうかを判断するには、「代行にいくら払ったか」ではなく「代行によって自社がどこまで伸びたか」で見るべきです。そのために重要なのは、費用そのものではなく、以下のような「本質的な対話」によって選定する視点です。
投資対効果を可視化してくれるパートナーか?
良い運営代行会社は、単にレポートを出すだけでなく、「売上・利益にどう貢献したか」を定量的に示してくれます。たとえば、
- ROAS(広告費用対効果)
- CVR改善率
- 平均購入単価の推移
- リピーター比率の上昇
など、自社のKPIに紐づいた成果指標をもとに、費用と成果の因果関係をロジカルに説明してくれるかどうかは、最初の面談段階で確認しておくべきです。
任せた方が成果が出る業務に集中させられているか?
運営代行における本質的な価値は、自社リソースの最適化にもあります。たとえば、以下のような問いを設定して考えると、費用対効果の輪郭が見えてきます。
- この業務を社内でやる場合、誰がどれくらいの時間を使うのか?
- それを他の業務に振り分けた場合、何がどれだけ前進するのか?
- 社内で運用する場合と、成果がどれほど違うか?
このように、単なる“コスト”ではなく、“レバレッジが効く投資”として捉え直すことで、費用の意味合いが変わってきます。
安さの裏にある限界を見極めれているか?
安価な代行会社には、以下のような構造的な制約があることも理解しておく必要があります。
- 担当者1人が複数社を掛け持ちし、戦略立案に割く時間が足りない
- 広告運用が自社対応でなく、外部パートナー任せになっている
- データ分析が月次レポート止まりで、改善施策に反映されない
これは裏を返せば、ある程度の費用をかけることで、専任体制・高速PDCA・深い改善提案といった「利益に直結する支援」を受けられる可能性があるという事になります。
判断基準は「月額いくら」ではなく「何が得られるか」
ここまでをまとめると、費用に見合うかどうかを判断する基準は、「月額いくらか」ではなく、「月額費用に対して、自社が何を得られているか」です。
もし30万円で、戦略設計から運用・分析までを一貫して行い、CVR改善やLTV向上に明確な成果があるなら、それは費用以上の価値と言えます。
逆に10万円で、単なる作業代行や報告止まりであれば、それは「安物買いの銭失い」になりかねません。
費用は単なる数字ですが、成果は会社の未来に直結します。そこを見誤らず、真に“自社の売上・利益に貢献するパートナー”を選ぶことが、費用対効果を最大化させる唯一の方法といえます。
失敗しないための「見積もりチェックポイント」
EC運営代行の費用は、一見するとシンプルに見えて、実は非常に複雑な構造を持っています。特に**「安く見えて高くつく見積もり」**を見抜けないまま契約すると、後々追加費用が積み重なったり、本来期待していた成果にたどり着けなかったりと、取り返しのつかない結果を招くことがあります。
安く見えて実は高くつく見積もりの特徴
一見、費用が安く見えるEC運営代行の見積もりも、実は運用が始まってから追加費用が発生し、結果的に高くついてしまうケースが少なくありません。このような見積もりには、いくつか共通する構造的な落とし穴があります。
たとえば、「月額◯万円」のように明瞭な価格設定に見えても、その中に含まれる業務内容が極端に限定的であることがあります。たとえば次のようなパターンです。
- 商品登録は「月10件まで」で、それ以上は1件ごとに課金される
- LPの改善提案や広告バナーの作成は「オプション扱い」とされており、都度費用がかかる
- カスタマー対応は「テンプレート返信のみ」で、個別対応や対応内容の設計には別料金が発生する
こうした仕様は見積書には明記されず、契約後に初めて気づくことも珍しくありません。
また、初期費用が「無料」や「数万円」など非常に安価に見える場合も注意が必要です。実際には、サイト構築やデザインカスタマイズといった売上に直結する重要な作業が“初期費用には含まれていない”ことが多く、以下のようなケースが想定されます。
- デザインは「テンプレートそのまま」で、ブランド独自の構築には別料金
- 商品カテゴリや導線設計の調整は別途見積もり
- SEO設定やタグ管理など、運用の土台になる施策が“別パッケージ”として請求される
さらに、成果報酬型を選んだ場合でも、何をもって「成果」とするかの定義が曖昧だと、売上につながらない成果(例:アクセス数やクリック数の増加)に対しても報酬が発生してしまうリスクがあります。
このように、初見で安価に思える見積もりには、「何が含まれていないか」「どの業務が追加費用になり得るか」を丁寧に読み解く視点が欠かせません。安さに目を奪われると、結果として当初想定より大幅に高額なコストがかかってしまうことになるのです。
打ち合わせで必ず聞くべき質問リスト
契約前の打ち合わせは、単なる「サービス説明の場」ではなく、見積もりの真の意味と中身を見抜くチャンスです。以下の質問は、その場での対応や答え方によって、代行会社の誠実さや実務力を見極める材料になるので、参考にしてみてください。

この見積もりに「含まれていない業務」は何ですか?
見積書には一見、すべてが含まれているように見えても、実は多くの業務がオプション扱いになっていることがあります。
そのため、「何が含まれているか」ではなく、「何が含まれていないのか」を確認することが大切です。これにより、運用開始後に追加費用が発生しないかを事前に見極めることができます。
たとえば以下のような点を確認しましょう。
- 商品登録は月何件までか(それ以上は追加費用?)
- 広告バナーやキャンペーンLPの制作は月額に含まれているのか
- カスタマー対応はどこまで含まれるのか(個別返信、テンプレ対応など)
成果が出なかった場合、どのように対応・改善してくれますか?
多くの代行会社は「うまくいったときの話」は積極的にしますが、本当に重要なのは「想定どおりの成果が出なかったときの動き方」です。
PDCAサイクルを回す仕組みがあるか、改善提案だけでなく実行支援までしてくれるかなど、**“うまくいかなかったときにどれだけ伴走してくれるか”**を具体的に確認しましょう。
このような質問をした際に、代行会社から以下のような回答があった場合は信頼していいと言えるでしょう。
- データ分析をもとに改善施策を定期提案し、実行もサポートする
- 月次レポートで課題を可視化し、次のアクションを提案する体制がある
他社の成功事例や実績、想定KPIのイメージはありますか?
「どれくらいの成果が期待できるのか?」を判断する材料として、過去の実績や成功事例の開示を求めることは非常に有効です。これにより、提案の裏付けがあるのか、それとも抽象的なセールストークなのかを見極められます。
また、KPI(目標数値)について具体的なイメージを共有してもらうことで、自社の期待値とギャップがないか確認できます。
例としては以下のようなものがあります。
- アパレル業界でCVRを◯%改善した事例
- 新規立ち上げで半年以内に売上◯万円を達成した事例
業務内容や契約内容を変更したい場合には、柔軟に対応可能ですか?
EC事業は成長とともに運営スタイルが変化するため、契約内容の見直しや業務範囲の調整が必要になることがあります。その際、代行会社側がどれだけ柔軟に対応できるかを確認しておくと、長期的な付き合いがしやすくなります。
たとえば、以下の点を確認しましょう。
- 一部の業務を自社で内製化したい場合、料金はどうなるのか
- 多店舗展開を検討した場合、契約の拡張はどのように行うのか
自社と代行会社の業務分担はどのように定義されますか?
「運営代行」と聞くと全て任せられる印象を受けますが、実際にはクライアント側にも対応が求められる業務があります。そのため、どこからどこまでが代行会社の担当で、どの範囲を自社で対応する必要があるのかを、具体的に確認しておきましょう。
この確認を怠ると、想定よりも自社の工数が膨らみ、「思ったより大変だった」と感じる原因になります。
確認すべきポイントは以下になります。
- 週次の在庫報告は必要か?
- 広告クリエイティブの一次案は誰が作るのか?
- キャンペーン企画の立案はどちらが主導するか?
これらの質問を事前に用意しておくことで、料金・業務内容・契約条件・実行体制までのギャップを最小限に抑えた意思決定が可能になります。
最終的に、聞く力こそが「よいパートナー」と「失敗するパートナー」を見分ける最大の武器になるのです。
失敗例で見る「費用で後悔しないための注意点」
EC運営代行を導入する際、「できるだけ安く済ませたい」という心理は当然です。しかし、価格だけで判断した結果、かえって高くついたり、成果が出ずに撤退せざるを得なかったというケースは少なくありません。ここでは、実際にあった失敗例を通して、費用面で後悔しないために押さえるべきポイントを解説します。
安さで選んで“動かない代行会社”に委託してしまったケース
立ち上げ間もないD2CブランドA社は、他社より圧倒的に安い月額5万円のプランに惹かれて代行会社と契約しました。契約書には「EC運用全般サポート」と記載があり、包括的な支援を期待していたものの、実際の対応は以下に限定されていました。
- 商品登録の代行
- 月1回の簡易レポート作成
売上につながるキャンペーン設計や広告提案といった施策は一切行われず、「契約範囲外」と一蹴されました。このように、「安さ」の裏には必ず理由があります。 特に曖昧な表現(例:「全般支援」)には注意が必要です。
契約前に確認すべきポイントは以下になります。
- 月額費用に含まれる具体的な業務内容
- 作業の頻度や成果物の内容
- 成果に向けた支援体制の有無
必要業務が「別料金」だったため、見積もりより高額になったケース
アパレルブランドB社は、月額20万円の代行プランを「フル支援」と認識して契約しました。ところが、実際には以下の業務がすべて追加料金扱いでした。
- 商品撮影やバナー制作(5万〜10万円)
- SNS運用代行(別途月額契約)
- 広告運用とレポート分析(月10万円〜)
結果、実際の支払総額は倍以上の月額40万円超に。想定外のコスト増により、重要な施策が滞る事態になってしまいました。
こうした失敗を防ぐには以下のポイントに気をつけましょう。
- 「基本費用に何が含まれているか」を明文化してもらう
- よくある追加費用の項目と金額を事前に把握しておく
- 「どこまでやってもらえるか」を見積もり段階で擦り合わせる
成果報酬の“成果定義”が不明確でトラブルになったケース
日用品を扱うC社は、固定費を抑えたいという思いから成果報酬型を採用しました。しかし、売上に含められる範囲が曖昧だったことでトラブルに発展しました。
実際には、
- 自社のメルマガ経由の売上
- 既存顧客によるリピート購入
- 外部広告で流入したユーザーの購入
までも「成果」としてカウントされ、報酬請求の根拠にされてしまったのです。
成果報酬型契約での注意点は以下になります。
- 「成果」の定義を明確にし、契約書に明記する(例:広告経由CV、新規客のみ など)
- 成果の測定方法と報酬計算の基準も取り決める
- GAやShopifyなどの計測ツールとの連携方法も確認
業務範囲が噛み合わず、成果に結びつかなかったケース
D社は業務の一部(商品登録・在庫管理)を月額10万円で外注し、運用工数を軽減できました。しかし、以下のような業務は自社で対応しなければならず、リソース不足で放置されがちになります。
- 広告運用・分析
- キャンペーン設計・運用
- 商品ページ改善やSEO対応
結果として、業務は回っていても売上は伸びないという**「作業効率は上がったが成果は出ない」状態**に。
こうしたミスマッチを防ぐためには、以下のポイントに注意しましょう。
- 自社が担う業務と委託する業務を明確に分ける
- 今の課題・ボトルネックを基に外注範囲を設計する
- 成果を出すために必要な支援範囲を優先的に検討する
担当者の質にバラつきがあり、改善提案がないまま続いてしまったケース
E社はベテラン営業の提案に魅力を感じて契約したものの、実際の運用を担当したのは新人で、以下のような問題が発生しました。
- 定例レポートは表面的で分析が浅い
- 提案や改善案はなく、指示待ちスタンス
- 商品特性への理解も乏しく、支援の質が低い
結局、契約当初に期待していた“戦略的な支援”は受けられず、契約更新時に解約を選択することに。
ここでの確認しておくべきポイントは以下になります。
- 実際に担当する運用メンバーのスキルや経験
- これまでの担当案件や業界実績
- 初期の打ち合わせにその担当者が同席するか
このように、単に「金額」だけを見るのではなく、「何に・どう支払うか」を見極めることが、運用代行を成功させる最大のポイントです。
EC運営代行会社おすすめ5選
ここまで費用相場や費用だけで選んではいけない理由などを解説してきましたが、とはいえ、「何をどこまで委託するか」によって最適な代行会社は異なります。
以下では、業務範囲・支援体制・費用のバランスに優れた、実績豊富な代行会社を5社厳選してご紹介します。
自社のECフェーズ(立ち上げ期 / 成長期 / 安定期)や、課題の種類(運用効率化 / 売上向上 / ブランド強化など)に合わせて、最適な1社を見つけるヒントにしてください。
株式会社Wacworks

株式会社Wacworksは、楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonなどの大手ECモールはもちろん、Shopifyやカラーミーショップなどを活用した自社ECサイトの構築・運営まで幅広く対応しています。
経験豊富なコンサルタントが、集客・売上アップに直結する施策の提案から実行支援、運営代行までワンストップでサポートしてくれます。また、アパレルや食品、インテリア雑貨など多様な業種で豊富な実績を持ち、コストパフォーマンスの高いサービスを提供している点が特徴の会社です。
得意領域 | 楽天・Amazon・Yahoo!・自社EC(Shopify等) |
業務範囲 | ECサイト制作、運営代行、広告運用、コンサル、SEO、集客、開業支援など |
料金 | 運用費用:180,000円〜 / 月 サイト制作:250,000円〜 / 月 |
Sales Doctor(株式会社ウェルボン)

株式会社ウェルボンは、「Sales Doctor」というAmazon特化型の運用代行・コンサルティングサービスを展開しています。Amazon Adsのベリファイドパートナーおよびサービスプロバイダーに認定されており、信頼性の高い運用支援が強みです。
SEO対策や広告運用、商品ページ最適化、データ分析・効果測定などAmazon販売の成長に必要な業務を包括的にサポートしてくれます。また、短期間からの契約も可能で、スモールスタートにも適しています。
得意領域 | Amazon |
業務範囲 | Amazon SEO、広告運用、ページ最適化、データ分析、アカウント開設・商品登録など |
料金 | 初期費用:100,000円~ 運営費用:100,000円〜 / 月(+ 売上額の7%)※商品数により変動 広告運用:広告費の10~15% |
NE株式会社

NE株式会社は、楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazon・自社ECサイトなど多様なプラットフォームに対応するECコンサルティング・運営代行会社です。
ECコンサルタントの指揮のもと、戦略立案からサイト制作、商品登録、広告運用、カスタマーサポート、物流ディレクションまで幅広い業務を依頼する事ができます。契約は1カ月単位で柔軟に対応可能で、質の高いサービスをリーズナブルな価格で提供しています。
得意領域 | 楽天・Amazon・Yahoo!・自社EC |
業務範囲 | ECコンサル、サイト制作、商品登録、受注処理、CS、広告運用、運営代行など |
料金 | コンサルティング:60,000円〜 / 月 運営代行:要問い合わせ |
ジャグー株式会社

ジャグー株式会社は、楽天市場やYahoo!ショッピング、AmazonなどのECモールおよび自社ECサイトの運営代行に強みを持つプロフェッショナル集団です。
「自走できる状態まで支援する」をモットーに、売上アップだけでなく、クライアントが自社で運営できる体制づくりまでサポートしてくれます。戦略策定、サイト制作、広告運用、在庫管理・物流まで幅広く対応してくれるだけではなく、成果報酬型・月額固定型の柔軟な料金体系を選べることも魅力と言えます。
得意領域 | 楽天・Amazon・Yahoo!・自社EC |
業務範囲 | 戦略策定、分析、サイト制作、広告運用、在庫管理、物流、運営代行など |
料金 | 運用代行:500,000円〜 / 月(成果報酬型もあり) コンサルティング:300,000円〜 / 月(成果報酬型もあり) 広告運用代行:150,000円〜 / 月(成果報酬型もあり) |
Finner株式会社

Finner株式会社は、楽天出身の代表が率いるEC運営のプロフェッショナルチームです。楽天市場、Amazon、Qoo10、Yahoo!ショッピング、自社ECサイトなど多様なプラットフォームに対応し、出店・制作から運営代行、コンサルティングまで一貫してサポートしてくれます。
初期費用なし・単月契約可能で、無料の店舗解析レポートやカスタマイズ可能な契約形態など、柔軟性とコストパフォーマンスの高さが特徴です。
得意領域 | 楽天・Amazon・Qoo10・Yahoo!・自社EC |
業務範囲 | ECサイト制作、出店支援、運営代行、広告運用、コンサルティングなど |
料金 | 運用代行:250,000円〜 / 月 サイト制作:100,000円〜 / 月 |
以上、代表的なEC運営代行会社を5社ご紹介しました。どの企業にもそれぞれ強みがあり、自社の課題や運営体制に応じて選定することが重要です。
なお、今回ご紹介したのは一部の企業のみであり、他にも多数の優良な代行会社が存在します。さらに多くの選択肢を比較したい方は、以下の記事でより多くのEC運営代行会社を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
EC運営代行の費用は一律ではなく、「何をどこまで任せるか」によって大きく変動します。たとえば、運営をまるごと委託する場合は月額30万円〜50万円前後が相場となる一方で、バナー制作や商品登録など一部業務に限定すれば、月5万円前後での対応も可能です。
また、初期費用を抑えたい場合は、売上に応じた成果報酬型の契約も選択肢になりますが、ミニマムフィーやKPI設定など注意点もあります。
実際の費用感を把握するには、自社のリソース状況やECの成長段階を踏まえたうえで、以下のような視点で整理することが重要です。
- 自社で対応できない業務と、その頻度・負荷の大きさ
- 任せることで売上や改善に直結しそうな業務の見極め
- 固定費と成果報酬、どちらが現実的なコスト設計になるか
これらを踏まえて委託範囲を設計することで、過不足のない外注につながり、費用対効果も最大化できます。何度も言いますが、費用だけでなく「何を目的に、どこまで任せるか」を明確にすることが、EC運営代行を成功させる最大のポイントとなります。

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