社員研修会社おすすめ10選！タイプ別に選び方から比較ポイントまでご紹介。

社員研修は、業務を遂行するうえで必要な知識・スキルなどが身に付けられる大切な学びの場です。しかし、社内で実施するには研修の事前準備や研修担当者のリソースなどが必要になるため、自社だけで社内研修のすべてを実施するのに限界を感じている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、社員研修会社の選び方・比較ポイントを解説したうえで、おすすめの社員研修会社10選を紹介します。自社のニーズにあった研修の外注先が選べる内容のため、ぜひご覧ください。

社員研修会社とは

社員研修会社とは、企業が人材育成のために新入社員や中堅社員、上層部などを対象に実施する研修を代行する会社です。おもに研修の企画・準備・実行・フォローなどの一連の業務を代行します。

研修の種類には「対面」「ウェビナー」「eラーニング」の3種類あり、社内の状況に応じて選択可能です。社員への研修を外注することで、ノウハウを持つプロによる研修が実施できるため「社員のスキル向上につながる」「社内リソースをコア業務に集中できる」などのメリットがあります。

社員研修会社に依頼可能な研修の種類

社員研修会社に依頼できる研修には、以下のような種類があります。

階層別研修	新入社員・中堅社員、管理職などの階層ごとに必要なビジネススキルを身に付ける研修
ハラスメント研修	ハラスメント防止への意識を高め、社内でハラスメントが起きない環境を整えるための研修
スキル研修	企画やコミュニケーションなどの仕事に必要なスキルの習得・向上を目的とした研修
人事研修	人材採用・マネジメントに必要なスキルを身に付けるための研修

このように、社員研修会社にはさまざまな種類の研修を実施してもらえます。自社の課題や育成したい能力を明確にし、それに合った研修プログラムを提供できる会社を選ぶことで、効果的な社員教育を実現できます。

社員研修会社の費用相場

社員研修会社が提供する研修形態別の費用相場は、以下のとおりです。

講師派遣	約50,000円 / 人
ウェビナー	約43,000円 / 人
e-ラーニング	初期費用：約100,000円 月額費用：約1,000円 / 人

講師派遣型は、受講者1人あたり50,000円程度が相場です。なお、サービスによっては、別途交通費や宿泊費などが発生する場合があります。

また、ウェビナーは1人あたり43,000円程度です。e-ラーニングは初期費用が100,000円、月額費用が1,000円程度が相場です。なかには初期費用が不要なサービスもあります。

社員研修会社の選び方

利用する社員研修会社は、提供しているサービス内容や支援範囲によって以下の3タイプに分けられます。

1. 総合支援型
2. 選択型研修支援型
3. 特定のスキル習得支援型

総合支援型

総合支援型は、階層別・スキル・ハラスメント研修などの多種多様な研修に対応しているのが特徴です。豊富な研修の種類のなかから、企業の抱える課題や研修実施の目的に応じて、研修内容の企画から実行、フォローといった総合的な支援をおこなってくれるタイプです。

対面はもちろん、ウェビナーやeラーニングといった多種多様な提供方法にも対応しています。自社で各種研修を実施するリソースがなく、総合的に支援してもらいたい企業におすすめのタイプです。

選択型研修支援型

選択型研修支援型は、月額制（SaaS）もしくはチケット制の従量課金サービスを採用しているのが特徴です。それぞれの社員が受講したい研修を、好きなタイミング・好きな方法で受講できるタイプです。オンデマンド型のeラーニングはもちろん、対面やウェビナー形式での研修を提供しているサービスもあります。

活用例の1つとして、階層別などの基本的な研修は自社でおこない、スキルなどの社員によって学びたい分野が異なるものは、このサービスを利用することでカバー可能です。社員の自発的な学びを促進したい企業におすすめのタイプです。

特定のスキル習得支援型

特定のスキル習得支援型は、営業やIT、接遇といった特定のスキル習得に強みがあるタイプです。たとえば、営業代行会社が自社の営業支援を通じて得たノウハウ・経験をもとに営業研修を提供していたり、航空会社が自社の接客・マナーにおける強みを活かして接遇研修を提供していたりするケースがあります。

このタイプは、営業やIT、接遇など、特定の職種に関するより専門的なスキルを社員に身に付けて欲しい企業におすすめです。

社員研修会社の比較ポイント

先述した社員研修会社のなかから、さらに以下の3つのポイントで比較し、自社に最適な依頼先を選びましょう。

1. 研修後のフォロー
2. 研修形態
3. 研修コンテンツの豊富さ

研修前後のフォロー

研修での学びを最大化させるには、研修前後のフォローが充実しているかどうかを確認しましょう。たとえば、LMS（学習管理システム）の提供を通じて以下のようなサービスを実施し、研修効果を高めているサービスもあります。

「動画による事前学習」「テキスト・資料配布」「事前課題提出や確認テストの実施」「講師による事後フォローなど」

研修で学んだ内容を定着させて実務に活かしてもらうためには、研修前後のフォローが充実している会社を選びましょう。

研修形態

社員研修会社が対面だけでなく、ウェビナーやオンデマンド型での研修にも対応しているかどうかを確認しましょう。

たとえば、リモート勤務が中心の企業であれば、対面で同じ日・同じ場所に研修対象者を集めるのは難しいケースがあります。この場合、ウェビナーもしくはオンデマンド型であれば、社員の移動時間や移動コストなどが削減でき、社員にかかる負担も軽減できます。

社員研修会社が対応している研修形態を確認し、自社の状況に応じてサービスを選びましょう。

研修コンテンツの豊富さ

社員研修会社が提供する研修コンテンツの豊富さも確認しましょう。対面はもちろん、ウェビナーやオンデマンド型の研修におけるコンテンツ数も大切です。

たとえば、階層別の研修のみを提供している場合もあれば、階層別研修に加え、部門別・職種別の研修をおこなっているサービスもあります。また、ウェビナーやオンデマンド型であっても、自己啓発から一般的なビジネススキル、業界の最新トレンドなど、豊富なコンテンツで飽きないサービスを提供しているケースも。

さらに、毎日コンテンツを更新しているサービスもあります。社員研修会社が提供する研修コンテンツの豊富さを確認し、社員の継続的な学びを促進できるサービスを選びましょう。

社員研修会社10選一覧比較表

以下は、本記事で紹介する社員研修会社の一覧比較表です。

上記で解説した「タイプ」と「比較ポイント」をフィルターで絞ることができますので、各制作会社の詳細紹介を読む前に、自社に最適な制作会社のあたりをつけてみてください。

【総合支援型】の社員研修会社

総合支援型の社員研修会社は次の4社です。

株式会社インソース

株式会社インソースは「研修で学んだことを、翌日から職場で実践できる」ことを目指し、実践的な研修プログラムを提供しています。全国46,000社以上の企業・官公庁で導入されており、コンテンツ数も4,000件以上と豊富です。

「講義は4割以下、演習・ワークは6割以上」という、参加型の研修スタイル。グループワークやロールプレイングを通して、受講者自身の気づきや行動変容を促します。また、研修内容を個別カスタマイズできる点も魅力。176以上のLMS機能を搭載した研修・eラーニングプラットフォーム「Leafシリーズ」を提供しており、eラーニング教材作成サービスやeラーニング見放題サービスも利用可能です。

研修前後のフォロー	受講者への事前・事後アンケートの実施、研修効果を高めるオプションサービスあり
研修形態	〇：対面・ウェビナー・オンデマンドに対応
研修コンテンツの豊富さ	〇：階層別研修・DX推進・ハラスメント防止など、4,000件以上（2024年8月現在）
料金	料金例：ビジネス基礎研修 オンライン：52,800円 セミナールーム開催：52,800円～ ※研修事に料金は異なるため、詳細は要問い合わせ eラーニング見放題サービス「Leaf inorder」 初期費用：110,000円 基本料金：月額500円 / 1ID

アチーブメントHRソリューションズ株式会社

アチーブメントHRソリューションズ株式会社は、企業の人材育成・組織開発を総合的に支援する会社です。人間の行動メカニズムを解明した「選択理論心理学」の人間観からのマインドセットを醸成して能力開発をおこなっています。新入社員から経営幹部まで、階層別の研修はもちろん、営業、人事、経理など、部門別の研修にも対応。

理念浸透やハラスメント防止など、テーマ別の研修も充実しており、コンサルタントが企業の課題や研修目的に合わせて研修をカスタマイズで設計。対面・オンラインどちらの研修にも対応しており、企業の状況に合わせて選択できます。2,000以上の企業に導入されており、研修後のフォローアップ体制も充実しています。

研修前後のフォロー	〇：電話コーチング、オンライン学習、フォロー研修などを適宜提案
研修形態	対面、ウェビナー、オンライン研修などに対応 ※オンデマンドは研修によっては取扱なし
研修コンテンツの豊富さ	階層別研修・主体性・チームビルディングなど、30件以上（2024年8月現在）
料金	料金例：内定者～中堅社員研修の場合 講師料：350,000円 テキスト費：100,000円 企画費：50,000円

マイナビ研修サービス（株式会社マイナビ）

マイナビ研修サービスは、40年以上にわたり就職活動と採用活動を支援してきたマイナビグループのノウハウを活かし、企業の人材育成を支援しています。新入社員から経営層まで、各階層に合わせた研修プログラムを提供しているほか、コミュニケーションやハラスメント防止など、テーマ別の研修も充実。

集合研修、講師派遣型研修、オンライン研修など、さまざまな形式に対応しているため、企業のニーズや状況に合わせた最適な研修を選択可能です。人材育成だけでなく、組織開発や人材アセスメントなどのサービスも提供。企業の成長を多角的に支援するパートナーとして、幅広いニーズに対応しています。

研修前後のフォロー	要問い合せ
研修形態	〇：対面、ウェビナー、オンデマンド
研修コンテンツの豊富さ	階層別・コミュニケーション・採用力強化など、90件以上（2024年8月現在）
料金	要問い合せ

一般社団法人日本能率協会

一般社団法人日本能率協会は、80年の歴史を持つ人材育成のリーディングカンパニーです。顧客の課題や研修目的に合わせ、研修内容の企画・実行・フォローまでを一貫してサポート。研修内容は、顧客との綿密なヒアリングに基いてカスタマイズしており、実践的な学びを提供しています。

研修の効果測定や、その後のステップまで考慮した提案をおこなっている点も魅力。年間約2,380本のセミナーを開催し、約30,000名が参加するなど豊富な実績を誇ります。研修にとどまらず、アセスメントや組織変革支援など、人材育成に関する幅広いサービスを提供しています。

研修前後のフォロー	〇：研修の内容に合わせて事後課題を設定、研修後の学習継続にも活用できる「学習管理システム」を提供
研修形態	対面、ウェビナーなど
研修コンテンツの豊富さ	階層別教育・経営幹部育成・プレゼンテーションなど、126件（2024年8月時点）
料金	400,000円～ / 日

【選択型研修支援型】の社員研修会社

選択型研修支援型の社員研修会社は次の3社です。

リクルートマネジメントスクール（株式会社リクルートマネジメントソリューションズ）

リクルートマネジメントスクールは、50年以上の豊富な実績と蓄積したノウハウが強みの社員研修会社です。新入社員から経営層まで、幅広い階層・対象者に向けた180以上の研修コースを提供しており、企業の多様な研修ニーズに対応可能です。

オンライン研修も充実しており、Zoomを活用した3時間の研修を100コース以上用意。3時間研修限定で利用できるチケット制サービスも用意しており、社員が自分のニーズや課題に合わせて自由に研修を選択できるため、自律的な学習を促進できます。実践的な内容にこだわったプログラム設計も魅力です。

研修前後のフォロー	受講後アンケート・実践後アンケートを実施
研修形態	対面、ウェビナー
研修コンテンツの豊富さ	〇：階層別マインドセット・問題解決思考・リーダーシップなど、187件（2024年8月時点）
料金	料金例） 新入社員研修「8つの基本行動」：39,000円～ / 名 チケット制サービス（3時間研修コースが対象） チケット1枚：15,000円 チケット10枚：120,000円

Schoo for Business（株式会社Schoo）

Schoo for Businessは、8,500本以上のビジネススキル動画が見放題の法人向けオンライン学習サービスです。インターネット接続環境さえあれば、時間・場所を問わずに学習可能です。ビジネススキル、ITスキルから働き方、健康まで、幅広い分野のコンテンツを網羅しており、毎日更新されるため、常に最新の情報やスキルを学べます。

また、生放送授業も配信しており、リアルタイムでの学習や質問も可能です。導入・運用サポートもあり、研修設定や管理、受講促進のための機能が充実しているのも特徴です。

研修前後のフォロー	40ID以上契約の企業を対象に、導入準備から振り返りまでの3か月間の伴走サポートを実施
研修形態	ウェビナー、オンデマンド
研修コンテンツの豊富さ	〇：階層別、職種別、テーマ別など約8,500本以上
料金	月額1,650円 / ID

SMBCコンサルティング株式会社

SMBCコンサルティング株式会社は、対面式の「定額制クラブ」オンラインで実施する「定額制Webセミナー」そして、対面・オンラインを組み合わせた「SMBCビジネスセミナー」など、多様な形式の研修を提供しています。

社員研修やコンサルティングの経験豊富な講師陣による実践的な研修が特徴で、理論だけでなく、現場で活かせる知識やスキルを身につけることが可能です。企業の課題に合わせたオーダーメイド研修にも対応しており、研修の目的や内容、予算、スケジュールなどを踏まえて研修プログラムを提案してもらうことも可能です。

研修前後のフォロー	要問い合せ
研修形態	〇：対面・ウェビナー・オンデマンド
研修コンテンツの豊富さ	定額制Webセミナー：階層別・分野別など約200テーマのアーカイブ配信 ビジネスセミナー：階層別・分野別など年間1,000本以上
料金	定額制クラブ 初期費用：165,000 円 月額費用：35,200 円～ 定額制Webセミナー 初期費用：165,000円 月額費用：25,300 円～

【特定のスキル習得支援型】の社員研修会社

特定のスキルの習得支援に特化している社員研修会社は、次の3社です。

株式会社セレブリックス（営業に特化）

株式会社セレブリックスは、約1,300社・12,600サービスの営業支援実績をもとに、営業スキルの習得支援に特化したサービスを提供しています。

営業マネージャー、営業プレイヤー、評価者からのヒアリングを通して改善すべきポイントを明確化し、組織・個人に最適なオーダーメイド研修を提供している点が特徴。座学だけでなく、現場同行による指導やアフターフォローを通して、スキルの定着化を図ります。

従来の営業スキルに加え、デジタルツールを活用した営業組織の構築支援にも力を入れています。営業活動のデジタル化にも対応できる社員研修会社といえるでしょう。

研修前後のフォロー	実態調査、アセスメント、営業手法策定、各種レポーティング、習得したスキル定着の支援など
研修形態	原則非常駐 ※常駐希望に対応してもらえる場合もあり
研修コンテンツの豊富さ	〇：新規営業組織の構築、マネジメント体系化支援、管理職者層向けトレーニング・伴走支援など
料金	要問い合せ

ANAビジネスソリューション株式会社（接遇に特化）

ANAビジネスソリューション株式会社は、ANAグループで培ってきたノウハウを活かした研修を提供しており、10,000件を超える研修実績を誇ります。ANAグループの客室乗務員や整備士など、豊富な現場経験を持つ講師陣が研修を担当。

長年ANAで実践されてきた「おもてなし」のノウハウを学べる点が魅力です。「おもてなし＆ビジネスマナー」や「ヒューマンエラー対策」「OJTトレーナー・インストラクター養成」など多様なプログラムを提供。研修内容は、顧客の課題や要望に合わせて提案してもらえます。講師派遣型・公開講座・オンライン研修・e-Learningなど、さまざまな形式に対応しているため、ニーズに合わせた研修が可能です。

研修前後のフォロー	要問い合せ
研修形態	〇：対面・ウェビナー・オンデマンド
研修コンテンツの豊富さ	おもてなし&ビジネスマナー・ヒューマンエラー対策など、60以上（2024年8月時点）
料金	料金例） 新入社員ビジネスマナー研修（2日間）：51,700円 ANA流 ビジネスマナー研修：51,700円/

株式会社日立アカデミー（ITに特化）

株式会社 日立アカデミーは日立グループの豊富な実績と知見を活かし、IT人材の育成を支援しています。DXやChatGPTなど、最新技術とニーズに対応した研修を数多く提供しており、顧客の事業成長を支援。

日立グループのデジタル人材育成で培った実績を活かした、実践的な研修プログラムが強みです。ITストラテジストや技術士など、高度な資格を持つプロフェッショナル集団が、質の高い研修を提供しています。集合研修、eラーニング、オンライン研修など、さまざまな形態に対応している点も魅力です。顧客の要望に応じて研修内容をカスタマイズできるオーダーメイド研修にも対応しています。

研修前後のフォロー	要問い合せ
研修形態	〇：対面・ウェビナー・オンデマンド
研修コンテンツの豊富さ	〇：デジタル技術に関するスキル・プロジェクトマネジメントスキルなど、約1,300コース
料金	要問い合せ

まとめ

本記事では、社員研修会社の選び方や比較ポイントについて解説しました。まずは、以下の項目にて、自社に最適なタイプを選びましょう。

総合支援型	企業の抱える課題や研修実施の目的に応じて、多種多様な研修を実施できるタイプ
選択型研修支援型	受講したい研修を好きなタイミング・好きな方法で受講できるタイプ
特定のスキル習得支援型	営業やIT、接遇といった特定のスキル習得に強みがあるタイプ

また、その中でも以下の3つの比較ポイントにて絞り込みます。

• 研修後のフォロー
• 研修形態
• 研修コンテンツの豊富さ

この記事が社員研修会社選びの一助になれば幸いです。