ウェビナー開催におけるKPIとは?KPIの具体例と平均値、改善方法まで徹底解説

ウェビナーの成果を最大化するには、どの段階に注力すべきか、そして優先して追いかけるべき指標をはっきりさせることが欠かせません。しかし実際には「集客数ばかりを気にしてしまう」「配信後のフォローアップがきちんとできているか分からない」といった悩みを抱えるウェビナー担当者の方も多いのではないでしょうか。
こうした課題を解決するうえで役立つのが、KPI(Key Performance Indicator)とKGI(Key Goal Indicator)の考え方です。
本記事では、ウェビナー開催におけるKPIの設定方法から各KPIの平均的な数値、具体的な改善施策について解説します。自社にとって最も注力すべき部分を正しく見極め、効果的な改善につなげるためのガイドとして、ぜひ最後までお読みください。
目次
なぜウェビナーにKPIが必要なのか?
ウェビナーはBtoB企業の重要なマーケティング施策として拡大していますが、回数を増やすだけでは成果は頭打ちになりがちです。KPIを設定することで各フェーズの課題を可視化し、リソースの最適配分を実現することができ、効率的に成果を伸ばすことができます。
たとえば「集客数」「参加率」「アンケート回答率」「コンバージョン率」などのKPIを追うことで、どの段階にボトルネックがあるかを把握することができ、適切な改善策を実行することができます。
- コンバージョン率が低い場合:プレゼンテーションやオファー内容を改善する
- 参加率が低い場合:告知方法や日程の設定を改善する
このようにKPIを設定してデータを分析することで、ウェビナーの成果を左右する要因をピンポイントで特定し、的確な打ち手を打つことが可能になります。結果として、ボトルネックを把握して改善を重ねることで、ウェビナー自体の価値や効果を継続的に高めることができるのです。
ウェビナーKPIの具体例
ここでは、特に利用されるケースが多い「Meta広告を使った集客」と「既存リスト(ハウスリスト)へのメール案内」の2つの経路を想定したKPIの具体例についてご紹介します。

ウェビナー集客のKPI例

ウェビナー集客を行う際のKPI例について、Meta広告などをはじめとした「広告運用時」と、ハウスリストへのメール案内などをはじめとした「メール配信時」に分けてご紹介します。
広告運用時
Meta広告などの広告を使って集客を行う際に設定するべきKPIは以下の3つです。
インプレッション数 | 見込み客の画面に広告が何回表示されたか |
クリック数 | 広告が気になってタップ(クリック)した人の数 |
クリック率 | インプレッションに対して広告がクリックされた割合 |
インプレッション数は広告の表示回数となるため、100人がスマホやパソコンでページを開き、そのうち80人が広告を見たら、インプレッション数は80となります。
クリック数は広告のクリック数となるため、広告が表示された80人のうち10人が広告をクリックすれば、クリック数は10となります。
クリック率はクリックされた割合となるため、インプレッション:80 / クリック数:10の場合のクリック率は12.5%となります。
- クリック率の計算式:10(クリック数) ÷ 80(インプレッション数) × 100 = 12.5%
メール配信時
既存リスト(ハウスリスト)へのメール案内で集客を行う際に設定するべきKPIは以下の3つです。
配信数 | ハウスリストへの総配信メール数 |
クリック数 | 配信数に対し、メール内のリンクがクリックされた数 |
クリック率 | 配信数に対してリンクがクリックされた割合 |
配信数はメールの総配信数となるため、1,000のハウスリスト全員にメールを送信した場合の配信数は1,000となります。
クリック数はメール内リンクのクリック数となるため、メールが送信された1,000のうち100人がリンクをクリックすれば、クリック数は100となります。
クリック率はリンクがクリックされた割合となるため、配信数:1,000 / クリック数:100の場合のクリック率は10%となります。
- クリック率の計算式:100(クリック数) ÷ 1,000(配信数) × 100 = 10%
集客サイト内
Meta広告の運用やハウスリストへのメール案内で申込みサイトへ誘導した後に設定するべきKPIは以下の3つです。
PV数(ページビュー数) | 集客サイトが何回見られたかの数 |
申込数(コンバージョン数) | 実際に申し込みした人の数 |
申込率(コンバージョン率) | PV数に対して申し込みが発生した割合 |
PV数は集客サイトが見られた回数(= サイト流入数)となるため、Meta広告やメール配信のクリック数と近しい数字になります。一定期間に500人の流入があった場合のPV数は500となります。
申込数は集客サイトに流入してきた後、実際に申し込みをした人数になるので25人の申し込みがあった場合の申込者数は25となります。
申込率はPV数に対する申込者数の割合となるため、PV数:500 / 申込者数:25の場合の申込率は5%となります。
- 申込率の計算式:25(申込者数) ÷ 500(PV数) × 100 = 5%
ウェビナー当日のKPI例

ウェビナー開催当日に設定するべきKPIは以下の2つです。
参加数 | 実際にウェビナーに参加した人数 |
参加率 | 申込者のうち、実際に参加してくれた人数の割合 |
参加数はウェビナー当日に実際に参加してくれた人数となるため、申し込みをしたが当日参加しなかった人は含まれません。申込者数が25人の場合でも、当日の参加者が20人の場合は、参加者数は20となります。
参加率は、申込者数に対しての参加してくれた人数の割合となるため、申込者数:25 / 参加者数:20の場合の参加率は80%となります。
- 参加率の計算式:20(参加者数) ÷ 25(申込者数) × 100 = 80%
ウェビナー終了後のKPI例

ウェビナー開催の目的は「商談化」や「受注・成約」がメインとなるため、ウェビナー終了後に設定するべきKPIは以下の4つとなります。
商談数 | ウェビナーに参加して興味を持ち、商談に繋がった数 |
商談率 | 参加者数に対して、商談に繋がった人数の割合 |
受注数 | ウェビナー経由での商談から受注に繋がった数 |
成約率 | ウェビナー経由での商談に対して、受注に繋がった割合 |
商談数はウェビナーに参加した人のうち、商談に繋がった数となるため、ウェビナー参加者の10人が商談化した場合の商談数は10となります。
商談率は参加者に対して商談に繋がった割合となるため、参加者数:20 / 商談数:10の場合の商談化率は50%となります。
- 計算式:10(商談数) ÷ 20(参加者数) × 100 = 50%
受注数はウェビナーから商談化した人のうち、受注に繋がった数となるため、ウェビナーから2件受注した場合の受注数は2となります。
受注率は商談に対しての受注の割合となるため、商談数:10 / 受注数:2の場合の受注数は20%となります。
- 受注率の計算式:2(商談数) ÷ 10(参加者数) × 100 = 20%
効果的なウェビナーKPIの3つの設定方法
ウェビナーをより成功へ導くためには、まずKGI(最終目標)を決めてから、それを実現するための具体的なKPIを逆算して設定することが肝心です。ゴールが曖昧なままだと、いくらKPIを追っても正しい評価や改善が行えません。ここでは効果的なKPIの設定手順を解説します。
- 成果目標(KGI)を設定
- KGIから逆算したKPIの設定
- 過去データをもとにKPIを調整

宮津 駿 | 株式会社ENVY 代表取締役
関西大学理工学部在学中にWeb制作やECサイト運営を手掛ける。卒業後も事業を拡大し、ウェビナー施策に本格的に着手。初期には成果が出ず苦労するも、他社ウェビナーの徹底分析や海外でのプレゼンテーション研修を経て独自のメソッドを確立。現在は株式会社ENVYの代表取締役としてBtoB向けウェビナー代行サービス「セミナーBPO」を展開中。200社を超える企業支援と3,500回以上の開催代行を通じ、成約率20-30%を実現し、クライアントの成長と収益拡大に貢献している。