展示会営業の実践テクニック!費用対効果を高めるコツとアポ獲得の秘訣

1社ずつアプローチから商談を獲得するテレアポなどとは異なり、一度に多くの見込み顧客へアプローチすることができる手法として多くのBtoB企業が取り組む展示会への出展。一方で、一度の出展に100万円~数百万円程度の費用が発生するため、「費用対効果が合わなさそう」「出展しても商談を獲得できなかった」と考える営業・マーケティングの担当者も多いのではないでしょうか。

今回は、企業の営業活動を包括的に支援する株式会社ブレイブ・ワークを運営する筆者が、多くの展示会営業の支援実績をもとに導き出した”展示会営業で商談を獲得するための実践テクニック”をご紹介します。

展示会は、目標やKPIを明確にし、丁寧なフォローアップを行うことができれば質の高い商談を獲得できます。本記事が展示会営業に悩むみなさまの参考になればうれしく思います。

そもそも展示会営業とは?

そもそも展示会営業とは、業界の見込み顧客が集まる展示会に出展し、対面で自社の製品・サービスをPRしながら商談機会を獲得する営業手法です。

まずは展示会営業に取り組むメリットと、テレアポや広告運用などの新規顧客獲得施策との違いについて解説していきます。

展示会営業のメリット

展示会営業に取り組むメリットには、以下の3つが挙げられます。

  1. 短期間で多くの見込み顧客と接点が持てる
  2. 対面でのコミュニケーションで課題やニーズを掴みやすい
  3. 意思決定者や購買担当者にアプローチしやすい

展示会営業の最大のメリットは、短期間で多くの見込み顧客と接点を持てる点です。1日〜数日の開催期間中に、数百〜数千人が訪れるため、通常の営業活動では得られないリード数を短期間で獲得できます。

また、対面でのコミュニケーションで相手の課題やニーズを掴みやすい点もメリットです。来場者の表情や反応を見ながら会話することで、オンラインや電話では引き出しづらい本音や潜在的なニーズまで把握できます。

BtoB向けの展示会では、経営層や部門責任者、購買担当者が来場していることも多く、意思決定者や購買担当者に直接アプローチできる機会が多い点も特徴です。名刺交換の段階で役職や決裁権限を把握できるため、展示会後のフォローアップも効果的に行えます。

他新規顧客獲得施策との違い

展示会営業をより深く理解することができるよう、ここでは新規顧客の開拓のために多くの企業が取り組んでいる「テレアポ」と「web広告運用」との違いについても解説します。

展示会営業テレアポweb広告運用
アプローチ方法対面で名刺交換リストに対して架電サービスサイト上での問い合わせ獲得
アプローチできる数多い(1日数十〜数百人)中(1日20〜50件程度)多い(月間数千クリックも可能)
温度感高め(課題意識のある来場者)低め〜中(無関心な人にも架電)ピンキリ(情報収集中~購入検討まで)
課題感の把握表情などからも把握可能電話越しで把握がしづらい間接的なコミュニケーションで把握しづらい

テレアポは営業リストをもとに1件ずつ電話をかけるため、スピード感はあるものの、興味のない層にもアプローチする必要があるため、効率的とは言えません。一方、展示会営業では、来場者がある程度関心を持ってブースに立ち寄るため、温度感の高い状態で対話が始められます。また、対面で話せるため信頼を得やすいのも特徴です。

Web広告運用は低予算でも実施でき、大量のユーザーにリーチできますが、導入意欲が低い見込み顧客も存在するため、温度感が読みづらいのが難点です。展示会営業では、その場で会話を通じてニーズや課題を把握でき、興味の高い層に直接アプローチできるため、商談化までのスピードが早いという違いがあります。

なぜ「展示会営業は費用対効果が合わない」と言われるのか?

展示会営業には、少なくとも100万円、多いと数百万円以上の費用がかかります。このコストの高さから、「出展しても、その後の売上で元が取れない」と感じている企業が少なくありません。ここでは、実際の調査データをもとに「コストに見合う効果が出にくい」と言われる理由を見ていきます。

“展示会出展の課題に関する実態調査”

株式会社ハンモックが実施した調査では、展示会に出展した企業の半数以上が「コストが高すぎる」と感じていることが分かっています。これは、展示会出展における最大の課題とされています。

画像引用:【展示会出展の実態調査】約4割がコロナ禍と比較して出展数を増加

さらに同じ調査では、以下のようなデータも出ています。

  • 商談につながった割合が20%以下の企業が55%
  • 実際に受注に結びついた割合が20%以下の企業が65%

つまり、「展示会で多くの名刺(リード)を集めたけど、そこから商談や契約にはなかなか繋がらなかった」という企業がかなり多いのが実情です。

画像引用:【展示会出展の実態調査】約4割がコロナ禍と比較して出展数を増加

調査からわかる「コストが回収できない主な要因」

多くの企業が「コストを回収できない」と感じている一方で、展示会営業を通して大きな成果を上げている企業も一定数存在します。そのような違いが生じる要因には以下の3つが考えられます。

  • 曖昧な目標・KPI設定による効果測定の失敗
  • 準備不足によるリード獲得の失敗
  • 不十分なフォローアップによる商談獲得の失敗

特に多いのが、目標やKPIを曖昧にしたまま出展してしまい、成果をどう評価すべきか分からなくなるケース。また、ターゲットを明確にしないまま準備を進めた結果、質の高いリードを獲得できず、名刺は集まったのに商談につながらないという状況も少なくありません。

さらに、展示会後のフォローが遅れたり、定型的なアプローチしかできなかったことで、せっかくの見込み顧客を取りこぼしてしまうケースも多く見られます。

どうすればこれらの失敗を防ぎ、費用対効果を最大化できるのかについては、次のセクションで具体的な改善策をご紹介します。

費用対効果を高める、展示会営業の”実践テクニック”

コストが回収できない3つの要因を解消し、展示会営業の費用対効果を高めるには事前の設計と準備、当日の運営、そして展示会後のアプローチまで、一貫した戦略が重要になってきます

この3つのステップをしっかり押さえ、実践することができれば出展コストに見合った成果を上げることは十分に可能です。ここからは、費用対効果を最大化するための「実践テクニック」を、フェーズごとに紹介します。

  • 事前準備
    ①費用対効果から目標を決める
    ②自社の顧客を定義する
    ③展示会当日のKPIを決める
  • 展示会当日
    ①展示会営業の戦略を決める
    ②その場で日程を調整する
    ③顧客の興味度合いを記録する
  • アフターフォロー
    ①アプローチ先の優先順位を付ける
    ②記憶を呼び起こすトークスクリプトを作る
    ③SFAやCRMで管理する

【実践テクニック①】事前準備編

展示会当日の戦略を明確にするために、展示会前の事前準備は非常に重要です。以下の3つのステップで、展示会営業における目標やターゲット、KPIを明確にしていきましょう。

  1. 費用対効果から目標を決める
  2. 自社の顧客を定義する
  3. 展示会当日のKPIを決める

1. 費用対効果から目標を決める

まずは、展示会営業に取り組み、どのくらいの費用対効果を期待するのかを明確にする必要があります。展示会の目的を「新規売上受注」に設定した場合は、まずは出展コストに対してどの程度の売上を見込むかを具体的に計算しましょう。

  • 展示会出展にかかる合計費用:XX円
    – 展示会出展費:XX円
    – 展示会装飾費:XX円
    – 展示会人件費:XX円
    – 展示会備品費:XX円
  • 展示会出展による売上目標:XX円

また、企業のフェーズや規模感によって、展示会参加から導入までの期間が大きく異なるため、売上目標は、展示会から1ヶ月 / 3ヶ月 / 6ヶ月 / 1年のように期間ごとの内訳目標を決めることも大切です。

  • 売上内訳
    – 展示会日から1カ月以内の売上受注額:XX円
    – 展示会日1カ月後から3カ月以内の売上受注額:XX円
    – 展示会3カ月後から6か月以内の売上受注額:XX円
    – 展示会6か月後から1年以内の売上受注額:XX円

展示会に来場している大企業は、「今すぐ導入サービスを探している」というわけではなく、次年度に向けて年度の後半に情報収集を行うケースがほとんどです。

一方で、ベンチャーや中小企業の場合は「顕在的な課題が明確にありサービスを探している」ケースや「世の中のサービストレンドを知りたい」ケースなどニーズは多岐に渡りますが、代表や役員、事業部長クラスの参加が多くなります。そのため、大企業に比べて導入までの期間が短い傾向にあるということを頭に入れておきましょう。

2. 自社の顧客を定義する

次にターゲットを明確にするため、過去の商談データや受注顧客データを分析し、「自社の顧客になりやすい顧客」の定義を行いましょう。具体的には、以下の項目で定義すると効果的です。

基本情報会社規模、業界業種、従業員数、エリアなど会社に関する情報
部署情報上記会社内の部署に関する情報
役職情報上記部署内の役職に関する情報

これらの項目で顧客を定義付け、展示会当日の反応を掛け合わせることで、以下のようにアフターフォローの優先順位を付けることができます。

ランク基本情報部署情報役職情報当日の反応フォロー優先順位
Sランク最優先でフォロー
Aランク優先的にフォロー
Bランク後日フォロー対象
Cランクフォロー対象外

また、フォロー優先順位を付けるだけでなく、「そもそも良いリードが獲得できなかった」のか、「良いリードは獲得できたがフォローに問題があった」のか、「良いリードを獲得して商談化も上手くいったが、受注化に問題が合った」のか、展示会終了後の改善点の洗い出しに役立てることもできます。

3. 展示会当日のKPIを決める

目標設定と顧客定義が完了したら、当日のKPIを決めていきます。KPIは目標から逆算し、フェーズごとに決めると管理しやすくなります。

【1】リード獲得フェーズ:名刺獲得と質の評価

最も重要なKPIは「名刺獲得数」となりますが、同時に「獲得名刺の質」も重要となります。顧客定義で決めたランクごとの有効獲得数まで落とし込みましょう。

  • 名刺獲得枚数
  • 有効名刺獲得枚数
    ・Sランク:有効
    ・Aランク:有効
    ・Bランク:有効
    ・Cランク:無効

【2】商談化フェーズ:展示会からの商談数を管理

展示会当日〜終了後に商談化した数をKPIに設定し、その場での対話、終了後のフォローで適切なアプローチができているかを可視化します。

  • 展示会当日の獲得商談数
  • インサイドセールスによるアプローチ数
  • インサイドセールスによる獲得商談数
  • インサイドセールスによる商談獲得率

【3】受注フェーズ:売上につながる指標の可視化

商談実施後、どのくらい受注・契約に繋がったかやリードタイムをKPIに設定することで、費用対効果の振り返りや次回展示会出展時の改善点の洗い出しに役立てます。

  • 受注数
  • 受注率
  • リードタイム
  • 平均受注単価

展示会営業でのKPI設定は、「接点獲得 → 商談化 → 受注 → 売上」の各段階において指標を分けて設計することがカギです。また、マーケティングと営業が分業されている企業では、部署ごとのKPI責任範囲を明確化することで、連携をスムーズにすることができます。

【実践テクニック②】展示会当日編

展示会営業を成功に導くために最も重要な展示会当日の実践テクニックについて解説します。ここでは、事前準備で決定した目標やKPIを達成するためのアクションを実施していきます。

  1. 展示会営業の戦略を決める
  2. その場で日程を調整する
  3. 顧客の興味度合いを記録する

1. 展示会営業の戦略を決める

展示会営業の成果は、展示会当日の「ブースに立つ人」と「立つ人数」、展示会後の「インサイドセールスのリソース・スキル」によって大きく変わります。

展示会当日に「名刺交換の数を狙うのか」「名刺の質を狙うのか」によって、これらの要素(=戦略)は変動するため、全員が追いかけるべき目標を事前に明確にしておきましょう。

「数」を重視する場合

名刺の獲得数を追いかける場合は、とにかく多くの来場者と接触することが重要になるため、以下の戦略で実行するのがおすすめです。

ブースに立つ人キャンペーンガールなどのアルバイトや派遣
ブースに立つ人数できるだけ多く配置
インサイドセールスの
リソース・スキル
できるだけ多くアサイン

もし、「数」を重視しながらある程度「質」も追いかけたい場合は、「全員にとにかく声をかけて名刺情報を集めてほしいのだけれど、首から下げている札が赤色の人は絶対に声をかけてください!」など誰でも判断できる情報を提供すると効果的です。

「質」を重視する場合

獲得名刺の質を追いかける場合は、自社内の営業担当をアサインし、「顧客定義」に当てはまりそうな来場者に声掛けをしてもう必要があります。

ブースに立つ人顧客の解像度が高い営業担当など
ブースに立つ人数獲得目標数から逆算して配置
インサイドセールスの
リソース・スキル
スキルごとにアプローチ先ランクを振り分け

「人は見た目で判断してはいけない」という言葉がありますが、展示会での声掛けに関しては見た目でしか判断ができません。来場者の風貌や首から役職情報が分かる色付きの札をを確認し、自社の「顧客定義」に当てはまるかの判断をしましょう。

また、どちらの戦略にしても、来場者と会話をしている間に「自社ブースの近くで立ち止まってブースを見ている方に声をかけることができなかった」という自体が生じてしまうこともあります。このような事態を避けるには、”名刺獲得枚数目標を持たないフリーマン”を配置することがおすすめです。

2. その場で日程を調整する

展示会で最も温度が高い瞬間 = 商談を獲得しやすい瞬間は「今この場」です。興味がありそうで話込める顧客の場合は、5分間は話し込み、必ず打ち合わせ日時の打診・調整を行いましょう。

その場での商談打診スクリプト例

「ありがとうございます。よろしければ、後日詳しくご案内させていただきたいのですが、来週水曜か金曜あたりでご都合よろしい時間帯はありますか?」

また、その場でZOOMやmeetsのリンクを発行し、招待・メール送付まで実施するようにしましょう。あらかじめ、リンク発行やメール送付が効率的にできるテンプレートを用意しておくと効果的です。

3. 顧客の興味度合いを記録する

展示会営業では数時間で多くの顧客と話をするため、終了後に交換した名刺をもとに記憶を辿っても鮮明に思い出すことは至難の業です。終了後に適切で精度の高いフォローができるよう、顧客との会話や興味度合いはその場で記録するようにしましょう。

5分間話し込んで
日程調整ができた顧客
打ち合わせ時の提案に活かすために”ヒアリング内容”をメモ
5分間話し込んだが、
日程調整できなかった顧客
適切なフォローを行うために、名刺情報と紐づけて”話した内容を”メモ
話はできていないが、
名刺交換だけできた顧客
簡潔な質問を用意し、”一言でいいので答えてもらった内容”をメモ

これらの情報は、後日フォローを行うインサイドセールスにとっては宝となる情報です。名刺管理ツールを活用したり、写真とメモをチャットツールに送ったりと各自工夫をして情報を徹底的に管理することを心がけましょう。

【実践テクニック③】アフターフォロー編

ここでは、展示会当日に獲得した名刺から商談を獲得する実践テクニックを解説します。実際のトークスクリプトも合わせて紹介しているので参考にしてください。

  1. アプローチ先の優先順位を付ける
  2. 記憶を呼び起こすトークスクリプトを作る
  3. SFAやCRMで管理する

1. アプローチ先の優先順位を付ける

展示会で獲得した名刺は膨大な量になるため、限られたリソースで効率的に商談を獲得するためにまずやるべきことは「どの名刺から優先的にアプローチするか」の決定です。事前に定めた「顧客定義」や当日記録した顧客の反応をもとに、名刺をS〜Cランクに分類して優先順位を明確にしましょう。

ランク優先順位フォロー方法
Sランク最優先当日中に商談獲得/翌営業日までに架電
Aランク展示会終了後2営業日以内に連絡
Bランク一斉メール+反応で判断
Cランク基本はストック。反応があれば対応

インサイドセールスのリソースが豊富な場合は、スキルが高いメンバーから優先順位が高いランクから割り振ると効果的です。リソースが限られている場合は、Sランクから順次フォローを行うようにしましょう。

2. 記憶を呼び起こすトークスクリプトを作る

展示会に参加した見込み顧客は、複数の企業と話しているため、名刺だけではあなたの会社を思い出せないことが大半です。そのため、アプローチ時には「当日の会話内容」に触れるトークができるよう、トークスクリプトを作成しておきましょう。

仮に顧客が話した内容を忘れていても、内容の詳細を話すことで「当日そんな話をしているってことは興味があったサービスなんだ」と思わせることができます。

トークスクリプト例(太字がカスタマイズ部分)

お世話になります。株式会社XXのXXです。先日のXXX展示会ではありがとうございました。

弊社はXXXというXXXができるサービスを展開しておりまして、当日、弊社のXXとお名刺交換いただいた際に「★課題感★や★当日先方からでた言葉や話の内容サマリー★」というお話をさせていただいておりましたが、色々お話聞かれている中で恐縮ですが、ご記憶ございますでしょうか?

ありがとうございます。当日お話を踏まえて、是非一度お打ち合わせの機会もいただければと思いましてご連絡差し上げました。

ちなみに、先日の内容でいくと・・・・(簡易ヒアリング)

ありがとうございます。それでしたら、弊社のサービスが「あんなことやこんなことができる」ものでもございましたので、是非一度ご案内の機会をいただければと思いますが、来週水曜もしくは金曜等でご都合の良いお時間いただけますでしょうか?

ありがとうございます。 それでは、X月X日のX時にて宜しくお願い致します。 最後に、当日までに弊社も準備させていただくので、いくつかご質問させていただければと思いますが、、、

・ヒアリングa

・ヒアリングb

・ヒアリングc

ありがとうございます。当日は宜しくお願い致します。

3. SFAやCRMで管理する

せっかく展示会で獲得した名刺も、対応履歴が属人化してしまえば適切な顧客育成やフォローができず、機会損失に繋がってしまいます。SFA(営業支援ツール)やCRM(顧客管理システム)で一元管理し、「誰がいつ、どんなアクションをしたのか」までを記録しましょう。

  • フォロー状況を「未連絡/連絡済み/商談中/失注」などで分類
  • ステータスに応じてネクストアクションを自動化(通知やタスク)
  • マーケと連携し、反応が薄い顧客はナーチャリングへ

獲得した名刺から中長期的に商談を獲得していくにはインサイドセールスチームとマーケティングチームの連携が肝となります。ツール活用ルールを策定してスムーズな連携ができるようにしましょう。

展示会営業で2,700万円を創出した事例

ここでは、実際に展示会営業で大きな成果を出した企業の事例をご紹介します。紹介するのは、フリーランス人材活用支援サービスを提供する企業の事例です。成功に繋げることができたポイントも交えて紹介していきます。

  • 展示会による売上:2,700万円
  • 名刺獲得数:655枚(3日間)
  • 商談獲得数:67件(当日:25件 / 後日:42件)
  • 受注数:15社(受注率:22%)
  • 平均受注単価:約180万円
  • 平均リードタイム:2カ月

成功のポイント①:当日の商談打診と獲得名刺のランク分け

名刺獲得数655枚のうち、有効名刺(S~Bランク)は320枚(約49%)。展示会終了後すぐに以下のようにランク分けを行い、Sランクから優先的にフォローを実施した点が大きな要因となっています。

Sランク55枚
Aランク80枚
Bランク185枚
Cランク335枚

また、5分間話し込んだ顧客へのその場での商談打診を徹底した結果、獲得した67件の商談のうち、25件を展示会当日に獲得することができています。

成功のポイント②:徹底的なフォロー体制

展示会終了後のフォローでは295名に対して1,045のコールを行い、42件の商談獲得に繋げることができています。優先順位ごとにスキルのあるインサイドセールスをアサインし、当日話した内容を呼び起こすトークスクリプトで適切なフォローができた点が大きな要因となっています。

また、適切なフォローによって商談の質もコントロールすることができ、受注数:15件 / 受注率:22%と高い水準で契約を獲得することもできています。

おまけ|来場者が少なかった場合

展示会に出てみたものの、「思ったより来場者が少ない…」「周囲のブースも閑散としている…」といった状況に直面することもあります。ただ、そんな時でも、ブースで待つだけでは非常にもったいないです。

来場者が少ないタイミングだからこそ、展示会出展企業に積極的に名刺交換をしにいきましょう。あらかじめ来場者が少ないことを想定しておき、出展企業一覧を読み込んだうえで自社の顧客となり得るブースに名刺交換をしにいくと効果的です。

展示会に出展すれば必ずしも多くの名刺を獲得できるとは限りません。あらゆるケースを想定してできることを考えておくことが、展示会営業で費用対効果を高めるために必要となります。

まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございます。

本記事では「展示会営業は費用対効果が合わない」と言われる要因の解説から、「費用対効果を高めるための3つの実践テクニック」について解説しました。

ご紹介した事例のように、解説した実践テクニックを徹底的に行うことで約3,000万円の売上の創出に繋がった事例もあります。各フェーズでのポイントについては以下に再掲しているので参考にしてください。

  • 事前準備
    ①費用対効果から目標を決める
    ②自社の顧客を定義する
    ③展示会当日のKPIを決める
  • 展示会当日
    ①展示会営業の戦略を決める
    ②その場で日程を調整する
    ③顧客の興味度合いを記録する
  • アフターフォロー
    ①アプローチ先の優先順位を付ける
    ②記憶を呼び起こすトークスクリプトを作る
    ③SFAやCRMで管理する

筆者の運営する株式会社ブレイブ・ワークは展示会営業の支援はもちろん、営業戦略の立案から実務サポートまで一気通貫で支援をしています。

「毎月の商談目標が未達、、」「実施している施策が最適かわからない、、」などどんな些細なお悩みでも構いませんので、少しでも営業に課題を感じている方はお気軽にご連絡ください!現状のヒアリングから営業課題の特定、最適なアプローチ手法のご提案まで無料でさせていただきます。

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笹木 将太 | 株式会社ブレイブ・ワーク 代表取締役