法務DXとしてSaaS×BPO(弁護士体制)を融合した日本初のALSPサービス「クラウドリーガル」のこだわりや魅力とは?

近年、企業法務の領域は、契約書のリーガルチェック・レビューやコンプライアンス対応にとどまらず、人権・労働環境の整備や株主総会・取締役会のガバナンス体制の強化、新規事業における法令適合性、改正法や新法対応、国際取引・経済安全保障・サイバー対策など多岐にわたる対応が求められるようになっています。
そんな中、法務DXとしてSaaS×BPO(弁護士体制)を組み合わせたサービス「クラウドリーガル」を展開しているのがa23s株式会社です。同社は、企業法務の現場で求められる実務支援を幅広く代行し、法務機能のアウトソースを実現することで、法務部門の人手不足や業務負荷の課題解決に貢献しています。
今回は、a23s株式会社 戦略営業顧問の金沢由樹様に、サービスの概要から強み、支援時のこだわりや具体的な支援事例まで詳しくお話を伺いました。

目次
日本初のALSPとして、SaaSとBPOを融合した“実務特化型の法務アウトソーシング”
― まずは「クラウドリーガル」の概要について教えてください。
金沢さん
クラウドリーガルは、日本初のALSP(代替的法務サービスプロバイダー)の企業法務アウトソースサービスを提供しています。契約書周りですとAIと弁護士審査を融合させた効率的で正確なリーガルチェック・契約書レビューや、契約書自動作成・弁護士監修のひな形の提供などがありますが、他にも弁護士・専門士業への法務・労務相談からコンプライアンス対応など、法務業務全般をオンラインで支援しています。
(クラウドリーガルが対応可能な法務業務一覧は下記)
- リーガルチェック/契約書レビュー
- 契約書作成/弁護士監修のひな形の提供
- 弁護士・専門士業への法務・労務相談
- 内部通報窓口による法令違反やハラスメントなどのコンプライアンス対応
- 知的財産等の商標登録・調査
- 会社設立(新規法人・子会社や登記変更)
- プライバシー/労働環境の整備
- 株主総会・取締役会の運営支援・株主対策
- 法令調査(リーガルリサーチ)
- 広告審査・薬機法チェック
- 社内規程整備
- 法務デューデリジェンス(DD)
- IPO準備
- 資本政策(ファイナンス)
特徴は、生成AIと弁護士・専門士業を組み合わせた“ハイブリッド型”の支援体制です。Webシステムを通じて、チャットやリモート面談での法律や労務相談ができるほか、実際の実務対応は専門士業が行うため、ITツールだけでは対応しきれない業務まで一気通貫で任せられる仕組みを実現しています。

― 法務の課題はどのような企業にも共通しているのでしょうか?
金沢さん
まさにそこがポイントで、法務というのは業種・規模を問わず“すべての企業に必要な機能”なんです。近年は法改正の頻度も高まり、業務は複雑化していますが、法務部門の人手は追いつかず、「法務専任者がいない」「兼務で中途半端に対応している」「採用難で法務部のリソースが不足」といった悩みを抱える企業が非常に多いです。
そうした背景を踏まえて、クラウドリーガルでは、インターネットWebサービスを介して場所を問わず全国に“必要なときに、必要なだけ法務機能を提供できる”サービス体制を整えています。従来の選択肢である「社内法務整備・増強」や「顧問弁護士」以外にALSP(代替法務サービスプロバイダー)の「クラウドリーガル」という新しい選択肢を通じて、企業の“法務の当たり前”を変えていけたらと思っています。

あらゆる企業に“ちょうどいい法務機能”を提供する柔軟性と実行力
― 他の法務アウトソーシングサービスとは、どのような違いがありますか?
金沢さん
先程もお話した通り、SaaSとBPO(弁護士体制)を掛け合わせた”BPaaS”サービスという点が大きく異なっていますね。クラウドサービス上での依頼・進行管理と、実際の業務を支えるスケール体制を持った専門士業の手厚い対応で、単なるITツール(リーガルテック)や法務アウトソーシング(BPO)にとどまらない“実務代行サービス”を実現しています。

― どんな企業がこのサービスを活用しているのでしょうか?
金沢さん
当初は個人事業主・中小企業やスタートアップを主なターゲットとして、月額1万円から始められるリーズナブルな料金で「社内法務」や「顧問弁護士」として法務サービスを提供していましたが、近年は上場企業など従業員規模の大きい企業からの引き合いも増えています。
例えば「本来は法務担当が4人体制が理想だが2人しかおらず、契約書のレビュー遅延や法改正や新法対応まで手が回らない」といった課題の場合、クラウドリーガルのような外部リソースを活用して、自社リソースをコア業務に充てるといった活用をされるケースが増えてきましたね。
また、クラウドリーガルは人(弁護士・専門士業リソース)が介在しているため「柔軟な判断」や「曖昧なケースへの対処」も対応可能です。そのため、「クラウドリーガルを入れたら法務部や顧問弁護士がまるごと1つ増えたようだ」と感じてもらえるような、本質的なアウトソース支援が実現できていると思います。
ITシステムと人(リソース)の連携で、“任せられる安心感”を実現
ー クラウドリーガルはSaaSとBPO(弁護士体制)を組み合わせたサービスとのことですが、“人が介在している”ことによるメリットはどんなところにありますか?
金沢さん
クラウドリーガルでは、依頼や進行管理はSaaS上で完結しますが、実際の実務対応や最終判断には企業法務にも精通した専門士業が関与しているため、ITツール(リーガルテック)だけではカバーしきれない領域にも対応できます。
たとえば、契約書のリーガルチェック・レビューひとつとっても、「この表現は法的に問題ないが、自社としては使いたくない」といった個社スタンスに基づく判断や微妙なニュアンスのすり合わせが必要になることもあります。他には、新規ビジネスを立ち上げる際の知的財産など商標登録や調査などビジネスモデルによって異なる特性や事情を汲み取り最適な手続きをすることもできます。これはAIやITツールだけでは対応できない部分だと思います。

こういった場面では、AIがチャット上でヒアリングを行いながら内容をブラッシュアップし、実際の最終判断や曖昧な部分の調整は弁護士・専門士業が行う仕組みになっています。これによって、それぞれ事業特性がありビジネスモデルやスタイルも異なっている個社環境でも精度の高い確実な対応が可能になるだけでなく、人による判断や必要な確認ポイントも見落としなくフォローできる体制を実現しています。
― 気軽に相談しながらも、専門家の意見をもらうことができるんですね。
金沢さん
はい、クラウドリーガルのやりとりでは、まるで社内の法務担当に気軽にチャットで質問しているような感覚でご利用いただけるのが特徴です。AIがまずヒアリングを行い、その内容に応じて人(弁護士・専門士業)が最終判断・対応するという仕組みを取ることで、弁護士・専門士業に気軽に相談できる環境を提供しながら、「専門家がちゃんと見てくれている」という実感と安心感を持っていただけます。
また、質問の背景や補足情報が足りない場合でも、AIが丁寧にヒアリングしてくれるので、「こんなことまで聞いてくれるのか」と驚かれることもあります。生成AIテクノロジーと人の力がバランスよく組み合わさることで、業務を安心して任せられる“寄り添い型”の支援が実現できていますね。
スタートアップから上場企業まで、実務支援を通じた変革を実現
― 実際にクラウドリーガルを導入して、どのような成果が生まれた事例がありますか?
金沢さん
個人事業主から利用してもらっているあるスタートアップ企業では、採用コストなどの問題で法務担当や顧問弁護士が不在で「何をどこまで対応すればいいのか分からない」という状況でした。
そういった中でクラウドリーガルをご導入いただいた結果、個人事業主から法人化への会社設立もクラウドリーガルが代行し、その後のビジネ成長の中で日常的な法務相談や契約書の作成・レビュー・管理、株主総会・取締役会の運営、知的財産等の商標登録の依頼や調査相談、社内規程整備や雇用契約の労務環境の見直しなど、丸っと法務機能を整備することができました。クラウドリーガルが「社内法務」「顧問弁護士」を丸ごと代行したイメージです。
特に、新規事業を立ち上げる際の法的スキーム設計において「事業部門とのコミュニケーションがスムーズになった」とご評価いただいています。どこでも利用できるインターネットWebサービス(SaaS)を介すことで「法務のプロが近くにいる」という安心感が、社内全体のスピード感にもつながったようです。
― より規模の大きい企業での活用事例もありますか?
金沢さん
はい、大手企業や上場企業からのお引き合いも急増していますが、ある上場の大手企業では、法務担当が2名しかおらず、毎日のように各事業部から依頼がくる契約書レビュー・リーガルチェックなどに対応していると、他の経営戦略や新法対応や株主総会の準備まで手が回らないという課題がありました。
クラウドリーガルでは、そうした反復的な法務業務や繁忙期の実務を肩代わりする形で支援し、結果として社内の法務担当者がコア業務に集中できるようになったという声をいただいています。「法務が回らないからといって事業の対応スピードを落とさずに済んだ」という言葉は、非常に印象に残っています。

法務業務に“正解が見えない”ときこそ、私たちにご相談ください
― 最後に、b-pos読者の方へメッセージをお願いします。
金沢さん
クラウドリーガルは「法務専任部門や顧問弁護士が必要なのはわかっているけれど、何から始めればいいかわからない、コスト面が気になる」という企業にこそご活用いただきたいサービスです。
取引の中で契約書レビュー・リーガルチェックひとつとっても、法的リスクヘッジや、自社としてのスタンスをどうすり合わせるかという観点が経営運営上では非常に重要になります。そうした“正解がひとつではない”場面こそ、私たちのようなIT+弁護士・専門士業のスケール体制を組み合わせた外部の知見倉庫であるALSP(法務代替サービスプロバイダー)を活用していただけると、よりスムーズにビジネスも進むと思います。
サービスに関するご質問や、「こういう使い方もできるの?」といったご相談も大歓迎です。気軽にチャットで相談しながら、プロの法務パートナーに業務を任せる。そんな安心感を、ぜひ一度体験いただけたら嬉しいです。お気軽にご連絡ください!

b-pos編集部
代行・外注サービスの比較サイトb-pos(ビーポス)の編集部。b-posは、BPOサービスの比較検討時に知っておきたい情報や、内製化・成果向上に繋げるノウハウについて解説するメディアです。サービスの掲載企業の方はこちらから(https://b-pos.jp/lp)