【新規/既存】種類別16個の営業手法一覧|選定方法と注意点まで解説

「営業方法」と一言で言っても、それには様々な手法やアプローチ方法が存在します。 新規顧客をターゲットにするのか、既存の顧客を深堀するのか、 それぞれに適した営業手法があります。
本記事では、「営業方法」を軸に、全16の方法を徹底解説します。
新規営業から既存営業まで、様々な方法を分かりやすく一覧化し、どの営業手法を選択すべきかの選定方法や、 新たな手法を採用する際の注意点も網羅しています。 この記事を読んで、新たな営業手法の発見や導入にお役立ていただければ幸いです。
営業とは何を指すのか?(営業の種類)
営業とは、簡単に言えば企業の商品やサービスを顧客に提供し、売上を上げる活動のことを指します。しかし、この営業もさまざまな種類やアプローチが存在しており、一概に「営業」と言っても、その中身は多岐にわたります。

新規営業 種類 | 詳細説明 |
---|---|
アウトバウンド営業 | 企業側から積極的に顧客にアプローチする手法。 特徴は、ターゲットを明確に絞り込み、ダイレクトに提案やアプローチを行う。 |
インバウンド営業 | 顧客自らが商品やサービスに興味を持ち、問い合わせをしてくる形の営業手法。 顧客の関心を引きつけ、自らのもとに来るよう仕向けるのがポイント。 |
既存営業 種類 | 詳細説明 |
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掘り起こし営業 | 過去に取引のあった顧客や、一度商品やサービスを利用したが現在は取引が途絶えている顧客が対象。 購買データ等を基に、新しい提案やサービスの改善を行い、再度の取引を促進するのが狙い。 |
リピート営業 | 既に取引のある顧客を対象に、再購入やアップセル、クロスセルを促す営業手法。 定期的なフォローアップで、顧客との関係を継続的に深化させることが目的。 |
新規営業
新規営業とは、まだ取引のない顧客をターゲットとした営業活動のことです。ここで重要なのは、顧客の顕在的・潜在的なニーズをしっかりと掴み、自社の商品やサービスがその解決策であると伝えることです。
新規営業には大きく分けて、アウトバウンド営業とインバウンド営業の2つの方法が存在します。
アウトバウンド営業
アウトバウンド営業は、営業をかける企業側から、未接点の企業にアプローチする完全な新規開拓の営業手法です。
例えば、テレマーケティングや直接訪問、DMの送付などがこれに該当します。この方法の特徴は、ターゲットを明確に絞り込み、ダイレクトに提案やアプローチを行う点にあります。
インバウンド営業
一方、インバウンド営業は、顧客自らが商品やサービスに興味を持ち、問い合わせフォームや電話などで問い合わせをしてくる形の営業手法です。
SEOやコンテンツマーケティング、セミナーなどを通じて、顧客の関心を引きつけ、自らのもとに来るよう仕向けるのがポイントです。
既存営業
既存の顧客を対象とした営業を「既存営業」と呼びます。一度取引のある顧客をさらに深掘りし、新しいニーズを発掘したり、再購入を促す活動を行います。主に、掘り起こし営業とリピート営業の2つに分類されます。
ルート営業など決まったクライアントに営業をかける手法も既存営業に当てはまります。
掘り起こし営業
掘り起こし営業は、過去に取引のあった顧客や失注した顧客、一度商品やサービスを利用したが現在は取引が途絶えている顧客を対象とします。
過去の購買データや顧客のフィードバックを基に、新しい提案やサービスの改善を行い、再度の取引を促進するのが狙いです。
リピート営業
リピート営業は、既に取引のある顧客を対象に、再購入やアップセル、クロスセルを促す営業手法です。
定期的なフォローアップや、新商品の案内、特別なキャンペーン情報などをメールや電話等で提供し、顧客との関係を継続的に深化させることが目的となります。
営業の種類ごとの営業手法一覧
前パートでは、営業の種類をご紹介しましたが、ここでは、営業の種類ごとの営業手法を紹介しようと思います。下記一覧にしてまとめておりますので、自社が今どの営業手法を実施していて、他にどのような種類があるか確認してみてください。

アウトバウンド営業
アウトバウンド営業は、主体的に顧客へアプローチをする方法を指します。このスタイルは、情報の提供から関係構築まで幅広くカバーします。
アウトバウンド営業の主な方法は8つあります。
- テレアポ
- メール
- フォーム
- 手紙
- DM
- 飛び込み(訪問)
- 交流会
- ビジネスマッチング
テレアポ
テレアポは、電話を使用してリストにある潜在顧客や既存の顧客とのアポイントメントを取得する活動を指します。電話番号の取得はHPに記載している番号や、リスト販売をしている会社から購入することも可能です。
【特徴】
直接的なコミュニケーションの場を設けることで、決裁者の方と直接繋がることができたり、顧客のニーズや疑問を直接収集することができ、その電話の中で受注まで至ってしまうケースもあります。
【注意点】
実施する上での懸念点としては、ターゲット選定からのリストやトークスクリプトの作成が必要であることと、断られることも多いテレアポでは、お客様と会話することと、多少のメンタリティが必要です。
メール
代表メールなどに直接営業メールをかける手法です。メールアドレスはHPなどで公開しているものや、リスト販売をしている会社から購入してアプローチすることもできます。
【特徴】
取得したメールアドレスをもとに、営業リスト作成ツールを活用しリストを作り、自動配信で一斉にメールを送ることができるので、一度リストを作ってしまえば手間をかけずに営業をかけることができます。
【注意点】
一斉にメールを送れることは工数削減といった面ではメリットではありますが、マスに対するアプローチになるので、1to1のコミュニケーションをいかに創造し、メール文面に組み込めるかが重要です。
フォーム
ウェブサイトなどに設置された問い合わせフォームを通じて、メッセージを送信する手法です。
【特徴】
「テレアポで受付ブロックをされてしまってアプローチができない企業」や「WEB関連の商材だから実際の画面を見てほしい」など、顧客を介さず伝えたい内容を送ることができます。
【注意点】
ただ、メッセージを送れば完了ではなく、商談設定などネクストアクションに繋げないと意味がないので、伝えたい内容を端的にかつクライアントが次の行動を移しやすいよう、メッセージ内の動線を考えて作成することが重要です。
また、ターゲットリストの作成や、1件1件手動で送信する必要があるので、手間をかける必要があります。
手紙
物理的な手紙を通じた営業。
【特徴】
直接決裁者の方にアプローチができるかつ自筆で手紙を書くことで想いが伝わりやすく、アカウントを開けたいと思っている企業や、決裁者の方にお会いすることが難しい企業へのアプローチとしては良いでしょう。
【注意点】
ただ、1通ずつ手書きで書くことが必要になるので、アプローチする企業は選定することをおすすめします。
DM
SNSアカウントのダイレクトメールを使用した営業手法です。アプローチしたい企業や人物がSNSを使用している場合、直接コンタクトを取れる有効な手法となります。
【特徴】
特にスタートアップ企業やベンチャー企業の社長は、Twitterを利用して会社の広報をしている企業も多いので、ピンポイントでターゲットが決まっている場合は有効でしょう。
【注意点】
アプローチをかける際は、その会社のファンであることをお伝えし、会社や事業、サービス内容を理解した上で、どう役に立てるのかをアピールすることも必要です。
飛び込み(訪問)
直接訪問による営業手法です。物理的に顧客と接触し、商談の機会を作り出したり、名刺や資料を渡すことも可能です。特に遠方の企業であれば、よく来てくれたねとなり親身に接してくれるケースもあります。
【特徴】
一度の営業で多くの企業を回ることができるので、まずは認知をしてもらいたいと考えている営業にはおすすめかもしれません。
【注意点】
アポ無しで飛び込むので担当者が不在にしているケースも多いかつ、名刺を渡すことがゴールとなり、成果につながりにくくなるケースもありますので、飛び込みからの受注数など、受注をゴールとした目標設計が必要となるでしょう。
交流会
交流会やセミナーなどのイベントを利用しての営業です。
【特徴】
普段の営業活動では、関わることの無かった業種の企業や、役職者と接点を持つことができるので、今後新たなアプローチ先を見つけたいと思っている企業にはチャンスとなります。
【注意点】
交流会といっても自ら話しかけにいくなど積極性が必要になりますので、コミュニケーション能力や気配りのできる方が参加すると効果が出やすいでしょう。
ビジネスマッチング
特定のテーマや業界に特化したマッチングイベントに参加し、新たな取引先やパートナーを探します。有名なサービスでいくと、株式会社アトラエの「yenta」というビジネス版マッチングアプリがあります。
【特徴】
SNSなどを通じたDMでは、なかなか打ち合わせなどの機会につながることは多くはありませんが、マッチングアプリという特性上、ビジネスマッチングアプリは比較的すぐに話す機会まではたどり着くことができます。
【注意点】
コンセプトが「営業」ではないため、すぐに商談につなげようとすると信頼を失います。商談化まではある程度時間がかかることを理解しておきましょう。
インバウンド営業
インバウンド営業は、顧客からのアクションを受けて行う営業手法です。マーケティング施策に依る部分も多いので、マーケティング部署と営業部署が連携をしながら施策を実施することが大切です。
インバウンド営業の主な方法は4つあります。
- 問い合わせ / 資料請求対応
- ホワイトペーパー
- セミナー / ウェビナー
- 展示会出展
問い合わせ / 資料請求対応
ウェブサイトなどからの問い合わせや資料請求した見込み顧客に対して、メールや電話で営業をかける方法です。
【特徴】
自社サービス・商品への興味度合いは顧客によって、潜在層〜顕在層まで幅広くなります。アウトバウンドよりも確度が高いのが特徴です。
【注意点】
何かしらの興味があり、アクションを起こしている可能性が高いので、電話やメールなどで、熱が冷めないうちにアプローチをすることをおすすめします。
ホワイトペーパー
オウンドメディアや、Facebookなどにホワイトペーパーを設置し、専門的な情報や調査データ、事例集などの資料を提供する代わりに、顧客データを取得する方法です。
【特徴】
基本的に潜在層〜準潜在の方がダウンロードするケースが多いですが、少なからず興味を持ってダウンロードしている可能性が高いので、リードナーチャリング等を行いながら、商談設定まで引き上げていきましょう。
【注意点】
また、リードナーチャリングの施策として、ホワイトペーパーを活用することも有効です。
セミナー / ウェビナー
顧客が悩んでいるであろう課題や知りたいと思っている情報をもとに、セミナーやウェビナーを開催し、専門的な情報を提供します。
【特徴】
参加者のデータを取得することができるかつ、顧客とのコミュニケーションの場になるので、大人数に向けた自社サービスや商品の紹介が可能です。
【注意点】
多くの顧客を獲得できる可能性がありますが、セミナー準備であったり、集客に多くの工数が必要となります。せっかく集客した見込み顧客を逃さない工夫が必要となります。
展示会出展
業界固有の展示会やフェアに出展し、製品やサービスの宣伝、デモンストレーションを行います。
【特徴】
最近ではオンライン上の展示会も増加しており、これまでアプローチできなかった企業や、思わぬ企業がブースに参加してくれることもあります。ブースに参加してくれた方とは名刺交換が可能なので、その場もしくは終了後商談化することも可能です。
【注意点】
セミナー/ウェビナー同様、多くの顧客を獲得できる可能性があるのに対して、非常に手間や費用のコストがかかるので注意しましょう。
掘り起こし営業
過去の取引やデータを基に再度アプローチを試みる営業手法です。
掘り起こし営業の主な方法は5つあります。
- メール
- テレアポ
メール(メルマガ)
過去の取引や履歴を元にしたメールでお役立ち資料や最新の事例等を送付したりするフォローアップ。新しいサービスや商品の紹介、特別なオファーなどを伝えることもあります。また、メルマガとして、配信ツールやMAツールを活用して行っている企業もあります。
テレアポ
過去の商談や取引を元に、近況のヒアリングを行い、再度のアポイントメントを電話で取り付ける活動を指します。
リピート営業
既存の顧客を対象に、現在進行形で稼働している案件に並行して、継続的な商談や新しい取引の機会を探る営業手法です。
- キックオフMTG
- 振り返りMTG
キックオフMTG
新しいプロジェクトや取引を開始する際のスタートミーティング。期待値の共有や方針の確認を行いつつ、オプション等を最初に提案してしまいアップセルやクロスセルを狙います。
振り返りMTG
プロジェクトの途中や終了時や一定期間経過後に行う振り返りのミーティング。改善相談や他にできることはないかを提案し、リピート / 継続 / クロスセル・アップセルを狙います。
営業手法の選定方法
適切な営業手法を選定することは、結果を最大化し、リソースを最適に活用するための鍵となります。以下の3つのステップで、選定方法を具体的に解説します。
1
課題整理から営業手法を決める
営業手法を選定する前の最も基本的なステップは、自社が抱える課題や目的を明確にすることです。はじめに、どのような顧客層にアプローチしたいのか、どんな課題や疑問を解決したいのかをリストアップします。

例えば、「自社は大手企業の顧客が少ないので、大手企業を開拓しないといけない」という課題がある場合、既存の顧客へのアプローチではないので、「新規営業」を選択する必要があります。
ただ、自社のマーケティング部署と連携をして進めていくのは難しく、都合良く大手企業からの問い合わせを獲得できるとは限らないので、「アウトバウンド営業」にて主体的に大手企業へアプローチする必要があると、自社に合った手法を導き出せる訳です。
2
自社のリソースを考える
次に、自社が持つリソースを見極めることが求められます。リソースとは、人員、予算、時間、技術など、営業活動を行う上での資産のことを指します。
例えば、テレアポを大量にかけることができないという状況であれば、「テレアポ代行会社」を活用する、フォーム営業をしたいが人手が足りないという状況であれば、「自動化ツール」を活用するなど、リソースを鑑みて施策を考えるとアクションが決まります。
3
効率の良いものを残す
ただ、上記のような課題整理やリソースの判断が難しい場合は、まずはできることから実行していくことをおすすめします。そしていくつかの施策を継続的に実行する中で、顧客獲得効率が最も良いものを残していきましょう。
まずは目的が達成できそうで、かつすぐに始められそうな施策から実行するのが良いでしょう。
新たな営業手法を採用するときの注意点
新しい営業手法を採用する際には、上記でも説明をした通り、自社課題やリソースなどをもとに、選定を行いますが、ここでは、新たな営業手法を導入する際の3つの注意点について説明いたします。
他部署と綿密に連携する
新しい営業手法を導入する際、営業部門だけでなく、マーケティング部署やCS(カスタマーサポート)部署との連携が非常に重要です。
例えば、インバウンド営業でホワイトペーパーをダウンロードした顧客に営業をかけるという施策であれば、以下のような手順で施策がスタートします。
- マーケティング部署にホワイトペーパーの作成を依頼し、広告配信やオウンドメディアへの設置等の対応をしてもらう
- リード発生時にすぐに営業がアプローチできるよう、営業メンバーへの通知システムの設計や設定を行ってもらう
- リードが発生したら、営業メンバーがアプローチを実施
この事例は、マーケティング部署との連携が必要となりますが、営業手法によっては、それ以外の部署との連携も必要になります。
CRM/MAなどのツールを活用する
新しい営業手法を採用する際には、CRM(Customer Relationship Management)やMA(Marketing Automation)といったツールの活用が効果的です。これらのツールは、営業プロセスの効率化、リードの追跡、顧客データの管理と分析などをサポートしてくれます。
掘り起こし営業などは、見込み顧客(リード)の情報補完が非常に重要になります。
例えば、資料ダウンロードされたが商談が組めていなかった見込み顧客(リード)に対し、
- いつ
- だれが
- どんな理由で
- なにに興味をもったのか
が分かっていないと、アプローチをかけても効果が出ません。
なので、ツールを活用し情報を活用できる状態にしておきましょう。
1〜3ヶ月はやってみる
新しい営業手法を導入した場合、すぐに結果が出るとは限りません。新たなアプローチが定着するまでには時間がかかることもあるため、最低でも1〜3ヶ月は様子を見ましょう。
この期間中に、定期的に効果を分析し、出てくる課題に応じて手法を微調整しつつ、その上で他の営業手法も試しながら、自社にとって効率の良い営業手法を残していきましょう。
まとめ
営業の種類は、新規顧客を獲得する「新規営業」と、既存の顧客との関係を深化させる「既存営業」に大別されます。新規営業はアウトバウンドやインバウンドの方法で進められ、既存営業は掘り起こしやリピートを中心に行われます。
本記事では、全16種類の営業方法をご紹介させていただきましたが、どの方法を導入するにあたっても大切となるのが、「課題整理」「リソースの考慮」「効率の良さ」を考えた上で実行できるかどうかです。
まずは選定方法を確認しながら、自社に合う営業方法を見つけてみてください。

b-pos編集部
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