YouTube広告運用代行10選比較。代理店の特徴別の選び方と費用まで

生活のデジタル化が進む中で、従来多くの企業が広報活動として利用してきたマス広告からデジタル広告を中心に利用する企業が増えてきています。その一つとしてYouTube広告も多くの企業が採用しています。

しかし、マス広告に比べweb広告はノウハウやスキルを必要とするため代行会社に依頼する企業も珍しくありません。今回は、代行会社への依頼を考えている企業向けに代行会社の選び方と比較ポイントをご紹介いたします。

そもそもYouTube広告とは？

YouTube広告とは、YouTubeやGoogle動画パートナーに配信できる動画広告のことです。おもに動画を再生する前後や途中に表示されます。

広告の種類や課金形態が豊富であり「認知拡大」や「購買促進」など、目的に応じて活用できます。また、データを基に細かなターゲッティンが行えるので、広告を届けたいユーザーに狙って配信することができます。動画なので、他のインターネット広告に比べ届けられる情報量も多いのが特徴です。

YouTube広告の種類

YouTube広告は次の6種類あります。

種類	特徴	動画時間
インストリーム広告（スキップ可）	関心度が高いユーザーが視聴した場合のみ費用が発生する・動画の再生前後、または再生途中に表示	制限なし （Google広告では3分未満を推奨）
インストリーム広告（スキップ不可）	広告全体を確実に視聴してもらえる・動画の再生前後、または再生途中に表示	15～30 秒
バンパー広告	ユーザーにストレスを与えずに最後まで視聴してもらえる・動画再生前に表示	最大6 秒
インフィード広告（旧ディスカバリー広告）	ユーザーの自発的な視聴が促せる・YouTube上の検索結果画面 / 関連動画欄に掲載	上限なし
アウトストリーム広告	タップするとミュートが解除される仕組み・GoogleパートナーのWebサイト・アプリに掲載	上限なし
マストヘッド広告	YouTubeトップページにバナーで表示される・短期間で大規模にプロモーション可能	上限なし

種類ごとに、広告の表示タイミングや掲載場所、動画時間が異なります。配信目的や商品、サービスごとに使い分けることで、高い広告効果が期待できます。

YouTube広告の費用

YouTube広告にかかる費用は、以下の3種類のいずれかの課金方式で計算されます。

種類	特徴
CPV（動画視聴課金）	・広告が視聴されるごとに課金される ・課金タイミングは「30秒以上の視聴」または「30秒未満の動画が最後まで視聴」の2種類
CPM（インプレッション課金）	・広告が1,000回表示されるごとに課金される ・予算に応じて広告の表示回数を調整
CPC（クリック課金）	・広告がクリックされるごとに課金される ・興味関心のあるユーザーに広告費を充てられる

なお、YouTube広告の費用は「広告のターゲット」や「競合の状況」に応じて変動します。

YouTube広告運用代行の費用相場

YouTube広告運用代行を代理店に依頼する場合、基本的にはYouTubeに支払う「広告費」と、代理店に支払う「運用代行費」がかかります。

以下は、先述の費用に加え、初期費用と配信用の動画製作費にあたるクリエイティブにかかる費用も含めた費用相場となります。

初期費用	5万円〜10万円
広告費	CPV（動画視聴課金）・CPM（インプレッション課金）・CPC（クリック課金）
運用代行費	月額広告費の20%
クリエイティブ製作費	30万円〜50万円

広告用の動画制作までフルで依頼するとなると月額50万円〜100万円が相場となるでしょう。

あくまで、一例なので、全てのサービスが該当するわけではありませんが、一つ参考としてサービスを比較してみると良いでしょう。

YouTube広告運用代行の代理店の選び方

本記事では、数ある運用代理店の中から自社に合った1社を選ぶための選び方を3つのタイプに分けて紹介いたします。

• YouTube広告動画制作に強み
• データ分析に強み
• CV施策などの周辺業務にも対応

YouTube広告動画制作に強み

このタイプは、クライアント側が動画素材を用意していなくとも、動画素材の準備から制作まで一気通貫した支援を行なってくれます。他のタイプの代理店に比べ、作れる動画の種類や撮り方などが豊富で多くのタイプの広告動画を作成することができるため、単なる認知ではなくブランドを形成できるような質の高い動画広告の配信が可能。

例えば、ナレーションやアニメーションといった基本的なものからCGや俳優のキャスティング、ドローン撮影、海外撮影など幅広い撮影方法、タイプにも対応しています。自社でクオリティの高い動画広告を打ち出したいと考えている企業におすすめです。

データ分析に強み

このタイプは、YouTubeが提供しているYouTube Analyticsでの分析に加え、独自のツールや数値で異なる切り口からのデータ分析を基に広告効果の可視化を実現しています。例えば、あるサービスでは従来の再生数や登録者数を分析するのではなく、指名検索数といったレスポンス計測を基にその広告の効果を可視化し、リソースの分配などを行なうことを可能にしているサービスもあります。

このようにデータ分析に強みを持つタイプであれば、自社でコストを調整しながら分析改善アクションを取ることができるので、低コストで効果のある広告運用を実現することにも繋がります。細かくPDCAサイクルを回し、コストを抑えた効果的な広告運用を行いたい企業におすすめです。

CV施策などの周辺業務にも対応

このタイプは、動画制作、広告運用といったYouTube広告運用におけるコア業務に加え、CV施策にあたるLPの制作・改善、ユーザーのアクションごとにリスト化し、それらに対してリマーケティング広告配信を行うなどの周辺業務にも対応しています。

そのため、YouTube広告を中心としたマーケティング活動を行うことができます。動画広告の制作、広告運用、分析、そしてCV施策といった一連の業務を依頼することでCVRを高めていきたいと考えている企業におすすめです。

YouTube広告運用代行の代理店の比較ポイント

先述した選び方をもとに自社が依頼すべき代理店のタイプが明確になった上で、そのタイプの中でも自社に合った1社を選択するための比較ポイントを3つ紹介いたします。

• 業務の透明性
• 担当者の質
• クリエイティブの質

業務の透明性

代行会社に依頼することで起きがちな課題として、クライアントが業務の内容や現状を把握しきれないというのがあります。広告運用においては、実際に効果が出ているのか、現状どのような目的でどのような内容で配信をしているのかといった点です。サービスによっては、BIツールを導入し、クライアント側も得られたデータをいつでも確認できたりすることで現状を共有してくれるサービスもあります。

担当者の質

基本的にどのYouTube広告運用サービスも担当してくれる人はプロの方々ですが、その中でもGoogle広告認定資格を持っている人であれば安心して依頼することができるでしょう。この資格はGoogle 広告に関する基礎および上級レベルの知識を持った個人に Google が授与するプロフェッショナルの認定基準です。その為運用の際は、確かな根拠とノウハウを基に確実な運用を行なってくれると言えるでしょう。

クリエイティブの質

YouTube広告運用でやはり成果を出す上で動画のクオリティが一番重要な要素の一つと言っても過言ではありません。多くのサービスは動画制作と広告運用のどちらにも対応していますが、一つ動画制作の質を測るという点で、その企業が自社で運営しているYouTubeチャンネルで実績を残しているかどうかを確認してみるのも良いでしょう。また、CV施策におけるクリエイティブ制作でも、ただLPの制作・改善を行なってくれるのか、ツールを活用した可視化されたデータに基づく改善を行なってくれるかといったサービスごとに微妙な差異もあります。そこも一つ”質”という観点で確認してみるのが良いでしょう。

YouTube広告運用代行会社10選一覧比較表

以下は、本記事で紹介するYouTube広告運用代行会社の一覧比較表です。

上記で解説した「タイプ」と「比較ポイント」をフィルターで絞ることができますので、各代行会社の詳細紹介を読む前に、自社に最適な代行会社のあたりをつけてみてください。

【YouTube広告動画制作】におすすめのYouTube広告運用代行会社

YouTube広告動画制作に強みを持っている広告運用代行会社を紹介します。

株式会社ユニークワン

株式会社ユニークワンは、データとAIを活用して費用対効果の高い広告サービスを提供する代行会社です。Google・Yahoo!の認定代理店に認められており、トレンドに合わせて動画広告を運用しています。

広告運用だけでなく、TVCM素材も有効活用した最適な動画クリエイティブの提案・制作など、領域を超えた成果につながる提案が受けられるのが特徴です。加えて、同社が独自開発した広告レポートツール「racooon（ラクーン）」により、依頼者側で広告の配信状況・レポーディングに必要な情報がリアルタイムで確認できるのも嬉しいポイントです。

業務の透明性	独自開発した広告レポートツールを無償提供
担当者の質	広告運用担当者は「Google広告認定資格」などの専門資格を所有
クリエイティブ	YouTubeのチャンネル登録者数165人（2024年5月時点）
料金	要問い合わせ

株式会社VIDWEB

株式会社VIDWEBは、動画制作実績4,000本以上・リピート率83.9％の代行会社です。動画制作に特化しており、実写動画やアニメーション動画だけでなく、3DCGやドローン撮影などのあらゆる映像表現に対応している点が特徴です。

広告運用では、KPI達成を目指して初期設計と運用改善を実施し、広告パフォーマンスの最大化を目指して細やかにチューニングします。専任のマーケターが動画広告の配信まで一貫して対応しており、広告向けに最適化された動画制作を実現しています。

業務の透明性	広告運用詳細レポートの作成あり
担当者の質	動画制作の専門家とPPC広告の専門家が在籍
クリエイティブ	YouTubeのチャンネル登録者数7人（2024年5月時点）
料金	基本料金：広告予算の20% 初期設計：150,000円～ 各種レポート作成：50,000円～ 動画広告制作：見積もり

株式会社グラッドキューブ

株式会社グラッドキューブは、Google広告の活用による優れた実績を表彰するアワード「Google Premier Partner Awards」において、2019年に動画広告部門で日本国内第1位を受賞している代行会社です。動画広告の専門チームと広告運用のプロが連携し、各企業の商品・サービスに最適な動画広告を制作・配信しています。

YouTube以外にも、リスティング広告をはじめとした多種多様な広告媒体を扱っているため、複数組み合わせて効果を高めることも可能です。また、企業ごとに専任のチームが配置されており、電話・メール・Web会議に応えてもらえるサポート体制も魅力です。

業務の透明性	運用中の広告の成果を、いつでも確認できるレポートを共有して毎日更新
担当者の質	AdWords 基礎、検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、ショッピング広告、モバイル広告、Google Analyticsを取得した社員が在籍
クリエイティブ	YouTubeのチャンネル登録者数 1.52万人（2024年5月時点）
料金	代行費用：広告費の20%

【データ分析】におすすめのYouTube広告運用代行会社

データ分析に強みを持っているYouTube広告運用代行会社を紹介します。

ノバセル株式会社

ノバセル株式会社は、過去累計500億円以上のテレビCMを分析し、改善・実行までを支援してきたノウハウを基にサービスを提供する代行会社です。効果計測指標にこだわっており、エリア×セグメント×動画単位でセッション、指名検索数を洗い出し、レスポンス計測を行って広告効果の改善につなげています。

事業会社・大手広告代理店などの出身者が在籍しており、各企業のマーケティング施策を分析・調査し、ファクトをもとに評価から改善まで伴走する代行会社です。

業務の透明性	要問い合わせ
担当者の質	事業会社・大手広告代理店などの出身者が在籍
クリエイティブ	–
料金	要問い合わせ

プライムナンバーズ株式会社

プライムナンバーズ株式会社は、成果が出ていない広告アカウントの分析・改善に強みがある代行会社です。これまでの運用方法や現状を把握し、成果が出なかった原因を分析して仮説を立てながら戦略的にアカウントを立て直します。

また同社は、広告運用コンサルタントを「いかにお客様の目標を達成できたか」を最大の基準で評価しています。安易の予算増額に走らない環境を整えているため、広告成果改善のために本当に必要な施策の提案が受けることが可能です。加えて、コンサルタント1人あたりが担当する企業数を少数に限定しており、十分な運用リソースを確保しているのも特徴です。

業務の透明性	週次・月次レポートでの報告、月次定例会の実施、異常時の報告・相談
担当者の質	Google広告認定資格や社内研修を通じて専門的な知識を有するスタッフが在籍
クリエイティブ	YouTubeのチャンネル登録者数 287人（2024年5月時点）
料金	広告運用手数料：ご請求金額総額の20％ アクセス解析レポート：50,000円～

デジマール株式会社

デジマール株式会社は、YouTube広告掲載に必要な事項を網羅して対応する代行会社です。ブランド・リーチリフトレポートやGoogleリスティング・Search Consoleなどを活用し、ブランドトラックへの貢献効果を確認。リーチプランナーによる高度なシミュレーションも通じて、PDCAを回します。

また、専任のデザイナーチームがバナーを制作します。配信メディア・ターゲットに効果的な広告を制作し、企業のブランドイメージを最大限に高めます。さらに、複数の広告媒体を同一チームで管理するため、コミュニケーションの一本化が可能です。クライアントのコミュニケーション負荷を抑えつつ、効率的かつスムーズに広告運用する代行会社です。

業務の透明性	広告アカウントにクライアントを招待
担当者の質	YMAAマークを取得しており、薬機法・医療広告ガイドラインの知識を有する広告取扱担当者
クリエイティブ	–
料金	広告運用手数料：広告費用の20% ※最小金額は50,000 / 月

【CV施策などの周辺業務】におすすめのYouTube広告運用代行会社

CV施策などの周辺業務に強みを持っているYouTube広告運用代行会社を紹介します。

株式会社アイレップ

株式会社アイレップは、広告配信後の広告効果の測定により、YouTube広告出稿におけるリスクを低減し、柔軟にキャンペーンを変更する代行会社です。具体的には、個人の視聴データに基づいたレポート作成や、視聴後すぐに実施されるブランドリフト調査などを通じてPDCAサイクルを回します。

また、Googleが提唱する3Hのほかに、欲しいという欲求を作る長尺動画「Movie」と、安く・速く・より正しく多量かで自動化しながら作る短尺動画「Motion」の2領域をかけあわせた6タイプの動画で、結果につながる動画広告を目指してプランニングするのも特徴です。

「Google Premier Partner Awards」で国内最優秀賞を3部門で受賞するなど、運用型広告の高い専門性が認められています。加えて、LPOをはじめとしたクリエイティブ・コンテンツ改善にも対応可能な代行会社です。

業務の透明性	要問い合わせ
担当者の質	Google広告有資格者が多数在籍
クリエイティブ	–
料金	要問い合わせ

株式会社アクシス

株式会社アクシスは、上場上場企業から地方の中堅企業まで、200社以上の支援実績がある代行会社です。過去の実績と研究に基づいたさまざまなデータ・ノウハウを有しており、根拠のある広告運用を行っています。

また、専任の担当者が運用開始前から改善提案までワンストップで対応し、コミュニケーションでのトラブルを予防しています。YouTube広告運用代行の最低契約期間は6か月であるものの、イベント告知などスポットでの相談も受け付けているのも特徴です。

さらに、LP制作やWeb集客改善コンサルティングも実施しており、広告運用だけでなく、Web集客の戦略策定から実行まで任せられる点が魅力です。

業務の透明性	専用ツールにより、日々の広告運用結果を開示
担当者の質	要問い合わせ
クリエイティブ	–
料金	アカウント構築費：200,000円 運用代行手数料：広告費の20% / 月 ※手数料の下限は100,000円 / 月

株式会社デジタルアイデンティティ

株式会社デジタルアイデンティティは、動画制作から広告運用まで一気通貫で支援する代行会社です。画像・動画制作の専門スタッフが多数在籍しており、広告の質と改善速度を担保しています。

YouTube広告運用では、正確な広告効果が測定できるツールを活用し、間接的な効果まで把握するのが特徴です。クライアントとのやり取りを通じて、現状の課題・目標に合わせたKPI・KGIを設定します。

また、ユーザー層や配信フォーマットの特性を踏まえて広告媒体を選定しています。UI/UX診断やユーザーテスト、ネットリサーチなどのデータを活用したサイト改善で、継続的なCVR向上も支援している代行会社です。

業務の透明性	一目で広告の配信状況を確認できるBIツールを導入
担当者の質	動画制作の専任チームが動画制作から運用まで支援
クリエイティブ	–
料金	要問い合わせ

デジタルアスリート株式会社

デジタルアスリート株式会社は、1,800社以上の支援実績で培ったターゲティングのノウハウがある代行会社です。社内に映像ディレクターが在籍しているため、動画制作から広告運用までワンストップで対応しています。

また、行動心理学やセールスライティングを熟知したコピーライターが、動画のタイトルやシナリオを作成します。「売る技術」を鍛えたライターがトレンドに則って設計し、反応率の高い動画を制作しています。

加えて、LP・サイト制作との組み合わせにより、一貫したメッセージを表示させることが可能です。ほかの手法と組み合わせ、CV率向上が目指せる点も魅力です。

業務の透明性	広告管理画面を公開
担当者の質	Google広告認定資格をはじめとした広告運用に関する資格を、40名以上の担当者が保有
クリエイティブ	YouTube チャンネル登録者数 57人（2024年5月時点）
料金	要問い合わせ

まとめ

今回紹介した選び方と比較ポイントを抑えてサービスを検討することで自社に合ったYouTube広告運用代行サービスを選ぶことができます。

自社に合ったサービスを選択することで、効果的なYouTube広告運用を行うことができるでしょう。