商談化するウェビナー企画の完全ガイド。独自調査の結果からわかった企画の質を高めるコツ

リード獲得・商談獲得のためにウェビナーを開催しても、「集客できない」「商談につながらない」と悩む企業は多いはず。ウェビナー実施における集客や商談化の9割は企画の段階で決まります。
筆者の運営する、株式会社ENVYではウェビナーの企画をスコアリングし、商談につながりやすい要素を分析しています。本記事では、独自調査から導き出した企画の質を高めるコツについてご紹介します。
本記事のポイントを押さえるだけで、ウェビナーの集客や商談化の流れが大きく変わるはずです。ぜひ最後まで読んで、ウェビナー企画の精度を高めてみてください。
目次
【調査結果】企画スコアの高いウェビナーは商談化率が高い傾向に
ウェビナー開催において、企画が「集客」と「商談化率」にどのように影響があるのかを分析するため、弊社が2024年(1-12月)に開催代行した1,311件のウェビナーデータの重回帰分析を実施しました。

- 重回帰分析とは、ある結果(目的変数)を説明する際に、関連する複数の要因(説明変数)のうち、どの変数がどの程度、結果を左右しているのかを関数の形で数値化し両者の関係を表し、それを元にして将来の予測を行う統計手法のこと。
分析した結果、弊社が独自で設定した企画スコア※が高いウェビナーは、顕在顧客の集客単価が低く、商談化率も高いことが判明しました。
企画スコア※ | CPA(集客単価) | 商談化率 |
---|---|---|
低い | 29,817円 | 0% |
普通 | 13,211円 | 7.8% |
高い | 6,666円 | 28.1% |
※「ターゲットの解像度」「ウェビナーのタイトル」「商談までの導線設計」の3つの項目から独自で算出
企画スコアは、当社がこれまでのウェビナー運営経験をもとに独自に定義した指標です。他社ウェビナーの傾向や過去の成功・失敗事例を分析し、より商談・受注につながる企画を評価するために策定しています。
このように、ウェビナー開催において質の高い企画を立てることができれば、集客単価(CPA)を下げながら商談化率が高めることができます。
そのため、ウェビナー実施の目的やターゲットを明確にした上で、ターゲットに響く企画を作ることができれば、広告費を抑た効率的な集客、さらには少ない集客数でも商談数の増加を期待することができます。
ウェビナー企画の質を高める3つの要素
ウェビナー企画を立てる際に企画の質を左右する重要な要素が以下の3つです。弊社が独自で設定した”企画スコア”は、この3つの要素を軸に「高い」「普通」「低い」の評価を行いスコアリングしています。
- ターゲットの解像度
- ウェビナータイトル
- 商談までの導線設計
この3つの要素のスコアを「高い状態」にすることができれば、ウェビナー企画の質を高めることができ、集客の効率化と商談数の最大化の実現にも繋がります。ここでは各要素について解説します。
ターゲットの解像度
ターゲットの解像度は、自社のターゲットをどの程度詳細かつ具体的に理解しているかを測る指標です。ターゲットの解像度が高いほど、見込み客の興味を引くタイトルを作りやすくなる上に、商談へ繋げる導線設計もスムーズに行えるため、最も重要な要素となります。
当社では「ターゲット解像度」の基準を以下のように定義しています。
スコア | 状態 |
---|---|
高い | 課題を共感するストーリーで語ることができる状態 |
普通 | 課題や理想は理解しているが、具体的に描写できない状態 |
低い | 課題や理想を一般論で捉え、抽象的な表現しかできない状態 |
ウェビナータイトル
ウェビナータイトルは、ウェビナーの知覚価値と訴求力がターゲットに与える影響の度合いを測る指標です。知覚価値とは「顧客が主観的に認識する価値」のことで、ターゲットが抱える課題を解決できると思わせるタイトルになっているかがカギとなります。
スコア | 状態 |
---|---|
高い | 申込者の過半数以上が狙った層で占められる状態 |
普通 | ターゲット視点で考えられているが、申込者が分散する状態 |
低い | 主観で決めたタイトルで、ターゲットに響かない状態 |
商談までの導線設計
商談までの導線設計は、参加者が商談への意欲を高める設計になっている度合いを測る指標です。商談化を最大化するために非常に重要な要素となっており、唐突な印象なく自然と参加者が次のアクションをイメージできるかがカギとなります。
スコア | 状態 |
---|---|
高い | 参加者が自然に次のステップをイメージできる状態 |
普通 | 次のステップへの関心かイメージのどちらかが不足している状態 |
低い | 唐突な無料相談オファーになっている状態 |
ウェビナー企画の質を高めるには、3つの要素を「高い状態」にすることが重要です。以降では、自社でも実施できる、スコアを高めるステップを各要素に分けて解説していきます。
【ターゲットの解像度】を高める3つのステップ
ターゲットの解像度は、タイトル作成や導線設計に大きく影響するため、ウェビナー企画を立てる際は「ターゲットの解像度が高い」状態であることが欠かせません。ターゲットの解像度を高めるには、「課題」「理想」「FAQ」を明確にすることが重要です。
- 課題:ターゲットが抱えている具体的な悩みや問題
- 理想:ターゲットが目指している状態や、少し先の未来の姿
- FAQ:商談時などで頻繁に質問される内容
以下の3つのステップを実践することで、これらを明確にすることができ、ターゲット理解の深化と効果的なウェビナー企画の立案が可能になります。それぞれのステップについて紹介していきます。

- 過去1年分の有効商談を見返す
- 同業他社の事例をリサーチする
- 共通する課題をグルーピングする

宮津 駿 | 株式会社ENVY 代表取締役
関西大学理工学部在学中にWeb制作やECサイト運営を手掛ける。卒業後も事業を拡大し、ウェビナー施策に本格的に着手。初期には成果が出ず苦労するも、他社ウェビナーの徹底分析や海外でのプレゼンテーション研修を経て独自のメソッドを確立。現在は株式会社ENVYの代表取締役としてBtoB向けウェビナー代行サービス「セミナーBPO」を展開中。200社を超える企業支援と3,500回以上の開催代行を通じ、成約率20-30%を実現し、クライアントの成長と収益拡大に貢献している。