商標登録代行サービスおすすめ10選！タイプ別に選び方から比較ポイントまでご紹介。

自社で使用したい商品名やサービス名、企業名、ロゴなどを特許庁に登録することで、登録した商標を独占的に使用できます。しかし、申請内容が却下されるケースもあるため「審査を通過する可能性を高めるために、専門家に依頼したい」と考える方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、商標登録代行サービスの選び方・比較ポイントを解説したうえで、おすすめの商品登録代行サービスを紹介します。

商標登録とは

商標登録とは、企業が自社の商品やサービスを他社のものと区別するために使用するマーク（商標）を、法的に保護する制度です。特許庁に申請して登録することで、企業はその商標に対する「商標権」を取得できます。

この権利により、企業は登録した商標を独占的に使用できるようになります。他社による無断使用や模倣を防げるため、ブランド価値の保護や市場での競争力維持に重要な役割を果たします。

商標登録の流れは以下のとおりです。

なお、商標の区分は商品やサービスの種類によって細かく分けられています。たとえば、第1類には工業用、科学用または農業用の化学品などが該当します。出願内容や審査状況によっては審査期間が伸びる可能性があるため、適切な区分を選択することが円滑に登録手続きを進めるうえで重要です。

商標登録代行とは

商標登録代行とは、商標登録に必要な業務を代行するサービスであり「オンライン型」と「弁理士事務所型」の2種類あります。

オンライン事務所型は、オンラインで必要事項を入力するだけで申請できる手軽さが魅力です。一方で、専門家によるアドバイスが得にくい面もあります。弁理士事務所型は、弁理士による専門的なサポートが受けられる一方で、オンライン型と比較すると費用が高くなる傾向があります。

商標登録代行に依頼できる業務

商標登録代行に依頼できるのは、以下のような業務です。

事前調査	既に申請したい商標が登録されていないかなどの、商標の登録可能性を事前に調査・分析
商標出願	商標登録に必要な書類作成や手続きを代行
商標登録	設定登録料の納付までをサポート
登録後サポート	期限管理や権利侵害への対応などをサポート
拒絶理由通知への対応	拒絶理由への対応策を検討し、意見書等の書類作成を代行

商標登録代行は、事前調査から出願、登録手続き、そして登録後のサポートまで幅広い業務を提供しています。書類作成や手続き代行、拒絶理由通知への対応など、専門的な作業を任せられるため、商標に関する専門知識がなくても、スムーズに商標登録を進めることが可能です。

商標登録代行の費用相場

商標登録代行の費用は、おもに特許庁に支払う「印紙代」と代行サービスに支払う「サービス費用」で構成されます。サービス費用には調査費、出願手数料、登録手数料などが含まれますが、一部の事業者では調査費を無料としているケースもあります。

費用は登録する区分数によって変動し、区分が増えるほど高額になります。一般的な費用相場は

オンラインサービスが5〜10万円、弁理士事務所が5〜13万円、国際特許事務所が25～35万円ほどが相場となっています。

上記の費用相場を考慮しつつ、自社のニーズ・予算に合った適切なサービスを選びましょう。

商標登録代行サービスの選び方

利用する商標登録代行サービスを選ぶ際は、自社のニーズに応じて以下のタイプから選ぶのがおすすめです。

1. オンライン型
2. 弁理士事務所型
3. 国際特許事務所型

オンライン型

オンライン型は、インターネット上で商標調査から申請・登録までの全プロセスを完結させることができるサービスです。

多くの場合、サービスが提供する専用ツールを使って自社で商標調査をおこないます。申請可能と判断されれば、オンラインフォームに必要情報を入力するだけで、サービスと提携している弁理士が登録手続きを進めてくれます。なお、商標調査も代行してくれるサービスもあります。

電話やメールでのやり取りが不要でWeb上で完結するため、申請までの時間を大幅に短縮できます。また、24時間いつでも手続きを進められる柔軟性も魅力です。オンライン型は、迅速な対応を求める企業や、従来の対面式サービスよりも手軽に商標登録を行いたいユーザーに特に適しています。

弁理士事務所型

弁理士事務所型は、商標登録のプロフェッショナルである弁理士が、その専門知識を活かした高品質なサービスを提供しています。

事前調査から登録手続きまで、細部にわたる専門的なサポートが受けられます。特に、商材をどの区分で登録すべきかの判断や、審査通過の可能性の精密な分析など、重要な決定をサポートしてもらうことが可能です。

また、拒絶理由通知を受けた場合の対応も強みです。弁理士が適切な意見書を作成し、審査通過の可能性を高めます。時間はオンライン型より多くかかる可能性がありますが、確実に審査を通過したい場合におすすめのタイプです。

国際特許事務所型

国際特許事務所型は、広範な海外ネットワークを持っており、各国の代理人と連携して効率的な海外への申請を行います。

おもなサービス内容は、マドリッド（マドプロ）協定議定書に基づく国際出願、各国への個別の商標登録申請、そして海外特有の模倣品対策を含む知財戦略活動支援です。オンラインサービスでもマドプロ申請に対応していますが、国際特許事務所型は各国への個別申請にも対応できる点が強みです。

なかでも「国内外での商標登録を検討している企業」や「複数の海外国での登録を希望する企業」などにおすすめです。グローバルな知財保護を一元的に管理できる利点があり、国際的な事業展開を支援する総合的なサービスを受けられます。

商標登録代行サービスの比較ポイント

先述した商標登録代行サービスのなかから、さらに以下のポイントで比較し、自社に最適な依頼先を選びましょう。

1. 周辺業務範囲
2. 事前調査の質
3. 登録後サポートの手厚さ

周辺業務範囲

サービスによって提供される業務範囲が異なるため、自社のニーズに合わせて選択することが大切です。

オンライン型サービスでは、早期審査をオプションで提供している場合があります。また、海外申請に対応しているサービスもありますが、全てのオンラインサービスが対応しているわけではありません。

また、弁理士事務所型では、より広範な周辺業務を提供することが多いです。たとえば、申請する商標の図面作成や優先権の主張などのサポートを行ってくれる場合もあります。

周辺業務の範囲は、登録プロセスの円滑さや成功率に影響を与える可能性があります。そのため、自社が依頼したい業務に対応しているサービスを選びましょう。

事前調査の質

質の高い事前調査は申請の成功率を大きく左右するため、事前調査の質も重要な比較ポイントです。

質の高い事前調査では、単純な文字列検索だけでなく、称呼（読み方）の多様性も考慮します。たとえば「Gourmet」という商標の場合、一般的な読み方である「グルメ」だけでなく「グールメット」や「ゴウルメット」といった特殊な称呼も含めて検索します。

このような綿密な調査により、類似商標の存在を見逃すリスクを最小限に抑え、登録申請の成功率を高めることが可能です。質の高い事前調査は、時間とコストの無駄を防げるため、スムーズな商標登録プロセスを実現できます。

登録後サポートの手厚さ

商標登録代行サービスでは、基本的なアフターサポートとして商標管理を行い、権利消滅の期日前にお知らせと更新案内を提供します。

しかし、なかには権利の見直しとして、ロゴの変更有無や事業内容の変更確認、海外展開の予定確認、競合他社による模倣の有無チェックから、権利活用の提案まで対応してくれるサービスもあります。

登録後のサポートが手厚ければ、長期的な商標保護が可能となります。自社の商標戦略に合わせて、適切なレベルのアフターサポートを提供するサービスを選ぶことが重要です。

商標登録代行サービス10選一覧比較表

以下は、本記事で紹介する商標登録代行サービスの一覧比較表です。

上記で解説した「タイプ」と「比較ポイント」をフィルターで絞ることができますので、各制作会社の詳細紹介を読む前に、自社に最適な制作会社のあたりをつけてみてください。

【オンライン型】の商標登録代行サービス

オンライン型の商標登録代行サービス3選を紹介いたします。

foresTM（弁理士法人FOREST）

foresTMは、弁理士法人FORESTが提供するオンラインで完結する商標登録代行サービスです。24時間365日、全国どこからでもウェブサイト上で簡単に手続きでき、時間や場所を問わず利用できる手軽さが魅力です。

弁理士が商標調査から登録までをサポート。無料で3営業日以内に実施する迅速な商標調査に加え、専門家の視点から登録可能性を高める提案を行います。特許庁とのやり取りも代行するため、専門知識がない方でも安心です。特許庁の審査合格までは事務所費用が無料で、印紙代のみで利用可能です。

周辺業務範囲	オプションで早期審査に対応
事前調査の質	時間をかけて事前商標調査を実施
登録後サポートの手厚さ	〇：拒絶理由の対応が比較的簡単なケースでは追加費用なしで対応
料金	出願時の費用：印紙代のみ12,000円～ 登録時の費用：成功報酬26,400円～、印紙代17,200円～

Rakuny（乃木坂特許商標事務所）

Rakunyは、オンラインで完結する商標登録代行サービスです。最大の特徴は、弁理士による迅速かつ丁寧な対応です。無料の商標調査は3営業日以内に完了し、ユーザーの指示を仰いだのちに、即日で出願手続きを行います。早期審査を希望すれば、約2か月で商標権取得も可能です。

AIではなく、専門家である弁理士が直接商標調査を行う点もポイント。特許庁データベースに加え、膨大な量の辞書や専門書、過去データなども参考に調査するため、精度の高い結果が期待できます。24時間いつでも、場所を問わず専用ツール「IPダイレクト」から手続きや状況確認が可能な点も魅力です。

周辺業務範囲	〇：早期審査申請をオプションで提供、200以上の国・地域の国際商標登録出願に対応
事前調査の質	〇：許庁のデータベースに加え、辞書や百科事典、過去20年分の拒絶商標や登録商標のデータも活用
登録後サポートの手厚さ	登録証の写しや手続き書類などを閲覧できるクラウドWebサポート「IPダイレクト」を提供
料金	1区分の場合 出願手数料：11,000円 登録手数料：27,500円 特許庁に支払う費用（印紙代） 出願時：12,000円 登録料5年：17,200円

Toreru 商標登録（弁理士法人Toreru）

Toreru 商標登録は、弁理士法人Toreruが提供するオンライン完結型の商標登録代行サービスです。インターネット環境があれば、いつでもどこでも手続きを進められます。独自開発の商標調査ツール「Toreru 調査」や簡易版の「AI調査」を用いた、スピーディーかつ精度の高い事前調査が特徴です。

調査の結果、申請が可能と判断されれば、オンラインフォームから必要情報を入力するだけで、提携する弁理士が登録手続きを代行。疑問点があれば、担当弁理士に直接相談することも可能です。

周辺業務範囲	早期審査のオプションあり
事前調査の質	〇：弁理士による「Toreru 調査」を提供
登録後サポートの手厚さ	更新期限のリマインド
料金	総額19,800円＋印紙代～

【弁理士事務所】の商標登録代行サービス

弁理士事務所が提供する商標登録代行サービス3選を紹介いたします。

弁理士法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK

弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARKは、弁理士が全てのプロセスを担当する、専門性と確実性を重視した商標登録代行サービスを提供しています。顧客ごとの状況に合わせて、きめ細かいサポートを提供している点が強みです。

事前のヒアリングを重視し、最適な出願戦略を提案するだけでなく、拒絶理由通知への対応や他事務所で断られた案件の中途受任など、手厚いサポート体制が魅力です。商標登録後も、期限管理や各種相談、オンライン知財パトロールなどのサポートを受けられます。

周辺業務範囲	図面作成、優先権の主張などのサポートなど
事前調査の質	特許庁での審査に準じて「先行商標」と「識別性」を高い精度のデータベースを使用して調査
登録後サポートの手厚さ	〇：期限管理、権利侵害への対応、オンライン知財パトロールなど
料金	文字：26,400円～ 図形：46,200円～

東京金子特許事務所

東京金子特許事務所は、専門知識と対面コミュニケーションを重視した商標登録代行サービスを提供しています。弁理士がヒアリングした内容をもとに、将来のビジネス展開を見据えた適切なアドバイスをしてくれる点が特徴です。

拒絶理由通知を受け取った場合でも、諦めずに権利化を目指し、顧客と連携しながら審査通過の可能性を高めます。状況に応じた「補正」や「意見書提出」などの対応策も提案するため、安心して手続きを進められます。料金体系は、出願時費用を抑えた成功報酬型。対面相談を通じたきめ細かなサポート体制が魅力です。

周辺業務範囲	要問合せ
事前調査の質	〇：初回打ち合わせ前または打ち合わせのなかで、他人の商標権について簡易調査を実施
登録後サポートの手厚さ	要問合せ
料金	出願の基本料金：13,200円 基礎となる特許印紙代：3,400円 区分ごとの特許印紙代：8,600円 商標登録出願（登録時料金） 商標登録を得た場合の成功報酬：31,020円 商標登録料の納付 商標登録料の納付：11,000円 最初の商標登録料：16,400円～

Brandock（弁理士法人みなとみらい特許事務所）

Brandockは、弁理士法人みなとみらい特許事務所が運営する、専門性と確実性を重視した商標登録代行サービスです。Amazon IPアクセラレータに指定されており、Amazonブランド登録を見据えた商標登録も任せられるのが魅力です。

出願手続きはBrandockがすべて代行し、顧客は進捗状況をマイページで確認できます。商標登録後も定期的なヒアリングなどを通じ、顧客の商標権を長期的にサポート。万が一、登録可能性が高いと判断された商標が拒絶された場合、費用を全額返金するサービスを提供している点も魅力です。

周辺業務範囲	〇：商標権の期限管理、権利見直し提案、権利活用提案など
事前調査の質	プロの商標専門家が依頼者の希望する商標やビジネスを考慮して調査
登録後サポートの手厚さ	〇：商標権の管理・メンテナンスとアフターサービスが含まれる「コミコミパッケージプラン」を提供
料金	出願時：29,600円～ 登録時：41,400円～

【国際特許事務所型】の商標登録代行サービス

国際特許事務所が提供する商標登録代行サービス4選を紹介いたします。

弁理士法人 坂本国際特許商標事務所

坂本国際特許商標事務所は、世界各国の現地代理人と連携し、国際出願だけでなく、各国への個別申請にも対応するなど、顧客のニーズに合わせた商標登録代行サービスを提供しています。特許庁での審査経験を持つ弁理士や外国商標に精通した弁理士など、専門家チームによるきめ細やかなサポート体制が強みです。

さらに、3つの料金プランから選べるのも魅力。費用を抑えたい場合は「スピードプラン」確実に商標を取得したい場合は「コンサルプラン」リスクを徹底的に抑えたい場合は「フルサポートプラン」を利用するなど、予算・ニーズに応じて選べます。

周辺業務範囲	〇：国際商標出願、各国への個別申請、マドプロ出願、模倣品調査・差し止め、無効審判請求など
事前調査の質	現地専門家による商標調査
登録後サポートの手厚さ	権利化後のモニタリングを実施
料金	スピードプラン：355,000円 コンサルプラン：475,000円 フルサポートプラン：800,000円

弁理士法人オンダ国際特許事務所

弁理士法人オンダ国際特許事務所は、世界161か国・地域を網羅する広範な代理人ネットワークを通じて、海外への商標出願を進めます。現地事情に精通した各国代理人との連携により、審査での拒絶リスクを最小限に抑え、効率的かつ効果的な商標登録を実現。

年間1,000件以上の国内外商標調査実績に基づく的確なアドバイスや、拒絶理由通知への対応力も強みです。商標調査から出願、権利保全、ライセンス交渉まで対応しているため、安心して商標戦略を任せられます。

周辺業務範囲	登録後の各種変更手続き、権利侵害への対応など
事前調査の質	〇：国内外合わせて年間1000件以上の商標調査実績
登録後サポートの手厚さ	〇：権利消滅の期日前の通知・更新案内など
料金	要問い合せ

弁理士法人ベリーベスト国際特許事務所

ベリーベスト国際特許事務所は、米国、欧州、中国、東南アジアなど、主要な国や地域を含む、広範な国への商標出願に対応しており、海外でのブランド保護を強力に後押ししています。現地代理人との緊密な連携により、各国の法制度や商慣習を踏まえた、スムーズな手続きを実現します。

また、模倣品対策にも注力しており、商標権侵害発生時の対応策として、侵害行為の中止請求、損害賠償請求、信用回復措置請求などのサポートを提供。グローバル市場でのブランド価値保護を重視する企業にとって、心強い味方となるでしょう。

周辺業務範囲	〇：外国出願サポート、模倣品対策など
事前調査の質	事前調査を通じて、商標登録の成功率を高めるための取り組みを実施
登録後サポートの手厚さ	要問い合せ
料金	PCT国際出願手数料：277,000円 マドプロ出願手数料：110,000円

弁理士法人 太陽国際特許事務所

太陽国際特許事務所の商標登録代行サービスは、世界約180ヵ国に及ぶ強固な海外ネットワークを基盤に、グローバルな商標戦略を支援しています。海外進出を検討する企業に対し、各国・地域の法制度や商慣習を踏まえた最適な戦略を提案し、ブランドの保護を図ります。

国際出願に加え、各国への個別申請にも対応しており、企業のニーズに合わせた柔軟なサポート体制が強みです。事前の相談を通じて最適な権利取得の方向性を明確化することで、無駄なコストを抑え、効率的な商標登録を実現します。

周辺業務範囲	〇：海外での商標出願、権利化業務、諸外国の情報収集/提供サービス、外国特許弁護士/弁理士による相談サービスなどを提供
事前調査の質	要問い合せ
登録後サポートの手厚さ	要問い合せ
料金	要問い合せ

まとめ

本記事では、商標登録代行会社の選び方や比較ポイントについて解説しました。まずは、以下の項目にて、自社に最適なタイプを選びましょう。

オンライン型	インターネット上で商標調査から申請・登録まで完結できるタイプ
弁理士事務所型	弁理士による専門的なサポートを提供するタイプ
国際特許事務所型	広範な海外ネットワークを活かした国際出願支援に対応しているタイプ

また、その中でも以下の3つの比較ポイントにて絞り込みます。

• 周辺業務範囲
• 事前調査の質
• 登録後サポートの手厚さ

この記事が商標登録代行会社選びの一助になれば幸いです。