営業資料の「作り方」と「使い方」徹底解説!鉄板の構成と作成時のポイントも

「営業資料の具体的な作り方が知りたい」
「営業資料の活用方法や送付方法が知りたい」

といった悩みは、経営者や営業担当者の方に起きがちです。

営業資料は「達成したいゴール」「自社製品情報」「活用場面」といった情報を整理してから作成します。鉄板の構成どおりに作成することで、誰でも営業資料を作成することができます。

本記事では、営業資料の作り方と使い方、作成時のポイントを中心に解説します。

営業資料の種類

営業資料は利用シーンごとに次の3種類に分けられます。

パンフレット

パンフレットは「顧客にサービスや商品に興味を持ってもらうこと」を目的として作成します。

展示会などの場で配布するため「商品やサービスの概要をわかりやすく説明する」「キーワード・写真を大きく表示する」といった工夫が必要です。短い時間で魅力が伝わるパンフレットを作成することで、不特定多数の方にアプローチできます。

営業資料

営業資料は、一次商談などの場で使用する一般的な営業資料です。「受注や二次提案につなげること」を目的として作成します。

顧客のニーズが具体的に把握できていないシーンで使用するため、自社のサービス・商材を広く紹介します。そのなかで興味・関心がどこにあるかをヒアリングし、ニーズに沿った提案につなげます。

提案資料

提案資料は、二次提案の場で使用する営業資料です。「商談の成約・受注」を目的として作成します。

提案資料は「紹介する商材が顧客の課題をどのように解決するか」「購入することでどのようなメリットがあるか」を伝えます。そのためこれまでのヒアリングを踏まえ、顧客ごとに提案内容をカスタマイズします。

営業資料の作成方法

続いて、営業資料の作成方法をご紹介します。

営業資料作成前に情報整理

営業資料を作成する前に、次の情報を整理しましょう。

  • 資料で達成したいゴール
  • 自社製品情報
  • 資料の活用場面

イメージとしては以下のような整理となります。(例は、Web制作会社の営業資料の情報整理)

資料で達成
したいゴール
Web制作案件の受注
製品情報・特徴…最短納品1ヶ月
・強み…コンサルタントが伴走
・料金…100万円
活用場面オンライン商談
(インバウンドで資料請求が起きた後の初回商談)

詳しく見ていきましょう。

資料で達成したいゴール

資料の種類によって作成する目的が異なります。そのため、営業資料で達成したいゴールを整理しましょう。

営業フェーズによって、適した営業資料は異なります。顧客のフェーズを考える場合、AIDMA(アイドマ)モデルを活用する方法があります。

顧客のフェーズと営業資料の目的は以下の表のとおりです。

フェーズ顧客の状態営業資料の目的
Attention (注意)知らない商材について知ってもらう
Interest(関心)知っているが興味はない商材に興味を持ってもらう
Desire(欲求)興味はあるが欲しくはないさらに検討したいと思ってもらう
Memory(記憶)欲しいと思ったが忘れている特徴を理解し「この商材が欲しい」と思ってもらう
Action(行動)動機はあるが購入する機会がない購入・契約につなげる

たとえば顧客が「Memory(記憶)」のフェーズの場合、購買意欲を高める営業資料や提案資料が適しています。「何に重点を置く資料なのか」を明確にしたうえで、資料を作成しましょう。

自社製品情報

資料に自社製品の情報を並べるだけでは、魅力が十分に伝わりません。そのため自社製品の基本情報、強み、料金といった情報を整理し、営業資料作りに役立てましょう。

例えば、

情報例なにを整理すればいいのか?
基本情報機能・使い方・素材・重さ などの基本情報を羅列してみる
強み他社製品にはない○○の機能が搭載されているなどの、強みの整理をしてみる
料金自社製品の料金と、プランごとのおすすめの活用方法を整理する
競合競合A、競合B、競合C、、を4つの軸で比較してみる

自社製品の基本情報では、機能や使い方、素材、重さといった「どんな製品なのか」を顧客が判断するために必要な情報を整理します。

自社製品の強みは、競合である他社製品と比べて「優れているポイント」を明確にします。たとえば「最短2日で納品できる」「他社製品にはない○○の機能が搭載されている」といった内容です。

料金では、製品の販売価格や料金プラン、オプション料金といった情報を整理します。「月額○○円」といった内容です。

情報を整理することで「顧客に伝えたい内容」が明確になるため、自社製品の魅力が伝わる営業資料が作成できます。

活用場面

営業資料を活用する場面をイメージし、顧客が理解しやすい資料を作成しましょう。

オンライン商談商談中、80%の時間を画面投影が占めるため、全ページを
「見ただけで内容が理解できるもの」や「相手とスライドを通してディスカッションができるもの」にしておく。
プレゼン(オフライン)口頭での説明がほとんどで、オーディエンスは基本的にプレゼンターに注目するため、
インパクトが大きいスライドを用いながら、スピーカーの補助になるようにする。
ピッチイベントピッチは時間が短いため、ゴールを明確にし、
限られた時間で共感が得られるストーリーを設計する。

オンライン商談では、一目見ただけで理解できる資料を作成しましょう。グラフや画像を活用して情報を可視化することで、読まなくても伝わりやすい資料となります。

オフラインのプレゼンでは、1スライド1メッセージを意識してわかりやすさを優先した資料を作成しましょう。伝えたい情報を絞ることで、一読するだけで商材のメリットがわかる資料となります。

ピッチイベントでプレゼンする時間は、1分~20分程度です。時間内で目的を達成するには「資金調達」「事業拡大」といったゴールを明確にした資料を作成しましょう。共感が得られるストーリー作りも大切です。

「どのような場面で使用するのか」を整理し、自社商材の魅力が顧客に伝わる営業資料を作成しましょう。

営業資料の大枠の鉄板構成

営業資料を作成する際は「資料のストーリー」となる構成から作成します。顧客が資料を読むなかで、疑問や不安を感じる部分を考えます。その疑問・不安が解消でき「資料で達成したいゴール」につながるように作成します。

営業資料の構成を作成する際は、次の項目を取り入れましょう。「自社商材が解決できる内容」「顧客のニーズ」に応じて作成することで、実際に使用できる営業資料が完成します。

課題

質のよい商品やサービスであっても、顧客の課題を解決できなければ、購入や契約に至りません。そのためよくある課題を提示し、顧客が抱えている課題・問題の認識を促しましょう。

企業が抱えがちな課題には、次のようなものがあります。

市場の課題• 大手企業が参入してきた • 新たなシステムへの対応が必要
社会の課題• 労働人口が減っている • インフラ設備が老朽化している
部署の課題• コミュニケーション不足 • 教育体制が不十分
担当の課題• スキルが不足している • 主体性がない

このような課題から、顧客が抱えていそうな課題をピックアップして提示しましょう。

原因

課題が生じている原因を提示します。次のような情報を取り入れることで、顧客に納得感を持ってもらうことができます。

市場動向○○が売れていないから
社会の動き出生率が減少傾向だから
アンケート結果自社で実施した○○アンケートの結果が○○だったから
法律改正インボイス制度が開始されるから

このような原因から、課題に応じたものをピックアップして提示しましょう。課題が生じている原因を明確にすることで、解決策への導入意欲を高められます。

解決策

顧客の課題に対する解決策として、自社の商材を紹介します。次の内容を具体的に解説しましょう。

  • サービス概要
  • 提案概要
  • 詳細説明

顧客がどのように課題解決に役立てることができるかを、わかりやすく説明します。営業資料と実物とのギャップを感じないように、イメージしやすい文章・写真を活用しましょう。

根拠

課題を解決できる根拠として、次の内容を紹介しましょう。

実績利用社数の明示
事例顧客の状況に近い成功事例を紹介
競合比較商品の機能性・対応範囲の比較
メンバーメンバーの経歴・成果の紹介
会社概要創業年数の明示

根拠を具体的に示すことで、自社の信頼性と専門性をアピールできます。

効果

自社の商品・サービスを使用して課題を解決することによる「導入効果」や「コストシミュレーション」を紹介します。

それぞれ次のポイントを押さえて解説しましょう。

導入効果・課題の解決結果を数字
・データで表す
・グラフでわかりやすく説明する
・実際の効果を複数記載する
・課題を解決した具体的な方法を紹介する
コストシミュレーション・導入にかかった費用を明示する
・導入した結果、いくら売上が上がったかを解説する

具体的な数字を用いて説明することで、購入・契約後の効果をイメージしてもらいやすくなります。

要求

資料の最後は、購入・契約の行動を促す次のような内容にしましょう。

  • お問い合わせ
  • お打ち合わせ予約
  • 二次提案の約束
  • 契約

媒体に応じて、メールアドレスや電話番号、FAX番号といった連絡手段を明記します。Web上で開く営業資料を作る場合、LPと同じようなデザインにすることでCTRが向上します。

資料作成時のポイント

営業資料を作成する際は、次のポイントを押さえましょう。

1スライド1メッセージ

営業資料は伝わりやすさが重要です。そのため「1スライドに1メッセージ」を心掛けましょう。

以下はグラフを用いてメッセージをひとつに絞った良い例になっています。情報の量というよりは、メッセージ(主張)が複数になって、複雑化していないかどうかを確認しましょう。

文字数は多すぎないようにする

営業資料の文字数が多くなりすぎないように注意しましょう。営業資料は、基本的に口頭で説明します。文章が多すぎる場合「営業担当者が説明しづらくなる」「リズムが乱れる」といったデメリットがあります。

また、顧客の視点に立った場合にもデメリットがあります。「読み込むのに時間がかかる」「資料を読む心理的なハードルが上がる」といった理由から、必要な情報が顧客に伝わりにくくなる可能性があります。

色は3色以内におさえる

営業資料で使う色は「メインカラー」「文字カラー」「アクセントカラー」の3色におさえましょう。色を多用すると、重要なポイントがわかりづらくなります。

デザインも顧客の信頼を獲得する手段の1つです。デザインをシンプルにすることで、洗練されたわかりやすい営業資料となります。自社のブランドカラーを意識し、3色以内に絞って作成しましょう。

営業資料の活用方法

営業資料を作成したら、次のようなシーンで活用しましょう。

新規営業電話後の資料送付(事例資料)

テレアポによる新規営業後、営業資料を送付するケースがあります。この場合、作成した営業資料から、実績ページを中心に抜粋して送付しましょう。

新規営業では「短い時間で興味を持ってもらうこと」が大切です。これまでの成功事例やクライアントからの評価、達成した成果といった実績を示すことで、信頼性をアピールできます。

顧客に応じて適切な情報を選び、数ページにまとめた営業資料を送付しましょう。

商談後の資料送付(社内検討用資料)

商談後に営業資料を送付する場合、商談で使用した資料をそのまま送付するのではなく、商談の場で顧客から出た質問を記載しましょう。

送付した資料は、商談相手の上司をはじめとした企業内に共有されます。また相手が商談内容をすべて覚えていない可能性があります。

資料に追記することで、顧客が興味を持ったポイントや不明瞭だった内容を再確認することができます。顧客からの質問とその答えを記載し、疑問が解消できる資料を送付しましょう。

まとめ

営業資料は「達成したいゴール」「自社製品情報」「活用場面」を整理したうえで作成することが重要です。作成時のポイントを意識することで、自社の商材の魅力が伝わる営業資料が作成できます。

鉄板の構成を踏まえて営業資料を作成し、自社商材のセールスに役立てましょう。

b-pos編集部

代行・外注サービスの比較サイトb-pos(ビーポス)の編集部。b-posは、BPOサービスの比較検討時に知っておきたい情報やサービスの選び方について解説するメディアです。サービスの掲載企業の方はこちらから(https://b-pos.jp/)