Instagramマーケティングとは?4つの手法から戦略の立て方まで解説
「マーケティングでInstagramを活用したいけれど、なにから始めるべきかわからない」
「そもそも自社商材が、Instagramマーケティングに向いているのか判断できない」
Instagramを活用したマーケティングを検討している方のなかには、上記のような悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
写真・動画を中心としたSNS「Instagram」は、視覚的なコンテンツでの情報収集を目的としたユーザーにアプローチできるうえ「集客・販促に役立つ機能が豊富」「ほかのSNSと比べてUGCが生まれやすい」といった特徴があります。そのため、多くの企業が認知拡大・ブランディング・集客などを目的に、Instagramをマーケティングに活用しています。
本記事では、Instagramマーケティングの特徴と4つの手法、戦略の立て方5ステップを中心に解説します。
目次
Instagramマーケティングとは?
Instagramマーケティングとは、SNS「Instagram」を活用したマーケティング手法です。株式会社ユーザーローカルが実施した調査によると、企業のInstagramアカウント開設数は2016年1月時点で1万社を突破しており、多くの企業に活用されています。
写真・動画などの視覚的なコンテンツを中心に、認知拡大やブランディング、集客・販売促進などの目的に応じて戦略的に活用することで、効果的なマーケティングが可能です。
Instagramマーケティングの3つの特徴
Instagramマーケティングのおもな特徴は以下の3つです。
- 画像・動画での情報収集を目的とした多くのユーザーにアプローチできる
- 集客・販促に役立つ機能が豊富
- ほかのSNSと比べてUGCが生まれやすい
画像・動画での情報収集を目的とした多くのユーザーにアプローチできる
Instagramのアクティブユーザー数は、2023年に3,300万人から倍以上に増加していると言及されたことからも、6,600万人以上となっている可能性があります。主要SNSのLINE、YouTube、X(旧Twitter)に次ぐユーザー数のため、多くのユーザーにアプローチすることが可能です。
また、Instagramは画像・動画を中心とした情報収集・共有を目的としたSNSです。多くのユーザーが商品・サービスの情報を探す際に利用していることからも、画像・動画を通じて情報収集している多くのユーザーにアプローチできるSNSといえます。
集客・販促に役立つ機能が豊富
Instagramには、ユーザーの購買意欲を高め、集客・販売を後押しする機能が豊富に用意されています。たとえば、投稿した写真・動画から商品購入ページに遷移できる「ショッピング機能」や、気になる商品をあとから見返せる「保存機能」などがあります。
ほかにも位置情報タグ付け機能や予約機能、ダイレクトメッセージ機能などがあるため、Instagram1つで、企業を発見して興味を抱かせ、外部の商品購入ページや予約ページなどへの遷移までを一貫して行うことが可能です。
また、Instagramは無料の分析ツール「Instagramインサイト」を提供しています。ビジネスアカウントであれば誰でも利用でき、フォロワーの属性や投稿のパフォーマンスを把握できます。Instagramインサイトで収集したデータを分析し、マーケティング戦略に反映させることで、より精度の高い集客・販促活動を行うことも可能です。
ほかのSNSと比べてUGCが生まれやすい
Instagramは写真や動画を簡単にシェアできるため、商品に関するUGCが生まれやすいSNSです。UGCマーケティングプラットフォーム「YOTPO」が実施した調査によると、83%のユーザーは「友人の投稿を見てブランドをチェックする可能性が高くなる」と答えたデータもあり、UGCはユーザーが主体的に発信することから、消費者からの信頼が厚いのが特徴です。
Instagramは、X(旧Twitter)と比べると拡散機能が限定的であるものの、代わりにアルゴリズムが投稿の品質を判定し、発見タブのおすすめ欄などで拡散する仕組みです。自社商品のUGCがアルゴリズムによって広くリーチを得られれば、ブランド認知や態度変容などにつなげられるメリットもあります。
Instagramマーケティングで達成できる目的
Instagramマーケティングで達成できる目的は、おもに次の4つです。
- 認知拡大
- ブランディング
- エンゲージメント向上
- 集客・販売促進
認知拡大
Instagramには「#」記号とキーワードを組み合わせ、特定のトピック・関心事に関連する投稿を検索する「ハッシュタグ検索」があります。投稿にハッシュタグを付けることでフォロワーが少なくても閲覧数やいいねを増やせるため、ハッシュタグを効果的に活用することでブランドや商品の認知を拡大できます。
また、高い影響力を持つインスタグラマーにタイアップ投稿やPR投稿を依頼することで、インスタグラマーのフォロワーへ効果的に認知を広げられます。さらに、ターゲティング精度の高いInstagram広告を活用することで、興味関心が高い層へ効率的にアプローチすることも可能です。これらの方法から自社に合ったものを組み合わせることで、Instagramを通じた認知拡大を達成できます。
ブランディング
Instagramでは、投稿した画像や動画のサムネイルが一覧で表示されます。この特徴を活かし、統一感のあるカラーやデザインを用いることで、企業の世界観やブランドイメージを視覚的に表現できます。
また、テキストの内容や画像・動画のイメージを統一することで、企業のイメージを定着させられます。たとえば、ある色を一貫して使用することで「○○色といえばあの会社」といったブランドイメージを確立しやすくなります。
投稿の方針を明確にして統一感のある発信を続けることで、Instagramを通じて効果的なブランディングを行うことが可能です。
エンゲージメント向上
Instagramには、いいねやコメント機能、ライブ配信機能などがあり、ユーザーとの双方向コミュニケーションを通じてエンゲージメントを向上させられます。
特にライブ配信機能を活用したインスタライブでは、視聴者からの質問にリアルタイムで答えたり、商品の使用方法を実演したりすることが可能なため、ユーザーとの距離を縮め、ブランドへの親近感や信頼感を高められます。インスタライブをライブコマースの場として活用し、配信を通じて商品販売を行う企業も増えています。
このように、Instagramの各機能を活用することで、ユーザーとのエンゲージメントを高め、ブランドとの結びつきを強化できるのも特徴です。
集客・販売促進
Instagramのショッピング機能を活用することで、投稿から直接ECサイトや予約ページなどへ誘導できます。ユーザーは商品に興味を持った瞬間に購入ページへ移動できるため、購買行動までをシームレスにつなげられます。よって、ECサイトや実店舗などの集客・販促効果が期待できます。
また、ストーリーズを活用したタイムセールなど、限定感やお得感を演出する施策も可能です。商品の魅力を訴求しつつ購入意欲を高めることで、販売促進につなげられます。
Instagramマーケティングが向いている商材の特徴
Instagramマーケティングでは幅広い目的が達成できる一方で、全ての商材で成果を得やすいわけではありません。Instagramマーケティングが向いている特徴は以下の3つです。
- 視覚的に訴求しやすい有形商材
- 10代~20代向けの商材
- BtoC向けの商材
視覚的に訴求しやすい有形商材
Instagramは写真や動画を中心としたプラットフォームのため、視覚的に訴求しやすい有形商材のマーケティングに向いています。具体的には、アパレル・コスメ・食品などの商材が該当します。特にコスメ商材は、色味や肌に塗った際の仕上がりなど、視覚的な要素が購買意欲に影響することから、写真や動画を通じて商品の魅力を訴求することが有効です。
一方で、金融商品やITサービス、コンサルティングサービスなどの無形商材は、その価値を写真・動画で表現しにくいため、Instagramマーケティングでは効果が出づらい傾向があります。しかし、旅行・宿泊予約サイトのアカウントで、世界各地の写真を投稿して自社サービスの利用につなげている事例もあり、運用方法によっては無形商材であってもマーケティングに活用することも可能です。
10代~20代向けの商材
2023年に総務省が実施した調査によると、Instagramの利用率は10代で72.9%、20代で78.8%と非常に高くなっているため、10代~20代をターゲットとした商材はInstagramマーケティングに適しているといえます。
参照:総務省情報通信政策研究所「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
一方、60代の利用率は22.6%と大幅に下がるため、シニア層向けの商材には不向きです。ターゲット層のInstagram利用状況を考慮し、Instagramマーケティングを行うかどうかを検討する必要があるでしょう。
BtoC向けの商材
Instagramは、投稿画像にショッピングタグを付けることで、ユーザーを直接購入ページに誘導できます。この機能の活用により消費行動を促せるため、購入決定までの期間が短いBtoC商材に適しています。
一方、BtoB商材は多くの関係者が購買の意思決定に関与するため、購買プロセスが複雑になります。また、ビジネスパーソンや企業の経営層がターゲットであることが多く、主要ユーザーが10代~20代のInstagramでは、ターゲットにリーチしにくいという課題もあります。
このような理由から、InstagramマーケティングはBtoBよりも、BtoC商材により適しているといえるでしょう。
Instagramマーケティングの4つの手法
Instagramマーケティングの手法は以下4つに分けられます。
- 公式アカウントの運用
- Instagram広告の出稿
- インフルエンサー施策
- キャンペーンの実施
公式アカウントの運用
Instagram公式アカウントの運用は、企業がInstagram上で自社アカウントを開設し、投稿やユーザーコミュニケーションを行うマーケティング手法です。無料で始めることができ、継続的な運用によってフォロワーが自社の資産として蓄積できます。
公式アカウントはInstagramマーケティングのベースとなるため、フィードやリール、ストーリーズなどの各投稿フォーマット・機能の役割を理解し、目的に応じて活用することが重要です。
各投稿フォーマット・機能の特徴と活用例は以下のとおりです。
機能 | 特徴 | 活用例 |
---|---|---|
フィード投稿 | ・タイムライン・発見タブなどに表示される画像やカルーセル投稿 ・ブランドイメージの構築や詳細な情報発信に適している | ・画像やカラーを工夫してブランドイメージを構築する ・最大10枚の画像を使用して商品を詳しく紹介する |
リール | ・長さ90秒までのショート動画を投稿する機能 ・エンゲージメント率の向上や新規ユーザーの獲得に適している | ・商品の使用方法や特徴をわかりやすく紹介する ・トレンドの音楽やエフェクトを活用して注目度を向上させる |
ストーリーズ | ・24時間で消える動画を投稿できる機能 ・タイムリーな情報発信やユーザーとの交流 | ・アンケートスタンプなどを活用してフォロワーと交流する ・限定クーポンやセール情報を告知する ・フィード投稿やリールへ誘導する |
ハイライト | ・ストーリーズをプロフィールに常時置いておける機能 ・重要な情報をまとめて提供できる | ・企業紹介や取り組みを紹介する ・外部サイトへのリンクを設置する |
ライブ | ・Instagram上でライブ配信できる機能 ・ユーザーとの交流に適している | ・新製品発表会やイベント中継する ・インフルエンサーとのコラボライブを配信する |
公式アカウント運用への注力がおすすめなのは、ブランディングを重視する企業や継続的な顧客とのコミュニケーションを大切にする企業などです。
Instagram広告の出稿
Instagram広告は、Meta広告プラットフォームを通じて自社の広告をInstagram上に出稿するマーケティング手法です。親会社であるMeta社が運用するFacebookの広告データを流用できるため、詳細なターゲティングが可能です。また、広告からはWebサイト・アプリ・Instagramプロフィール・InstagramのDM・電話など、さまざまな誘導先を選べます。
さらに、Instagram広告では以下の目的のなかから選び、成果を最適化することも可能です。
目的 | 概要 |
---|---|
トラフィック | Webサイト・アプリ・Instagramプロフィールなどへの誘導数を最大化できる |
エンゲージメント | 投稿へのいいね・コメント・保存などのエンゲージメントを最大化できる |
認知度 | 広告の表示人数・表示回数・動画再生数などを最大化できる |
リード | 資料請求・問い合わせなどのリード数を最大化できる |
アプリの宣伝 | アプリのインストール数を最大化できる |
売上 | 商品・サービスを購入する可能性が高いユーザーに広告を配信できる |
加えて、Instagram上の以下のような配信面に広告を出稿できます。
配信面の種類 | 概要 |
---|---|
フィード | ユーザーのメインフィードに表示される最も一般的な配信面 |
ストーリーズ | ストーリーズ投稿の合間に表示される |
リール | リール投稿の合間に表示される |
発見タブ | 発見ホームから投稿をタップしてスクロールしていくと、投稿の合間に表示される |
Instagram広告の出稿は、短期間で成果を上げたい企業や特定のターゲット層にリーチしたい企業などにおすすめです。
インフルエンサー施策
インフルエンサー施策は、Instagram上で多くのフォロワーを持つインフルエンサー「インスタグラマー」に商品やサービスを紹介してもらうマーケティング手法です。
自社商品の潜在顧客をフォロワーとして抱えるインフルエンサーと協働することで、ブランド認知の向上と購買促進が期待できます。また、率直な意見を含めてもらうことで信頼性が高まり、エンゲージメントの向上にもつながります。若年層をターゲットにしている企業や、ニッチな市場で展開している企業などにおすすめの手法です。
ただし、金銭の提供を受けている関係性を明示せずに投稿すると、ステルスマーケティングとみなされ、企業イメージを損なう恐れがあります。PRであることを明記するなど、適切に情報開示する必要があることを認識しておきましょう。
キャンペーンの実施
Instagramマーケティングにおけるキャンペーン施策は、フォロワー獲得やハッシュタグ投稿の促進を目的としたマーケティング手法です。ユーザーの参加を促すことで、ブランドとの関係性を強化し、認知度の向上につなげることが可能です
キャンペーン施策には以下のような種類があります。
種類 | 特徴 |
---|---|
フォロー&いいね型 | ユーザーにアカウントをフォローしてもらい、特定の投稿にいいねをしてもらう |
フォロー&コメント型 | フォローに加え、投稿にコメントしてもらう |
フォロー&投稿型 | フォローに加え、指定のハッシュタグをつけて投稿してもらう |
キャンペーンの実施は、新商品のローンチや季節イベントに合わせてプロモーションしたい企業や、ユーザー参加型のマーケティング施策を行いたい企業などにおすすめです。
ただし、いいねやフォローなどのやり取りを見返りに現金などを提供することは、Instagramの規約で禁止されています。そのため「フォローしてくれた方のなかから抽選で100名に1万円分のギフトカードをプレゼント」のようなキャンペーンは実施できません。しかし、フォロワー限定のキャンペーンや、自社製品・サンプルなどをプレゼントするキャンペーンなどは実施することが可能です。
ただし、ガイドラインは変更される可能性もあるため、キャンペーン実施前に必ず確認しましょう。
Instagramマーケティングの戦略の立て方
Instagramマーケティングの戦略は以下の5ステップです。
- ロールモデルを設定する
- KPIを設定する
- ターゲットを設定する
- アカウントのコンセプトを決定する
- 投稿するコンテンツを企画・制作する
今回は、公式アカウントの運用において「認知拡大」を目的とし、戦略の立て方を解説します。
1.ロールモデルを設定する
まずは競合調査を行い、自社と類似したジャンルの企業アカウントを見つけて分析しましょう。フォロワー数が多いアカウント・フォロワー数が少ないアカウントの両方を見つけ、以下のポイントを確認しましょう。
- 「認知拡大」のためにどのような手法を採用しているか
- どのようなコンテンツを作成しているか
- どのようなハッシュタグを活用しているか
- どのようにInstagramの機能を使っているか
- どのように導線設計しているか
成功パターンと失敗パターンを把握することで、自社アカウントをより効果的に運用できます。目標とするアカウントをロールモデルとして設定し、Instagram運用を効率的に進めましょう。
2.KPIを設定する
次に、InstagramマーケティングにおけるKPIを設定します。Instagramマーケティングでは、以下のような指標をKPIとする傾向があります。
- インプレッション数
- フォロワー数
- リーチ数
- エンゲージメント率
- 指名検索数
- UGC数
今回は「認知拡大」が目的のため、インプレッション数やリーチ数などをKPIとして設定します。
3.ターゲットを設定する
次に、自社商品・サービスを訴求するターゲットを設定しましょう。たとえば、自社がアパレル関係の商品を扱っている場合、ターゲットは「ファッションが好きな20代の女性」というように設定します。
ターゲットを設定したら、より詳しく人物像を設定する「ペルソナ」を以下のように設定します。
- 性別:女性
- 年齢:25歳
- 職業:IT企業の営業アシスタント
- 住所:東京都江東区
- 通勤:東京メトロ半蔵門線で渋谷まで通勤 (約30分)
- 趣味:Instagram・TikTokでファッションや美容情報をチェック
- 悩み:休日と平日の両方に対応できる服選びに苦心している
- 欲望:周りから「センスがいい」と言われたい
ペルソナを設定することで、自社商品を利用する人物像が明確になるため、アカウントのコンセプトやInstagramに投稿するコンテンツ内容が決めやすくなります。
4.アカウントのコンセプトを決定する
ターゲット・ペルソナを設定したら、アカウントの存在意義や運用方針を明確するためにInstagramアカウントのコンセプトを決めましょう。
ステップ3で決めたペルソナに対応させて「平日のオフィス向けスタイルと、休日のカジュアルスタイルを巧みに組み合わせたコーディネートを提案する」というように、コンセプトを決めます。
目指すべきアカウント像が明確になるため、運営メンバー間の認識を揃えられたり、コンテンツを企画しやすくなったりする効果があります。
5.投稿するコンテンツを企画・制作する
アカウントのコンセプトを決めたら、次に投稿するコンテンツを企画・制作しましょう。ユーザーにとって有益な情報を発信することで、いいねやコメント、アカウントフォローなど、多くの反応を得ることができます。
ユーザーにとって有益なコンテンツの例は以下のとおりです。
- 業界の最新トレンドを解説するコンテンツ
- ユーザーの日常生活に役立つハウツー情報を取り入れたコンテンツ
- 生活の悩みが解決できるコンテンツ
- エンターテイメント性のあるコンテンツ
たとえば、ステップ3.4で設定したペルソナ・アカウントのコンセプトでは、以下のようなコンテンツが考えられます。
- 平日のオフィス向けコーディネートを紹介し、ビジネスカジュアルからスマートカジュアルまでの幅広いスタイルを提案する
- 1つのアイテムを使った平日と休日の着回しコーディネートを紹介する
- フォロワーから投稿されたコーディネートを紹介し、実際の着こなしを共有する
Instagramでは、静止画だけでなく動画も活用できるため「カタログ的に紹介する場合は静止画」「情報量が多い場合は動画」というように使い分けることも大切です。
Instagramマーケティングの成功事例
ここからは、Instagramマーケティングの成功事例を「内製で運用した事例」と「Instagram運用代行サービスを活用した事例」に分けて紹介します。
内製での成功事例
内製でInstagramマーケティングに成功した事例は以下の2つです。
サントリー
- マーケティング手法:公式アカウントの運用
- 成果:フォロワー数22.5万人(2024年10月時点)
大手飲料メーカー「サントリー」のInstagramアカウントは、自社製品と相性の良いレシピや商品紹介を中心としたアカウント運用で人気を集めています。単なる自社製品のPRではなく、ユーザーにとって情報価値の高いコンテンツを作成している点がポイントです。
サントリーは、フォロワーの共感を得られるコンテンツ作りを主軸とし、ユーザーの意見を積極的に取り入れながらブランドの価値観を伝えています。また、リールを活用したインフルエンサーとのタイアップ企画や、飲み物を飲むシーンを想定したコンテンツ作りなど、ユーザーが身近に感じ、楽しめる工夫も特徴的です。
Instagramマーケティングにおけるユーザー目線の重要性を示している成功事例で、2024年10月時点で投稿数978件・フォロワー数22.5万人を誇っています。
コミックシーモア
- マーケティング手法:Instagram広告の出稿
- 成果:通常広告と比較して広告想起2.4倍、メッセージ想起5.7ポイント
電子書籍配信サービス「コミックシーモア」を運営するNTTソルマーレは、競争の激しい電子書籍業界において、新規顧客獲得とサービス認知向上を目的にさまざまな広告フォーマットを試行しました。
特に年末商戦期には、人気タレントを起用したTVCMの演出を再現したARフィルターをInstagram広告に採用。ユーザーが自分の顔をマンガキャラクターに変えられるユニークな体験を提供した結果、通常の動画広告と比較して、2.4倍の広告想起と5.7ポイント高いメッセージ想起を獲得しました。
Instagramの機能を効果的に活用することで、内製での広告運用でも大きな成果を上げられることを示す成功事例で、独自性の高い広告手法を取り入れることが競合との差別化につながったといえるでしょう。
Instagram運用代行サービスを活用した成功事例
運用代行サービスを活用した結果、Instagramマーケティングに成功した事例は以下の2つです。
徳島県観光情報サイト「阿波ナビ」
- マーケティング手法:キャンペーンの実施・Instagram広告出稿・インフルエンサー施策
- 成果:フォロワー獲得数3,860名、クリック単価の削減、インフルエンサーによるタイアップ投稿のリーチ率44.9%
徳島県観光情報サイト「阿波ナビ」はInstagram運用代行サービスを活用し、18歳~50歳の主婦層をターゲットにしたキャンペーン施策の実行やInstagram広告配信、インフルエンサー施策を組み合わせたInstagramマーケティングを実施しました。
プレゼントキャンペーンでは、アカウントのフォローと徳島県のおすすめスポットのコメントで応募できる仕組みを導入。また、旅・お出かけ系とグルメ・カフェ情報発信のインフルエンサー2名によるタイアップ投稿も行いました。
その結果、広告配信ではクリック数とクリック率が目標値を大きく上回り、フォロワー獲得数3,860名、クリック単価の削減を達成。インフルエンサー投稿では44.9%という高いリーチ率を記録しました。ターゲットに合わせたキャンペーンとインフルエンサー選定、そして投稿内容が相乗効果を生み、成果につながった成功事例です。
日東紅茶
- マーケティング手法:公式アカウントの運用
- 成果:前期比でフィード投稿平均リーチ数354%、 リール投稿平均リーチ数345%、フィード投稿の全体エンゲージメント1.7倍、リール投稿2.4倍に増加
老舗紅茶ブランド「日東紅茶」はInstagram運用代行サービスを活用し、商品の認知度拡大を目的とした公式アカウントの立ち上げ・戦略設計・運用・分析を実施しました。「おうちでティータイムを手軽・気軽に楽しむアイデアが得られる場」をコンセプトに、ユーザー心理を分析した”わくわくする”コンテンツを制作・投稿。紅茶を使った季節感のあるレシピや製品紹介動画など、ユーザーの興味を引くコンテンツを継続的に発信しました。
その結果、約4年間の運用で前期比でフィード投稿の平均リーチ数は354%、リール投稿の平均リーチ数は345%と大幅に増加。さらに、フィード投稿全体のエンゲージメントは1.7倍、リール投稿では2.4倍に上昇しました。
ユーザーの心理を捉えた魅力的なコンテンツを継続的に発信することで、日東紅茶のような伝統的なブランドであっても、ブランドイメージの向上と認知度拡大を実現できることを示す成功事例です。
Instagramマーケティングの内製におすすめのツール3選と選び方
Instagramマーケティングの内製化は、社内での迅速な意思決定や状況応じて柔軟に対応できる点がメリットです。また、ノウハウを蓄積することで将来の施策立案や人材育成にも役立ちます。
内製化を進める際は、分析や効率化、アカウント運用改善に特化したツールを活用し、データに基づいた運用を行うことで集客・販売につなげることが可能です。ここからは、Instagramマーケティングの内製におすすめのツールを以下タイプごとに紹介します。
- 分析に強みがあるタイプ
- 業務効率化に強みタイプ
- 運用改善に強みタイプ
Instagramインサイト(分析に強み)
「Instagramインサイト」はプロアカウントであれば無料で利用できるInstagram公式ツールです。アカウント全体の概要から、フィード投稿・ストーリーズ・リール・ライブ動画といったコンテンツ別の詳細なインサイトまで、多角的な分析が可能です。
オーディエンス分析では、性別・地域などのフォロワーの属性データを確認し、ペルソナとのずれやエンゲージメント・フォロワー増加施策の検討に役立ちます。コンテンツごとのいいね数・リーチ数など、パフォーマンス測定で効果的なコンテンツを特定、インプレッション経路分析でリーチ拡大施策を検討することも可能。
ただし、累計フォロワー数の推移やデータの保存期間など、一部機能に制限がある点に注意が必要です。
Social Insight(業務効率化に強み)
Instagramキャンペーンの効率化には「Social Insight」がおすすめです。フォロー&アクション条件でプレゼントキャンペーンを自動化し、当選確認や抽選作業の負担を軽減。ハッシュタグ分析機能で、キャンペーンの効果測定も容易です。
競合アカウントとの比較分析で、自社アカウントの立ち位置を把握し、フォロワー増加のノウハウを吸収できるうえ、ワンクリックでPowerPoint形式のレポートを作成できるため、分析結果に基づいた戦略立案に集中できるのも魅力です。Instagramインサイト連携でストーリーズデータを含むデータを長期間保存し、過去のキャンペーンデータを確認することもできます。
GRASIS(運用改善に強み)
「GRASIS」はInstagram運用の改善に強みがあるツールです。画像分析や競合分析に基づき、撮影・加工、被写体の改善提案、おすすめ投稿例を自動で提示。他社アカウントの投稿全文検索や競合投稿の比較分析機能で、投稿内容作成をサポートします。
ハッシュタグ・投稿文案・スケジュールなども自動で提案してもらえるうえ、運用報告書や競合分析資料もワンクリックで生成。フォロワー推移を要因分解し詳細なKPIに落とし込むことで運用状況を可視化し、データに基づいた改善を実現できるツールです。
Instagram運用代行サービスおすすめ4選と選び方
Instagramマーケティングは内製でも行える一方で、運用代行サービスを利用することで「経験豊富なプロにInstagramマーケティングの実行を代行してもらえる」「社内にノウハウがなくてもInstagramマーケティングを実践できる」などのメリットがあります。
Instagram運用代行サービスは「低コストで投稿数を担保したい」「アカウント運用からインフルエンサー施策まで依頼したい」といった自社のニーズに応じて選ぶことが大切です。ここからは、Instagram運用代行サービスを以下タイプごとに1社ずつ紹介します。
- 投稿数・投稿継続に強みのあるタイプ
- 分析・企画に強みのあるタイプ
- 関連施策・業務に強みのあるタイプ
- インフルエンサー施策に強みのあるタイプ
なお、以下の記事では、上記4タイプのInstagram運用代行サービスを15選紹介しています。さらに多くの運用代行サービスを比較して自社にマッチしたものを選びたい方は、ぜひあわせてご覧ください。
アルパカSNS(投稿数・投稿継続に強み)
合同会社OnTechが提供する「アルパカSNS」は、デザイン会社としての側面を生かし、デザイン思考を取り入れた顧客視点のデザイン性の高いクリエイティブ制作で、Instagram運用を代行しています。月額5万円のライトプランは月最大10投稿、月額8万円のベーシックプランは月最大20投稿と、手軽な価格でありつつもコンスタントな運用を実現。
オプションの「分析レポート提出&改善施策提案」で、さらなる効果向上も期待できます。ベーシックプランではFacebookとX(旧Twitter)の同時運用も可能。クオリティの高いクリエイティブと継続的な投稿で、Instagramアカウントの成長をサポートしているサービスです。
テテマーチ(分析・企画に強み)
テテマーチは、独自のInstagram運用分析ツール「SINIS」と研究機関「サキダチラボ」によるアルゴリズム調査で、SNSで成果を出すセオリーを導き出してInstagram運用を代行しています。「サキダチラボ」はSNSが実利に及ぼす影響を研究し、Z世代マーケ研究室「Lookey」ではZ世代の価値観やインサイトを言語化。若者・Z世代への訴求に強みを持つ顧客起点の戦略設計を支援します。
「SINIS」によるアルゴリズム調査で継続的な改善を行い、X(旧Twitter)やTikTokにも対応可能。分析と企画に基づいた戦略的な運用で、顧客のビジネス目標達成をサポートしている代行会社です。
リプカ(関連施策・業務に強み)
リプカは、Instagram運用代行に加え、X(旧Twitter)運用・撮影・ECサイト開設・LP作成・Instagram広告運用・PR活動など、幅広い関連業務に対応できる体制が強みです。中小企業から大企業まで300アカウント以上の豊富な運用実績を持つため、多様なニーズに対応可能です。
迅速な対応にも定評があり、他社では間に合わなかったPRイベントまでの運用開始を実現した実績も。Instagram運用と並行した多様な施策で、相乗効果による更なる成果向上を期待できます。
Find Model(インフルエンサー施策に強み)
ソーシャルワイヤー株式会社が提供する「Find Model」は、インフルエンサーキャスティングサービスとの連携によってInstagram運用代行の効果を高める運用代行サービスを提供しています。13,700件以上のキャスティング実績に基づき、ブランドに最適なインフルエンサーを選定し、認知度向上やフォロワー獲得を支援。
旅行・ファッション・コスメなど多様なジャンルのアカウント運用に対応し、企業イメージに合わせたオリジナリティ溢れるアカウントを構築します。アカウント初期設計から分析・レポーティング、キャンペーンや広告配信、インフルエンサーPR提案まで、Instagramマーケティングを包括的に支援しています。
まとめ
Instagramマーケティングは、公式アカウントの運用・広告の出稿・インフルエンサー施策・キャンペーンなどの手法から、自社の目的に応じて組み合わせると効果的です。
本記事で紹介した戦略の立て方や成功事例を参考に、自社がInstagramマーケティングに取り組むべきかを判断しましょう。
b-pos編集部
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